JPH0448433Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、天井に装着された空調用の開口部を
洗浄するための装置に関するものである。

「従来の技術」 暖房用、冷房用、及び換気用としてエアコンデ
イシヨナーが広く使用されており、ビル等に於け
る大規模なエアコントロール装置では、所定の中
央コントロール部分から各部屋にダクトを介して
送風するようになつている。そして、各部屋に
は、ダクトに連通する空調用の吹出し口である開
口部が、特に天井に設けられる。

この開口部は、室内に供給される風量及び方向
性が制御できるように多数枚のフインによつて構
成されているのが一般であるが、エアの出入りに
際しては、どうしてもフインに空気中の塵芥が付
着してしまうのは避けられない処である。そし
て、この塵芥は人体に悪影響を及ぼすものである
から、常にこの汚れを排除しておく必要があり、
実際に洗浄が実行されてきた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、この開口部の洗浄は、困難を極
めるものである。

即ち、上述したように開口部は天井に設けられ
ているのが一般であり、言わば天井の一部を洗浄
するものであるから、液体洗剤、洗浄水を使用す
る場合には、事務机等にこれ等が飛散しないよう
に最大の注意を払わなければならず、しかも、作
業は上を向いて長時間にわたつて行わなければな
らないのであるあるから、仮に脚立を乗つたとし
ても、極めて作業性の悪いものになつていた。

例えば、従来の吸引式の掃除機であれば、フイ
ンに付着した塵芥の一部は取除くことができるけ
れども、単に塵芥を吸引するに止まり、油煙や煙
草のヤニを除去することはできず、液体洗剤、洗
浄水等を使用せざるを得ないため、払拭等の手作
業による労力は避けられなかつたのである。

また、液体洗剤、洗浄水等を使用して直接フイ
ンを洗浄するとなると、装置自体が大規模なもの
となり、室外でその制御をするには多くの困難を
伴う。

本考案は、上述した従来の不満点を解消し、要
求に応えるべく考案された空調用開口部の洗浄装
置であつて、極めて簡単な作業で確実に洗浄で
き、しかも装置全体をコンパクトなものにするこ
とを目的とする。

「問題点を解決するための手段及び作用」 以下、本考案の構成を、本考案の実施例を示す
図面に基づいて説明する。

本考案の空調用開口部の洗浄装置は、フード１
と水タンク１０と洗剤タンク１３とコンプレツサ
ー１４とレシーバータンク２１とから構成され
る。

フード１は、空調用開口部の周縁の天井面に密
着する上端縁を有し、内部にエア、液体を噴出す
るノズル６を設けると共に、下部に、噴出された
前記したエア、液体を排除するための排出パイプ
７を連通組付けした構成である。

そして、水タンク１０、洗剤タンク１３、コン
プレツサー１４の夫々は、前記したノズル６に連
通する構成であり、また、レシーバータンク２１
は、前記した排出パイプ７に連通する。

そして、清浄作業に際しては、フード１の上端
縁を、空調用の吹出し口である開口部のフイン周
縁の天井面に密着させ、水タンク１０、洗剤タン
ク１３或いはコンプレツサー１４から夫々送られ
てくる水、洗剤、エア等をノズル６から個別に噴
出させてこの開口部のフインに吹付けるものであ
り、これによつて所望の洗浄作業が達成されるこ
とになる。この場合、フード１の上端縁は天井面
に密着しているため、ノズル６から噴出されたエ
ア、液体等が外部に漏れる虞れはなく、これ等は
フード１が受けて、その下部に連通組付けされた
排出パイプ７から確実にレシーバータンク２１に
吸引される。

「実施例」 図示実施例にあつて、フード１は逆円錐筒形状
或いは逆角錐筒形状である漏斗状であり、比較的
重量の少ない金属或いは透明合成樹脂等で成形さ
れ、作業時の安定性を図つている。

フード１の下端には支持筒３が垂下固定され、
この支持筒３はその一部に設けられたハンドル５
の操作によつて上下に伸縮自在となつており、下
端には床に着地する脚４が固定され、フード１と
支持筒３を安定して支持する。

そして、使用に際しては、床と天井との間隔に
対応して適宜支持筒３を伸縮させ、確実にフード
１の上端縁を開口部のフイン周縁の天井面に密着
させることができるようにする。開口部のフイン
の直下に移動不能、或いは困難な物品等が存する
場合には、この物品の両側に脚立等を配置すると
共に、この両脚立間に板を掛け渡し、この板の上
に上記したフード１等の組合せ物を載置すること
になろう。

また、支持筒３の下端に排出パイプ７が連通組
付けされるが、この排出パイプ７は支持筒３内を
通つて所定の処理装置８のレシーバータンク２１
に接続される。

尚、フード１の上端縁には、例えばゴム、軟質
合成樹脂等で成形されたフランジ２が周設されて
いて、天井面に対する密着を確実なものにしてい
る。

次いで、フード１内に設けられたノズル６は、
望ましくは、水とエアとを別途に噴出する上位の
ものと、洗剤と錆止め液とを別途に噴出する下位
のものとから構成するのが良い。そして、このノ
ズル６は、所定の処理装置８の水タンク１０、洗
剤タンク１３、コンプレツサー１４、錆止め液タ
ンク２０、レシーバータンク２１等に、夫々ホー
スを介して接続されている。

即ち、第１図、第２図にあつては、処理装置１
５は、主として水タンク１０、洗剤タンク１３、
コンプレツサー１４、錆止め液タンク２０、レシ
ーバータンク２１等により構成されて車両９に搭
載され、コンパクトに纏められているが、勿論車
両９に限るものではなく、所定の台車、或いは
個々に別途に配しても良いものである。

先ず、水タンク１０の水は、駆動モータ１２に
よつて作動する高圧ポンプ１１の圧力を得て、ノ
ズル６に送られ、水を噴射させ、フインの洗浄を
行う。

この場合の操作は、作業員の手元である支持筒
３の所定部分に設置されたコントロールスイツチ
（図示省略）によつて行う。

そして、洗剤タンク１３の洗剤は、コントロー
ルスイツチの切り換えによつて、高圧ポンプ１１
の圧力を得てノズル６から霧状に噴出させるもの
であり、再度水タンク１０からの水で洗剤を流
し、コンプレツサー１４からのエアで乾燥させ
る。

コンプレツサー１４は、エアタンク１６からの
エアを受けて、駆動モータ１５によつて作動する
ものである。

更に、錆止め液タンク２０からの錆止め液を、
高圧ポンプ１１の圧力を得てノズル６から霧状に
噴出させ、フインの手当てを行う。

この一連の作業によつて、ダクトに連通する空
調用の吹出し口である開口部の多数枚のフインを
洗浄することができ、またこの際にフード１内に
溜るエア、液体は、フード１に連通する排出パイ
プ７を通つてレシーバータンク２１に吸引される
ものである。

このレシーバータンク２１では、エアと液体と
に重力分離し、ここで完全に分離できなかつたも
のをサイクロン２２で遠心分離する。

また、レシーバータンク２１への吸引は、駆動
モータ１８によつて作動するルーツブロワ１７に
よつて風量と真空圧とで行い、このルーツブロワ
１７の排気を四次キヤツチヤー１９で清浄化し、
消音し、更に四次キヤツチヤー１９の水は、ルー
ツブロワ１７の内部冷却も達成する。

尚、車両９には、その他排出パイプ７を巻取る
第一のリール２３、ノズル６と水タンク１０等を
接続するホースを巻取る第二のリール２４、各駆
動源を作動させる発電機２５、各駆動源を制御す
る制御盤２６が搭載されている。

「考案の効果」 本考案は、以上説明したような構成となつてお
り、作用する。

従つて、天井に装着されたした空調用の吹出し
口である開口部のフインを、水や洗剤等の液体を
使用して洗浄することができるので確実に且つ効
果的に達成することができ、室内を液体によつて
汚染してしまうこともなく、洗浄操作は手元で行
なえることができるので極めて簡単であり、各装
置自体がコンパクトに纏められているので取扱い
が便利で、簡単な構成である等、多くの優れた作
用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の空調用開口部の洗浄装置全
体の正面図である。第２図は、装置全体の平面図
である。 符号の説明、１……フード、６……ノズル、７
……排出パイプ、１０……水タンク、１３……洗
剤タンク、１４……コンプレツサー、２１……レ
シーバータンク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 空調用開口部の周縁の天井面に密着する上端縁
   を有し、内部にエア、液体を噴出するノズルを設
   けると共に、下部に、噴出された前記エア、液体
   を排除するための排出パイプを連通組付けしたフ
   ードと、 前記ノズルに連通する水タンクと、 前記ノズルに連通する洗剤タンクと、 前記ノズルに連通するコンプレツサーと、 前記排出パイプに連通するレシーバータンクと
   から成る空調用開口部の洗浄装置。