JPH0450116B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鉄骨構造の柱材として用いられるコラ
ム鋼（角筒鋼）の接合用裏あて金の固定装置に関
し、特に裏あて金のコーナー部分をコラム鋼の内
面に圧接させることにより、コラム鋼に対する裏
あて金の寸法の相異を吸収して、裏あて金をコラ
ム鋼に密着させることを特徴とするものである。

（従来の技術） 鉄骨構造物の柱材等として、近時、コラム鋼が
広く利用されているが、このものはあらかじめ適
当な長さ、例えば建築物の各階の天井の高さに対
応した長さに形成されていて、これを接合するこ
とによつて所定の長さの柱材等とする方式が採ら
れている。このコラム鋼は、高い強度が要求され
る柱材等に使用されるものであるから、これを接
合するに当つては、先ず、コラム鋼の切断端を開
先加工し、次いで、この切断端に裏あて金を取付
け、然して、コラム鋼にダイヤフラムを熔接し、
このダイヤフラムを介してコラム鋼の他の（切断
端を開先加工し、裏あて金を取付けた）コラム鋼
を熔接するのである。ところで、この場合裏あて
金は全周にわたつてコラム鋼の内面に密着させる
ことが望ましいのであつて、コラム鋼との間に間
隙があるとその部分ではダイヤフラムとの熔接が
不完全となり、熔接強度がそれだけ低下する。従
つて、この点からすれば裏あて金は、外形寸法が
コラム鋼の内形寸法と一致したものを使用すべき
であるが、裏あて金はコラム鋼の内側に嵌め込ん
で取付けるものがあるから、その外形寸法はコラ
ム鋼の内形寸法より小さなものでなければならな
いのであり、しかも両者は寸法のバラツキが大き
いので、裏あて金はコラム鋼に対して可成り小さ
く形成しなければならないのである。

（従来技術の問題点） 従来の裏あて金はコラム鋼と相似形の角筒材を
用いてされていたので、コラム鋼の内形寸法に合
わせて裏あて金の外形寸法を変えて、両者の間の
間隙を無くすことは全くできなかつたのである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は裏あて金をコ字状に形成し、その一対
をコラム鋼の切断端の所定の位置に嵌め込んだの
ち、そのコーナー部分を押し広げてコラム鋼の内
面に圧接することにより、これに密着させるもの
であつて、センターブロツクの四面に油圧によつ
て突出するプランジヤを取付け、更にプレスヘツ
ドを取付けたものである。

（実施例） 以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。

本発明の固定装置は油圧ユニツトとこの油圧ユ
ニツトにに取付けられるプレスヘツドとから成つ
ている。油圧ユニツトは固定装置の本体部分をな
すもので、センターブロツク１の周囲に四方に向
けてスリーブ２が装着されており、更に夫々のス
リーブ２にはプランジヤ３が取付けられている。
このスリーブ２とプランジヤ３とは一種の油圧シ
リンダであつて、センターブロツク１の中央には
作動油の圧入口４が穿けられており、この圧入口
４が夫々のスリーブ２に通じていて、圧入口４か
ら作動油を圧入すると、作動油が夫々のスリーブ
２に入り込んでその圧力でプランジヤ３を突出さ
せるようになつている。またこの油圧シリンダは
所謂ワンウエーのシリンダであつて、プランジヤ
３の基板５とスリーブ２の端面との間にコイルス
プリング６が縮設されていて、圧入口４への作動
油の圧入を止め、図示しない逆止弁を開けるとコ
イルスプリング６の力によつて突出状態にあるプ
ランジヤ３がスリーブ２に引き戻されるようにな
つている。勿論、プランジヤ３はスリーブ２より
長く形成されていて、その頭部がスリーブ２内に
没することのないように形成されてはいるが、図
では一例として、プランジヤ３の頚部にＣリング
７が嵌められていて、これがスリーブ２の先端面
に係合したところで、プランジヤ３が停止するよ
うになつている。この様に形成された油圧ユニツ
トのプランジヤ３の頭部にプレスヘツド８が取付
けられる。このプラスヘツド８は裏あて金のコー
ナー部に接して、この部分をコラム鋼のコーナー
部に押し付けるものであるから、その先端部分の
形状は云うまでもなく裏あて金のコーナー部の曲
率に対応したものが取付けられるのである。ま
た、長さについても同様であつて、コラム鋼の寸
法に対応したものが取付けられるのである。

（作用） 裏あて金ａをコラム鋼ｂの切断端に固定させる
には、先ず、油圧ユニツトのプランジヤ３の頭部
にプレスヘツド８を取付ける。尚、図ではプレス
ヘツド８はプランジヤ３に直接取付けるのではな
く、プランジヤ３にはジヨイント９を取付け、更
にこのジヨイント９にプレスヘツド８を取付けた
一例を示したもので、適宜な長さのジヨイント９
を選ぶことにより、プレスヘツド８の見掛けの長
さを調節し、コラム鋼ｂの内形寸法に対応させる
ようにしたものである。次いで、圧入口４に油圧
ポンプを接続する。そして、コラム鋼ｂの切断端
の所定の位置に裏あて金ａを嵌め、更にその中に
固定装置を入れ、それぞれのプレスヘツド８を裏
あて金ａのコーナーに向けてセツトして、センタ
ーブロツク１は作動油を圧送する。作動油は圧入
口４を経てスリーブ２に入り込み、然してその圧
力によつてプランジヤ３を突出させ、プレスヘツ
ド８を裏あて金ａのコーナー部に圧接させる。す
ると裏あて金ａはこの力によつて押し広げられて
コラム鋼ｂの内面に密着し、然してこれに固定さ
れるのである。そこで、常法によりダイヤコラム
をコラム鋼ｂの切断端、更に詳しくは裏あて金ａ
の端縁に当てがい、これをコラム鋼に熔接するの
である。

（効果） 以上詳述した様に本発明は四個のプレスヘツド
を四方に向けて突出するように形成し、それぞれ
のプレスヘツドを裏あて金のコーナー部分に当て
がつて、これらを同時に突出させることによりコ
ーナー部分をコラム鋼の内面に押し広げて圧接さ
せるもので、機構が単純で故障が無く、しかもコ
ラム鋼に対する裏あて金の寸法の差異の多少に拘
らず、簡単且つ確実に作業をすることができる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示す一部切欠正面図で
ある。 １；センターブロツク、２；スリーブ、３；プ
ランジヤ、４；圧入口、５；基板、７；Ｃリン
グ、６；コイルスプリング、８；プレスヘツド、
９；ジヨイント。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ センターブロツクの周囲に四方に向けてスリ
   ーブを装着し、更にこれにプランジヤを取付け、
   センターブロツクには作動油の圧入口を形成して
   これをスリーブに連通させ、且つプランジヤの頭
   部にはプレスヘツドを取付けたことを特徴とする
   コラム鋼の接合用裏あて金の固定装置。