JPH0451424B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は一群の容器の複合包装構造に関する。

［従来の技術］ 一般に盆形の底部分と、外周束縛部材、すなわ
ちストラツプと、前記底部分と瓶その他の一群の
容器を包むカバー部分とよりなる複合包装は、前
記盆形の底部分が、ストラツプとの組合わせによ
り包装すべき容器を保持する機能に加え、カバー
部で覆うに先立つて容器を取りまとめたり分離し
たりする段階中にこれら一群の容器を閉じ込める
部材の役割も果たし、ストラツプが包装を運搬す
る場合に把手の役割を果たすため、有用な包装構
造と認められている。

複合包装構造においては、容器を包装する場合
には容器を確実に保持でき、ストラツプを把手と
して運搬する場合には容器の重さが包装にかかつ
て包装部材を破損することがなく、かつ容器が包
装から脱落することのない盆形部分とかバー部分
とストラツプとの組合わせ構造が要求されてい
る。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、上記の要求を満足させるため
に包装過程中はストラツプが一群の包装容器のま
わりに容易にかけられるが、包装をある場所から
他の場所に運ぶときは、物品を確実に保持するこ
とができる一群の容器の複合包装構造を提供する
ことにある。

本発明の他の目的は、包装を運ぶ間は、包装さ
れている一群の容器の重さが包装の他の部分にか
からないように設計された複合包装構造を提供す
ることにある 本発明のさらに他の目的は、包装形状が比較的
簡単であり、製造が安価で使用が容易であり、か
つ包装に信頼性があるように構成された複合包装
構造を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ これら諸目的を達成するための本発明の複合包
装構造は、底板及び上縁中央部に切り欠きを有し
該切り欠きの左右に突起を設けた前縁壁及び上縁
中央部に突起を設けた後縁壁を含む複数の垂直壁
を具え、一群の容器を受け入れるための盆形底部
分と、天井パネル、側面パネル、該側面パネルに
連続して形成され前記前縁壁の突起との間にスリ
ツトを形成する１対のラグ、該ラグの上に重合し
前記前縁壁上縁中央部の前記切り欠きと一致する
位置に開口部を設けた前面パネル及び後面パネル
を具え、包装を組み立てた状態では前記底部分と
重合あるいは接続して前記一群の容器を覆うカバ
ー部分と、前記後縁壁の突起の外側を通り、前記
前縁壁の突起の外側から該突起と前記ラグにより
形成されるスリツトを通過して前記一群の容器の
周囲を取囲み、包装を組み立てた状態では包装内
部に収まるエンドレスストラツプとを具えてなる
ことを構成上の特徴とする。

本発明の複合包装構造は、底板と中央部に切り
欠きを有し該切り欠きの左右に突起を設けた前縁
壁と中央部に突起を設けた後縁壁を含む一群の容
器を閉じ込めるところの垂直の複数の縁壁をもつ
実質的に盆形をした底部分を含む。さらに包装を
組立てた状態では底部分と接続し、底部分ならび
に一群の容器を覆うカバー部分を含む。カバー部
分は開口部を持つ前面パネルと前記前縁壁の突起
との間にスリツトを形成する１対のラグをもつ。
長いエンドレスのストラツプが包装の中に挿入さ
れ、一群の容器の周りにゆるくかけられる。この
場合、ストラツプは底部分の定位置に保持するた
めに、前記前縁壁及び後縁壁の突起の周りにかけ
られる。包装後前記前縁壁にある突起とカバー部
分のラグとは共同してストラツプの保持機構とし
てストラツプが通過するスリツトを形成する。ス
トラツプはこれらスリツトを通つたのち、前記前
面パネルが閉じた位置において前面パネルの前記
開口部分を通つて包装の外部に運搬のための把手
（ハンドル）を形成する。好ましくは、前記１対
のラグが前記前縁壁の突起の上縁部及び垂直部と
略一致する切り欠き部を具え、該切り欠き部の垂
直縁と前記前縁壁の突起の垂直部とによりストラ
ツプが通過するためのスリツトが形成されている
構造が有効である。また、前記ラグは水平方向に
おけるそれぞれの累計長さがこれに対応する前記
前縁壁の水平方向の長さより短い長さをもつのが
よい。更に、前面パネルの開口は中央部分が拡大
しているのが有利である。

［作用］ ストラツプは包装内部に存在する一群の容器の
周りにゆるくかかつており、その一部が包装の外
に出ている。従つて包装を運搬するとき、ハンド
ルとして使用することができ、このハンドルをも
つて包装を運ぶときに発生する力がこれら物品の
密着度を増すように働く。その結果、これら物品
の運搬中の破損の危険が避けられ、物品同士の衝
突のために起こる音は完全になくならないとして
も小さくなる。更にストラツプは包装をハンドル
で運ぶ間、容器の重さが包装の他の部分にかから
ないようにするので、これら包装残部の損傷や容
器の包装からの脱落を防ぐ。その上このハンドル
は、ストラツプと一体に構成されているので、包
装の内容物の重さのためハンドルが包装から分離
することはない。ストラツプを包装運搬に使用し
ない間は、包装の底部分、カバー部分とともに包
装される容器を閉じ込めるよう作用する。その結
果として、本発明の包装は、特に次の利益を提供
する。

・ハンドルはストラツプの一体部分から作るた
め、包装の残りの部分から離れることに対して強
い抵抗を持つ。

・ストラツプは、複数の機能をもち、ハンドルと
して作用するだけでなく包装の内容に対して必要
な閉じ込め作用をもち、包装をハンドルによつて
ある場所から別の場所に運ぶ間は包装の残りの部
分は実質的には容器の閉じ込めには関与しない。

・既存の機械を利用して包装が容易に行なえる。

・ストラツプは、ほとんど大部分包装の内部に位
置するので、包装の外部、特に垂直表面に示す広
告、または確認の表示を覆い隠すことはない。

・この包装を複数個隣接させる場合は、ハンドル
はパツケージの貯蔵用及びパレツト積み用の全体
的外形の内に引き込まれた形となるが、これを運
ぶ場合は容易に包装を保持する位置に戻る。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を説明する。包装物品と
しては、容器、特に瓶を考える。しかし、包装の
物品は任意の種類の容器または物品でその形と性
質には無関係であり、特に円筒形の缶や四角その
他の多角形断面を持つ容器を対象としてもよい。

本発明の包装は、蓋またはカバー部分１と一般
に盆形をした底部分２と例えば平たい市販の合成
樹脂材料製の保持ストラツプ３を含む。もちろん
このストラツプ３は任意の断面形状や他の適切な
材料からなるものでもよい。

ストラツプ３はゆるい輪の形をつくる。このス
トラツプ３の長さは一群の容器の外周より長く、
その一端でハンドル４を十分つくりうる程度の寸
法とする。

盆形をした底部分２は、長手方向の側壁５と
６、前縁壁７及び後縁壁８をもつ。これら壁部は
共に一群の瓶の保持用のリムを形成し、包装を組
立てた状態ではカバー部分１の下端部により覆わ
れる。先に述べたように前記底部分２は、包装作
業中は形を整える装置の役割を果たす。これは一
群の瓶を受け入れ、その底またはベースの部分で
これらを保持し、あとでストラツプ３をその周り
にかけ、さらにカバー部分１をその上にかぶせる
まではすべての瓶が密着状態に止まるようにす
る。この場合底部分２は、包装が完全に作られる
まではこの密着状態を保持する。

底部分２の横断方向の前縁壁７には、その上縁
の線から上方に突出する２ヶの突起９と１０があ
り、その２つの突起９，１０中間には切り欠き１
１が設けられている。反対に横断方向の後縁壁８
は、この前縁壁７とは異なる形をもち、その中央
部分に１つの突起１２のみをもつ。こられの突起
９，１０，１２と底部分２の前縁壁７及び後縁壁
８の上縁でストラツプ３を閉じ込め作用位置に保
持する。すなわちストラツプ３は、その主表面が
垂直の位置をとつて第１図及び第２図に示す経路
にそつて保持される。

カバー部分１は剛体または半剛体の薄板材料で
作られる。このカバー部分１は一般に長方形の形
をもち、例えば前もつて切り抜いた装入用フラツ
プ１４と１５を具えた天井パネル１３をもつ。カ
バー部分１はさらに側面パネル１６，１７をも
つ。前と後の端には、それぞれ前面パネル１８と
後面パネル１９があり、また前面にはラグ２０，
２１，そして後面にはラグ２２，２３が設けられ
ている。

後面のラグ２２，２３はほぼ台形であり、その
唯一の目的は後面パネル１９で密封するカバー部
分１の後面壁を補強することである。

前面壁のラグ２０，２１はその合計した長さは
前面パネル１８の横寸法より短い。より詳細に述
べるとラグ２０とラグ２１の長さは、これらのラ
グを内側に折曲げて、カバー部分１の前面壁の平
面に沿つた方向にするとき、その間に切り欠き１
１とほぼ一致する空間ができる長さとする。この
ラグ２０，２１にはその下部にそれぞれ長方形の
切り欠きを設け、この切り欠き２４と２５は、そ
れぞれその形と寸法とが突起９，１０に正確に一
致するようにする。

前記前面壁のラグ２０，２１の下縁２６，２７
（第９図と第１０図参照）は底部分２の前縁壁７
のそれぞれ対応する突起部９，１０の形状にこれ
を補う形で正確に対応する形の切り欠きをもち、
閉じた後は前面パネル１８で実質的に覆われるこ
とになる疑似連続パネルを形成するようにする。
前記ラグ２０，２１の垂直縁２８または２９は、
各突起９または１０の垂直線３０または３１とほ
ぼ対応する。ただしそれぞれ対応する垂直縁２８
と３０または２９と３１の間には、わずかの隙間
があり、前記ストラツプ３が包装の内から外に通
り抜けるための細いスリツト３２または３３を形
成する。

前面パネル１８は、後面パネル１９とは異なる
形をもつ。むしろ前面パネル１８、長い中央開口
３４をもち、この開口はスロツト３５とその包装
を持ち運びまたは扱うときに人の手を通すための
寸法を持つ横断方向の拡大部分３６をもつ。この
包装を組立てた状態にし、前面パネル１８を閉じ
た位置では、この開口３４の位置はストラツプ３
の前部分の位置に正確に対応し、ストラツプ３を
開口３４から引き出すと、一群の瓶の全体的な外
周の形と、スリツト３２，３３との接触および案
内が与える形のループの形成からもたらされるわ
ずかな圧力の効果で、スロツト３５から包装の外
に突出する。

本発明の複合包装構造の好ましい態様では、前
面壁のラグ２０，２１の下縁２６，２７は、前記
開口３４の上縁と正確に一致する。更に前面壁の
ラグ２０と２１は折曲げた状態では両者間に充分
な隙間を作り、開口３４の拡大部分３６と一致し
た通路を与え、指をストラツプ３の後に装入でき
るようにする。

第６図と７図と８図は、開口３４から横方向に
延長するハンドル４を形成するストラツプ３のル
ープの主な位置と形を示す。貯蔵や運搬や販売展
示の位置では、ストラツプ３は並んだ隣の包装の
後壁部がハンドル４に圧力で接触するので、スト
ラツプ３は開口３４の中に引き込んだ位置をと
る。もしスリツト３２と３３の寸法と前面パネル
１８による被覆状態が、ストラツプ３がスリツト
３２と３３の中で自由にすべることができる程度
のものであれば、ストラツプ３は第６図に示す形
と位置をとる。反対にもしスリツト３２と３３が
このストラツプ３をある程度しめつけるものであ
れば、ストラツプ３は開口３４の内部にたたみこ
まれることができずに、第７図に示す状態とな
る。もちろん目的とする結果の機能として、これ
らの中間の位置と形はすべて可能である。利用者
がこの包装のハンドル４を離すと、ストラツプ３
はストラツプ３のもつ元の曲線から与えられる弾
性効果によつて、スリツト３２と３３から包装の
内部に引き込まれる。

本発明は長方形のカバーの包装のみに適用でき
るものではなく、むしろ第１２図から第１４図に
示すように、包装の垂直の隅の部分３７と３８は
面取り部とすることもできる。また少なくとも包
装の上の隅の部分は第１４図の３９から４３に示
すように傾斜させることもできる。

以上、本発明に基づく包装構造を説明したが、
次に本発明の包装構造による包装操作を以下に説
明する。

本発明においては、ストラツプ３を一組または
一群の容器の周りにゆるくかけることを容易にす
るため、これら一組または一群の容器をまとめる
作用をする盆形の底部分２を利用する。この盆形
の底部分２の底板と周りの壁部とは、一群の容器
が必要とする安定を与え、多くの異なる形状の物
品の包装を可能にする。詳細には、本発明に基づ
く包装操作は、容器の一群または一組を形成し、
垂直に起こすことのできる壁部を持つ盆形のプリ
フオーム部材の中心領域にこの一群または一組を
セツトし、次に一群または一組の容器の周りに前
記壁部を垂直に起し、この中央領域に支持した一
群の容器の寸法に調節または適合させたリムを作
るために垂直に起した壁部を互いにつなぎ合わせ
る。この同一形状でコンパクトな一群の容器に対
しては最初の密着状態を保つて平たいストラツプ
３による閉じ込めまたは束縛または取囲みが容易
に行なわれる。

この包装操作の一変形として、前記リムはこれ
ら容器の一群を適切な機械装備を使用してこのリ
ムが限定する空間の中に装入する前に、容器の包
装寸法に合うように構成される。この場合、リム
は一群の包装容器の束縛又は取囲み作業中、一群
の容器をその位置に保持するという、役割を果た
し、包装構造の盆形底部分は包装物品の形作りま
たは拘束するために使用する。

ついでカバー部分即ち蓋１をその横側面パネル
１６，１７の下縁が包装の盆形底部分２の立ち上
がつている側面垂直壁部分５，６と接続するよう
に載せ、次に後壁部を閉じ、次に包装の前壁部も
閉じ、パネル１８を接着することによつて完了す
る。最後の作業中、開口３４を取囲む上縁を前壁
部のラグ２０，２１の下縁にできるだけ正確に重
ね合わせ一致させることによつて、前面パネル１
８の正しい位置決めがなされる。この方法で前壁
に必要な剛性が保証される。

［発明の効果］ 以上の通り、本発明の複合包装構造によれば、
一群の容器を容易に包装することができ、エンド
レスストラツプを把手として包装を確実に保持・
運搬することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく包装の全体透視図であ
り、その底部分とカバー部分は分離し、カバー部
分の端部は開いた状態になつている。第２図は第
１図の包装の底部分の透視図であり、この底部分
は盆形をし、本発明にしたがつてストラツプがか
かつている。第３図は第１図の包装の前端部の部
分の透視図であり、閉じようとする直前の状態を
示す。第４図は第３図と類似の図であるが、前パ
ネルを折まげて、のり付けして完全に閉じる前の
状態を示す。第５図は第４図と類似の図である
が、前端部分は完全に閉じた後の状態を示す。第
６図、７図および８図は、第５図に対応する図で
あり、包装を保管する間ストラツプが引き込まれ
たり、折り曲げられたりした状態であり、ハンド
ルを形成するため引つ張る前の状態となつている
形を示している。第９図と１０図は第４図と５図
に示す前端部分の前壁にあるストラツプをとおす
ためのスリツトの周りの拡大詳細図であり、第９
図では前パネルが取り去られ、第１０図では前パ
ネルが定位置にある状態である。第１１図と１２
図はそれぞれ長方形包装体及び角を斜めに切つた
包装体のスリツトおよびその近くの隅の部分の部
分拡大水平断面図である。第１３図と１４図は第
５図と類以の図であるが、本発明に基づく包装に
対して隅が斜面になつた例、および隅が斜面にな
り、さらに上縁部が斜面となつた例を示す。 １……カバー、２……底、３……ストラツプ、
４……ハンドル、５，６，７，８，１３，１６，
１７……壁、９，１０，１２……突起、１１，２
４，２５……切り欠き、１４，１５……フラツ
プ、１８，１９……パネル、２０，２１，２２，
２３……ラグ、２６，２７……下縁、２８，２
９，３０，３１……縁、３２，３３……スリツ
ト、３４……開口、３５……スロツト、３６……
拡大部分、３７，３８……面取り隅部、３９，４
０，４１，４２，４３……傾斜隅部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 底板及び上縁中央部に切り欠きを有し該切り
   欠きの左右に突起を設けた前縁壁及び上縁中央部
   に突起を設けた後縁壁を含む複数の垂直壁を具
   え、一群の容器を受け入れるための盆形底部分
   と、天井パネル、側面パネル、該側面パネルに連
   続して形成され前記前縁壁の突起との間にスリツ
   トを形成する１対のラグ、該ラグの上に重合し前
   記前縁壁上縁中央部の前記切り欠きと一致する位
   置に開口部を設けた前面パネル及び後面パネルを
   具え、包装を組み立てた状態では前記底部分と重
   合あるいは接続して前記一群の容器を覆うカバー
   部分と、前記後縁壁の突起の外側を通り、前記前
   縁壁の突起の外側から該突起と前記ラグにより形
   成されるスリツトを通過して前記一群の容器の周
   囲を取囲み、包装を組み立てた状態では包装内部
   に収まるエンドレスストラツプとを具えてなる一
   群の容器の複合包装構造。 ２ 前記１対のラグが前記前縁壁の突起の上縁部
   及び垂直部と略一致する切り欠き部を具え、該切
   り欠き部の垂直縁と前記前縁壁の突起垂直部とに
   より前記エンドレスストラツプが通過するための
   スリツトが形成されている請求項１記載の一群の
   容器の複合包装構造。 ３ 前記前部の１対のラグの水平方向の長さが前
   記前縁壁の水平方向の長さより短い請求項２記載
   の一群の容器の複合包装構造。 ４ 前記前面パネルの開口部の中央部が拡大され
   ている請求項１または２記載の一群の容器の複合
   包装構造。