JPH0450781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車等のトランクリツドやリヤドア
等の開閉体のロツク装置を車外側からの施開錠お
よび開錠時にはノブ操作によるドアの開放を行う
ノブ付シリンダ錠に関するものであり、そのうち
特にノブ付シリンダ錠のドアパネルへの取付機構
に関するものである。

（従来技術） ノブ付シリンダ錠は、自動車のトランクリツド
やリヤドア等の開閉にあたつてキーをロツク状態
からアンロツク状態に操作した後、ノブの回動に
より前記トランクリツドやリヤドア等の車外側か
らの開閉を可能にするものである。

従来、この種のノブ付シリンダ錠においては、
ノブとシリンダ錠内筒が樹脂モールドまたはノブ
部をシリンダ錠内筒の前部に被着させる等により
一体に形成されており、このノブと一体形成され
たシリンダ錠内筒にタンブラ等を組み込んでシリ
ンダ錠外筒内に挿入し、その後方に突出したシリ
ンダ錠内筒の後端部にリターンスプリングとカム
プレートを挿通してＥリング等の止め具をかしめ
て前記ノブ付シリンダ錠を組み立てた。

このノブ付シリンダ錠を車体ドアパネルに設け
られた取付孔に一方向から挿入して取付けを行つ
ている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このような構造のノブ付シリンダ錠に
おいては、上述のように組立て完了したノブ付シ
リンダ錠は前方にノブが、後方にはカムプレート
が突出しており、このため、前記取付孔の孔径
を、前記ノブ付シリンダ錠のカムプレートやノブ
が挿入可能な孔径に形成しなければならない。そ
の結果、ノブ付シリンダ錠を車体に取付けた後に
ノブと取付孔との隙間が大となり、この隙間に防
水、防塵のためのパツキン等を取付けなければな
らず、組付け作業の作業性が悪いと共に、車体内
部への防水、防塵が必ずしも十分ではないという
問題点がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記のような問題点を解決すること
を目的とし、その手段として、シリンダ錠の内筒
に該シリンダ錠内筒内部から半径方向外方へ付勢
された係合片をその先端部が前記シリンダ錠内筒
の外周面より突出状態で装着すると共に、該係合
片を前記シリンダ錠の外筒と前記ノブの円筒部と
にそれぞれを穿設された周溝に係入させ前記ノブ
とシリンダ錠外筒とシリンダ錠内筒とがシリンダ
錠の軸方向で固定されるように構成し該ノブ付シ
リンダ錠を車体に組付ける際には取付孔のアウタ
パネル側よりノブをインナパネル側よりシリンダ
錠をそれぞれ両方向から挿入し、この車体への取
付部位でノブをシリンダ錠外筒に止め具を介して
軸方向に固定するようにしたものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案に係るノブ付シリンダ錠の側面
断面図、第２図はノブ付シリンダ錠の左側面図、
第３図はノブ付シリンダ錠を車体に取付ける状態
の部分側面断面図、第４図は第２図の正面図、第
５図は第２図の−断面図、第６図は第２図の
−断面図、第７図は第２図の−断面図で
ある。第１図において１はシリンダ錠外筒、２は
ノブを示す。シリンダ錠外筒１内に内装されるシ
リンダ錠内筒３には、該シリンダ錠内筒３内より
半径方向外方へ付勢された係合片４が前記シリン
ダ錠内筒３の外周面よりその先端部が突出状態で
装着されている。前記シリンダ錠外筒１内に前記
係止片４を押圧しながらシリンダ錠内筒３を挿入
し、さらにこの状態でシリンダ錠外筒１にノブ２
を嵌着させると前記係止片４の両端部４ａ，４ｂ
はシリンダ錠外筒１に穿設された周溝１ａと前記
ノブ２の円筒部２ａに穿設された周溝２ｂに同時
に係入されるように構成されている。このように
して、ノブ２とシリンダ錠外筒１とシリンダ錠内
筒３とは、軸方向で固定される。

前記周溝１ａ，２ｂは、シリンダ錠の施錠位置
（第４図参照）から開錠位置（第４図参照）まで
シリンダ錠内筒３が回動する際に、係合片４が周
溝１ａ，２ｂ内を摺動することが可能な状態で、
シリンダ錠外筒１、ノブ２の外周上にそれぞれ穿
設されている。

本実施例では、カムプレート５を作動させる作
動杆６とシリンダ錠内筒３は分離されており、こ
こで該作動杆６の構成について説明する。該作動
杆６は、前記シリンダ錠外筒１内のシリンダ錠内
筒３の後方に配置され、シリンダ錠外筒１に回動
自在に嵌着されるノブ２の円筒部２ａに設けられ
た切欠溝２ｃと、シリンダ錠外筒１に切り欠いた
切欠溝１ｂとを同時に挿通する係止ピン７を介し
てシリンダ錠外筒１内に軸方向に固定される。

前記切欠溝１ｂは、第６図に示す状態から作動
杆６が時計方向に約90°回動する際、作動杆６に
固定された係止ピン７の両端７ａ，７ｂが回動可
能な状態でシリンダ錠外筒１上に切り欠いてあ
る。

ここで、本装置の車体への組付けについて説明
する。第３図に示すように、まず車体のアウタパ
ネル８側の取付孔８ａにノブ２を挿通し、インナ
パネル９側の取付孔９ａに内部に作動杆６とシリ
ンダ錠内筒３とが内装されたシリンダ錠外筒１を
挿入する。次いで、この状態でシリンダ錠内筒３
に設けられた係止片４を押圧しながらシリンダ錠
外筒１をノブ２内に挿入すると係止片４の傾斜面
を有する端部４ａ，４ｂを円筒部２ａの内面が乗
り越え、ここで、係止片４がシリンダ錠外筒の周
溝１ａとノブ２の周溝２ｂとに同時に係入するこ
とによりノブ２とシリンダ錠外筒１とシリンダ錠
内筒３が軸方向に固定される。これにより、アウ
タパネル８に穿設された取付孔８ａはノブ２の円
筒部２ａが挿入される孔径で済み、ノブ２と取付
孔８ａとの空隙も小さく防水、防塵等のための特
別の手段を講じる必要がなくなる。

尚、第１図において１２はノブ２が開閉体の閉
扉位置から開扉位置に回動された際、閉扉位置に
自動的に戻るようにするためのリターンバネ、１
３は作動杆６の端部６ａをシリンダ錠外筒１に軸
方向に固定するための止め具である。

次に、本装置の作動について説明する。

第４図において、シリンダ錠の錠穴３ａの実線
の位置が施錠位置、一点鎖線の位置が開錠位置で
ある。シリンダ錠の施錠位置では、第７図に示す
ようにシリンダ錠外筒１の内周面に設けられた段
差壁１４にシリンダ錠内筒３のタンブラ１５がブ
ロツクされているので、このシリンダ錠内筒３は
回動しない。この時シリンダ錠内筒３に装着され
た係合片４は、第５図に示す実線の位置にあるの
でノブの円筒部２ａの周溝の端部２b₁，２b₃と係
合片４の端部４ａ，４ｂがそれぞれ当接し、ノブ
２の時計回りの回動が規制され、ノブ２は回動し
ない。

キー１６をシリンダ錠内筒３に挿入して、シリ
ンダ錠内筒３を開錠位置に回動させると、係合片
４は第５図に示す一点鎖線の位置に回動する。こ
の時係合片４は周溝２ｂ，１ａ内を摺動し、ノブ
２は開閉体の閉扉位置（第４図参照）のままであ
る。さらに、この状態でノブ２は上記のとおり係
合片４が第５図の一点鎖線の位置にあるので、時
計方向の回動が可能となり、ノブ２を時計方向に
回動させるとノブ２の切欠溝２ｃに係合している
係合ピン７を介して作動杆６が回動して（この時
係合ピン７はシリンダ錠外筒１の切欠溝１ｂ内を
摺動する）、トランクリツドやリヤドア等の開閉
体を開放することができる（第６図参照）。

（考案の効果） 本考案は、以上のようにあらかじめノブとシリ
ンダ錠を分解しておきノブ付シリンダ錠を車体に
取付ける際に取付孔のアウタパネル側よりノブ
を、インナパネル側よりシリンダ錠をそれぞれ両
方向から挿入し、この車体の取付部位でノブをシ
リンダ錠外筒にそれらの内部に挿入されたシリン
ダ錠内筒の係止片を介して軸方向に固定すること
ができるので、取付孔はカムプレートとノブを貫
通させる必要がなく、ノブの円筒部が挿入される
孔径で済み、ノブと取付孔との空隙も小さく防
水、防塵のためにパツキン等を取付孔に取付ける
手間を省くことができるため、組付作業が極めて
簡単になるというすぐれた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るノブ付シリンダ錠の側面
断面図、第２図はノブ付シリンダ錠の左側面図、
第３図はノブ付シリンダ錠を車体に取付ける状態
の部分側面断面図、第４図は第２図の正面図、第
５図は第２図の−断面図、第６図は第２図
−断面図、第７図は第２図の−断面図であ
る。 １……シリンダ錠外筒、１ａ……周溝、１ｂ…
…切欠溝、２……ノブ、２ｂ……周溝、２ｃ……
切欠溝、３……シリンダ錠内筒、４……係合片、
６……作動杆、７……係合ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ錠外筒にノブを嵌着し、施錠状態では
   ノブ回動が不能となり、開錠状態ではノブ回動を
   可能とするノブ付シリンダ錠において、前記シリ
   ンダ錠の内筒に該シリンダ錠内筒内部から半径方
   向外方へ付勢された係合片をその先端部が前記シ
   リンダ錠内筒の外周面より突出状態で装着すると
   共に、該係合片を前記シリンダ錠の外筒と前記ノ
   ブの円筒部とにそれぞれを穿設された周溝に係入
   させ前記ノブとシリンダ錠外筒とシリンダ錠内筒
   とがシリンダ錠の軸方向で固定されるように構成
   したことを特徴とするノブ付シリンダ錠。