JPH0451884B2 - - Google Patents

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JPH0451884B2
JPH0451884B2 JP62032263A JP3226387A JPH0451884B2 JP H0451884 B2 JPH0451884 B2 JP H0451884B2 JP 62032263 A JP62032263 A JP 62032263A JP 3226387 A JP3226387 A JP 3226387A JP H0451884 B2 JPH0451884 B2 JP H0451884B2
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JP
Japan
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film
magnetic
alloy
recording medium
substrate
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JP62032263A
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JPS63200316A (ja
Inventor
Toshiaki Wada
Seiichi Hirao
Masateru Nose
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Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP3226387A priority Critical patent/JPS63200316A/ja
Publication of JPS63200316A publication Critical patent/JPS63200316A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
利用産業分野 この発明は、非磁性基板上に成膜する下地膜を
介して磁性薄膜を設けてなる磁気デイスク等に用
いられる磁気記録媒体の改良に係り、特に下地膜
をbcc構造を有しない結晶構造からなる非磁性も
しくは弱磁性のFe−Cr合金膜、または該Fe−Cr
系合金膜とCr膜との複合膜にて形成し、経済性
にすぐれ、厚い下地膜であつてもクラツクや剥離
が少ない磁気記録媒体に関する。 背景技術 磁気デイスク装置は、コンピユータ等の情報処
理システムにおける記憶装置として多用されてい
る。今日では、情報処理能力を高めるため、磁気
デイスク装置の高密度、大容量化が望まれてお
り、磁気デイスクの磁気記録層として、スパツタ
リング、イオンプレーテイングなどによる金属薄
膜が実用化されつつある。 かかる磁気記録媒体として、非磁性基板上に、
Cr膜を形成した後、該Cr膜上にCo膜を、スパツ
タ法や蒸着法にて形成した構成が知られている。 この磁気記録媒体は、面内方向で高い保磁力を
有し、面内記録型の磁気デイスクに用いられてい
る。 さらに、前記のCo膜に変えて、磁性膜にCo−
Ni膜、Co−Ni−Cr膜を用いた磁気記録媒体が知
られている。 一方、下地膜には、前記のいずれの組成の磁性
膜にもかかわらず、Co系磁性膜の面内配向を促
進し、保磁力を増大させるためにCr膜が用いら
れている。 しかし、かかるCr下地膜は、その保磁力を増
大させるためには、磁性膜厚みの500Å〜800Åに
比べて、遥かに厚い2000Å〜6000Åの膜厚に被着
形成する必要がある。 従つて、高価なCrを多量に消費するため、そ
の製造コストが増大し、また、Crが本質的に脆
化し易く、膜厚が比較的厚い場合は、基板との熱
膨脹係数差や成膜時の内部応力等により、微細な
クラツクを招来し易いことから、磁気記録媒体の
下地膜としての靭性、強度に欠けるという問題点
があつた。 発明の目的 この発明は、非磁性基板上に下地膜を介して磁
性膜を設けた磁気デイスクなどに用いられ、磁性
膜の面内に磁化容易軸を有する磁気記録媒体にお
いて、従来のCr下地膜の問題点を解消し、Cr下
地膜と同様の磁性膜の保磁力増大効果を有し、
Cr下地膜に比べて経済性にすぐれ、かつクラツ
ク発生や剥離の問題がない新規な下地膜を有する
磁気記録媒体を目的としている。 発明の構成と効果 この発明は、従来のCr下地膜の問題を解消で
きる新規な下地膜を有する磁気記録媒体を目的に
種々検討した結果、非磁性基板の少なくとも下地
膜の被成膜表面がガラスからなるとともに、従来
の純Cr下地膜に代えてbcc構造を有しない所謂平
衡相とは異なる結晶構造を有すると考えられる非
磁性もしくは弱磁性のFe−Cr2元合金膜(以下Fe
−Cr2元合金膜を単にFe−Cr合金膜という)、ま
たはFe及びCr以外の元素を含むFe−Cr系合金膜
と、Cr膜との複合膜を用いることにより、従来
のCr下地膜に比べて経済性にすぐれ、かつクラ
ツク発生や剥離の問題が少ない磁気記録媒体が得
られることを知見し、この発明を完成したもので
ある。 すなわち、この発明は、 非磁性基板上に、下地膜及び磁性膜を積層被膜
してなり、磁性膜の面内に磁化容易軸を有する磁
気記録媒体において、非磁性基板の少なくとも下
地膜の被成膜表面がガラスからなり、前記下地膜
がCr37at%〜60at%、残部Fe及び不可避的不純
物からなり、bcc構造を有しない結晶構造からな
る非磁性もしくは弱磁性合金膜または下記組成式
にて表されるbcc構造を有しない結晶構造からな
る非磁性もしくは弱磁性合金膜と、Cr膜との複
合膜であることを特徴とする磁気記録媒体であ
る。 FexCryMz 但し、式中Mは、 Al、Si、Ti、V、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、
Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Y、Hf、Ta、
W、から選ばれる少なくとも1種であり、 x,y,zは、各々の元素のat%を表し、かつ
下記条件を満足する。 x+y+z=100、 35≦y+z≦60、 20≦y z; (イ) MがAl,Siから選ばれる少なくとも1種の
場合、z≦25 (ロ) MがTi,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,W
から選ばれる少なくとも1種の場合、z≦15 (ハ) MがV,Mnから選ばれる少なくとも1種の
場合、z≦20 (ニ) MがZr,Y,Ta,Hfから選ばれる少なくと
も1種の場合、z≦10 (ホ) MがCo,Ni,Cuから選ばれる少なくとも1
種の場合、z≦8 詳述すると、一般に、磁気記録媒体の下地膜
は、磁性膜の面内配向を促進し、磁性膜に大きな
保磁力を付与する目的で設けられるため、かかる
下地膜が強磁性であると、磁気的相互作用によ
り、例えば、下地膜の保磁力が数Oe〜数十Oeと
低い場合は、磁性膜の保磁力も100Oeないし
200Oe程度と小さくなり、磁性膜の特性を劣化さ
せることが知られている。 ところで、公知のFe−Cr合金は、Cr含有が
70at%程度まで、常温で強磁性を示すことが知ら
れており、上記説明からも明らかな如く、従来、
磁気記録媒体の下地膜としては、適用不可能と考
えられていた。 しかし、発明者らは、種々実験の結果、非磁性
基板の少なくとも下地膜の被成膜表面がガラスか
らなるとともにCr37at%〜60at%、残部Fe及び
不可避的不純物からなるFe−Cr合金膜、並びに
20at%以上Crと、Al、Si、Ti、V、Mn、Co、
Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、
Y、Hf、Ta、W、から選ばれる少なくとも1種
との合計で、35at%以上、60at%以下を含有し、
残部FeからなるFe−Cr系合金膜を、平板RFマグ
ネトロンスパツタ法などの後述するRFスパツタ
法にて前記基板上に成膜すると、磁気記録媒体用
下地膜として、Cr膜に比べてすぐれた特性を有
する実質的に非磁性膜となることを知見し、さら
に、前記Fe−Cr合金膜またはFe−Cr系合金膜と
Cr膜との複合膜とすることにより、Cr膜に比べ
てすぐれた特性を有する磁気記録媒体用下地膜が
得られることを知見し、この発明を完成したもの
である。 この発明において、非磁性もしくは弱磁性と
は、実質的非磁性、すなわち、磁性膜の磁気特性
を著しく損なつたりあるいは磁気ヘツドの再生信
号に影響を及ぼしたりすることのない程度の実用
的な非磁性もしくは弱磁性を意味している。 従つて、下地膜が、非磁性相と若干の強磁性相
との混合相から構成されていても、全体として数
emu/g程度の磁化を有する程度であれば実用上
問題ないと考えられる。 組成の限定理由 この発明の磁気記録媒体の特徴であるFe−Cr
下地膜またはFe−Cr系下地膜には、基板の材質
や下地膜の上に被着する磁性層の組成等に応じ
て、Cr含有量及び添加元素種類とその含有量を
適宜選定して用いることができる。 Fe−Cr下地膜の場合、Crが37at%未満の場合
は、形成された膜が強磁性となり、Crが60at%
を越える場合には膜の靭性や強度が低下するので
好ましくない。望ましくは、 Cr39atwt%〜55at%、さらに望ましくは 40at%〜50at%が良い。 Fe−Cr系合金下地膜において、Crが20at%未
満の場合及びCrと添加元素M(Mは Al,Si,Ti,V,Mn,Co,Ni,Zr,Nb,Mo,
Tc,Ru,Rh,Pd,Y,Hf,Ta,Wから選ばれ
る少なくとも1種)とCrとの合計が35at%未満
の場合は、形成された膜が強磁性となり、Crと
添加元素Mとの合計が60at%を越える場合には膜
の靭性や強度が低下するので好ましくない。望ま
しい範囲は37at%〜50at%、さらに望ましくは 39at%〜45at%が良い。また、Crは25原子%以上
が好ましく、さらに好ましくは、30原子%以上で
ある。 下地膜のFe−Cr系合金は添加元素Mの種類に
より、その特性が異なる。 (イ) 添加元素MがAl,Siから選ばれる少なくと
も1種の場合、下地膜が非平衡構造をとりやす
く、より完全な非磁性にする効果があるが、25
原子%を越えて添加すると、かえつて磁化が大
きくなつたり、機械的強度が低下したりするた
め、25原子%以下にする必要があり、望ましく
は15原子%以下がよい。 (ロ) 添加元素MがTi,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,
Pd,Wから選ばれる少なくとも1種の場合、
下地膜をより完全な非磁性にし、かつ耐食性を
向上させる効果を有するが、15at%を越えて添
加すると、形成された下地膜が非晶質構造をと
り易くなり、この膜上に形成される磁性膜の保
磁力を向上させる目的を達成し難くなるため、
15at%以下の添加とする。好ましくは10at%以
下の添加がよい。 (ハ) 添加元素MがV,Mnから選ばれる少なくと
も1種の場合、下地膜が非平衡構造をとりやす
く、より完全な非磁性にする効果があるが、
20at%を越えて添加すると、逆に磁性を帯びる
ため、20at%以下の添加とする。好ましくは
10at%以下の添加がよい。 (ニ) 添加元素MがZr,Y,Ta,Hfから選ばれる
少なくとも1種の場合、下地膜が非平衡構造を
とりやすく、より完全な非磁性にする効果があ
るが、10at%を越えて添加すると、形成された
下地膜が非晶質構造をとりやすくなり、この膜
上に形成される磁性膜の保磁力を向上させる目
的を達成し難くなるため、10at%以下の添加と
する。好ましくは5at%以下の添加がよい。 (ホ) 添加元素MがCo,Ni,Cuから選ばれる少な
くとも1種の場合、下地膜の機械的強度を向上
させる効果を有するが、8原子%を越えて添加
されると、形成された膜が強磁性となるため、
8原子%以下の添加とする。好ましくは5原子
%以下、さらに好ましくは2原子%以下の添加
がよい。 この発明において、上記の(イ)〜(ホ)の各選択群よ
り、所要の特性に応じて選択群を2以上の組み合
わせにて添加することは、さらに好ましい実施態
様である。 また、Fe−Cr合金下地膜、Fe−Cr系合金下地
膜を被膜するための合金ターーゲツト等は、その
製造時の脱酸などの目的での微量添加元素あるい
は不可避的な不純物元素が含有されていても、こ
の発明の複合膜の特性を損ねることがない。 また、酸素を数十ppmから数百ppm含む場合
は、下地膜をより完全な非磁性にする効果がある
と考えられる。 また、Cr膜は、一般的に用いられているCr膜
であればよく、不可避的な不純物が含有されてい
ても、この発明の目的を達成することができる。 発明の好ましい実施態様 この発明における磁気記録媒体の基板には、少
なくとも下地膜の被成膜表面をガラスから形成し
た構成であればいずれの材質でも良く、例えば、
ガラスコーテイングされたアルミニウム基板の
他、アルミナ、炭化けい素、炭化チタン、ジルコ
ニア、窒化けい素、アルミナ一酸化けい素などの
各種セラミツクスにガラスクレージングした基
板、さらに強化ガラスや結晶化ガラスなどを用い
ることができる。 この発明において、Fe−Cr合金膜またはFe−
Cr系合金膜とCr膜との複合下地膜の複合形態は、
基板から外表面に向かつての膜種の組み合わせ、
積層順位等、目的に応じていかなるものであつて
も適用できる。 Fe−Cr合金膜とCr膜の組み合わせで、Fe−Cr
合金膜、Cr膜、磁性膜の順に被膜すれば、Cr膜
と磁性膜のみの従来膜に比較して、同等の磁気特
性を有しかつ膜の機械的性質にすぐれた磁気記録
媒体が、より経済的に得られる。 また、Fe−Cr系合金膜の中で、Mo,Cu,Al,
Si,Ni等を含有する合金膜は、Crと比較してア
ルカリイオンに対する耐食性にすぐれるため、特
に、強化ガラス基板を用いる場合には、Fe−Cr
系合金膜、Cr膜、磁性膜の被膜順序が好ましい。 さらに、Cr膜、Fe−Cr系合金膜、磁性膜の被
膜順序は、Ni−PめつきしたAl基板に最適であ
る。 また、この発明において、Cr膜とFe−Cr合金
膜およびFe−Cr系合金膜との複合膜とすること
もできる。 また、この発明による複合下地膜の厚さは、一
般に厚い程、磁性膜の保磁力が増大する効果があ
り、少なくとも500Å以上で10000Å以下、さらに
望ましくは2000Å〜5000Å程度が良い。 複合下地膜の全厚みにおいて、Fe−Cr合金膜
またはFe−Cr系合金膜とCr膜の各膜層厚みは、
前記の膜種の組み合わせ、積層順序により、適宜
選定すればよいが、実施例1に示す如く、Fe−
Cr合金膜の上にCr膜を成膜する場合、Cr膜は約
100Å以上あれば、この発明の効果を発揮でき、
好ましくは200Å以上であり、さらに好ましくは
500Å以上である。しかし、2000Åを越えるCr膜
を設けた場合は、この発明の複合膜としての効果
が薄れるため、2000Å以下が好ましく、さらに好
ましくは1000Å以下である。 Fe−Cr系合金膜の上にCr膜を成膜する場合も
同様であり、Cr膜を第1層として用いる場合は、
少なくとも200Å以上が望ましい。 次に、磁性膜は、Co、Co−Ni、Co−Ni−Cr、
Co−Cr合金等のhcp構造からなり、面内に磁化容
易軸を有する、所謂面内磁気異方性を有する硬質
磁性膜であれば、いずれの合金も成膜することが
できる。また、下地膜に対する磁性膜のエピタキ
シヤル性を高めるために、各種の添加元素を添加
することは、磁気特性を高めるために有効な手段
である。磁性膜の膜厚も従来から使用されている
薄膜媒体と同様に数百〜2000Å程度に適宜選定す
れば良い。 また、必要に応じて、磁性膜の上に公知の各種
保護膜を適宜選定し、(例えばカーボン膜、SiO2
膜、その他のセラミツクス膜等)百〜数百Å設け
ることは、媒体の長寿命化に有効であり、さら
に、潤滑膜を塗布しても良い。 この発明の下地膜の形成方法としては、特に、
平板RFマグネトロンスパツタ法等のRFスパツタ
法が有効である。 また、下地膜の成膜スパツタ法の条件として
は、スパツタガス圧が1〜100mTorr、基板温度
は室温〜400℃以下が好ましい。 また、磁性膜、保護膜はスパツタ法の他、蒸着
法、イオンプレーテイング法、プラズマCVD法
等の公知の成膜法を適宜選定して製造することが
できる。 実施例 実施例 1 25mm×25mm×厚み1.2mmの強化ガラス基板に、
平板RFマグネトロンスパツタ装置を用い、下記
条件にて、第1表に示す組成からなる2種のFe
−Cr合金ターゲツトと、Crターゲツトを使用し、
基板ガラス表面に、Fe−Cr合金膜、さらにその
上にCr膜を積層した複合下地膜(下地膜No.1〜
2)を被着した。 上記基板に被膜させたFe−Cr合金下地膜の組
成と磁化値を第1表に示す。 到達真空度;1〜2×10-6Torr スパツタ時雰囲気;99.99%Ar 6mTorr 投入電力;300W 極間隔;70mm 基板温度;100℃ なお、分析は合金膜にはX線マイクロアナライ
ザー、ターゲツトにはプラズマ発光分光分析装置
及びガス分析装置を用いた。 表中、合金膜については、Fe、Cr及び添加元
素以外の元素は検出限界以下であつた。また、タ
ーゲツトのその他の元素とは、Ni、Mg、Al、P
等であり、いずれも0.04at%以下であつた。ま
た、磁気特性の測定には、振動試料型磁力計を用
いた。 第1表の結果から明らかなように、この発明に
よるFe−Cr系合金下地膜は、ほとんどが
1.0emu/g以下の磁化値を示し、下地膜として
不可欠な実質的な非磁性膜であることが分る。な
お、1.0emu/g以下と表示したのは測定限界の
ためである。 実施例 2 25mm×25mm×厚み1.0mmの強化ガラス基板に、
平板マグネトロンRFスパツタ装置を用い、実施
例1と同条件にて、第1表に示す組成からなる2
種のFe−Cr合金ターゲツトと、Fe−Cr合金ター
ゲツトに添加元素のチツプ(10mm×10mm×1mm
t)を配置した複合ターゲツト、並びにCrター
ゲツトを使用し、基板ガラス表面にFe−Cr系合
金膜、さらにその上にCr膜を積層した複合下地
膜(下地膜No.3〜16)を被着した。 基板に被膜させたFe−Cr系合金下地膜の組成
と磁化値を第1表に示す。 表中、合金膜については、Fe、Cr及び添加元
素以外の元素は検出限界以下であつた。また、タ
ーゲツトのその他の元素とは、Ni、Mg、Al、P
等であり、いずれも0.06at%以下であつた。ま
た、磁気特性の測定には、振動試料型磁力計を用
いた。 第1表の結果から明らかなように、この発明に
よるFe−Cr系合金下地膜は、全てが数emu/g
以下の磁化値を示し、下地膜として不可欠な実質
的な非磁性膜であることが分る。なお、
1.0emu/g以下と表示したのは測定限界のため
である。
【表】 実施例 3 第1表中の下地膜No.1,2のFe−40Cr、Fe−
50Cr2元合金下地膜の薄膜X線回折結果を第1図
aに示す。 また、比較のため、Fe−40Cr合金ターゲツト
粉末のX線回折結果を合わせて第1図bに示す。 X線回折結果に明らかなように、比較のための
Fe−40Cr合金ターゲツト粉末は、bcc構造である
ことを示すが、この発明による下地膜のFe−Cr
合金の場合は、いずれもターゲツトとは異なる結
晶構造であることが分かる。また、Fe−Cr系合
金の場合も同様の結晶構造であることを確認し
た。 この発明による下地膜のFe−Cr合金及びFe−
Cr系合金は本来強磁性を有すると考えられる組
成にも拘わらず、実質的に非磁性となるのは、結
晶構造が既知のbcc構造である所謂平衡相とは異
なる結晶構造を有するためであろうと考えられ
る。 実施例 4 外径95mm×内径25mm×厚み1.2mmの強化ガラス
基板に、平板RFマグネトロンスパツタ装置を用
い、実施例1,2と同条件にて、第1表に示す下
地膜No.1の組成となるように、基板ガラス表面に
Fe−Cr合金膜を2000Å厚みに被着し、さらにそ
の上にCr膜を各種厚みにて積層したのち、Co−
30Ni−7.5Cr合金ターゲツトを用いて、磁性膜を
800Å厚みで被着した。 比較のため、基板、装置、条件を同一にして、
Cr膜を種々厚みで被着したのち、Co−30Ni−
7.5Cr合金ターゲツトを用いて、磁性膜を800Å厚
みで被着した。 この発明と比較例との公正な比較のため、下地
膜と磁性膜の成膜のインターバルはすべて1分と
した。 得られた各種の下地膜及び磁性膜を、Cr膜厚
みと保磁力との関係を示す第2図にて評価した。 第2図より明らかなように、Cr膜単独では、
1000Å以上のCr膜厚みで500Oe以上の保磁力が得
られ、3000Å以上のCr膜厚みで600Oe以上の保磁
力が得られている。 これに対して、この発明の複合膜の場合は、
Cr膜厚みが僅か200Åで520Oeの保磁力、500Å厚
みで600Oeの保磁力が得られ、この発明によるFe
−Cr合金膜がCr膜と同様に磁気特性の向上効果
を有していることが分かる。 実施例 5 外径130mm、内径40mm、厚み1.2mmのAl2O3基板
に、20μm厚みのガラスグレーズを施し、表面を
研摩した後、平板RFマグネトロンスパツタ装置
を用い、下記条件並びにターゲツトを用いて、基
板ガラスグレーズ表面に、Fe−Cr−V合金膜を
2800Å厚み、Cr膜を200Å厚みで被膜し、さら
に、磁性膜を800Å厚みで被膜し、その後、カー
ボン膜を300Å厚みで被膜した。 到達真空度;1〜2×10-6Torr スパツタ時雰囲気;99.99%Ar 10mTorr 投入電力;300W 極間隔;70mm 基板温度;150℃ 下地膜用ターゲツト;Fe−35Cr−10V 下地膜用ターゲツト;100Cr 磁性膜用ターゲツト;Co−30Ni−7.5Cr 保護膜;高密度炭素 得られたこの発明による磁気記録媒体の電磁変
換特性を以下の条件で測定した。 使用ヘツド;Mn−Znフエライトミニウインチエ
スター トラツク幅16μm、ギヤツプ長1.0μm、 ギヤツプ深さ20μm、巻数16T×2 フライイングハイト;0.3μm 1F;1.25MHz 2F;2.5MHz テイスク回転数;3600rpm 測定箇所;デイスク中心からR=62mmの部分にて
測定 測定した再生出力特性は次のとおりであつた。 再生出力(2.5MHz、Iw=80mA)=1.2mV 再生出力(5MHz、Iw=80mA)=0.9mV 分解能(Iw=80mA)=87% オーバーライト=−30dB 測定結果から明らかなように、この発明による
磁気記録媒体は、高密度記録媒体としての特性を
備えていることが分る。 実施例 6 実施例4で得られた2種及び実施例4と同様方
法にて製造した1種の計3種の磁気記録媒体を引
つ掻き試験に供した。その結果を第2表に示す。 表中、本発明1は第1表の下地膜No.1を使用し
た磁気記録媒体であり、本発明2は第1表の下地
膜No.9を使用した磁気記録媒体である。 試験は、先端直径が10μmのダイヤモンド針に
種々の荷重を付加しなから、デイスクを移動して
膜の剥離により、被着強度を評価した。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図a図はこの発明による複合下地膜の成分
のX線回折結果示すグラフであり、b図はターゲ
ツト合金の成分のX線回折結果示すグラフであ
る。第2図はCr膜厚みと保磁力との関係を示す
グラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 非磁性基板上に、下地膜及び磁性膜を積層被
    膜してなり、磁性膜の面内に磁化容易軸を有する
    磁気記録媒体において、非磁性基板の少なくとも
    下地膜の被成膜表面がガラスからなり、前記下地
    膜がCr37at%〜60at%、残部Fe及び不可避的不
    純物からなり、bcc構造を有しない結晶構造から
    なる非磁性もしくは弱磁性合金膜と、Cr膜との
    複合膜であることを特徴とする磁気記録媒体。 2 非磁性基板上に、下地膜及び磁性膜を積層被
    膜してなり、磁性膜の面内に磁化容易軸を有する
    磁気記録媒体において、非磁性基板の少なくとも
    下地膜の被成膜表面がガラスからなり、前記下地
    膜が下記組成式にて表され、bcc構造を有しない
    結晶構造からなる非磁性もしくは弱磁性合金膜
    と、Cr膜との複合膜であることを特徴とする磁
    気記録媒体。 FexCryMz 但し、式中Mは、 Al、Si、Ti、V、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、
    Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Y、Hf、Ta、
    W、から選ばれる少なくとも1種であり、 x,y,zは、各々の元素のat%を表し、かつ
    下記条件を満足する。 x+y+z=100、 35≦y+z≦60、 20≦y z;(イ) MがAl,Siから選ばれる少なくとも1
    種の場合、z≦25 (ロ) MがTi,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,W
    から選ばれる少なくとも1種の場合、z≦15 (ハ) MがV,Mnから選ばれる少なくとも1種の
    場合、z≦20 (ニ) MがZr,Y,Ta,Hfから選ばれる少なくと
    も1種の場合、z≦10 (ホ) MがCo,Ni,Cuから選ばれる少なくとも1
    種の場合、z≦8
JP3226387A 1987-02-14 1987-02-14 磁気記録媒体 Granted JPS63200316A (ja)

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JP3226387A JPS63200316A (ja) 1987-02-14 1987-02-14 磁気記録媒体

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JP3226387A JPS63200316A (ja) 1987-02-14 1987-02-14 磁気記録媒体

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JPS63200316A JPS63200316A (ja) 1988-08-18
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57208631A (en) * 1981-06-19 1982-12-21 Hitachi Ltd Vertical magnetic recording medium
JPS6339128A (ja) * 1986-08-04 1988-02-19 Furukawa Electric Co Ltd:The 磁気記録媒体

Patent Citations (2)

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