JPH0446810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、水冷式モータで駆動され、水封式メ
カニカルシールで水冷軸封され、かつ分散室が水
冷された乳化分散機の改良に関する。

［従来技術］ ロータとステータとの間に剪断隙間を設け、異
種の液体を剪断隙間で剪断して分散乳化させる乳
化分散機は知られている。

かかる分散機においては、従来、駆動部に増速
機を設けていたため、駆動モータは低速、空冷で
水冷配管は不要であつたが、メカニカルシールお
よび分散室は水冷を行つており、それぞれ別個の
冷却系が設けられていた。

近時、乳化分散機の小形化、高能率化を図るた
め、前記の増速機を廃し、直接高速モータで駆動
するようになつている。そのため、モータも水冷
式となり、前記の分散室、メカニカルシールの冷
却系にモータの冷却系が追加され、冷却系の外部
配管が複雑になる欠点が生じてきた。

一般に複数の冷却室を連通させることは知られ
ており、例えば実開昭48−60174号公報に開示さ
れている。しかしながら、冷却系の配管を各冷却
室毎に単純に並列に分岐すると、配管系は簡単と
なるが、各冷却室への水量が異なつてしまう。と
いつて各分岐管に調整バルブと流量計もしくは圧
力計を設けたり、或いは別々に冷却系の配管を設
けると配管系が複雑化してしまう。

［解決する課題］ したがつて本考案の目的は、冷却系の外部配管
を簡単化でき、しかも分散室外周の冷却室と水冷
式モータの冷却室とメカニカルシールとの冷却室
に必要な冷却水量を並列に供給できる乳化分散機
を提供するにある。

［課題を解決する手段］ 本考案によれば、モータ冷却室を有する水冷式
モータで駆動され、シール冷却室を有する水封式
メカニカルシールで水冷軸封され、かつ分散室冷
却室を有する分散室が水冷された乳化分散機にお
いて、前記分散室冷却室は分散室の外周に設けら
れ、モータ冷却室と分散室冷却室とシール冷却室
とに冷却水が流入する分配管が分散室冷却室を貫
通して設けられ、その分配管はモータ冷却室と分
散室冷却室とにオリフイスまたはポートを介して
連通しており、そして前記分配管と対称的な位置
にモータ冷却室と分散室冷却室とシール冷却室か
らの冷却水が排出される合流管が設けられ、シー
ル冷却室はオリフイス又はポートを介して合流管
と連通している。

［作用効果の説明］ したがつて、分配管に流入する冷却液は各冷却
室に並列に流れて、合流管に集められて排出され
る。それ故に、外部配管としては一本の流入管と
一本の排出管とを接続すればよく、外部配管が単
純化できる。また、各冷却室の流れの抵抗はあら
かじめ設計上既知であるから、分配管から各冷却
室に連通する部分に所定の直流のオリフイス又は
ポートを設け、流量比を適正に設計することがで
きる。それ故に３つの冷却室には適正な冷却水が
供給され、調整弁を設ける必要がない。

さらに、オリフイス又はポートにより分散室冷
却室とモータ冷却室の圧力は合流管と同じ圧力に
低下するので、各冷却室の強度は低く設計でき、
それ故に軽量化が達成できる。

そしてシール冷却室ではオリフイス又はポート
により充分な圧力を印加でき、シール差動が好適
に行われる。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図において、全体を符号１で示す駆動モータ
は、回転子２、固定子３、モータハウジング４、
軸受５，６および出力軸７からなり、モータハウ
ジング４の外殻と固定子３との間には、固定子３
のコイルを冷却する環状のモータ冷却室Ａが画成
されている。

その出力軸７の端部にはロータ８が固設され、
そのロータ８に対向してステータ９が分散機ケー
シング１０に固設されている。これらロータ８と
ステータ９との間には本出願人による特願昭61−
192174号（特開昭63−49239号）に示すように、
剪断隙間Crが形成され、吸込カバー１１の吸込
口Msから供給された異種の液体原料Ｍをこの剪
断隙間Crで剪断して乳化分散させ分散室１２を
経て原料吐出口Mdより排出するようになつてい
る。従つてロータ８およびステータ９には分散を
能率的に行うための階段状の段差部TsおよびTr
と、歯状の凹部１３および１４とが設けられてい
る。そして、分散機ケーシング１０の外殻と分散
室１２との間には、剪断によつて生じる原料の発
熱を抑える環状の分散冷却室Ｂが画成されてい
る。

また、出力軸７のモータ１と分散室１２との間
の部分には、メカニカルシール１５が設けられ、
分散室１２内の原料Ｍがモータ１側へ洩れるのを
防ぐようになつている。そのメカニカルシール１
５の外周には、メカニカルシール１５の発熱した
摺動部を冷却する環状のシール冷却室Ｃが画成さ
れている。

次いで第２図も参照して冷却水路を説明する。
分散機ケーシング１０には冷却室Ｂを貫通する円
筒管すなわち分配管１６が設けられている。その
分散管１６の一方の端部は吸込カバー１１の冷却
水供給口CW１に連通され、他方の端部はオリフ
イスORaを介して冷却室Ａに連通され、また充
分に大きいポート１７と分配管１６を囲む環状通
路１６ａとを介して冷却室Ｃに連通されている。
そして、分配管１６の冷却室Ｂに露出した部分に
は、複数個（図示の例では８個）のオリフイス
ORbが設けられている。この分配管１６には冷
却水供給口CW１から例えば圧力１〜３Kgｆ／cm²
の上水道水が供給され、オリフイスORbから適
量噴出し、冷却室Ｂ内に均一に流出し分散室１２
を囲む分散機ケーシング１０を冷却し、また冷却
室Ｃ内の圧力は、下流の合流管１８を囲む環状通
路１８ａの部分に設けられたオリフイスORcに
より１〜３Kgｆ／cm²に保持され、かつ適量が流出
するようになつている。

分散機ケーシング１０には分配管１６に対称的
に合流管１８が設けられ、冷却室Ａ，ＢおよびＣ
からの戻りの冷却水がそれぞれ充分に大きいポー
ト１９，２０およびオリフイスORcを介して流
入し、吸込カバー１１の冷却水排出口CW２から
排出されるようになつている。なお、図中符号２
１，２２は環状通路１６ａ，１８ａを外部に連通
する通路１６ｂ，１８ｂを閉止するプラグ、２
３，２４は冷却室Ａを外部に連通する通路Ａ１，
Ａ２を閉止するプラグである。

このような構成において、分配管１６および合
流管１８が分散機ケーシング１０に設けられてい
るので、３系統（モータ冷却系、分散室冷却系、
メカニカルシール冷却系）の冷却管路が入口、出
口がそれぞれ１箇所（CW１，CW２）で足り、
外部配管が省略される。また、それぞれの系の水
量調製はそれぞれオリフイスORa，ORbおよび
ORcにより行われ、流量調製弁も不要となる。
更に、オリフイスORa，ORbの位置が比較的容
積の大きい冷却室Ａ，Ｂの入口側に設けられてい
るので、冷却室Ａ，Ｂの圧力は圧力の低い戻り管
路圧となり、冷却室Ａ，Ｂの強度が低められ、軽
量化される。

［考案の効果］ 以上の如く、本考案によれば、下記のすぐれた
効果を奏する。

（） モータ冷却室、分散室冷却室シール冷却
室を並列に冷却でき、外部配管が単純化でき
る。

（） オリフイス又はポートにより各冷却室を
流れる液量を適正に設定できる。

（） モータ冷却室および分散室冷却室には比
較的に低い圧力の冷却水を供給してそれらの冷
却室の強度を低く設定できる。

（） シール冷却室には比較的に高い圧力の冷
却水を供給してシール効果を向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の第１実施例を示
す側断面図および管路図である。 Ａ，Ｂ，Ｃ……冷却室、ORa，ORb，ORc…
…オリフイス、１……駆動モータ、６……メカニ
カルシール、８……ロータ、９……ステータ、１
２……分散室、１６……分配管、１７，１９……
ポート、１８……合流管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータ冷却室を有する水冷式モータで駆動さ
   れ、シール冷却室を有する水封式メカニカルシー
   ルで水冷軸封され、かつ分散室冷却室を有する分
   散室が水冷された乳化分散機において、前記分散
   室冷却室は分散室の外周に設けられ、モータ冷却
   室と分散室冷却室とシール冷却室とに冷却水が流
   入する分配管が分散室冷却室を貫通して設けら
   れ、その分配管はモータ冷却室と分散室冷却室と
   にオリフイスまたはポートを介して連通してお
   り、そして前記分配管と対称的な位置にモータ冷
   却室と分散室冷却室とシール冷却室からの冷却水
   が排出される合流管が設けられ、シール冷却室は
   オリフイス又はポートを介して合流管と連通して
   いることを特徴とする乳化分散機。