JPH0451883B2 - - Google Patents

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JPH0451883B2
JPH0451883B2 JP62018845A JP1884587A JPH0451883B2 JP H0451883 B2 JPH0451883 B2 JP H0451883B2 JP 62018845 A JP62018845 A JP 62018845A JP 1884587 A JP1884587 A JP 1884587A JP H0451883 B2 JPH0451883 B2 JP H0451883B2
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film
magnetic
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alloy
underlayer
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JP62018845A
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Toshiaki Wada
Seiichi Hirao
Masateru Nose
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Proterial Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
利用産業分野 この発明は、非磁性基板上に成膜する下地膜を
介して磁性薄膜を設けてなる磁気デイスク等に用
いられる磁気記録媒体の改良に係り、特に下地膜
をbcc構造を有しない結晶構造からなる非磁性も
しくは弱磁性のFe−Cr合金膜にて形成し、経済
性にすぐれ、厚い下地膜であつてもクラツクや剥
離がなく、また下地膜と磁性膜の成膜インターバ
ルを長く設定でき、各膜の成膜条件の適正化を図
ることができる磁気記録媒体に関する。 背景技術 磁気デイスク装置は、コンピユータ等の情報処
理システムにおける記憶装置として多用されてい
る。今日では、情報処理能力を高めるため、磁気
デイスク装置の高密度、大容量化が望まれてお
り、磁気デイスクの磁気記録層として、スパツタ
リング、イオンプレーテイングなどによる金属薄
膜が実用化されつつある。 かかる磁気記録媒体として、非磁性基板上に、
Cr膜を形成した後、該Cr膜上にCo膜を、スパツ
タ法や蒸着法にて形成した構成が知られている。 この磁気記録媒体は、面内方向で高い保磁力を
有し、面内記録型の磁気デイスクに用いられてい
る。 さらに、前記のCo膜に変えて、磁性膜にCo−
Ni膜、Co−Ni−Cr膜を用いた磁気記録媒体が知
られている。 一方、下地膜には、前記のいずれの組成の磁性
膜にもかかわらず、Co系磁性膜の面内配向を促
進し、保磁力を増大させるためにCr膜が用いら
れている。 しかし、かかるCr下地膜は、その保磁力を増
大させるためには、磁性膜厚みの500Å〜800Åに
比べて、遥かに厚い2000Å〜6000Åの膜厚に被着
形成する必要がある。 従つて、高価なCrを多量に消費するため、そ
の製造コストが増大し、また、Crが本質的に脆
化し易く、膜厚が比較的厚い場合は、基板との熱
膨脹係数差や成膜時の内部応力等により、微細な
クラツクを招来し易いことから、磁気記録媒体の
下地膜としての靭性、強度に欠けるという問題点
があつた。 また、スパツタ法において、基板にCrを被着
したのち、磁性膜を被着するまでのインターバル
(間隔時間)が長いと、大きな保磁力が得難いと
いう問題があつた。 この原因としては、Crは酸素と結合し易く、
雰囲気中の残留酸素がCrに吸着されて、磁性膜
のエピタキシヤル成長を阻害するためであると考
えられている。 従つて、従来は、基板上に成膜する際、Cr下
地膜とその上の磁性膜との成膜インターバルを、
1分以内、望ましくは30秒以内にする必要があ
り、例えば、製造装置もかかる要請から大きな制
約を受け、各被膜の成膜に各々最適の条件を取る
ことが困難であつた。 発明の目的 この発明は、非磁性基板上に下地膜を介して磁
性膜を設けた磁気デイスクなどに用いられ、磁性
膜の面内に磁化容易軸を有する磁気記録媒体にお
いて、従来のCr下地膜の問題点を解消し、Cr下
地膜と同様の磁性膜の保磁力増大効果を有し、
Cr下地膜に比べて経済性にすぐれ、成膜インタ
ーバルを比較的長く取ることができ、かつクラツ
ク発生や剥離の問題がない新規な下地膜を有する
磁気記録媒体を目的としている。 発明の構成と効果 この発明は、従来のCr下地膜の問題を解消で
きる新規な下地膜を有する磁気記録媒体を目的に
種々検討した結果、非磁性基板の少なくとも下地
膜の被成膜表面がガラスからなるとともに、従来
の純Cr下地膜に代えてbcc構造を有しない、いわ
ゆる平衡相とは異なる結晶構造を有すると考えら
れる非磁性もしくは弱磁性のFe−Cr系合金膜を
用いることにより、従来のCr下地膜に比べて経
済性にすぐれ、成膜インターバルを比較的長く取
ることができ、かつクラツク発生や剥離の問題が
少ない磁気記録媒体が得られることを知見し、こ
の発明を完成したものである。 すなわち、この発明は、 非磁性基板上に、下地膜及び磁性膜を積層被膜
してなり、磁性膜の面内に磁化容易軸を有する磁
気記録媒体において、非磁性基板の少なくとも下
地膜の被成膜表面がガラスからなり、前記下地膜
が、下記組成式(不可避的不純物は表記せず)に
て表され、bcc構造を有しない結晶構造からなる
非磁性もしくは弱磁性合金膜であることを特徴と
する磁気記録媒体である。 FexCryMz 但し、式中Mは Al、Si、Ti、V、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、
Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Y、Hf、Ta、
W、から選ばれる少なくとも1種であり、 x,y,zは、各々の元素の原子%を表し、か
つ下記条件を満足する。 x+y+z=100、 35≦y+z≦60、 20≦y z; (イ) MがAl,Siから選ばれる少なくとも1種の
場合、z≦25 (ロ) MがTi,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,W
から選ばれる少なくとも1種の場合、z≦15 (ハ) MがV,Mnから選ばれる少なくとも1種の
場合、z≦20 (ニ) MがZr,Y,Ta,Hfから選ばれる少なくと
も1種の場合、z≦10 (ホ) MがCo,Ni,Cuから選ばれる少なくとも1
種の場合、z≦8 なお、前記組成式に明記しない不可避的不純物
は、ターゲツト等の原材料の溶解中に、あるいは
成膜中に混入する不純物であり、その含有率は
0.1原子%以下であり、例えば、O、N、Ar、
S、P等である。 この発明を詳述すると、一般に、磁気記録媒体
の下地膜は、磁性膜の面内配向を促進し、磁性膜
に大きな保磁力を付与する目的で設けられるた
め、かかる下地膜が強磁性であると、磁気的相互
作用により、例えば、下地膜の保磁力が数Oe〜
数十Oeと低い場合は、磁性膜の保磁力も100Oe
ないし200Oe程度と小さくなり、磁性膜の特性を
劣化させることが知られている。 ところで、公知のFe−Cr合金は、Cr含有が70
原子%程度まで、常温で強磁性を示すことが知ら
れており、前記説明からも明らかな如く、従来、
磁気記録媒体の下地膜としては、適用不可能と考
えられていた。 しかし、発明者らは、種々実験の結果、非磁性
基板の少なくとも下地膜の被成膜表面がガラスか
らなるとともに20原子%以上のCrと、Al、Si、
Ti、V、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Rh、Pd、Y、Hf、Ta、W、から選ば
れる少なくとも1種との合計で、35原子%以上、
60原子%以下を含有し、残部Feおよび不可避的
不純物とからなるFe−Cr系合金膜(以下、この
発明による下地膜の合金をFe−Cr系合金という)
を、平板RFマグネトロンスパツタ法などの後述
するRFスパツタ法にて前記基板上に成膜すると、
磁気記録媒体用下地膜として、Cr膜に比べてす
ぐれた特性を有する実質的に非磁性膜となること
を知見したものである。 この発明において、非磁性もしくは弱磁性と
は、実質的非磁性、すなわち、磁性膜の磁気特性
を著しく損なつたりあるいは磁気ヘツドの再生信
号に影響を及ぼしたりすることのない程度の実用
的な非磁性もしくは弱磁性を意味している。 従つて、下地膜が、非磁性相と若干の強磁性相
との混合相から構成されていても、全体として数
emu/g程度の磁化を有する程度であれば実用上
問題ないと考えられる。 発明の好ましい実施態様 この発明における磁気記録媒体の基板には、少
なくとも下地膜の被成膜表面をガラスから形成し
た構成であればいずれの材質でも良く、例えば、
ガラスコーテイングされたアルミニウム基板の
他、アルミナ、炭化けい素、炭化チタン、ジルコ
ニア、窒化けい素、アルミナ一酸化けい素などの
各種セラミツクスにガラスクレージングした基
板、さらに強化ガラスや結晶化ガラスなどを用い
ることができる。 また、この発明の磁気記録媒体の特徴である
Fe−Cr合金下地膜には、基板の材質や下地膜の
上に被着する磁性層の組成等に応じて、Cr含有
量及び添加元素種類とその含有量を適宜選定して
用いることができるが、 Crが20原子%未満の場合及びCrと添加元素M
(MはAl,Si,Ti,V,Mn,Co,Ni,Cu,Zr,
Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Y,Hf,Ta,W
から選ばれる少なくとも1種)とCrとの合計が
35原子%未満の場合は、形成された膜が強磁性と
なり、Crと添加元素Mとの合計が60原子%を越
える場合には膜の靭性や強度が低下するので好ま
しくない。Crと添加元素Mとの合計の望ましい
範囲は37原子%〜50原子%、さらに望ましくは39
原子%〜45原子%が良い。また、Crは25原子%
以上が好ましく、さらに好ましくは、30原子%以
上である。 下地膜のFe−Cr系合金は添加元素Mの種類に
より、その特性が異なる。 (イ) 添加元素MがAl,Siから選ばれる少なくと
も1種の場合、下地膜が非平衡構造をとりやす
く、より完全な非磁性にする効果があるが、25
原子%を越えて添加すると、かえつて磁化が大
きくなつたり、機械的強度が低下したりするた
め、25原子%以下にする必要があり、望ましく
は15原子%以下がよい。 (ロ) 添加元素MがTi,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,
Pd,Wから選ばれる少なくとも1種の場合、
下地膜をより完全な非磁性にし、かつ耐食性を
向上させる効果を有するが、15原子%を越えて
添加すると、形成された下地膜が非晶質構造を
とり易くなり、この膜上に形成される磁性膜の
保磁力を向上させる目的を達成し難くなるた
め、15原子%以下の添加とする。好ましくは10
原子%以下の添加がよい。 (ハ) 添加元素MがV,Mnから選ばれる少なくと
も1種の場合、下地膜が非平衡構造をとりやす
く、より完全な非磁性にする効果があるが、20
原子%を越えて添加すると、逆に磁性を帯びる
ため、20原子%以下の添加とする。好ましくは
10原子%以下の添加がよい。 (ニ) 添加元素MがZr,Y,Ta,Hfから選ばれる
少なくとも1種の場合、下地膜が非平衡構造を
とりやすく、より完全な非磁性にする効果があ
るが、10原子%を越えて添加すると、形成され
た下地膜が非晶質構造をとりやすくなり、この
膜上に形成される磁性膜の保磁力を向上させる
目的を達成し難くなるため、10原子%以下の添
加とする。好ましくは5原子%以下の添加がよ
い。 (ホ) 添加元素MがCo,Ni,Cuから選ばれる少な
くとも1種の場合、下地膜の機械的強度を向上
させる効果を有するが、8原子%を越えて添加
されると、形成された膜が強磁性となるため、
8原子%以下の添加とする。好ましくは5原子
%以下、さらに好ましくは2原子%以下の添加
がよい。 この発明において、上記の(イ)〜(ホ)の各選択群よ
り、所要の特性に応じて選択群を2以上の組み合
わせにて添加することは、さらに好ましい実施態
様である。 また、前記の不可避的不純物の含有は、下地膜
としての特性を損ねることはないが、酸素を数十
ppmから数百ppm含む場合は、下地膜をより完全
な非磁性にする効果があると考えられる。 また、この発明による非磁性もしくは弱磁性
Fe−Cr系合金下地膜の厚さは、一般に厚い程、
磁性膜の保磁力が増大する効果があり、少なくと
も500Å以上で10000Å以下、さらに望ましくは
2000Å〜5000Å程度が良い。 次に、磁性膜は、Co、Co−Ni、Co−Ni−Cr、
Co−Cr合金等のhcp構造からなり、面内に磁化容
易軸を有する、所謂面内磁気異方性を有する硬質
磁性膜であれば、いずれの合金も成膜することが
できる。また、下地膜に対する磁性膜のエピタキ
シヤル性を高めるために、各種の添加元素を添加
することは、磁気特性を高めるために有効な手段
である。磁性膜の膜厚も従来から使用されている
薄膜媒体と同様に数百〜2000Å程度に適宜選定す
れば良い。 また、必要に応じて、磁性膜の上に公知の各種
保護膜を適宜選定し、(例えばカーボン膜、SiO2
膜、その他のセラミツクス膜等)百〜数百Å設け
ることは、媒体の長寿命化に有効であり、さら
に、潤滑膜を塗布しても良い。 この発明の下地膜の形成方法としては、特に、
平板RFマグネトロンスパツタ法等のRFスパツタ
法が有効である。 また、下地膜の成膜スパツタ法の条件として
は、スパツタガス圧が1〜100mTorr、基板温度
は室温〜400℃以下が好ましく、さらには、150℃
〜300℃が望ましい。 また、磁性膜、保護膜はスパツタ法の他、蒸着
法、イオンプレーテイング法、プラズマCVD法
等の公知の成膜法を適宜選定して製造することが
できる。 また、下地膜と磁性膜との成膜のインターバル
(間隔時間)は、できるだけ短いことが磁気特性
向上の点から望ましいとされているが、この発明
による非磁性もしくは弱磁性Fe−Cr系合金下地
膜は、Cr膜に比べ活性度が低く、実施例に示す
如く、数分間のインターバルを取ることができる
ため、例えば、スパツタ法において、下地膜と磁
性膜の成膜槽をバルブによつて仕切り、下地膜の
成膜条件と磁性膜の成膜条件をそれぞれ最適条件
とすることができる。 実施例 実施例 1 外径130mm、内径40mm、厚み1.2mmの強化ガラス
基板に、平板RFマグネトロンスパツタ装置を用
い、下記条件にて、第1表に示す組成からなる
Fe−Cr合金ターゲツトと、Fe−Cr合金ターゲツ
トに添加元素のチツプ(10mm×10mm×1mmt)を
配置した複合ターゲツトを使用し、基板ガラス表
面に、Fe−Cr系合金下地膜を被膜した。 基板に被膜させたFe−Cr系合金下地膜の組成
と磁化値を第1表に示す。 到達真空度;1〜2×10-6Torr スパツタ時雰囲気;99.99%Ar 6mTorr 投入電力;300W 極間隔;70mm 基板温度;100℃ なお、分析は合金膜にはX線マイクロアナライ
ザー、ターゲツトにはプラズマ発光分光分析装置
及びガス分析装置を用いた。 表中、合金膜については、Fe、Cr及び添加元
素以外の元素は検出限界以下であつた。また、タ
ーゲツトのその他の元素とは、Ni、Mg、Al、
P、O、N等であり、いずれも0.06原子%以下で
あつた。また、磁気特性の測定には、振動試料型
磁力計を用いた。 第1表の結果から明らかなように、この発明に
よるFe−Cr系合金下地膜は、ほとんどが
1.0emu/g以下の磁化値を示し、下地膜として
不可欠な実質的な非磁性膜であることが分る。な
お、1.0emu/g以下と表示したのは測定限界の
ためである。
【表】 実施例 2 第1表中の下地膜No.8,9,10,11,12,16の
各下地膜及びFe−40Cr、Fe−50Cr2元合金下地
膜の薄膜X線回折結果を第1図aに示す。 また、比較のため、Fe−40Cr合金ターゲツト
粉末のX線回折結果を合わせて第1図bに示す。 X線回折結果に明らかなように、比較のための
Fe−40Cr合金ターゲツト粉末は、bcc構造である
ことを示すが、この発明によるFe−Cr系合金膜
の場合は、いずれもターゲツトとは異なる結晶構
造であることが分かる。 この発明による下地膜は本来強磁性を有すると
考えられる組成にも拘わらず、実質的に非磁性と
なるのは、結晶構造が既知のbcc構造である所謂
平衡相とは異なる結晶構造を有するためであろう
と考えられる。 実施例 3 外径130mm、内径40mm、厚み1.2mmのAl2O3基板
に、20μm厚みのガラスグレーズを施し、表面を
研摩した後、平板RFマグネトロンスパツタ装置
を用い、実施例1と同一条件にて、2種のターゲ
ツトを使用し、第1表に示す下地膜No.8とNo.16の
組成となるように、基板ガラスグレーズ表面に、
Fe−Cr系合金下地膜を200Å厚みに被膜した。 さらに、Co−30Ni−7.5Cr合金ターゲツトを用
いて、磁性膜を800Å厚みで被膜した。 得られた磁気記録媒体より、5mm×5.8mmの試
料を切出し、VSMで測定し下地膜No.0.8を被着し
た場合の測定結果を第2図a図に、下地膜No.16を
被着した場合の測定結果をb図に示す。 また、下地膜としてCrを2000Å厚みで被膜し
た以外は同一条件で製造した従来磁気記録媒体よ
り同寸法の試料を切出し、同様にVSMにて測定
した、結果は第2図c図に示す。 第2図から明らかなように、この発明による
Fe−Cr系合金下地膜を有する磁気記録媒体は、
Cr下地膜を有する従来磁気記録媒体に比較して、
保磁力角形比(S*)は若干低下するものの、保
磁力は20%〜35%程度増大し、すぐた磁気特性を
有することが分る。 実施例 4 外径130mm、内径40mm、厚み1.2mmのAl2O3基板
に、20μm厚みのガラスグレーズを施し、表面を
研摩した後、平板RFマグネトロンスパツタ装置
を用い、下記条件並びにターゲツトを用いて、基
板ガラスグレーズ表面に、Fe−Cr−V合金下地
膜を2500Å厚みで被膜し、さらに、磁性膜を1000
Å厚みで被膜し、その後、カーボン膜を300Å厚
みで被膜した。 到達真空度;1〜2×10-6Torr スパツタ時雰囲気;99.99%Ar 10mTorr 投入電力;300W 極間隔;70mm 基板温度;150℃ 下地膜用ターゲツト;Fe−35−Cr−10V 磁性膜用ターゲツト;Co−30Ni−7.5Cr 保護膜;高密度炭素 得られたこの発明による磁気記録媒体の電磁変
換特性を以下の条件で測定した。 使用ヘツド;Mn−Znフエライトミニウインチエ
スター トラツク幅16μm、ギヤツプ長1.0μm、 ギヤツプ深さ20μm、巻数16T×2 フライイングハイト;0.3μm 1F;1.25MHz 2F;2.5MHz テイスク回転数;3600rpm 測定箇所;デイスク中心からR=62mmの部分にて
測定 測定した再生出力特性は次のとおりであつた。 再生出力(2.5MHz、Iw=80mA)=1.4mV 再生出力(5MHz、Iw=80mA)=1.2mV 分解能(Iw=80mA)=87% オーバーライト=−27dB 測定結果から明らかなように、この発明による
磁気記録媒体は、高密度記録媒体としての特性を
備えていることが分る。 実施例 5 外径130mm、内径40mm、厚み1.9mmの表面研摩を
施した強化ガラス基板に、平板RFマグネトロン
スパツタ装置を用い、実施例1と同一条件にて、
Fe−40Cr−5Nb合金及びCrからなる2種のター
ゲツトを使用し、Fe−Cr系合金下地膜とCr下地
膜をそれぞれ2000Å厚みに被膜した。 さらに、Co−30Ni−7.5Cr合金ターゲツトを用
いて、磁性膜を800Å厚みで被膜した。 磁性膜の被膜の際に、下地膜から磁性膜の被膜
までの成膜インターバルを30秒と4分との2条件
に設定し、磁性膜を被着した。 得られた4種の磁気記録媒体より、 5mm×5.8mmの試料を切出し、VSMで測定した
結果、第2表に示す下地膜の特性を得た。 第2表の結果より明らかな如く、この発明によ
るFe−Cr系合金下地膜の場合は、成膜インター
バルを従来では考えられない程に長く設定して
も、下地膜のHcの劣化が遥かに少ないことが分
る。
【表】 実施例 6 実施例3で得られた3種の磁気記録媒体を引つ
掻き試験に供し、その結果を第3表に示す。表
中、本発明1は第1表中の下地膜No.8を使用した
磁気記録媒体であり、本発明2は第1表中の下地
膜No.4を使用した磁気記録媒体である。 試験は、先端直径が10μmのダイヤモンド針に
種々の荷重を付加しなから、デイスクを移動して
膜の剥離により、被着強度を評価した。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図a,b図はこの発明によるFe−Cr系合
金下地膜の成分のX線回折結果示すグラフであ
る。第2図a,b図はこの発明による磁気記録媒
体の磁化曲線を示すグラフであり、c図は従来磁
気記録媒体の磁化曲線を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 非磁性基板上に、下地膜及び磁性膜を積層被
    膜してなり、磁性膜の面内に磁化容易軸を有する
    磁気記録媒体において、非磁性基板の少なくとも
    下地膜の被成膜表面がガラスからなり、前記下地
    膜が下記組成式にて表され、bcc構造を有しない
    結晶構造からなる非磁性もしくは弱磁性合金膜で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。 FexCryMz 但し、式中Mは Al、Si、Ti、V、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、
    Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Y、Hf、Ta、
    W、から選ばれる少なくとも1種であり、 x,y,zは、各々の元素の原子%を表し、 かつ下記条件を満足する。 x+y+z=100、 35≦y+z≦60、 20≦y z; (イ) MがAl,Siから選ばれる少なくとも1種の
    場合、z≦25 (ロ) MがTi,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,W
    から選ばれる少なくとも1種の場合、z≦15 (ハ) MがV,Mnから選ばれる少なくとも1種の
    場合、z≦20 (ニ) MがZr,Y,Ta,Hfから選ばれる少なくと
    も1種の場合、z≦10 (ホ) MがCo,Ni,Cuから選ばれる少なくとも1
    種の場合、z≦8
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57208631A (en) * 1981-06-19 1982-12-21 Hitachi Ltd Vertical magnetic recording medium

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS57208631A (en) * 1981-06-19 1982-12-21 Hitachi Ltd Vertical magnetic recording medium

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