JPH04501468A - 多重帯電イオンおよび大分子の分子量の決定方法 - Google Patents

多重帯電イオンおよび大分子の分子量の決定方法

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JPH04501468A JP50873290A JP50873290A JPH04501468A JP H04501468 A JPH04501468 A JP H04501468A JP 50873290 A JP50873290 A JP 50873290A JP 50873290 A JP50873290 A JP 50873290A JP H04501468 A JPH04501468 A JP H04501468A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 多重帯電イオンおよび大分子の分子量の決定方法権利の説明 米国政府は本発明に関し支払済ライセンスを有すると共に、特許権者を必要とす る制限された状況においてナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルスによ り認可されたNo、2ROI GM31660−04A 1の規定により与えら れた合理的な期間にわたり第三者にライセンスする権利を有する。
本発明は、溶液における化合物の質量分光光度分析法の改良に関するものである 。特に、本発明は大型の脆い溶質種類の質量もしくは分子量を従来方法により可 能であったよりも大きい速度、便利さおよび精度で測定することに関する。さら に本発明は、複数の電荷を有する゛イオンの集団からなる新規な物質組成に関す るものである。
背景技術 − 質量分光光度法は、個々の分子を完全にイオンまで減圧下で変換させ、次いで電 場および/または磁場の種々の組合せに対するその軌道の応答を測定することに より個々の分子を「計量上することよりなっている。質量分光光度法を極めて大 きい極性有機分子および生物有機分子の分析まで拡大するくから煩わされている 。たとえば検出感度、質量測定の精度、および充分な測定値のようなパラメータ に関する質量分光光度法の分析上の利点は、前提とするイオンを形成しえなけれ ば実現することができない。大型の極性分子は一般に減圧下においてさえ激しく 破滅的な分解なしには気化することができない。その結果、エレクトロン・イオ ニゼーション(El)におけるような電子、もしくはフォト・イオニせ一ジョン (PI)におけるような光子、またはケミカル・イオニゼーション(CI)にお けるような他のイオン、或いはオーガーは分子により、イオン化すべき分子の気 相エンカウンタに基づく古典的なイオン化法を適用することができない。この種 のエンカウンタは、電子の除去もしくは付着および陽帯電物質(典型的にはプロ トン)の除去もしくは付着を含む各種のメカニズムにより中性分子からイオンを 形成することができる。
近年、種々の程度の成功を以て完全イオンを増々増大する寸法の分子種類から製 造しうるようになった多数のいわゆる「ソフト」イオン化法が開発されている。
この種の方法の1種は、分析すべき物質(分析物)が分散されている表面に対し エネルギーを極めて迅速に与えることに基づいている。この考えは、ボイフラー 等によりジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、第96巻、第 3990頁(+974)に最初に示唆されたように、所要の熱を充分迅速に加え れば分解が生ずるチャンスを有する前に気化が生じうると言うことである。現在 使用されている迅速な加熱法はプラズマ脱着(PD)を包含し、放射性同位元素 (一般にカリホルニウム−252)の崩壊が表面上に小プラズマ斑点を生ぜしめ 、そこから少ない分析物の完全イオンが発生する。さらに分析物含有の表面を数 10キロボルトのエネルギーまで加速されたイオン(たとえばCs ”)により 衝撃する、以下迅速イオ°ン衝突(F I B)と称する二次的イオン化質量分 光光度法(SIMS);表面に衝突する前に加速イオンを電荷交換によって中和 する迅速原子衝突(FAB);’光子が表面上にエネルギーを与えるためのベヒ クルからなるレーザー脱着(LD)を包含する。これらの方法は極めて大きい分 析物か不可逆的であって膨大な力を特徴とする。今日まで、LDにより210. 000程度の分子量[M、カラスおよびF、ヒレンキャンプ、第11回国際質量 分光光度法会議、ボルドー、フランス国、1988 、アナリチカル・ケミスト リー(1988) 、第60巻、第2299頁参照] 、FAB (もしくはF  I B)により24.000程度の分子量[M、バーバーおよびB、 N、グ リーン、ラビッド・コミューニケーション・イン・マス・スペクトロメトリー  (19g?) 、第1巻、第80頁]およびPDにより45,000程度の分子 量[G、ジョンソン、P、ハカンソン、A、ヘジン、D、フエンヨ、B、サンド クビスト、H,ベニッヒおよびP。
レプストルフ、ラピッド・コミューニケーション・マス・スペクトロメトリー、 出版中]を有する生物有機化合物から完全イオンが形成されている。これら方法 におけるイオン流は極めて小さく、・LD以外には分子量の増大と共に急速に減 少する。イオンが極めて大きくなれば、掛算器を用いるその検出はしばしば不都 合に高い後加速電圧を必要とする。恐らくLDを用いる以外は、生成されるイオ ンはしばしば高レベルの内部励起を有して、事前解離に基づく相当なピーク拡開 をもたらしつる。
これらの「過激」なイオン化法とは実際上および原理上全く異なるものは、極め て強力な静電フィールドを用いてイオンを基質から抽出する技術である。いわゆ るフィールド脱着rFD)イオン化においては、分析物分子を細い線材に施し、 その表面に鋭利な先端の針もしくは「ホイスカ」の列を配置する。この線材を減 圧装置内に入れると共に慎重に加熱しながら高電圧を印加すると、分析物分子は 有効フィールド強度が極めて高い針の先端からイオンとして脱着する。これは極 めて不揮発性の分析物を減圧下にイオンまで変換しうるが、FDは広く使用され ていない。何故なら、1部には試料の作成が面倒であり、1部には適切な温度お よび減圧に合致するよう線材を調節するのが困難であり、さらに1部には脱着イ オンが極めて高いエネルギーを有するので質量測定を行なうには比較的高価な磁 力セクター分析器を使用せねばならないためである。いわゆる電気流体力学イオ ン化(EH)においては、分析物を不揮発性液体(たとえばグリセリン)に溶解 させると共に、高電圧に維持された小毛細管を介し減圧室中に注入する。液体溶 剤は、減圧中に急速蒸発して「凍結乾燥」しないよう低い蒸気圧を持たねばなら ない。溶質イオンは溶剤の分子およびクラスタと共にその表面にて高フィールド により流出液から脱着し、質量分析することができる。EHは広範に実施されて いない。何故なら、1部には低い蒸気圧を持った数少ない液体しか大型の極性生 物有機化合物につき良好な溶剤でなく、1部には脱着イオンが一般に溶剤の1個 以上の分子と溶媒和し、さらに1部にはしばしば幅広いエネルギー分布を有する からである。さらにFDの場合と同様に、生成イオンは高エネルギーを有し、磁 気セクター分析器を必要とする。
過去数年間にわたり、高電場を用いてイオンを脱着させる新規な種類のイオン化 技術が出現した。これらの技術は、脱着が溶液の小帯電液滴から減圧中でなく周 囲浴ガス中に行なわれる点において、FDおよびEHとは異なる。液滴表面にお ける所要の高フィールドは、溶剤が蒸発する際に増大する電荷密度と減少する液 滴表面の曲率半径とから生ずる。次いで、脱着イオンを含有する浴ガスの1部分 を小オリフィスを介して適当な質量分析器を内蔵した減圧装置に流入させる。
浴ガスは極めて効果的な調節器として作用し、すなわちイオンの内部エネルギー と並進エネルギーとの両者を鋭敏な生物有機化合物の熱分解でさえ生ぜしめるほ ど鍼灸に高くない浴ガス温度に相当するレベルに維持する。ベスタルおよびその 共同者によって開発された熱噴霧(TS)イオン化においては、試料溶液を壁部 が溶剤の殆どを気化するほど充分熱く加熱されたチューブに通過させる[ジャー ナル・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(+980 ) 、第102巻、第5 931頁コ。次液を噴霧させる。かくしてチューブの端部から過熱溶剤蒸気の超 音波ジェットが発生し、噴霧された残留試料溶液が小滴とし゛て分散され、その 等しい個数が陽帯電および陰帯電する。
帯電は、液体が噴霧される際の陽イオンおよび陰イオンの分布における統計的変 動の結果である。創始者であるJ、V。
イリバルネおよびB、 A、トムソンにより大気圧イオン蒸発(APIE)と称 されたほぼ均等な技術においては、試料溶液の流れを高速度の空気ジェットで遮 断して液滴を生ぜしめる[ジャーナル・ケミカル・フィジークス(+976)  、第64巻、第2287頁および同上(1979) 、第71巻、第4451頁 ]。この文献において、APIEは便利な用語エアロスプレー(AS)と称され 、試料液の空気圧噴霧に基づくことを示している。
TSにおけると同様に、帯電は液体の噴霧に際し液滴間の陽イオンと陰イオンと の分布における統計的変動に基づく。3キロボルトの電位を有しかっ噴霧領域の 近傍に置かれた誘導電極は全イオン流を著しく増大させることが判明した。さら に、得られる液滴および脱着イオンは全て、電極の極性に応じて同一の符号(す なわちプラスもしくはマイナス)を有する。
木出願に開示する発明は、噴霧により帯電を生ぜしめる代りに帯電により噴霧を 生せしめる点においてTSおよびASの1種の鏡像と考えうる、いわゆる電気噴 霧(E S)イオン化に由来すると共に、これに関するものである。ESにおい ては、液体試料を小孔チューブを介して導入し、このチューブを浴ガスを含有し たチャンバの周囲壁部に対し数キロボルトに維持するが、一般に必ずしも大、気 圧の近傍でない。チューブの先端における静電フィールドは流出する液体の表面 を帯電させる。生ずるクーロン力は液体の表面張力を克服すると共に、これを帯 電液滴の微細なスプレー中に分散させる。
かくして、噴霧は静電力によって行なわれ、TSおよびASで達成しつるよりも ずっと高い電荷/質量比を得られる液滴につき与える。チューブの先端における フィールドが高過ぎ、或いは周囲の浴ガスの圧力が低過ぎればチューブの先端に てコロナ放電が起こり、噴霧の効果を実質的に低下させる。このESイオン化技 術は1985年に認可された米国特許第4、531.051i号および第4.5 42.293号公報に充分記載されている。
発明の要点 最近、ES源は何らの断片形成なしに極めて大きくかつ複雑な溶質種類からイオ ンを生成し得ることが突き止められた。
これら物質は、たとえばEI、PI、CIもしくはAIのようなイオン化技術に より恐らく完全にイオンまで変換しえないほど不揮発性である。さらに、この種 の大型物質はTSもしくはASのいずれかによりイオン化されたと言う報告もな い。さらに予想外に、大分子量の物質につき得られるイオンはそれぞれ最小数と 最大数との間に分布した多数の電荷を有することも判明した。これら最小数およ び最大数の数値は、物質の寸法および組成に依存する。たとえば40個もしくは それ以上の電荷を有する約40,000個のイオンまでの分子量を持った溶質物 が蛋白から得られた。この複数の電荷はイオンの質量/電荷(m/z)の比を減 少させ、したがって電荷数/イオンに等しい係数だけ分析器の有効質屋範囲を増 大させる。
すなわち、少なくとも40.000ダルトンまでの質量を有する分子を公称質量 上限が1500ダルトンである中庸の4極質員フイルタによって分析することが できた。「有効」および「公称」と言う用語は、本明細書中において分析器の質 量能力を特性化すべく使用される。何故なら、質量分光光度法における慣例は、 分析すべきイオンが殆ど常に単一帯電していると想定するからである。したがっ て、分析器が測定するイオンに関するm/z値において、2は殆ど常に単位であ る。すなわち本発明の重要な特徴は、ESイオン源を用いて、これら分子の分子 量がスペクトルを得るべく用いられる分析器の公称質量上限よりもずっと高いに も拘らず、完全親分子に対応するピークを持った有用な質量スペクトルが得られ ることを突き止めた点にある。この顕著な結果は全く予想外であり、本発明が実 施される前には決して予想されなかった。
本発明者等の知見に関する初期の開示[1988年6月5〜lθ日のサンフラン シスコにおける質量分光光度法に関する米国学会の年次総会]にしたがい、かつ 本発明者等の方法を用いて、第三者は130.000程度に高い分子量を有する 蛋白イオンを生成させている[R,D、スミス、J、A、ルー、C,J。
バリナガおよびH,ウドセス、1988年11月のフライブルクにおけるLC− MSに関する第5回(モントリオール)シンポジュームに提出]。これら大型イ オンは100個もしくはそれ以上の電荷を有し、その質量は1500ダルトン程 度の上限を有する公称質量範囲を持った4極質量分光光度計で分析されている。
さらに、この多重帯電現象は、蛋白もしくは蛋白様構造を持ったイオンに限定さ れない。さらに多重帯電イオンは、たとえば糖類、ポリヌクレオチドおよび合成 ポリマーのような他の大きくかつ複雑な分子からこれら方法によって生成されて いる。たとえば、425Gに近い分子量を持ったオリゴヌクレオチドを用いて、 コベイ等は6〜11個の陰電荷を有する親イオンにつき6個のピークを有する質 量スペクトルを得た[T、R,コベイ、R,F、ボナー、B、1. シュスハン およびJ、D、ヘニオン、ラピッド・コミューニケーション・マス・スペクトロ メトリー、第2巻、第249頁(1988) ]。
重要な要件は、それ自身イオンでない分子が極性原子もしくは基、たとえば0、 NおよびSを有して、これに電荷保持物質が恐らくイオン誘発のダイボール力に よって保持されて付着し得ることである。たとえば、極めて非極性である炭化水 素のような分子はES技術により効果的に分析することができない。マルコルム ・ドールおよびその共同者による初期の実験[M、ドール、L、L、 マッグ、 R,L、ハインス、RoC,モブレー、LD、フェルグソンおよびM、B、アリ ス、ジャーナル・ケミカル・フィジークス、第49巻、第2240頁(1958 ) ;同じく第52巻、第4977頁(1970) ]は、ESが大ポリスチレ ン重合体の単一帯電したイオンを発生し得たことを示すと思われる。しかしなが ら信頼しうる証明は、観察されたイオンが恐らく重合体分子のクラスタで構成さ れると共に各クラスタに複数の電荷を有すると言う事実を蓄積している。これら 帯電したクラスタは、恐らく全溶媒が蒸発した後の帯電液滴の残留物を示した。
このように高度の多数帯電を有する個々の分子からなるイオンは実験室にとって 新規であることに注目すべきである。
揮発性分子と電子、光子もしくは他のイオンとの間の気相エンカウンターに基づ く古典的なイオン化法は一般に単一帯電イオンのみを発生し、しばしば2個の電 荷、希には3個の電荷を有するイオンを与えた。多数電荷を有するイオンは、た とえばTS、AS、FAB、S IMSおよびPDのような前記の最近開発され た「ソフト」イオン化法の幾つかにより生成されているが、一般に2個もしくは 3個の電荷しか持たず、決して5個もしくは6個より多くない。さらに、これら 方法によ−り発生した相当な割合のイオンは、極めて大きい物質についても単一 帯電である。最小寸法より大きい物質のESイオン化では、最小数より少ない電 荷を持った検出しうる量のイオンが存在しない。この最小数の電荷は、親物質の 分子量が増大するにつれて増加する。たとえば、牛インシュリン、リゾチームお よびアルコールデヒドロゲナーゼのようなそれぞれ5730、+4306および 39830の分子量を有する小蛋白の場合、電荷の最小数はそれぞれ典型的な操 作条件下での実験にて4、IOおよび32である。従来、二重帯電イオンにつき 複数ピークが質量スペクトルで観察された際、質量分光光度法はこれらピークを 用いて、同じスペクトルにおけるピークが分° 折物の分子状イオンに該当する ことを確認した。この確認操作は2つの理由でからなり簡明である:第1に、分 子状イオンは単一帯電であって極めて豊富に存在しく何故なら、最も安定な分子 のみが多重帯電イオンを形成するからである)、かつ分析器の質量範囲から殆ど 外れない質量を有するからである。第2゛に、複数の電荷は殆ど常に僅か2であ るからである。この確認技術は、複数性が多くとも恐らく2〜5個の電荷を有す るまだ小さいが極めて大きいイオンであるPDにつき使用されている。成る種の 場合、多重帯電イオンは回避すべき妨害と見なされている。何故なら、これらは 分析物と電荷との両者から主ピーク(単一帯電イオン)を奪うことにより検出感 度を低下させると思われるからであり、或いはこれらは重要な断片を遮蔽しうる からである。事実、質量分光光度学者の初期の反応は、複数の多重帯電親ピーク を有するスペクトルに直面した際、常に狼狽するものであった。彼等は本能的に 、この種の複数のピークが不可避的に感度を低下させると共にスペクトルの理解 を一層困難にすると感じた。本発明の特徴は、1スペクトル当りのピーク数と1 イオン当りの電荷数における多重性の予想されるこの欠点を実質的な利点に変え ることにある。この利点は特に、分析物の質量が質量分析器の質量範囲をずっと 越えるような状況につき現実となる。この種の場合、単−帯電親イオンに関する ピークは、これらイオンが分析器中に入るイオンの流れに極めて豊富に存在した としても、スペクトル中に観察することができない。
多重帯電イオンの他の利点は、これらを自由ジェット膨張により減圧装置中に搬 入する比較的高圧力のガスで発生された場合、質量分析器中に流入する際に狭い イオンのエネルギ−分布が存在することである。液滴の蒸発およびイオンの解離 を促進するには、しばしば浴ガスを350にもしくはそれ以上、すなわち大抵の 有機および生物有機化合物の熱安定性限界内に充分大る温度まで加熱することが 望ましい。オリフィスから減圧中へ断熱的に自由ジェット膨張する際、浴ガス温 度は一般に100 Kより相当低い数値まで低下し、したがってイオンの内部自 由度はイオンが質量分析器に流入する際に極めて低くなる。浴ガスの密度として 示され或いは同速度でガスと共に移動する温度計によって測定されるこれらイオ ンの並進「温度」は極めて低く、イオン自身もしくは浴ガス分子の内部自由度の 「温度」よりも若干低くさえある。その理由は、これら温度の尺度が主としてイ オンおよび分子の並進エネルギーを反映するからである。急速断熱膨張を受ける ガスにおける全ゆる物質の並進温度は、常にこれら物質の内部エネルギーよりも 低い。したがってイオン並進エネルギーの分布は極めて狭く、これは正確な質量 分析に関し極めて有利である。重質の物質(イオン)はより軽いキャリヤガスに より加速されるので、膨張後のイオンの全並進エネルギー(より適切には「エン タルピー」)は、原料温度における熱エネルギーよりもイオンの分子量と原料ガ スの平均分子量との比にほぼ等しい係数[すなわち重質物質(イオン)および軽 質物質(浴ガス)の濃度重量平均]だけ高い。すなわち、350 Kの原料温度 から膨張した窒素の浴ガスにおける極めて低濃度にて100.000の分子量を 有するイオンは、原理的に約370eVの並進運動エネルギーまで加速すること ができる。単一帯電イオンにおけるこのように大きいエネルギーは、質量分析器 に突入する際、質量分析を複雑にする。何故なら、許容しつる流入エネルギーが 3?QeVよりもずっと低い4極質量分析器につき大き過ぎるからである。さら に、このように大きいエネルギーは、飛行時間もしくは磁気セクター装置により 質量分析につきイオンに加えられたエネルギーの相当な未知の割合を構成する。
しかしながら、ずっと軽いキャリヤガスによる加速に際し重質物質につき速度ラ グをもたらすスリップ効果のため、この種の重質イオンの最終速度は恐らく最大 浴ガス速度の僅か50〜70%となって、100.000の分子量を有するイオ ンの並進エネルギーは370eVの制限値の25〜50%程度、すなわち185 eV未満となることも充分確認されている。さらに、明らかなように、電気噴霧 源から生じた100、000の分子量を有するイオンは80個以上に多い電荷を 有する。大抵の質量分析器は、運動エネルギーもしくはモーメントと電荷との比 に応答する。したがって、たとえば80個の電荷と185eVの運動エネルギー とを有するイオンは約2.5eVのエネルギーを有する単一帯電イオンと同様に 分析器内で挙動し、その質量分析は困難性を示さない。
本発明の他の利点は、純粋化合物である大型溶質種類のESイオン化における驚 異的知見に基づいている。全分子が同じ分子量を有するこの種の物質につき、E S源からのイオンの質量分析により生じたスペクトルは、多重帯電すると共に単 一電荷だけ隣接ピークとは異なるイオンを持ったピークの配列を含む。ポリエチ レングリコール(PEG)を用いた初期の実験において、複数の電荷を有するイ オンを観察した[S、F、 ウォング、C,’に、メングおよびJ、B、 フェ ン、ジャーナル・フィジカル・ケミストリー、第92巻、第546頁(1988 ) ]。しかしながら、全ゆる試料において、それぞれ種々の個数の電荷を有す るイオンを生成するような広範囲のオリゴマーが存在したので、6個もしくはそ れ以下の電荷を有するイオンにつき個々のピークを分割するしかできないようス ペクトルが密集した。さらに、密集は所定分子量の特定オリゴマーが隣接ピーク とは単一電荷だ°け相違した1個のピークの成分イオンを有するピークの密集配 列をもたらすかどうかを識別することを不可能にさせた。事実、この論文および まだ刊行されてない刊行物は、多重帯電PEDオリゴマーを示すと理解された比 較的特徴のないバンドが恐らく不純物に基づくと主張している。ここに記載した 実験が蛋白質につき行なわれるまで、殆どの分子を構成する各試料が実質的に同 じ分子量を有しく同位元素の差を除り)、本発明の重要な特徴であるピークの顕 著な密集配列が突き止められなかった。
これら蛋白質の結果が明らかとなりかつ理解された後に初めて、質量分光光度学 会はこの種の広範な多重帯電および質量スペクトルにおける得られた複数ピーク のコヒーレンスに関する現実を認めた。
本発明が示すように、比較的大分子量を有する比較的少数の異なる溶質種類を含 有した溶液を、分析すべき溶液が充分高い電荷を持った液滴として浴ガス中へ分 散されるに応じて、ES源または任意の均等源に導入する際、得られるイオンは 各溶質種類につき各貰子がn個の電荷を有するこの種の物質の分子よりなる集団 を構成する。この集団において、nは最大値と最小値との間の全ての整数値を取 りうる。これら最小値および最大値は物質の寸法および組成により決定され、両 者とも物質の分子量が増大するにつれて増加する。現在まで検討された物質につ き、電荷の最大数は各イオンの質ffi/’[荷(m/X)比が一般に約500 以上になるような数であると思われる。これら結果は、さらにm/zの最大値が 恐ら(約3000以下であるような数値を電荷の最小数が有することを示唆する 。興味ある数値を持った大分子につき、m/zのこの最大値は一般に3もしくは 4より大きいnの数値に相当する。
これらESイオンとFAB、PDSF I BSFDおよびLDを包含する他の ソフト方法により発生するイオンとの間の重要な相違点は、3000もしくはそ れ以上の分子量を有する殆どの物質につき1もしくは2程度に低いnの数値を持 ったイオンが全く存在せず、或いは全集団の極めて少なくい割合を構成すること である。他の「ソフト」法において、これらは全イオン集団の重要成分である。
これらの観察は、イオン化法の性質における相当な相違点を証明する。単に付着 した最小数よりも少ない電荷を有する物質は、その表面に存在するフィールドに より液滴から脱着されないと思われる。したがって、物質がより大となるにつれ 、「リフトオフ」に必要とされる電荷の最小数が増大し、臨界数よりも低い数値 を有するイオンが見られなくなる。
従来の質量分光光度法の慣例とは異なり、ESスペクトルに見られる複数のピー クは、分子量を親物質に与えうる信頼度と精度とを顕著に向上させうるので、大 きい用途を有することも突き止められた。さらに、この向上を達成すると共に、 この種の複数のピークを持った質量スペクトルから情報を回収するための便利な 方法をも突き止めた。これら方法は親物質の多重帯電に基づく複数ピークを特徴 とした任意のスペクトルに適用しつるが、どのように生成されたとしても、これ らは上記に詳細に示した原理を実現化する電気噴霧イオン源で発生したイオンの 質量スペクトルを参照して説明される。
要するに本発明は、複数のピークからなる質量スペクトルの作成に関し、これら ピークは比較的高い分子量を有する物質の多重帯電によって発生する。さらに本 発明は、この種のスペクトルからの情報の回収方法にも関するものである。さら に本発明の特徴は、生成することができた多重帯電イオンの集団の性質に関する ものである。これらは新規な物質組成を示す。本発明のこれら特徴は、約300 0より高い分子量を持った複雑かつ不揮発性の物質を含有する試料の質量分光光 度分析において特に価値がある。本発明の他の特徴および利点は以下の説明から 明らかとなるであろう。
図面の簡単な説明 以下添付図面を参照して本発明を一層詳細に説明する。
第1図は本発明を実施しうる装置の略図である。
第2図は第1図に図示した必須の特徴を実現する装置を用いて8種の蛋白につき 得られた質量スペクトルを示し、1成分イオン当りの電荷の個数iを代表的ピー クにつき示す。
第3図は第2図に示した蛋白チトクロームCのスペクトルにおける各ピークに関 する一貫した検査を示し、実線は式5のプロットである。各点は種々異なるピー ク対(K’i/に’i+j)、すなわちそれぞれ異なるピーク対に関する測定さ れたm/z値の比である。(a)においてピーク位置は第1図からのスペクトル にて測定された通りであり、(b)は(a)と同じであるが、ただし1=14に 関するピークはm/2尺度にて5単位だけ故意にずらしである。ずらしたピーク を含むピーク値を示した各点はクロスである。
第4図はチトクロームCに関する質量スペクトルにてmだけ1=19のピークに つきm/zをずらした結果を示す。破線は非加重平均質量に対する効果を示し、 実線は加重質量に対する効果を示す。加重平均は、ピークが配列中の残余のピー クに対しその「最良位置」から外れた際に偏ったピークによって殆ど影響を受け ないことに注目される。白丸印は(右側縦軸にて)p=2である場合に相対的加 重係数W19を示す。
第5(a)図は6〜19個の電荷を有するイオンにつきピークの合成配列を示す 。第5(b)図は式8による(a)のたたみこみ解除を示す。質量尺度は親質量 Mの単位である。
第6(a)図は二等辺三角形に近似した形状を有するピークの合成配列(FWH H=0.5%)を示し、ピーク高さの10%である一定のバックグランド関係も 組込まれている。第6(b)図は式8による(a)の変換を示す。
第7(a)図は第2図におけるチトクロームC(M=12、260)に関するス ペクトルの式8によるたたみこみ解除を示す。第1副ピークの理論位置は黒三角 印によって示される。
第7(b)図は10.000−14.000の質量範囲に関する(a)における スペクトルの「ズーム」拡大を示す。白玉角印により示されたピークの説明につ いては本文参照。
第8図は炭酸アンヒドラーゼI[(M=29.006)につき第2図におけるス ペクトルにたたみこみ解除アルゴリズムを適用した第7図におけると同様な結果 を示す。
第9図は式8を適用して得られた各物質に関するたたみこみ解除スペクトルと共 にチトクロームCとミオグロビンとの混合物に関する電気噴霧質量スペクトルを 示す。
発明の詳細な説明 第1図は、電気噴霧質量分光光度法(ESMS)の本質的特徴を実現し、従来記 載されている[C,M、ホワイトノーウス、R,N、ドレイヤー、M、ヤマシタ およびJ、B、フェン、アナリチカル・ケミストリー(1985) 、第57巻 、第675頁;米国特許第4.531.056号(ラボウスキー、フェンおよび ヤマシタ)、並びに米国特許第4.542.293号(フェン、ヤマシタおよび ホワイトハウス)]本発明による装置の略図を示している。その操作に関する次 の説明も、その原理に関し便利な序論を与える。一般に1〜40μl/minの 流量にて分析物を含有する溶液が、壁部および端板3に対し数キロボルトに維持 されたステンレス鋼製の皮下針2を介してESチャンバ1に流入する。この電位 差を達成する最も直接的な方法は、試料液の原料と皮下注射針とこれらを接続す るチューブとを所要の電圧にてフロートさせると共に装置の残部を基礎電位もし くはその近くにすることである。さらに液体注射針を所要の高電位に維持して、 液体試料が原料から注射針まで流動する両者間のラインに沿って電圧低下が生ず るよう液体試料の原料を基礎電位にすることもできる。この電圧低下は電流を注 射針から接続管を介し液体試料の原料まで流動させる。
高電圧出力供給部における得られた電流ドレインは、接続管を極めて長くするこ とにより最小化させてその電気抵抗を増大させることができる。或いは、電流ド レインにも拘らず注射針に所望の電圧を維持するのに充分な容量を持った高電圧 出力供給部を装着することもできる。これらいずれの場合にも、減圧系4に至る 開孔部は簡単なオリフィスもしくはノズルとしうるが、これらはコストおよび安 全性の問題に遭遇する。試料液の原料を基礎電位に維持する一層有利な方法、す なわち試料源が液体クロマトグラフである場合に最も望ましい操作条件は、オリ フィスの代わりに第1図に示したような誘電材料(たとえばガラス)の毛細管5 を用いることである。
陽イオンを発生させるための満足しつる操作は、次の各部品の後に括弧内で示し た印加電圧の典型的数値を用いて得ることができる二針2(基礎電圧)、包囲円 筒電極6 (−3500)、ガラス毛細管の金属住人ロアおよび出口8端部(そ れぞれ−4500および+40)、スキマー9 (−20) [これを介し自由 ジェットからのイオン支持ガスのコア部分が質量分析の手段12(基礎電圧)の 前のイオンレンズ11を含む第2減圧室10中に移動するコ。この配置により、 液体試料源と液体試料注射針2と接続管とは全ゆる外部の装置部分と共に基礎電 位となり、後記に説明するように操作員に対し害を与えない。
陰イオンを発生させるため、反対符号の同じ電圧を印加する。さらに、少量の酸 素もしくは他の電子スカベンジャの流れを針先端の近傍に導入して、陰イオンモ ードで低電圧にて生ずるコロナ放電の発生を阻止するのが有用である。電気噴霧 室を開放して針先端におけるコロナを点検すれば、部屋が充分暗いかどうか見る ことができ、さらに充分静かであるかどうか聞くことができる。電圧がコロナを プラスモードで発生するのに充分高ければ、スペクトルピークにおけるアダクト 陽イオンは如何に低電圧であろうとも極めてしばしばプロトンになる。マイナス イオンモードにて、スペクトルはしばしば0.N、OおよびCを含有するガスに おいて放電が生ずるかどうか予想すべきイオン(すなわち0−1NO−1CN− 1NO−1OCN−および02−)につきピークを有する。
最初の点検において、毛細管の入口端部と出口端部との間における4540Vの 示した電位差が発生すると思われる。約1気圧のキャリヤ浴ガス(窒素)にて、 イオン移動度は毛細管を流過するガス流が毛細管入口にて電位ウェルからイオン を引出し、これらを基礎電位または+5kV程度だけ高い電圧まで上昇させつる よう充分低くなることを突き止めた。かくして、磁気セクター分析器に注入する のに必要なエネルギーを容易に供給することができる。0.2 x 70mmの 孔部を有する毛細管は、最初の装置における高圧室と低圧室との間に自由ジェッ ト「ロック」を生ぜしめる初期の装置で用いた薄板オリフィス(d =0.1m m )とほぼ同じ浴ガスおよびイオンの両者の流量を移動させる。
試料溶液がES装置中に流入すると、針先端におけるフィールドは流出液の表面 を帯電して、クーロン力により帯電液滴の微細噴霧まで分散させる。電場により 移動されると、液滴は浴ガスの向流を介し毛細管の入口端部の方向へ典型的には 800トール、320〜350 Kの流入温度および約100mL/sの流量に て移動する。温度および流量の最適値は、特定装置の設計詳細、分析される物質 の種類、および実験の目的に依存する。高過ぎる浴ガスの流量は、低移動度を有 する分析物イオンが毛細管の入口に達するのを妨げることにより感度を低下させ る。流量が低過ぎれば、イオン溶媒和の程度が過度となる。しかしながら、ある 場合には、浴ガス温度および/または流量を低下させることにより、イオンにお ける所定量の溶媒和を保持することが望ましい。たとえば、典型的数値で示され た程度の浴ガスパラメータにて可使イオンビームも得られるが、特定の装置にて 特定の実験につき最良の流量および温度を決定するには所定の試行錯誤が推奨さ れる。浴ガスの選択は他の重要な因子である。ガスは、分析物イオンに対する反 応または電荷交換を受けない意味で不活性とすべきである。さらに印加電圧が比 較的高い場合にも、注射針の先端における破壊および放電を回避するには、比較 的高い誘電強度を持たねばならない。さらに、ガスは装置を長期間にわたり操作 する場合には安価であることも望ましい。窒素にて一般に充分であることが判明 した。二酸化炭素も多くの物質につき極めて良好に作用する。スペクトルにおけ る化学ノイズを生ぜしめるような汚染物を含まなければ、空気も用いられる。
他の非帯電物質と共に蒸発液滴から生じた溶剤蒸気は浴ガス流により毛細管入口 から掃去される。さらに上記のシナリオによれば、移動液滴の急速蒸発は順次の クーロン力発生を促進させて、表面における電場が溶質イオンを周囲ガス中へ脱 着させるのに充分高くなるほど小さい曲率を持った液滴を生ぜしめる。それ自体 イオンでない溶質種類でさえ溶質カチオンもしくはアニオンをその極性基に付着 させると共に質量分析に適したいわゆる「疑似分子イオン」として液滴から脱着 することができる。これら脱着イオンは乾燥済ガスの流れに同伴されてガラス毛 細管に流入し、2個の減圧室のうち最初のチャンバに超音波自由ジェットとして 出口端部に出現する。この自由ジェットのコア部分はスキマーを通過して第2減 圧室に流入し、イオンを質量分析器に供給する。実験室にて本発明を実施する際 、4極質量フイルタを用いた。しかしながら、本発明は分析すべきイオンのm/ z値がその範囲内にある限り任意の種類の質量分析器を用いて実施することもで きる。
上記したように、質量分光光度法で従来用いられているイオン源により発生する イオンは、親分子により電子のロスもしくはゲインから生ずる単一帯電物質から なっている。したがって2の数値は、分析器により測定されるm/zが数値的に イオンの質量に等しいような単位である。さらに、適当なイオンのフラクション はしばしば親分子の帯電断片である。
他方、極く最近開発された原料により発生するイオンは、小カチオンもしくはア ニオンが付着し或いはプロトンもしくは他の電荷を有する物質が脱着した中性親 分子で構成される。
これらの一層新規かつ「ソフトコなイオン化法は上記した方法、すなわちFAB SF I B、PDSLDSTSおよびASを包含する。1部には、これら原料 に含まれうる親分子の大きい寸法および1部にはそのイオン化過程の性質に応じ て、5個もしくは6個の付加電荷を有するイオンが観察されている[P、レプス トルフおよびB、スンドクビスト、「マス・スペクトロメトリー・イン・バイオ メジカル・リサーチ」、S、J、ガスケル編、ジョン・ウィリー、ロンドン、第 269頁以降(1986) ]。しかしながら、この種の「追加」ピークは一般 に歓迎されない。何故なら、これらはスペクトルを混乱させると共に、殆ど常に 親物質の質量決定の基礎となる主たる単一帯電ピークから強度を「奪い去る」と 考えられるからである。
4極質量分光光度計に装着した第1図に示すESイオン源を用いて、5000= −約40.000ダルトンの分子量を有する多数の蛋白につき質量スペクトルを 得た。第2図は幾つかの代表例を示している。炭水化物およびオリゴヌクレオチ ドを包含する他の有機および生物有機物質を用いて同様なスペクトルも得られた 。分析手順は、分析物試料を溶剤または溶剤混合物に溶解させることを含む。ア セトニトリルと水とメタノールもしくは1−プロパツールとからなる溶剤混合物 が最も効果的である。大抵の分析物において、溶液のpHを少量の酢酸(HA  C)もしくはトリフルオロ酢酸(TFΔ)の添加により低下させるのが有利であ った。これら溶剤成分の最適比率は特定の試料種類に依存し、試行錯誤によって 決定された。
物質に応じ0.7〜137μモル/Lの範囲の分析物濃度を持った溶液を8μL /winの流量で注入した。それより低いおよび高い流量にて同様なスペクトル を得ることもできる。1μL/min程度に低い、および20.cz L /m in 〜40μL /minまでの高い流量も成る場合には用いられる。より高 い液体流量にて、噴霧は不安定になる傾向を有する。しかしながら、ガス流を用 いて液体の静電分散を「促進」すれば、合理的に安定な噴霧を一層高い流量に維 持することもできる。しかしながら、この種の援助は常に液滴につき低い電荷/ 質量比と感度の低下とをもたらす。一般に、感度は液体流量が減少するにつれて 増大する。何故なら、全ESイオン流は顕著には流量に依存せず、流量が減少す るにつれて可使電荷と分析物質量との比が増大するからである。第2図に示した 各スペクトルは、示した質量範囲を網羅するのに30秒間を要する単一走査の結 果である。
第工表は、第2図に示した各質量スペクトルの木質的特徴、およびこれが与える 情報を要約している。質量スペクトルおよび第1表から直ちに判るように、ES イオン化における多重帯電の程度は、他のソフトイオン化法で見られるよりもず っと大である。たとえば、FAB(8〜l0KeVにおけるキセノン)による牛 インシュリンのイオン化は単一および二重電荷の分子状イオンのみを発生した[ たとえばデシゾロおよびカタクセ、バイオメジカル・マス・スペクトロメトリー (1984’) 、第11 (2)巻、第55頁参照コ。このESの加重帯電特 性は、1イオン当りの電荷数に等しい係数だけ質屋分析器の有効質量範囲を拡大 する点において魅力的である。さらに、多重帯電イオンはより低いm/z値を有 するので、これらは一般に同じ物質の対応する単一帯電イオンよりも検出および 「秤量」が容易である。他方、ピーク多重性は1種類の物質に対する信号を幾つ かの質量にわたり分配させる。比較的大きい分析物分子につき、1イオン当りの 電荷数は殆ど常にピークの個数よりも大である。したがって、1種類の物質によ り支持される全電流は、ピーク多重性が存在する場合、単一帯電イオンの同じ全 数を有する単一ピークの場合よりも大である。残念ながら、多重帯電イオンゴ、 電荷当りの検出器応答は未知である。しかしながら、単一帯電されていれば、こ の種の加速を必要とするのに充分大きい多重帯電イオンについては後加速が必要 とされないことも知られている。さらに、大型分子のESイオン化で得られる検 出感度は、主として単一帯電されたイオンをもたらす原料で得られるよりも実質 的に大であると思われる。さらに、イオンピークの多重性は、単一の分析手順( すなわち質屋走査)で得られるデータから複数の独立した質量測定を可能にする 。この種の測定値を平均して、単一帯電イオンの単一ピークに関する場合よりも 大きい精度および信頼度にて大型分子の親イオンに質量を付与することができる 。質量測定に関するこの改良法を達成する2種のアルゴリズムを、これらを適用 して得られた結果の例と共に以下に示す。1つの質量測定法は平均化アルゴリズ ムを用い、第2の方法はたたみこみ解除アルゴリズムを用いる。
全ての計算において、イオンに対する検出器の応答はその電荷の個数に依存しな いと仮定する。大型分子の質量の決定に関する本発明の原理の適用は、開示した アルゴリズムに限定されない。本発明の原理を実施する他のアルゴリズムおよび 計算法を当業者により開発しうるであろう。
平均化アルゴリズム 特定の質量スペクトルにおいて、たとえば水素、ナトリウムなどの各分析物のア ダクトイオンが全て同じ性質(したがって質量)を有し、かつたとえば溶媒種類 のような中性アダクトが各イオンにつき同じであると仮定すれば、一連のピーク のそれぞれに関し3種の変量が存在する:すなわち中性アダクトを含む親分子の 質JIM (数学的に相対分子量Mrに等しい)、電荷数11およびアダクトイ オンの質量maaZでなくiを用いて電荷数を指定することによりm=M+im 8、すなわちイオンの全質量につき質量スペクトルの一般的m/2尺度との混乱 を回避する。一般に、z=iqであり、ここでqは基本電荷であり、かつiは単 一帯電イオンに関する慣用スペクトルにおける単位である。m/Zの単位は、Z が1である場合、測定ピーク位置がしばしば単にダルトンでルーズに現されると しても、単位電荷当り適切にはダルトン(Da)であることに留意すべきである 。全ての式は、原子アブストラクションによる帯電の場合、maを負とする陰帯 電イオンにも同等に適用される。したがって、各ピークにつき次のように記載す ることができる: もしくは [式中、K、は質量分析器の尺度におけるピーク位置に関するm/zの数値であ り、K’ 、=K −−m はこの−ビーl ・−1a り位置におけるm/z値−アダクトイオン質量m に等しい]。
質量は全て、化学原子量尺度を用いて同位元素平均(すなわ−り対に関する式1 は原理的に3種の未知数を同時に決定するのに充分である。2種の電荷状態iお よびi+j (j>O)に関する式1の基本操作は電荷数iにつき次の通りとな る:たとえばアダクトイオンがプロトン(m =1)でありかつ*、=+00+ 、0におけるピークおよび他の離間したKi +2=834Jにおけるピーク( j=2)が観察されれば、iに2に’ 、 / (K’ 、 −に’ = )  =1666.6/ (1000−1+21 1 +2 833.3 ’) =10である。すなわち、1001におけるピークは10個 の電荷を有し、834.3におけるピークは12個の電荷を有する。
iを決定するために、に要する精度は、特にK 、−Ki + jを大にすれば 低(なるが、iが大になるにつれて増大する。
式2から示しうるように、K 、の決定における1m/z単位の精度はm/zの 平均値が約1000であれば100もしくはそれ以上までのi、すなわち100 KDaの分子につき充分である。
また、m の数値はiの決定につき正確である必要もない。
何故なら、m は式2の分母を支配せず、分子に対してのみ僅かの作用を示すか らである。しかしながら、ピーク位置から直接にイオンアダクト質量を決定する には、K、の測定値における相当高い精度を必要とする。式1から次式:[式中 、iおよびf+jは2個のピークに関するものであるコ が得られる。約1 / i K 、の精度を有するに、の測定が、1ダルトン以 内でm を測定するのに必要とされる(すなわち、K、=1000およびM=l OkDaであれば、約±0.01DaのK、に対する精度)。しかしながら、一 般的にはより低い質型精度にて充分である。何故なら、可能なm の数値はしば a+ しば充分分離するからである(たとえば、Na :23およびに+:30Da) 。蛋白については、m =1であると仮定し(これは少なくとも溶液中に多過ぎ るナトリウムが存在しない限り適切であると思われる)、この仮定はこの検討に おける数字例である。既知の電荷数と測定もしくは仮定されたアダクトイオン質 量m とを用い、親イオン質ff1Mを任意のビ−クから得ることができ或いは 多数のピークから平均化することができる: [式中、合計は平均化につき選択されたピークのi値に関し、n はこれらピー クの個数である]。
ピーク配列のコヒーレンスは、式4により与えられるMの推定値における改善を さらに可能にする。この改善は、配列に属さないピークを同定しかつ無視すると 共にスペクトルの質を評価することを可能にする。任意の2個のピークに関する 式1から次式が得られる: したがって、実験質量スペクトルにおける任意のピーク対はy= [K’ 、/ に’ −、)−1)/jでありかつx=11 1+J 在する筈である。この線に沿った対一点の分散は、質量スペクトルに関する質の 尺度である。質量測定が正確である程、線に近く点が存在する。第3a図は、第 2図のチトクロームCの質量スペクトルに関するプロットを示す。各横軸の1/ iの数値における7個の点は、12から19までiがi+jまで進む際のスペク トルにおける8個のピークに関するに’、/■ に’、、の7種の可能な比に対応する。実験結果の質は、1+J 線における数値からの点の離間から各個々のピークおよび質量スペクトルにつき 全体として容易に推定することができる。
x=yの線から離間する分散、すなわち系統的なずれが太きい程、測定値は信頼 性が低くなる。この質指標の感度を第3b図に示す。これらの点はチトクローム Cの同じ買気スペクトルからのものであるが、i=1’4におけるピークは故意 に5単位のm/zだけずらした。この「迷ピーク」は、全ての点1=14および 他のiの数値における交点の線に対するずっと大きい分散によって、ピークの配 列から容易に区別することができる。交点は、5 m / z単位だけ変移した 際の1=14におけるピークとの対の組合せを示す。このプロットは、配列にお けるピークの一貫性に関する試験であって親質量の数値に依存しないことを指摘 すべきである。
上記手順から得られたに′、値の質に関する情報は、各ピ−クにつき加重係数を 与えることにより、一層良好なMの推定値を与えることができる。実質的に、平 均化過程における各に′ 、の寄与は、第3a図におけると同様なプロットにて 直線に対する対応点の近似にしたがって評価される。弐6は、各ピークiに関す る相対的加重係数W、を規定する:pは第3b図の直線に対する原点の近似性に 対するWの依存性を特定化する2以上の整数である]。
K′ 、が配列パターンに平均よりも良好に適合するピークにつき、W、は1よ りも大となる傾向を示す。K′、値がその「理想」位置から他の全てのピークの 平均よりも大きい量だけずれる場合、これは1より小さくなる傾向を示す。ずれ が大きくなる程、その加重係数および全平均に対する相対的寄与は小さくなる。
第4図は、非加重平均がp=2につき式6からW。で得られた加重平均とは挙動 においてどのように相違するかを示している。第4図を作成するため、チトクロ ームCスペクトル(第2図)における1=I9のピークをその測定m/z値から −7,5〜+7.5単位で順次にシフトさせ、全ての位置、において相対的加重 係数”19と非加重平均とpにつき2の数値を有する加重平均とを計算した。明 らかに、に’ 19における−7.5の質量単位のシフトは−17,8質量単位 の非加重質量平均シフトをもたらすのに対し、−2,6質量単位の加重平均シフ トは非加重の場合の質量シフトの僅か15%をもたらす。”19における最大の 位置は、測定に′19が配列の他のピークに応じ1単位小さ過ぎて、チトクロー ムCに関する最終的質屋測定における±Daの標準偏差よりも若干大きい誤差に 相当することを示す。2より大きいpに関する数値の選択は、理想的なm/z値 からのピークに′、の偏差に対する加重係数W、の依存性を増大させる。加重標 準偏差S (これは誤差に対する各に′、の寄与にW、を掛算してW 1 1 計算される)の減少は、pが増加するにつれて小さくなる。
第■表は、炭酸アンヒドラーゼn (M=29,006)の場合につきこの作用 を示す。S は非加重平均における±15.6質量単位からp=6における±7 .9質量単位まで低下する。加重平均は必ずしもpが増加するにつれて一様に変 化するとは限らないことに注目すべきである。 ゛ この加重法によって得られる原質量を実質量と比較する際、ΔMに寄与する誤差 [すなわちM(真) (平均)]の少M なくとも2つの原因が存在することに留意せねばならない。
1つの原因は個々のピーク位置を確認する際の統計誤差であって、測定質量Mの 非加重もしくは加重標準偏差で現される。
他の原因は、分析器の質量尺度の検定における系統的誤差から生ずる。後者の誤 差の原因は明かに加重過程によって影響されない。質量検定に基づく誤差が主体 であれば、平均の加重は質量精度に大きい改善を与えない。このような場合、加 重もしくは非加重の標準偏差は測定の実験精度を示さず、その精密度のみを示す 。質量尺度の検定がMの誤差を決定する[式中、i はピーク配列における1イ オン当りの平 v e 均電荷数であり、Sは個々のピークを平均化して得られる標準偏差であり、ΔD aは質量尺度検定における誤差の絶対値(ダルトン)である]。
チトクロームCのスペクトル(i =I5、S±5Da。
 v e ΔDa=IDa)の例につき、基準は満たされず、全体的誤差はΔDaで支配さ れる。したがって、これらの測定において加重手順からΔMにおける主たる減少 が期待されない。
加重係数W、の計算は、第3a図におけると同様なプロブトにて点の分散を記録 するのと同様な方法でスペクトルの質を判定することを可能にする。このプロッ トにおいて整合しないピークは、第3b図におけると同様なプロットにて各点の y値とX値との大きい差によって確認することができる。
大きい差は、式6の数値解析における低いW、値に対応する。
第■表は、チトクロームCの場合につき数値解析の結果を示している。
質量測定を行ないつる精度は、分析器の質量尺度における精度に直接依存する。
100kDaの単位質量精度につき、尺度誤差は0.01m/z単位より小さく なければならない(式7)。質量尺度の検定が問題でなく(すなわち式7がたと えばピークの整合により満足される)かつに′ 、の数値が0.1質量単位内で 決定できれば、キロダルトンの数10倍の質量までの単位質量精度が4極装置に ついてさえ可能となる(i =50かつn=25ave 。
の場合の式4)。勿論、この計算はに′、値が複数電荷を有する高質量の分子に つき単一帯電の低質及分子の場合と同様に正確に決定されうろことを前提とする 。
同位元素の分散はピークの拡開に顕著に寄与しないことに注目すべきである。1 00Daにおいてさえ典型的な蛋白での同位元素分布からのピーク半幅に対する 寄与(C4590H672ON126001500830’すなわちグルカゴン の規模拡大物)は、30質量単位(8)より小さい。m/zにおける対応の分散 は100個の電荷を有するイオンにつきピークにおける0、3質量単位よりも小 さく、この種の大型分子につき不合理な数値でない。
たたみこみ解除(Deconyolotion )アルゴリズム多重帯電ピーク を含むスペクトルの肉眼解釈および原質量の決定は、ピークの密集配列を親代合 物の分子質量Mにおけるm/z目盛に位置した1個の単一帯電ピークに変換でき れば単純化される。
次の関数はこの種の変換を与えうることが判るであろう:[式中、Fは問題とす るM がFを評価するためのMの任意に選択された試験値である変換関数である ]。
記号fは測定質量スペクトルにおけるピーク高さの分布関数を示す。たとえば、 m/z=500にて相対強度5のピークが存在すればf (500) =5であ る。m は上記したようにアダクトイオン質量である。下記に示すように、関数 FはM*がMの実際値、すなわち配列における多重帯電イオンの原質量に等しい 場合その最大値を有する。したがって、0≦M*≦■を有するM*の全での数値 におけるFの評価は変換された(すなわち「たたみこみ解除された」)スペクト ルをもたらし、ここで最大高さを有するピークは単一の質量なしの電荷を持った 親物質に相当する。その例は、どのようにたたみこみ解除アルゴリズムが配列か ら原ピークを再構成するかを明らかにする。単純化するためm =0と仮定する 。第53図は、質量Mを有する分子を6〜15個の質量なしのアダクトイオンで 高さが配列における各ピー°りにつき単位となるよう帯電させて発生した仮定の 測定スペクトルfを示している。
これらの「測定」ピークはM/6、M/7・・・・・・M/Isで生ずる。Fが M*=Mで評価されれば、次の合計が得られる:F(M)−((呼((M)+− +((M)+((M)+、、、十f(”)+r(M)+【(M)+−1256, 1 = O+0 +−+ 0 +1+、、、+1+ O+ 0+−、雪 10かくし て、関数Fは位置M*=Mにピークを形成し、その高さは配列ピークの高さの合 計に等しい。測定スペクトルにお番チるピークの高さは、如何に多くの電荷がこ れらのイオンに存在するにせよ、同じ比例恒数だけそのイオンが存在することを 意味すると仮定される。
FがM+E、すなわちMより若干大きい位置で評価されればFは0となる。何故 なら、(M+E)は任意の配列ピークの位置に対応しないからである。しかしな がら、この例から明らかなように、関数FはM =Mにおけるよりも多数の位置 にて、たたみこみ解除スペクトルでピークを形成する。
M*=2/3Mにて次の合計が得られる:第5b図は、式8を第5a図のスペク トル、すなわち6≦i≦15を有する多重帯電イオンの理想配列に適用した結果 を示している。これは第5b図に示したように変換式Fから生ずるスペクトルの 特性であって、観察スペクトルにおける実ピークからの寄与を含む一連の計算ピ ークを含む。上記手順を参照して、たたみこみ解除スペクトルの多数の一般的特 徴を推定することができる。上記したように、最も顕著なピークはM*が原質量 Mに等しい際に生じ、配列における個々のピークの大きさの合計に等しい大きさ を有する。次に高いピークはM/2にて生じ、これはMにおけるピークのせいぜ い半分の高さに過ぎない。一般に、(k/i)M[ここで’ m i n≦i≦ i であり、kは任意の整数である]に a x ピークが存在する。原ピークの両側における「副ピーク」の配列において、原( 最大)ピークMに最も近いピークは((i ±1)/i )M[ここでi は単 一イmax max オンにおける最高の電荷数である]で生ずる。これらの最も近い副ピークの位置 は、第5b図にて矢印で示される。これら副ピークの高さは1/(i −i 、 )の係数であmaX mln って、これは質量Mにおける分子ピークの高さよりも小さい。
たたみこみ解除スペクトルはMにて周期的である。この周期性は、各ピークにお ける原質量と電荷数との両者の2倍、3倍など並びに隣接ピークのi値における 2、3などの差に対応する基礎スペクトルの合成「倍音」に基づくと物理的に見 ることができる。
変換スペクトルは、有限の分解能およびバックグランドを考慮すれば外観的に若 干変化する。これらの作用をシミュレートするため、第5a図の配列における個 々のピークの形状を二等辺三角形により第6a図で示し、半高さにおける相対的 全幅(FWHH)はo、oosである。さらに、ピーク高さの10%の一定バツ クグランドを導入した。この処理の結果が第6b図に見られる。「副ピーク」の 大きさは順次の増加が見られる。何故なら、観察スペクトルにおける0でないピ ーク幅はピーク中心の両側におけるm/z値にてFに対する寄与をもたらすから である。「基線」における一定の増加は、よングによって与えられる。
この「たたみこみ解除アルゴリズム」を、m =1と仮定して第2図に示した8 種の実験スペクトルに適用した。各質量スペクトルを全走査につき1150個の データ点によって示した。このアルゴリズムにおいて、隣接データ点の間の直線 的内挿を用いた。このアルゴリズムは、電荷状態または配列におけるピーク数に 関する事前の情報を必要としないことを指摘すべきである。特定のスペクトルに 特異的な唯一の指示は、たたみこみ解除すべき各ピークを離間させる「窓」にお けるm/zの範囲である。すなわち、式8の合計は、この窓内においてのみm/ zの最小値から最大値まで進む。合計の範囲におけるこの種の限界は、変換スペ クトルにおけるノイズを減少させる。何故なら、興味ある範囲の外部に存在する バックグランド信号が採取されないからである。第7a図は、たたみこみ解除過 程を第2図のチトクロームCの質量スペクトルに適用した結果を示している。変 換スペクトルは明かに副ピークと倍音周期性と基線増加とを上記したように明か に示している。原「最大」ピークは、第7b図において、その近傍における質量 尺度の「ズーム」拡大によって増大される。
第8図は、より大きい蛋白、すなわち炭酸アンヒドラーゼ■(M=29.006 D a)の場合につき同じ処理の結果を示している。他のスペクトルに関する測 定ピークおよびたたみこみ解除ピークの両者につき半量大幅は一般に約1%であ った。1部にはこれら質量スペクトルを集めるべく用いた質量分析器分散が生じ た。第■表は、第2図におけるスペクトルからの分子量決定の結果を要約してい る。
一般に、たたみこみ解除アルゴリズムの現象を持たない領域が原ピークの直ぐ周 囲に存在する。上記したように、この/i xM[ここでi は分子に存在する 最大電荷rnax max 数である]まで伸びる。第5図および第6図において、この領域の境界を黒三角 印で示す。しかしながら、たたみこみ解除されたチトクロームCの質量スペクト ル(第7図)において、分子ピークより約340質量単位だけ高い位置に小ピー ク(白玉角印で示す)が観察される。測定スペクトルの詳細な検査は配列におけ る各主ピークの直ぐ上に小ピークを示し、その位置はたたみこみ解除に存在する ピークに一致する。この観察は、アルゴリズムが、たとえば僅かに異なる質量を 持った親物質に基づくと思われる原ピークに近い小ピークを容易に検出しうろこ とを示す。
2種もしくはそれ以上の親物質が試料中に存在する場合にも、大分子の質量に関 するこの決定方法を適用することができる。第9図は、アセトニトリルとメタノ ールと水との酸性化された混合物における、それぞれ0.5mH/mlの濃度の チトクロームCとミオグロビンとの溶液につき質量スペクトルを示している。さ らに、たたみこみ解除アルゴリズムをたたみこみ解除スペクトルにおける適切な 部分の「ズーム」拡大と共に適用した結果も示されている。予想されるように、 混合物が含有しかつこの方法により分離しつる種々異なる物質の個数は、混合物 におけるその相対濃度およびその質量差に依存する。重要な因子は、成分多重帯 電イオンのピークがどの程度接近しているか並びに入手しうる分析器がこれらを 分離しうるかどうかである。
口目 睡3A亘 0.06 0.07 0.08 +71 輪3B国 +71 紬4圓 睡5A国 0.0 0.5 1.0 +、5 2.0輔6A口 0加 0.05 0.10 0.15 0゜20輔6B国 mar (D) 0.5 1.0 +、5 2゜0 間本(M) 睡7A国 M*(Dl 嫡8A国 睡8B圓 M側 国際調査報告

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.多原子親分子種から誘導された多重帯電イオンの集団からなり、各イオンに おける電荷数がイオンの電荷状態数を規定し、イオンの前記集団が複数のサブ集 団よりなり、各電荷状態数につき1つが2以上の最小値と、5以上の最大値との 間にあることを特徴とする物質組成。
  2. 2.揮発性溶剤における前記多原子親分子種の溶液を高帯電液滴として浴ガス中 に分散させ、前記溶剤を気化させると共に、前記液滴の寸法を前記荷重帯電イオ ンが前記液滴から脱着するまで収縮させることにより発生した請求の範囲第1項 記載の物質組成。
  3. 3.電場を前記溶液に加えて、これを分散させる請求の範囲第2項記載の物質組 成。
  4. 4.揮発性溶剤における前記多原子親分子種の溶液を高帯電液滴としてガス中に 分散させ、ここで前記溶剤を前記溶液の前記液滴から気化させることにより前記 多重帯電イオンが前記液滴から脱着するまで前記液滴を収縮させることにより発 生した請求の範囲第1項記載の物質組成。
  5. 5.前記ガスがほぼ大気圧にある請求の範囲第4項記載の物質組成。
  6. 6.前記最小電荷状態数が8以上であり、前記最大電荷状態数が12以上である 請求の範囲第1項記載の物質組成。
  7. 7.前記最小電荷状態数が5以上であり、前記最大電荷状態数が9以上である請 求の範囲第1項記載の物質組成。
  8. 8.前記多原子親分子種がビオポリマーとして知られた化合物の種類から選択さ れる請求の範囲第1項記載の物質組成。
  9. 9.前記多原子親分子種が蛋白、ペプチド、核酸、炭水化物、並びにこれら物質 の2種もしくはそれ以上の組合物から選択される請求の範囲第1項記載の物質組 成。
  10. 10.前記多原子親分子種が糖類、ポリヌクレオチド、合成ポリマー、並びにこ れら物質の2種もしくはそれ以上の組合物よりなる群から選択される請求の範囲 第1項記載の物質組成。
  11. 11.多原子親分子種から誘導された複数の帯電イオンのサブ集団からなり、前 記サブ集団のそれぞれは同じ電荷数を有するイオンを特徴とし、前記イオンの第 1サブ集団は2以上の電荷の最小数を有し、前記イオンの第2サブ集団は5以上 の電荷の最大数を有し、さらに電荷の前記最小数と最大数との間の可能な各整数 にっきイオンのサブ集団はそれぞれ電荷の前記整数を有することを特徴とする物 質組成。
  12. 12.溶剤と前記多原子親分子種とを含有する溶液に電場を加え、かつ前記溶液 を高帯電液滴としてほぼ大気圧の環境に分散させ、ここで前記溶液の前記溶剤を 気化させると共に、前記帯電イオンが前記液滴から脱着するよう前記液滴を寸法 収縮させる工程からなる方法により発生した請求の範囲第11項記載の物質組成 。
  13. 13.多原子親分子種から誘導された多重帯電イオンの集団からなり、前記イオ ンのそれぞれにおける電荷数がこれらイオンの電荷状態数を規定し、前記イオン の集団が複数のサブ集団からなり、各電荷状態数につき1つが2以上の最小数と 5以上の最大数との間にあり、前記多原子親分子種の溶液に電場を加えると共に 溶液を高帯電液滴としてほぼ大気圧の浴ガス中に分散させて前記溶液の溶剤部分 を気化させ、これにより前記集団を構成するイオンが前記液滴から脱着するまで これら液滴を収縮させることにより前記集団を発生させたことを特徴とする物質 組成。
  14. 14.前記最小電荷状態数が8以上であり、前記最大電荷状態数が12以上であ る請求の範囲第13項記載の物質組成。
  15. 15.前記最小電荷状態数が5以上であり、前記最大電荷状態数が9以上である 請求の範囲第13項記載の物質組成。
  16. 16.前記多原子親分子種がビオポリマーよりなる群から選択される請求の範囲 第13項記載の物質組成。
  17. 17.前記多原子親分子種が蛋白、ペプチド、核酸、炭水化物および前記物質の 2極もしくはそれ以上の組合物よりなる群から選択される請求の範囲第13項記 載の物質組成。
  18. 18.前記多原子親分子種が糖類、ポリヌクレオチド、合成ポリマーおよびこれ ら物質の2種もしくはそれ以上の組合物よりなる群から選択される請求の範囲第 13項記載の物質組成。
  19. 19.多重帯電イオンの集団からなり、その質量スペクトルは3個以上のピーク の配列を有し、各ピークが個々の多重帯電イオンのサブ集団に対応し、前記イオ ンのそれぞれは異なる電荷の整数を有し、前記配列における各ピークの多重帯電 イオンが隣接ピークの多重帯電イオンとは1電荷だけ相違することを特徴とする 物質組成。
  20. 20.質量分析器の公称範囲より高い質量を有する分子の分子量を決定するに際 し、 多重帯電イオンの集団を多原子親分子種から発生させ、前記イオンにおける電荷 数がイオンの電荷状態数の規定し、前記イオンの集団が複数のサブ集団からなり 、各サブ集団のイオンが同じ電荷状態数を有し、前記集団が可能な各整数値にっ き3の最小値と5以上の最大値との間の電荷状態数における1つのサブ集団を含 み; 質量スペクトルを生ぜしめると共に、これから前記サブ集団のそれぞれにおける イオンにっき質量/電荷比を決定し;前記多原子親分子種の最確分子量を決定す ることを特徴とする分子量の決定方法。
  21. 21.前記多原子親分子種の前記最確分子量を、平均化アルゴリズムを用いて計 算する請求の範囲第20項記載の方法。
  22. 22.前記多原子親分子種の前記最確分子量を、たたみこみ解除式により計算す る請求の範囲第20項記載の方法。
  23. 23.単位の電荷状態を持った単一イオンに関する前記質量分光光度計の前記公 称質量範囲を、多重帯電された後の前記イオンにおける電荷状態数に等しい係数 だけ増大させる請求の範囲第20項記載の方法。
  24. 24.電荷状態数の前記最小値と最大値とが、前記多原子親分子種の分子量の増 加につれて増大する請求の範囲第20項記載の方法。
  25. 25.帯電状態数の前記最小値と最大値とが、前記多原子親分子種の寸法の増加 につれて増大する請求の範囲第20項記載の方法。
  26. 26.前記最確分子量を数値の平均化によって決定し、前記数値のそれぞれは前 記スペクトルにおける任意のピーク対の質量/電荷値から計算され、前記対にお けるピークのそれぞれは前記多原子親分子種の走査に対応する請求の範囲第20 項記載の方法。
  27. 27.前記独立した計算を、前記質量分光光度計の単一の質量走査から得られた スペクトルの別々のピークから行なう請求の範囲第26項記載の方法。
  28. 28.多重帯電イオンの集団を作成するに際し、溶液の溶剤部分に溶解された少 なくとも1種の多原子親分子種からなる溶液を供給し; 前記溶液の流れに電場を加え; 前記溶液を帯電液滴としてチャンバ中へ分散させ;浴ガスを前記分散溶液に供給 して、前記溶液の溶剤部分を気化させると共に前記帯電液滴を収縮させ;かくし て多重帯電イオンを液滴から脱着させることを特徴とする多重帯電イオンの集団 の作成方法。
  29. 29.前記多原子親分子種がビオポリマーからなる請求の範囲第28項記載の方 法。
  30. 30.電場を加えて前記多重帯電イオンを第1方向に移動させると共に、前記浴 ガスを前記第1方向とは反対方向に流動させる工程をさらに含む請求の範囲第2 8項記載の方法。
  31. 31.前記浴ガスを加熱する請求の範囲第28項記載の方法。
  32. 32.前記チャンバをほぼ大気圧に維持する請求の範囲第28項記載の方法。
  33. 33.多原子親分子種と溶剤とからなる溶液をチャンバ中へ供給する手段と、 電場を前記溶液に加える手段と、 前記溶液を帯電液滴として前記チャンバ内に分散させる手段と、 浴ガスを前記分散した帯電溶液に加えて、前記溶液の前記溶剤部分を気化させる と共に前記帯電液滴を収縮させることにより多重帯電イオンを前記液滴から脱着 させる手段とを備え、前記多重帯電イオンは最小3〜最大5以上の電荷状態数の 範囲であることを特徴とする多重帯電イオンの集団の作成装置。
  34. 34.前記多原子親分子種がビオポリマーからなる請求の範囲第33項記載の装 置。
  35. 35.電場を加えて、前記多重帯電イオンを前記浴ガスの流動方向とは反対方向 に流動させる手段をさらに備える請求の範囲第33項記載の装置。
  36. 36.前記浴ガスを加熱する手段をさらに備える請求の範囲第33項記載の装置 。
  37. 37.前記チャンバをほぼ大気圧に維持する手段をさらに備える請求の範囲第3 3項記載の装置。
  38. 38.分子の多重帯電イオンにおける個々のピークの配列からなる質量スペクト ルを発生させ; 前記スペクトルのピークを分析して分子量を決定することを特徴とする分子の分 子量の決定方法。
  39. 39.前記スペクトルの前記ピークが3単位以上の電荷を有するイオンに対応す る請求の範囲第38項記載の方法。
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