JPH0447715Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はフイルムの現像操作を容易にした写
真フイルム現像装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来写真技術を楽しむ一般の人が印画紙への引
き伸しまで行なうにあたつて最も困難な作業の一
つはフイルムの現像である。通常使用されている
写真フイルムは感光度が高く、これを現像タンク
内に装着するためには本格的な暗室か、ダークバ
ツク必要であるが、本格的な暗室を設けることは
誰にでもできることでなく、ダークバツクを使用
することが多い。しかしダークバツクの中で手探
りでフイルムを現像タンクに装填することは相当
の熟練を要し、フイルムに指紋をつけたり傷をつ
けたりする失敗が多かつた。

また従来の現像タンクはフイルムをリールに巻
き付ける構造のものであつたので巻き付けられた
フイルム間隔が近接しており、そのためフイルム
面が現像液や定着液に均一に接触されず現像むら
や定着むらを起こすことがあつた。

［考案が解決しようとする課題］ この考案は上記した従来の問題点を解決するた
めになされたものでフイルムを装填するにあたつ
て暗室やダークバツクを必要とせず、かつ現像、
定着むらを起こすことの少ない写真フイルム現像
装置を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ この考案は課題を解決するため、現像液、停止
液、定着液などの薬液を注入するための広口の注
液口およびこの注液口からの入射光を遮光するた
めの遮光機構を備え、この遮光機構の下部にパト
ローネをスプールが回転可能なように保持するパ
トローネ保持具、およびこのパトローネ保持具に
パトローネを外部より着脱させるための着脱口な
らびにこの着脱口を遮光かつ液密的に封口するた
めの着脱蓋が設けられているパトローネ保持室
と、このパトローネ保持室の下部に遮光性があり
伸縮自在な弾力性を有する蛇腹状をなし、その下
部終端に前記薬液を外部に排出するための排液口
およびこの排液口を封口するための封口蓋を有
し、さらに前記排液口に近接した上部位置に、フ
イルム端部を挾持してフイルムを前記パトローネ
より引き出すためのフイルム挾持具とを内包した
フイルム収納部と、前記注液口およびフイルム収
納部の下部終端にそれぞれ釣支用の上、下釣支具
を設けたことを特徴としている。

［作用］ このように写真フイルム現像装置を構成し、フ
イルムをこの写真フイルム現像装置に装填すると
きはパトローネ保持室の着脱蓋を開いて、パトロ
ーネをパトローネ保持具に挿着し、パトローネよ
り出されているフイルム端部をフイルム収納部の
フイルム挾持具で挾持したのち、パトローネ保持
室の着脱蓋を閉じてこの装置内を遮光状態にす
る。遮光状態にしたのちパトローネ保持室とフイ
ルム収納部の下部終端をそれぞれ手で持ち伸長さ
せれば、パトローネ保持具に保持されたパトロー
ネよりフイルムがフイルム挾持具によつてフイル
ム収納部内に引き出される。

フイルムのフイルム収納部への引き出しが終わ
つたら上、下釣支具を使用してこの写真フイルム
現像装置を上下方向に釣支状態として注液口より
現像液を注入し、必要に応じてフイルム収納部を
左右にゆさぶる等の攪拌操作によつてフイルムを
現像液に均一的に接触させるような現像操作を行
なう。現像が終わつたらフイルム収納部の下部終
端に設けられている排液口より封口蓋を取り除い
て現像液を保存容器等の外部に排出させる。

停止液、定着液についても上記と同様な手法に
よつて行ないフイルムの現像、定着を終了させる
ことができる。また水洗いを必要とする場合は封
口蓋を取り除いた状態で注水することにより可能
となる。

［実施例］ 以下図面を参照しながらこの考案の一実施例を
説明する。第１図はこの実施例の内部構造を説明
するための一部断面破砕図であり、第２図は同じ
く外部よりみた斜視図である。第１図、第２図に
おいて、１はパトローネ保持室で、その上部には
現像液、停止液、定着液などの薬液を注入するた
めの広口漏斗状の注液口２およびこの注液口２か
らの入射光を遮光するための遮光壁３ａ，３ｂお
よび遮光網３ｃよりなる遮光機構３を備え、この
遮光機構３の下部に被現像用パトローネ８をスプ
ールが回転可能なように保持するパトローネ保持
具４、およびこのパトローネ保持具４にパトロー
ネ８を外部より着脱させるための着脱口１ａなら
びにこの着脱口１ａを遮光かつ液密的に封口する
ための着脱蓋１ｂが設けられており、５はこのパ
トローネ保持室１の下部に設けられたフイルム収
納部で遮光性があり伸縮自在な弾力性を有する合
成樹脂等の材質で形成されて蛇腹状をなし、その
下部終端に前記薬液を外部に排出するための排液
口５ａおよびこの排液口５ａを封口するための封
口蓋５ｂが設けられ、さらに排液口５ａに近接し
た上部位置に、フイルム端部９ａの両側のパーフ
オレーシヨンを係止することによりフイルム端部
９ａを挾持してフイルム９をパトローネ８より引
き出すためのフイルム挾持具６とを内包した構造
で、さらに注液口２およびフイルム収納部５の下
部終端には注液時にこの写真フイルム現像装置を
釣支しておくための、上、下釣支具７ａ，７ｂが
それぞれ設けられた構成になつている。

なほ、この考案は上記実施例に限定されるもの
でなく要旨を変更しない範囲で種々変形して実施
できる。

［考案の効果］ 上記したようにこの考案によれば、フイルムの
現像にあたつて暗室やダークバツクを必要としな
い通常の明るさの場所で処理することが出来るの
で、現像操作が容易になる。

また、この写真フイルム現像装置はフイルム面
相互が接触したり近接し会うことのない構造であ
るので、現像液や定着液に均一的に触れ合い現像
むらや定着むらを起こすことが少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の内部構成を示す一部断面破
砕図、第２図は同実施例の斜視図である。 １……パトローネ保持室、１ａ……着脱口、１
ｂ……着脱蓋、２……注液口、３……遮光機構、
３ａ，３ｂ……遮光壁、３ｃ……遮光網、４……
パトローネ保持具、５……フイルム収納部、５ａ
……排液口、５ｂ……封口蓋、６……フイルム挾
持具、７ａ……上釣支具、７ｂ……下釣支具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 現像液、停止液、定着液などの薬液を注入する
   ための広口の注液口およびこの注液口からの入射
   光を遮光するための遮光機構を備え、この遮光機
   構の下部にパトローネをスプールが回転可能なよ
   うに保持するパトローネ保持具、およびこのパト
   ローネ保持具にパトローネを外部より着脱させる
   ための着脱口ならびにこの着脱口を遮光かつ液密
   的に封口するための着脱蓋が設けられているパト
   ローネ保持室と、このパトローネ保持室の下部に
   遮光性があり伸縮自在な弾力性を有する蛇腹状を
   なし、その下部終端に前記薬液を外部に排出する
   ための排液口およびこの排液口を封口するための
   封口蓋を有し、さらに前記排液口に近接した上部
   位置に、フイルム端部を挾持してフイルムを前記
   パトローネより引き出すためのフイルム挾持具と
   を内包したフイルム収納部と、前記注液口および
   フイルム収納部の下部終端にそれぞれ釣支用の
   上、下釣支具とを備えたことを特徴とした写真フ
   イルム現像装置。