JPH0450798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （）…産業上の利用分野 本考案は、ヘツドボツクス内に架設した駆動軸
の手動または電動等の適宜手段による回転駆動に
よつて、スラツト等を垂持した昇降コードを巻き
取り巻き戻しして、スラツトの縮畳、展開を行う
ようにした、ブラインドのスラツト昇降装置にお
いて、 昇降コードの巻取ドラムを駆動軸と同転すると
共に同軸上を前後摺動自在とし、また、巻取ドラ
ムの後端面を摩擦面（回転側の）として、一端を
巻取ドラムの固着した昇降コードをヘツドボツク
ス外に垂下した部分に取付けた、複数枚のスラツ
ト及びボトムレール等（以下、スラツト等と記
す）の荷重によつて、巻取ドラムが駆動軸上を摺
動後退して、その摩擦面が、ヘツドボツクス内の
駆動軸の設定位置の周りに固設したブラケツトの
前面に設けた固定摩擦面に圧接してフリクシヨン
ブレーキとして作用し、スラツトの停止位置を保
持するようにしたことを特徴とする。ブラインド
のスラツト昇降装置に係るものである。

（）…従来技術とその課題 本考案に係るブラインドのスラツト昇降装置
も、従来のこの種装置も、ヘツドボツクス内に同
転駆動するように架設した駆動軸に適宜の巻取ド
ラムを設置し、駆動軸の回転駆動で巻取ドラムに
昇降コードを巻き取り巻き戻しすることによつ
て、スラツトを上昇縮畳し、また、下降展開する
ことは共通している。

しかし乍ら、スラツトの縮畳、展開の途中で、
或は縮畳上限位置で駆動軸の回転駆動を停止した
ときに、昇降コードに加わるスラツト等の荷重に
よつて、勝手に駆動軸（巻取ドラム）が回転し
て、スラツトが展開してしまわないために、該荷
重に勝つて駆動軸の戻り回転を停止する事（スト
ツパー乃至ブレーキ作用）が必要である。

而して、従来は、上記停止作用を行うためのス
トツパー乃至ブレーキ装置を、巻取ドラムとは別
に、駆動軸上に別設していたものであり、 それらには（図示は省くが）、ラチエツト機構、
遊星ギヤを用いたギヤ機構（以上、主に手動用）、
電磁クラツチ（電動用、モータで駆動軸を回転）
等があるが、 （） 巻取ドラムの他に、ストツパー乃至ブレ
ーキ作用専用の装置を設置しなければならぬた
め、製造面、コスト面で不利である。

（） 別設装置であるため、その分スペースを
要し、設置位置の選定が難しく、また、近時の
ブラインド全体を小形化する傾向の上で不利で
ある。

（） ブラインドの小形化において、スラツト
の方は如何ようにも狭巾で小形なものを製作し
得る。然し乍ら、操作機構、即ち、ヘツドボツ
クス内に、駆動軸と関連して設置する巻取ドラ
ム、ストツパー乃至ブレーキ装置、スラツト角
度調節プーリ等も小形化し、また、それらを収
納したチヤンネル状のヘツドボツクス自体も小
形化（小径化）することが必要であるが、特
に、ストツパー乃至ブレーキ装置がその作用、
性能上から小形化の隘路とされてきたものであ
る。

（）…課題を解決する手段 本考案は上記従来の課題の解決を企図してなさ
れたものである。

即ち、本考案は、ヘツドボツクス内に架設した
駆動軸の回転駆動によつて、スラツト等を垂持し
た昇降コードを巻き取り巻き戻しして、スラツト
の展開、縮畳を行うようにしたブラインドのスラ
ツト昇降装置において、 ヘツドボツクス内の駆動軸の設定位置の周り
に、該駆動軸を回転自在に挿通したブラケツトを
固定して、該ブラケツトの前面を固定摩擦面と
し、 該固定摩擦面の前方の駆動軸の周りに巻取ドラ
ムを駆動軸と同転すると共に該駆動軸上を前後摺
動自在に嵌設し、 該巻取ドラムは、後端面を摩擦面とすると共に
ドラム部の外周面にねじを螺設してねじ棒状に形
成し、 摺動ブラケツトの中心孔を雌ねじ孔に形成し、
該摺動ブラケツトを巻取ドラムのドラム部に螺進
退自在に螺合して、摺動ブラケツトをヘツドボツ
クスの内面に沿つて前後摺動自在であるが回転し
ない状態に設置し、 巻取ドラムに一端を固着した昇降コードを、摺
動ブラケツトの下方を通し、次でブラケツト下部
の案内孔及びヘツドボツクスの孔を通して、ヘツ
ドボツクス下方に垂下し、 該昇降コードに垂持したスラツト等の荷重によ
つて摺動ブラケツトと一体に摺動後退する巻取ド
ラムの摩擦面と、ブラケツトの固定摩擦面との圧
接により、フリクシヨンブレーキを構成したもの
である。ブラケツトのスラツト昇降装置によつて
課題を解決したものである。

（）…実施例 次に、本考案の実施例につき説明すると（第１
図、第２図参照）、 ヘツドボツクス１内に架設した駆動軸２の回転
駆動によつて、スラツト等を垂持した昇降コード
３を巻き取り巻き戻しして、スラツトの展開、縮
畳を行うようにしたブラインドのスラツト昇降装
置において、 ヘツドボツクス１内の駆動軸２の設定位置の周
りに、該駆動軸２を回転自在に挿通したブラケツ
ト４を固定して、該ブラケツト４の前面を固定摩
擦面５とし、 該固定摩擦面５の前方の駆動軸２の周りに巻取
ドラム６を駆動軸２と同転すると共に該駆動軸２
上を前後摺動自在に嵌設し、 該巻取ドラム６は、後端面を摩擦面７とすると
共にドラム部６ａの外周面にねじ６ｂを螺設して
ねじ棒状に形成し、 摺動ブラケツト８の中心孔を雌ねじ孔９に形成
し、該摺動ブラケツト８を巻取ドラム６のドラム
部６ａに螺進退自在に螺合して、摺動ブラケツト
８をヘツドボツクス１の内面に沿つて前後摺動自
在であるが回転しない状態に設置し、 巻取ドラム６に一端を固着した昇降コード３
を、摺動ブラケツト８の下方を通し、次でブラケ
ツト４下部の案内孔１０及びヘツドボツクス１の
孔１１を通して、ヘツドボツクス１下方に垂下
し、 該昇降コード３に垂持したスラツト等の荷重に
よつて摺動ブラケツト８と一体に摺動後退する巻
取ドラム６の摩擦面７と、ブラケツト４の固定摩
擦面５との圧接により、フリクシヨンブレーキＡ
を構成したブラインドのスラツト昇降装置であ
る。

なお、付号１２は摩擦力を助長するために、摩
擦面７に固着した合成ゴム等のパツドである。

（）…作用 (1) 上記の構成において、手動または電動の適宜
手段で駆動軸２を回転駆動すると巻取ドラム６
が同転し、そのドラム部６ａのねじ６ｂが摺動
ブラケツト８の雌ねじ孔９を螺進若しくは螺退
し乍ら、外周面のねじ６ｂにスパイラル状に昇
降コード３を巻き取り若しくは巻き戻して、昇
降コード３の巻き取り若しくは巻き戻しが行わ
れ、よつて、該コード３に垂持したスラツトの
上昇縮畳若しくは下降展開が整然と行われる。

(2) そして、縮畳または展開の途中、或は縮畳上
限位置において、駆動軸２の回転駆動を停止す
ると、その瞬間、昇降コード３に垂持されたス
ラツト等の荷重によつて、巻取ドラム６及びそ
れと一体の摺動ブラケツト８が駆動軸２上を摺
動後退され、その摩擦面７がブラケツト４等の
固定摩擦面５に圧接されて、フリクシヨンブレ
ーキＡとして作用し、よつて駆動軸２の回転は
即時に停止され、スラツト等の停止位置が保持
されるものである。

(3) また、上記フリクシヨンブレーキＡによる停
止状態から、再びスラツトの縮畳、展開を行う
ときは、当初、回転軸２にフリクシヨンブレー
キＡの摩擦制動力を上回る回転力を加えて該回
転軸２を回転開始すると、換言すれば、停止状
態における固定摩擦面５と巻取ドラム６の摩擦
面７の圧接密着状態を強い回転力で打破して、
摩擦面７の方を回転し始めると、フリクシヨン
ブレーキＡの摩擦制動力が低下するため、その
後は、回転軸２（巻取ドラム６及び摺動ブラケ
ツト８）がスムーズに回転して、何ら支障なく
上記作用が行われる。

（）…効果 (1) 巻取ドラムがブレーキ装置を兼ねているの
で、従来の如くストツパー乃至ブレーキ装置を
別設する必要がない利点があり、よつて、巻取
ドラムを小形化、小径化すれば、極めてコンパ
クトなブレーキ装置付のブラインドのスラツト
昇降装置を構成でき、よつて、ブラインド全体
の小形化か可能となる。

特に、近時、高層ビルの省エネ化の目的等か
ら、二重サツシユ窓構造が増加しており、該二
重サツシユのサツシユ対サツシユ間の極く狭い
スペースにブラインドを設置することが要求さ
れてきているが、その点、本考案は上記のよう
にブラインド全体の小形化が可能なので、該要
求に対応し得る。

(2) スラツト等の荷重が昇降コードを経て巻取ド
ラムの摺動力として作用し、それがそのまま固
定摩擦面と摩擦面のフリクシヨンブレーキとし
て作用するので、ブレーキ作用は、駆動軸の回
転駆動停止と全く同時に作用し、遊びなしに目
的位置に正確に停止し得る特徴がある。

(3) ブレーキ作用はスラツト等の荷重によつて行
われるので、スラツト等の枚数が多く重量が大
きくなれば、それに比例して強力に作用するこ
ととなり、従来のストツパー乃至ブレーキ装置
のように、スラツトの大小や枚数、重量等によ
つて制動力にむらを生じたり、荷重が大なため
に装置も大にしなければならない等の不都合を
生じることがない。

(4) 回転フリクシヨンブレーキなので、駆動軸を
回転駆動する時には、設定回転力を加えること
によつてスムーズに回転し得て、何ら支障なく
スラツトの縮畳、展開操作を行い得る。

(5) 駆動軸の回転駆動を電動（モータ）で行う場
合、本案装置を使用すれば、両方向回転モータ
を用いるだけで、スラツトの縮畳、展開操作を
自在に行うことができ、従来の如く電磁ブレー
キ等を設置する必要がなく、よつて、ブライン
ド全体を小形化し得る秀れた利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の実施例の構成概略を示す
縦断側面図、第２図は第１図のA′−A′断面図で
ある。 符号、Ａ……フリクシヨンブレーキ、１……ヘ
ツドボツクス、２……駆動軸、３……昇降コー
ド、４……ブラケツト、５……固定摩擦面、６…
…巻取ドラム、６ａ……ドラム部、６ｂ……ね
じ、７……摩擦面、８……摺動ブラケツト、９…
…雌ねじ孔、１０……案内孔、１１……孔、１２
……パツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヘツドボツクス内に架設した駆動軸の回転駆動
   によつて、スラツト等を垂持した昇降コードを巻
   き取り巻き戻しして、スラツトの展開、縮畳を行
   うようにしたブラインドのスラツト昇降装置にお
   いて、 ヘツドボツクス内の駆動軸の設定位置の周り
   に、該駆動軸を回転自在に挿通したブラケツトを
   固定して、該ブラケツトの前面を固定摩擦面と
   し、 該固定摩擦面の前方の駆動軸の周りに巻取ドラ
   ムを駆動軸と同転すると共に該駆動軸上を前後摺
   動自在に嵌設し、 該巻取ドラムは、後端面を摩擦面とすると共に
   ドラム部の外周面にねじを螺設してねじ棒状に形
   成し、 摺動ブラケツトの中心孔を雌ねじ孔に形成し、
   該摺動ブラケツトを巻取ドラムのドラム部に螺進
   退自在に螺合して、摺動ブラケツトをヘツドボツ
   クスの内面に沿つて前後摺動自在であるが回転し
   ない状態に設置し、 巻取ドラムに一端を固着した昇降コードを、摺
   動ブラケツトの下方を通し、次でブラケツト下部
   の案内孔及びヘツドボツクスの孔を通して、ヘツ
   ドボツクス下方に垂下し、 該昇降コードに垂持したスラツト等の荷重によ
   つて摺動ブラケツトと一体に摺動後退する巻取ド
   ラムの摩擦面と、ブラケツトの固定摩擦面との圧
   接により、フリクシヨンブレーキを構成したもの
   である、 ブラインドのスラツト昇降装置。