JPH0449230Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 河川、貯水地等の取水口に設けられ、流入水中
の水藻やその他の塵芥等を塞き止めて除去するた
めに用いられる、バースクリーンにおいて、可動
スクリーンの移動、開閉により、流水の量を調節
し得る開閉型バースクリーンに関する。

＜従来の技術＞ 従来より、水中の除塵用スクリーンとして用い
られているものは、第６〜１１図に示すように多
数の帯状の長尺材３２を、必要な間隔３１を隔て
て平行に並べて並設し、棧３３で取付け固定した
ものが殆んどであり、長尺材３２の間隔３１を広
めたり、縮めたりする機能を有するものは少なか
つた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 前記のような固定式のスクリーンは、時間的、
あるいは季節的に流水量が変動するような流水路
では不向きなものであり、また流水を全く止めて
しまう水門の機能を併せ有するようなスクリーン
は全く存在しなかつた。

本考案は、第１図〜第５図に示すように従来の
スクリーンとしての機能を有するとともに、流水
量の多少、或いはその他の必要に応じて、流水量
を調節し得て、さらに、流入水が不要の場合、可
動スクリーン６の長尺材５を固定スクリーン８の
長尺材２の間隙に圧着して、流入水の止水を可能
とすることを目的とした開閉型スクリーンであ
る。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記の目的を達成するための本考案の構成を第
１〜５図に示す実施例について説明すると、本考
案は、複数本の長尺材２を所定の間隔１を隔てて
平行に配設した固定スクリーン８と、前記間隔１
より大なる幅を有する長尺材５を該間隔１と略平
行に配設した可動スクリーン６とを備えてなり、
前記可動スクリーン６を移動して前記固定スクリ
ーン８に対する密着姿勢と離隔姿勢とに変位自在
に形成したものである。

＜作用＞ 本考案は、前記した構成によつて、固定スクリ
ーン８の所定間隔１を隔てて平行に配列固定した
長尺材２の間隔を通つて流水は自由に通過する
が、季節によつて流水量が増加したり、放水など
で急に流速が大になつて、流水量を少なくする必
要が生じたときは、可動スクリーン６を固定スク
リーン８に接近するように移動せしめて、固定ス
クリーン８の長尺材２の間隙に、可動スクリーン
６の長尺材５を接近させると、水流が可動スクリ
ーン６の長尺材５によつて妨げられて、その結果
固定スクリーン８を通過する水量は減少せしめら
れる（第３図）さらに、必要によつて流水を完全
に止水するときは、可動スクリーン６の長尺材５
を固定スクリーン８の長尺材２の間隙１に圧着し
て間隙１を閉塞すると、水は固定スクリーン８を
全く通過せずに止水せられる（第２図）。

＜実施例＞ 以下第１〜５図に示す実施例について詳細に説
明すると、固定スクリーン８には、一定間隔１を
隔てて、２本以上のＬ形アングルの長尺材２が枠
３によつて、平行に簀の子状に固定されている。
可動スクリーン６には、前記一定間隔１より大な
る巾を有するＬ形アングルの長尺材５が、前記固
定スクリーン８と同一間隔で、平行に枠４に取り
付け固定されてある。

而して、固定スクリーン８は第４図、第５図に
示すように取水口３４に取り付け固定されてお
り、可動スクリーン６は、枠体４と取水口３４又
は固定スクリーン８の枠体３に両回動支点１３，
１４を有するリンク１２によつて、回動的に取付
けられている。そして、可動スクリーン６が固定
スクリーン８に圧着された状態（止水時）で、リ
ンク１２が最も短かい位置になり、両スクリーン
６，８は圧着された状態（第２図）を保持してい
る。可動スクリーン６に固定したハンガーフツク
１１によつて、可動スクリーン６を引き起すと、
リンク１２が回動して、可動スクリーン６と固定
スクリーン８との圧着が離れて、間隔が生ずる。

その際、前記リンク１２の角度を適宜位置で固
定するように、調節することができる。

以上の実施例においては、第１２図イ，ロの場
合と同様のＬ形アングルを長尺材２，５に採用し
た場合について説明したが、第１２図ホに示す如
く、固定スクリーン８の長尺材４２を帯状平板
（あるいはＴ型バー）としてもよい。

その他、第１２図ハに示すように固定、可動ス
クリーン８，６の長尺材２２，２５にコの字形チ
ヤンネルを、また第１２図チのように固定スクリ
ーン８の長尺材８２にコの字形アングルを、可動
スクリーン６の長尺材８５にＬ形アングルをそれ
ぞれ使用する場合、あるいは、第１２図ニに示す
ように、固定、可動両スクリーン８，６の長尺材
３５，３２にそれぞれ台形アングルを、使用する
場合、さらには第１２図ト，ヘに示すように固
定、可動スクリーン８，６の長尺材に、円管状材
７２，７５または、断面円弧状材６２，６５等を
使用することもできる。

＜考案の効果＞ 本考案は以上のような構成を有するから、第１
図〜第５図に示すように可動スクリーン６の長尺
材５の位置を、固定スクリーン８の長尺材２に圧
着状態から、適宜の間隔を隔てた状態まで必要に
応じて自由にかつ簡単な操作によつて調節して、
固定できるから、安定した必要水量の取水または
閉止状態を保つことができる。すなわち、本考案
の開閉型バースクリーンは、水流調節が可能であ
るとともに、水門の機能をも併せ有するものであ
る。

また、本考案はバー２，５に掛かつた水中の塵
芥はレーキ等で容易に取り除くことができること
は勿論であるが、流水方向に対して、突出するよ
うに長尺材を配するときは、水圧で圧着されてス
クリーンバーにへばりついた水藻や塵芥が、可動
スクリーンを動かすことによつて、押し戻され、
スクリーンから剥離するので、レーク等の歯が挿
通し易くなつて、除去作業が容易になる利点があ
る。さらに、第２，３図、あるいは、第１２図
イ，ニ，ヘ，チ図のようなアングルの凹部を上方
に向けて水平に、かつ流水方向と一致させてバー
を設置することにより、塵芥あるいは、砂利等は
アングルバーの溝を流れて、下部の取水口に流入
するのを防止し得る効果が大きい。さらに、本考
案の構成材料に、鋼材、プラスチツク材、または
FRP等の入手し易く、かつ、加工容易な材料を
用いて大水圧にも十分耐え得る堅牢かつ長寿命の
バースクリーンを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の立体図、第２図、第３図は
この考案の断面を示す図、第４図、第５図はこの
考案の設置端面図、第６〜１１図は従来例の説明
図、第１２図イ〜チはこの考案の実施例を示す断
面図である。 １は所定の間隔、２，５は長尺材、６は可動ス
クリーン、８は固定スクリーンである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数本の長尺材２を所定の間隔１を隔てて平
   行に配設した固定スクリーン８と、前記間隔１
   より大なる幅を有する長尺材５を該間隔１と略
   平行に配設した可動スクリーン６とを備えてな
   り、前記可動スクリーン６を移動して前記固定
   スクリーン８に対する密着姿勢と離隔姿勢とに
   変位自在に形成してなる開閉型バースクリー
   ン。 固定スクリーン８及びまたは可動スクリーン
   ６の長尺材が平板材である実用新案登録請求の
   範囲第項に記載の開閉型バースクリーン。 固定スクリーン８及びまたは可動スクリーン
   ６の長尺材が、Ｌ形アングルである実用新案登
   録請求の範囲第項に記載の開閉型バースクリ
   ーン。