JPH0449112B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はカラー画像表示、特にマトリツクスカ
ラー液晶表示パネルに関するものである。

（従来技術と問題点） 液晶表示パネルは、スツチング素子をマトリツ
クス状に各表示電極ごと付加させるアクテイブマ
トリツクス形が開発されてから、大容量表示が可
能となりカラー表示化が容易となつた。

液晶表示パネルにおいて、カラー表示を行う代
表的な手段の１つは、ゲスト・ホスト液晶に色素
を混入させて発色させる方式があり、他の１つは
カラーフイルターを液晶セルと積層させ液晶の光
シヤツターを利用する方式がある。前者は多色を
発色させることが非常に困難であるため、最近は
カラーフイルターを用いた後者のカラー表示パネ
ルが多い。各色素カラーフイルターを、液晶をは
さむ２枚の基板の一方に周期的に割り当てて配列
し、他方に各色表示セルに対向した電極を設け、
２枚の基板の対向した電極で液晶をスイツチング
し液晶の光シヤツターを利用してカラー表示を行
つている。つまり、液晶のONしている色表示セ
ルは光が透過して、色表示セル上のカラーフイル
ターで決められる波長の光が透過し、３原色の平
面的な組合せにより８色を表示する。又、液晶が
完全にON状態でない中間状態を印加電圧等で制
御することで階調表示を行う場合は３原色の濃淡
によりフルカラー表示が可能である。

しかしながら、従来の画素配列を用いたマトリ
ツクスカラー液晶表示パネルでは同色が連なつて
色縞となる色モアレ現象が目立つ欠点を有してい
た。３本／mm以下の解像度の低いパネルでは通常
の視覚距離でたる0.3〜0.5ｍでモアレが識別され
てしまうため特に問題であつた。

従来のカラー画素の構成の１つは、第７図に示
すように、Ｒ（赤色）、Ｇ（緑色）、Ｂ（青色）の各
色表示セルを順次Ｘ方向（行方向）に配列して１
画素７１構成し、Ｘ方向にこの配列を繰り返し、
かつＹ方向（列方向）に同一配列を繰り返すもの
である。この変形として、Ｙ方向にＲ、Ｇ、Ｂを
順次繰り返すものである。いずれもＹ方向、もし
くはＸ方向を見ると、同色のストライプが発生す
る。第７図の場合、例えばＲについて見ると、斜
線を施した如くＹ方向にストライプ状７２となる
問題を有していた。

上記のストライプ状配列を改良するものとして
特開昭59−61818が提案された。第８図はそれに
よつて開示された液晶表示装置のカラー画素の構
成例であつて、「各画素には３色よりなるカラー
フイルターが、行方向及び列方向に1/3周期でモ
ザイク状に割りあてられて」いるものである。こ
の例は列ごとに１画素８１が行方向に１色表示セ
ル分だけずれてゆく画素配列である。しかし、表
示全体を見ると、同色のパターンとして、斜線を
施して示した様に連続した傾斜パターン８２が発
生する。このように同色の連続した縞が色モアレ
と呼ばれている。色モアレは１色の傾斜パターン
８２よりも、２色混色による色モアレは縞の幅が
太くなり、例えばシアン（青緑色）８３を表示す
るのにＧ、ＢがONしている場合や、逆に赤一色
を表示するのにＧ、ＢがOFFして黒色となつた
場合など太い色モアレとして著しく目立つ問題が
残されていた。

表示画品質を改善させる他の例が特開昭59−
9636に開示されている。第９図はその中で示され
たもので、各画素９１は３色の表示セルからな
り、３色のカラーフイルターが行方向に順次周期
的に割り当てられ、行ごとに1/2周期変化するも
のである。この表示パネルは同色の表示セルが行
方向および列方向に直接連続して連ならない。第
９図でも、例えば赤１色を表示した場合、斜線を
施したＲ９１は離散的となるように、１色表示の
色モアレはかなり軽減できる。しかしながら、
Ｒ、Ｇ、Ｂの配列が行もしくは列方向に1/2周期
で規則的に変化するため、２行もしくは２列目ご
とに同色が出現する。このため、２色混色表示の
場合、例えば９３で示したような斜線のモアレパ
ターンが目立つ結果となる。又、表示セルの形状
が縦長でなく横長である第１０図のような場合
は、縦縞のモアレパターン１０３が目立ちやすい
などの欠点が残されていた。

（発明の目的） 本発明の目的は、上記問題点を解決することに
より、表示画像において、極力色モアレを防止
し、美しく高品質な画像が得られるマトリツクス
カラー液晶表示パネルを提供することにある。

（発明の構成） 本発明のマトリツクスカラー液晶表示パネル
は、２枚の基板間に液晶材が充填され、その一方
の基板の内側に表示面以上の大きさで共通電極が
設けられ、他の一方の基板の内側に信号線と走査
線が絶縁されて直交しマトリツクス状に設けら
れ、該信号線と走査線との交点にスイツチング素
子が該信合線と走査線及び表示電極とに接続され
て設けられ、前記２枚の基板間に小片からなる３
原色のカラーフイルターが表示面以上の領域に設
けられ、行（列）方向に３個の色表示セルで１画
素が構成され、各行（列）ごとの画素が順次1/2
画素ずれ、1/3画素ずれの繰り返しによつて構成
される。

さらに他の本発明のマトリツクスカラー液晶表
示パネルは、２枚の基板間に液晶材が充填され、
かつ３原色の小片からなるカラーフイルターが表
示面以上の領域に３色を規則的に行列配列されて
設けられ、上記基板の一方の内側に表示面以上の
大きさで共通電極が設けられ、他の一方の基板の
内側に信号線と走査線が絶縁されて直交しマトリ
ツクス状に設けられ、該走査線（信号線）は色表
示セルの２行（列）ごとに１本設けられ、該走査
線（信号線）を挟む２行（列）内の相隣り合う３
色の表示セルが該２行（列）の一方から２色他方
から１色の３対の２段組合せで１画素を構成し、
該２色と１色の組合せが行列方向の隣の画素で逆
転され、列（行）方向の画素が1/3画素づつずれ
た画素配置を成し、上記信号線と走査線との交点
にスイツチング素子が該信号線と走査線及び表示
電極とに接続されて設けられることによつて構成
される。

（作用） 本発明のマトリツクスカラー液晶パネルは、上
記構成により、カラーの各色表示セルの配列を長
周期としたため、同色の連なりが減少し、色モア
レの発生を防止でき、美しく高品質な画像が得ら
れる。

又、他の本発明のマトリツクスカラー液晶表示
パネルは、上記構成により色表示セルの２段組合
せにより１画素を成し、画素の行（列）間で1/3
画素ずれているため色モアレの発生が極めて少な
く、美しく高品質な画像が得られる。

さらに、これらの結果、モアレパターンを識別
できなくするための高解像度化が不要となり、低
解像度すなわち画素の大きさをある程度大きくで
きるため、マトリクスカラー液晶表示パネルの製
造歩留りを向上できる利点もある。

（実施例） 以下、本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

第１図は本第１の発明の第１の実施例の構成を
示す説明図である。

本実施例はＲ、Ｇ、Ｂの３色の色表示セルで１
画素をなし、液晶をはさむ２枚の基板の一方側に
３色からなるカラーフイルターが行方向に周期的
に各々の色が割当てられ、１画素の位置が第ｍ行
目に対し第ｍ＋１行目は1/2画素分進んだ配列で
ずれ（左にずれ）、第ｍ＋２行目は第ｍ＋１行目
に対して1/3画素分進んだ配列でずれ、第ｍ＋３
行目は第ｍ＋２行目に対して再び1/2画素分進ん
だ配列でずれる。すなわち、行ごとに1/2画素ず
れと1/3画素ずれが交互に繰り返す配列とした場
合である。本実施例は第１図に示したような画素
１１の配列となるため、斜線で示したように同色
の色表示セル１２が行方向および列方向に直接連
続して連ならない。同一位相の画素配列は５行目
と７行目に出現するが長周期であるためモアレパ
ターンと成難い。又、色表示セルが混在すること
から平均的混色に優れることからも表示品質を向
上できる。第二図は本第１の発明の第２の実施例
を説明するための図である。本実施例は第１図に
示した第１の実施例と同様に画素２２の配列を1/
２画素ずらしと1/3画素ずらしとが交互に繰り返え
されて配列の位相がずれ、行ごとに遅れる配列位
相でずれ（右にずれ）る場合である。この場合も
画像品質は第１の実施例と同様に良好なものが得
られる。なお、第２図は行方向に繰り返えす色表
示セルの順序がＧ、Ｒ、Ｂとなつており、第１の
実施例のＲ、Ｇ、Ｂと異なるが全く画像品質に与
える影響は無く、等価な配列法であり、他三原色
の場合も同等に本発明で実現できる。さらに、画
素配列が行方向でなく、列方向の場合も同様に、
列方向に順次1/2画素、1/3画素ずらした画素配列
となることは云うにおよばない。

次に第２図で示した本発明の第１の実施例のマ
トリツクスカラー液晶パネルの詳細を第３図を用
いて説明する。

カラーフイルター上に共通電極が設けられた共
通電極基板（第３図ａ）とスイツチング素子が設
けられたアクテイブマトリツクス基板（第３図
ｂ）との２枚の基盤間に液晶を充填してパネルが
構成される。共通電極基板はガラス基板３０を用
いて、Ｇ３１、Ｒ３２、Ｂ３３のように３色のカ
ラーフイルターを並列に配列し、１画素分３８１
を形成する。これを行方向に繰り返し配列する。
次の行の１画素３８２は1/2画素ずれ、続く次の
行の１画素３８３は1/3画素ずれ、さらに次の行
の１画素３８４は再び1/2ずれるように、1/2画素
ずれと1/2画素ずれと1/3画素ずれが順次繰り返
す。アクテイブマトリツクス基板では、１色の表
示セルの表示電極を例えば３１６のように２分割
して２板で構成した行と３１８のように分割しな
い行とを設けて1/2画素ずらしと1/3画素ずらしと
を交互に行なう。表示電極３１６および３１８に
スイツチング素子３１５，３１７を介して信号線
３１４からのＧ、Ｂ、Ｒ信号を走査線３１０，３
２０の走査信号に同期させて供給する。同様に信
号線３１１〜３１４には走査周期ごと３色の色表
示セルの配列に合せてＧ、Ｂ、Ｒの色信号を供給
する。

なお、カラーフイルターの各色の形成はポリビ
ニールアルコールやゼラチン等の水溶性有機樹脂
層を前述のカラー配列例のごとく、Ｒ、Ｇ、Ｂを
印刷する染色させるのが一般的であるが、他の方
法でも達成される。又、スイツチング素子にはア
モルフアスシリコン薄膜トランジスタを用いるの
が一般的であるが、他のスイツチング素子でも同
様な機能を持たせることができる。さらに、分割
した表示電極３１６は、信号線３１４との絶縁性
が良好な場合は、分割せずに単に表示電極の中央
を信号線が貫く構造とすることも可能である。

第４図は本第２の発明の第１の実施例を説明す
るための図である。

本実施例はＲ、Ｇ、Ｂの３色の色表示セルを、
色表示セルの隣合う２行から２色と１色の３対で
２段となる組合せを１画素とし、その２色と１色
の組合せが行方向の隣の画素で逆転され、列方向
の画素が1/3画素づつずれた画素配列を成すマト
リツクスカラー液晶パネルの例である。第４図に
おいて、画素１行は色表示セル２行より成り、例
えば第ｍ行の１画素４７は色の表示セルの上段の
行イからＧ４１及び下段の行ロからＢ４２、Ｒ４
３の３対色表示セルで構成される。同じ第ｍ行の
隣りの画素４８は色表示セル２行イ、ロからの３
色の組合せは逆転し、上段の行イからＢ４４、Ｒ
４５の２色、下段の行ロからＧ４６の１色の色表
示セルの組合せにより構成される。第ｍ行の次の
第ｍ＋１の画素４９は第ｍ行の画素４７に対して
１／３画素ずれて配置されている。続く第ｍ＋２行
も1/3画素ずれ、列方向に1/3画素づつずれて配置
されている。第４図の例は画素が斜線で示した様
に右にずれてゆく1/3画素づつ遅れてゆく場合で
ある。

第４図に示したマトリツクスカラー液晶パネル
は同色の色表示セルのオーバーラツプが無く、所
モアレの発生が極めて少なく、良好な画質が得ら
れる。又、３色の色表示セルを並列に並べた第
１、第２図の場合に比べ、色表示セルを２段組み
としたため、表示画の縦横の解像度が高いことも
利点である。

第５図は本第２の発明の第２の実施例を説明す
るための図である。

本実施例は第４図と同様の1/3画素ずらしを列
方向に行つた場合で、第ｎ列の画素５１に対し
て、第ｎ＋１列では右上りにずれた画素５２とい
うように行方向に１／３画素分づつずれている。
したがつて、本実施例の効果も第４図の場合と同
様に画質の良好な表示が得られる。

第６図は第４図で示したようにマトリツクスカ
ラー液晶パネルをさらに詳細に説明するための図
である。

カラーフイルター上に共通電極６８が設けられ
た共通電極基板（第６図ａ）とスイツチング素子
６１３が設けられたアクテイブマトリツクス基板
（第６図ｂ）と２板の基板間に液晶を充填してマ
トリツクスカラー液晶表示パネルが構成される。
共通電極基板はガラス基板６０を用いて、Ｒ、
Ｇ、Ｂの３色のカラーフイルターをＧ６２、Ｂ６
３、Ｒ６４のように２段組みに配置し、１画素６
７１を構成する。次の画素６７２は色の組合せを
逆転させた配列とし、Ｂ６５、Ｒ６６、Ｇ６７と
なる。隣り合う画素で色の組合せを逆転を繰返し
１行を構成する。次の行の配列は前の行の画素６
７１に対して1/3画素ずれた配列の画素６７３と
し、行方向にこのように1/3画素づつずれて配置
される。このような画素配列を成したカラーフイ
ルター上に透明導電膜により対向電極６８が設け
られ、駆動信号を供給するための取出し端子へ接
続するトランスフア電極６９が設けられている。
もう一方のアクテイブマトリツクス基板はガラス
基板６００上に信号線と走査線が互に絶縁されて
直交して形成されている。１色の色表示セルの表
示電極は６２２のように２枚に分割されて対で形
成され、それぞれ信号線で２分された形となつて
いる。信号線６１２と走査線６１０の交点の表示
電極側にはスイツチング素子６２３がそれぞれ設
けられ、２分割された表示電極６２２と信号線６
１２と走査線６１０とが接続されている。したが
つて、共通電極基板での１画素分６７１と対応し
たアクテイブマトリクス基板の１画素分６７０
は、信号線６１３，６１４，６１５と走査線６１
０とで選択された斜線で示した表示電極郡で構成
される。信号線にはそれぞれRGBの繰り返し信
号が入力され、走査線６１０で走査した次の行の
走査線６２０の時は信号線にはそれぞれ１色分進
んだ信号が入力される。この結果、走査線６１０
で表示した画素より1/3画素進んだ位相の画素が
走査線６２０で表示される。表示された画質は第
４図で説明したように色モアレの極めて少ない良
好なものとなる。

（発明の効果） 以上、詳細説明したとおり、本発明のマトリツ
クスカラーの液晶表示パネルは、１画素の３色の
色表示セルの配列を、各行方向もしくは列方向に
周期的に各色を割り当て、画素の位置を1/2画素
分ずらしと1/3画素分ずらしとを交互に繰返し、
各行もしくは列で配列位相を長周期で変えたた
め、各色が極めて離散的に配置して混色良くな
り、かつ、色モアレ現象の発生が著しく抑えられ
た。

又、他の本発明のマトリツクスカラー液晶表示
パネルにおいても、Ｒ、Ｇ、Ｂの３色の色表示セ
ルを２段に組合せて１画素とし、画素が1/3画素
ずれした行もしくは列の配列としたため、同様に
各色が極めて離散的でかつ混色良く、、色モアレ
現象の発生が抑えられた。

なお、本発明においては、画像表示を目視して
色モアレ縞が目立たない程度まで解像度を下げる
ことができるため、画素サイズをある程度大きく
でき、製造歩留りを上げることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、それぞれ本発明の第１の
発明の第１及び第２の実施例を説明する平面図、
第４図および第５図はそれぞれ本発明の第２の発
明の第１及び第２の実施例を説明する平面図、第
７図ないし第１０図はそれぞれ従来例を説明する
平面図であり、第３図は本発明の第１の発明を実
施した１例の基板の平面図の一部を示す図で、第
３図ａは共通電極基板の一部を示す図、第３図ｂ
はアクテイブマトリツクス基板の一部を示す図で
あり、第６図は本発明の第２の発明を実施した１
例の基板の平面図の一部を示す図で、第６図ａは
共通電極基板の一部を示す図、第６図ｂはアクテ
イブマトリツクス基板の一部を示す図である。図
中１１，２２，３８１〜３８４，４７〜４９，５
１，５２，６７１〜６７３，６７０，７１，８
１，９１，１００は１画素、１２，４１〜４６，
９２色表示セル、３０，３００，６０，６００は
ガラス基板、３１〜３４，６１〜６６はカラーフ
イルター、３７，６８は共通電極、３９，６９は
トランスフア電極、３１０，３２０，６１０，６
２０は走査線、３１１〜３１４，６１１〜６１７
は信号線、３１５，３１７，６２３はスイツチン
グ素子、３１６，３１８，６２２は表示電極、７
２，８２，８３，９２，９３，１０３は色モアレ
パターンをそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２枚の基板間に液晶材が充填され、その一方
   の基板の内側に表示面以上の大きさで共通電極が
   設けられ、他の一方の基板の内側に信号線と走査
   線が絶縁されて直交しマトリツクス状に設けら
   れ、該信号線と走査線との交点にスイツチング素
   子が該信号線と走査線及び表示電極とに接続され
   て設けられ、、前記２枚の基板間に小片からなる
   ３原色のカラーフイルターが表示面以上の領域に
   設けられ、行（列）方向に３個の色表示セルで１
   画素が構成され、各行（列）ごとの画素が順次1/
   ２画素ずれ、1/3画素ずれる繰返しによつて構成さ
   れることを特徴とするマトリツクスカラー液晶表
   示パネル。 ２ ２枚の基板間に液晶材が充填され、かつ３原
   色の小片からなるカラーフイルターが表示面以上
   の領域に３色を規則的に行列配置されて設けら
   れ、上記基板の一方の内側に表示面以上の大きさ
   で共通電極が設けられ、他の一方の基板の内側に
   信号線と走査線が絶縁されて直交しマトリツクス
   状に設けられ、該走査線（信号線）は色表示セル
   の２行（列）ごとに１本設けられ、該走査線（信
   号線）を挟む２行（列）内の相隣り合う３色の表
   示セルが該２行（列）の一方から２色、他方から
   １色の３対の２段組合せで１画素を構成し、該２
   色と１色の組合せが行（列）方向の隣の画素で逆
   転され、列（行）方向の画素が1/3画素づつずれ
   た画素配置を成し、上記信号線と走査線との交点
   にスイツチング素子が該信号線と走査線及び表示
   電極とに接続されて設けられたことを特徴とする
   マトリツクスカラー液晶表示パネル。