JPH0450165B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は金型内部に挿入された温度センサーに
よつて金型温度を測定する金型への温度センサー
取り付け装置に関するものである。

〔背景技術〕

金型内の蒸気供給部に供給された蒸気で加温さ
れた金型の温度を成形時に知つておくことは、成
形温度を設定し、あるいは調整する上で必要なこ
とである。従来では、この金型の温度を測定する
ためには第１図及び第２図のようにして行なつて
いた。図中１は金型で、金型１には外面側から内
部の蒸気供給部２に通じる長孔３が穿孔してあ
り、この長孔３内に温度センサー６を挿入すると
共に内部の蒸気が漏れないように金型１に温度セ
ンサー６を気密的にネジ７で固着し、そしてこの
温度センサー６の熱電対９と自動温度記録計５と
をコネクター８で結線して温度センサー６での検
知を自動温度記録計５に伝えているものである。
この装置にあつては、金型１交換の際にコネクタ
ー８部分で別の金型１の温度センサー６と連結す
ることができるので便利なものである。しかし乍
ら、この装置にあつては温度センサー８の熱電対
９と自動温度記録計５はコネクター８，８で決戦
しているものであるから短絡することがあり、そ
のため真の金型温度が得られない場合があり、ま
た熱電対９の途中に結線部１１がある場合にも上
記のような欠点を有するものであつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記の点に鑑みて成されたものであつ
て、金型内部の正確な温度を測定することがで
き、しかも金型の交換も容易な金型への温度セン
サー取り付け装置を提供することを目的とするも
のである。

すなわち、本発明は金型１に金型１の外面側か
ら金型１内部の蒸気供給部２に通じる長孔３を穿
孔し、先端が閉塞され後端が開口する筒状の保護
管４を長孔３内に挿入して保護管４と長孔３との
間〓を塞ぐよう金型１に密閉固着し、自動温度記
録計５と接続された温度センサー６を金型１の保
護管４内に着脱自在に挿着して成ることを特徴と
する金型への温度センサー取り付け装置により上
記目的を達成したものである。

以下本発明を実施例により詳述する。第３図乃
至第５図に示すように、金型１には金型１の外面
側から金型１内部の蒸気供給部２に通じる長孔３
が穿孔してある。保護管４は先端が閉塞され後端
が開口する円筒状に形成され、保護管４の後部に
は外周にねじが刻設されたねじ部１３が形成して
ある。また、保護管４の後端部にはナツト部１４
が固着してある。このようにして形成された保護
管４は各金型１に予め取付けられているもので、
保護管４の先端を長孔３内に金型１の外面側から
挿入すると共にねじ部１３を長孔３内面に形成さ
れたねじ部１５に螺着してあつて蒸気供給部２か
ら蒸気が漏れないようにこのねじ部１３，１５で
保護管４と長孔３との間〓を塞いである。温度セ
ンサー６は熱電対９とその先端部のシース１６と
で構成され、熱電対９は自動温度記録計５と連続
して、すなわち従来のようにコネクター８や結線
部１１を設けることなく接続してある。温度セン
サー６のシース１６には袋ナツト１７とこの袋ナ
ツト１７内に包み込まれる真鍮製の小径金物１８
が嵌挿してある。この温度センサー６のシース１
６を上記保護管４内に挿着するにあたつては、小
径部１９と太径部２０を有する異径ニツプル２１
を保護管４のナツト部１４に螺着し、シース１６
を異径ニツプル２１の孔内及び保護管４内にシー
ス１６先端が保護管４の先端に当るまで挿入し、
その後袋ナツト１７を異径ニツプル２１の太径部
２０に螺合する。その際、小径金物１８は袋ナツ
ト１７と異径ニツプル２１との間で挟圧されてシ
ース１６の外面に小径金物１８が食い込むことに
なり、シース１６を金型１に固定することができ
るものである。なお、保護管４の長さが金型１の
種類によつて異なる場合には、小径金物１８の位
置をずらしたり、取替えることで各金型１に対応
することができるものである。

しかして、保護管４は各金型１の長孔３内に予
め固着されているもので、この保護管４内に温度
センサー６を袋ナツト１７のねじ締めによつて着
脱自在に挿着することにより、金型１を取替えた
場合に、いずれの金型１に対しても温度センサー
６を取付けることができるものであり、しかも温
度センサー６の熱電対９はコネクター８や結線部
１１が設けられることなく自動温度記録計５に接
続されているので、途中で短絡することもなく真
の金型温度を測定することができるものである。
次に、このようにして測定された金型温度によつ
て金型１の蒸気供給部２内へ供給する蒸気のコン
トロール装置について概略を説明する。第６図は
その配管図の一例を示したもので、図中１は金
型、２２は電子空気圧式熱電温度記録計、２３は
蒸気管、２４は空気管、９は熱電対、２５はダイ
ヤフラム式調節弁、２６は減圧弁、２７は圧力
計、２８はバイパス、２９はトラツプ、３０は空
気ろ過器である。生蒸気は矢印Ａより送られてく
る。金型温度を上記のようにして温度センサー６
で測定し、その温度を電子空気圧式熱電温度計２
２で記録すると同時に空気圧を調整する。制御さ
れた空気圧はダイヤフラム式調節弁２５によつて
蒸気圧を制御し、この制御された蒸気が金型１内
部に入つて金型温度を調節するものである。

なお、第７図は他の実施例を示したもので、保
護管４のナツト部１４の内周面に凹溝３１を設
け、温度センサー６のシース１６の基部３２に穿
孔した小孔３３内に小球３４を突出没入自在に挿
着し、このシース１６の基部３２をナツト部１４
内に挿入する際に小球３４をナツト部１４の凹溝
３１内に嵌入させることによつてシース１６を金
型１に取付けるようにしものである。また、第８
図はさらに他の実施例を示したもので、長孔３の
近傍にて金型１の表面に止め金３５を回動自在に
固着しておき、止め金３５先端の止め部３６でシ
ース１６を固定するようにしたものである。

〔発明の効果〕

上記のように本発明は、金型に金型の外面側か
ら金型内部の蒸気供給部に通じる長孔を穿孔し、
先端が閉塞され後端が開口する筒状の保護管を長
孔内に挿入して保護管と長孔との間〓を塞ぐよう
金型に密閉固着し、自動温度記録計と接続された
温度センサーを金型の保護管内に着脱自在に挿着
したので、温度センサーの熱電対には従来の如く
コネクターや結線部を設けることがなくて、短絡
する恐れがなく、また金型内部の温度を正確に測
定することができるものであり、しかも、温度セ
ンサーを金型の保護管から取外して別の金型の保
護管に挿着することが可能で金型の交換も容易な
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の側面図、第２図は同上の要部
説明図、第３図は本発明一実施例の説明図、第４
図は同上の分解断面図、第５図は同上の要部断面
図、第６図は同上の金型温度自動コントロールの
配管図、第７図ａ，ｂは同上の他の実施例の要部
斜視図と要部断面図、第８図ａ，ｂは同上のさら
に他の実施例の要部斜視図と要部断面図である。 １は金型、２は蒸気供給部、３は長孔、４は保
護管、５は自動温度記録計、６は温度センサーで
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金型に金型の外面側から金型内部の蒸気供給
   部に通じる長孔を穿孔し、先端が閉塞され後端が
   開口する筒状の保護管を長孔内に挿入して保護管
   と長孔との間〓を塞ぐように金型に密閉固着し、
   自動温度記録計と接続された温度センサーを金型
   の保護管内に着脱自在に装着して成ることを特徴
   とする金型への温度センサー取り付け装置。