JPH0446640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用座席（シート）における表皮
の吊込構造に関するものである。

（従来の技術） 従来、上面形状を略円弧状に形成した自動車用
シートは、表皮によつて被覆される発砲体製クツ
シヨン体の上面を略円弧面に形成し、このクツシ
ヨン体の円弧状上面に沿つて表皮を吊込むには、
表皮の裏面側に袋状の吊込布と、この吊込布内に
挿通したトリムワイヤとからなる吊込材を設け、
一方、表皮によつて被覆される発砲体製クツシヨ
ン体内には、下向きに円弧状の形成したインサー
トワイヤを埋設し、このインサートワイヤに前記
吊込材を結着することによつて、表皮をクツシヨ
ン体の円弧状上面に沿つて吊込む構造である（例
えば実開昭61−177100号公報）。

（考案が解決しようとする課題） 以上の従来品は、クツシヨン体内に埋設したイ
ンサートワイヤに、表皮と一体の吊込材を引き込
んで結着し、また、表皮はその端末をクツシヨン
体を載置するシートフレーム側にクツシヨン体の
弾性に抗して結着される。そのため、インサート
ワイヤは吊込材により常時引張荷重を受ける。ま
た、シートの使用によつてインサートワイヤには
繰返し荷重が加わる。

従つて、円弧状のインサートワイヤはクツシヨ
ン体内において回転するため、表皮をクツシヨン
体の円弧状上面に沿うように表皮を吊込材を介し
て引込むことができない。

そのため、表皮がクツシヨン体の円弧状上面に
密着せず、皺、タルミが発生する虞れがある。

そこで、本考案は斯様なじ不具合を除去するこ
とを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案に係る座席
の吊込構造は、前記従来品におけるインサートワ
イヤの形状を改良したものである。即ち、インサ
ートワイヤは円弧状に折曲させて、その長手方向
の中央を下向きに前記発砲体製クツシヨン体に埋
設する本体と、この本体の両端に略直角状に延設
して本体の回転を防止する回転防止部とからなる
ことを特徴とするものである。

以上の回転防止部は、本体の両端より略直角状
に延設する部分をＵ字状等に折曲させるのが好ま
しい。

（作用） 本体に対して、該本体を回転させるような荷重
が加わると、本体は回転防止部に支持されている
ので、回転しない。

（実施例） 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係る座席（自動車用シートの
シートクツシヨン）における表皮１の吊込構造を
示し、図中１に示す表皮１の裏面には左右方向に
複数の吊込材３が設けてあり、この吊込材３は表
皮１に一体に縫着された吊込袋３１と、この吊込
袋３１内に挿入したトリムワイヤ３２とから構成
されている従来周知のものである。

図中２は示す発砲体製（ウレタンフオーム）ク
ツシヨン体２はその上面の中央部に対して左右両
側部が隆起状の円弧面に形成されている。このク
ツシヨン体２の上面における前記吊込材３１，３
２に対応する位置には、吊込材３が挿込まれる凹
溝２１……が穿設されている。

そして、この各凹溝２１……下方のクツシヨン
体２内に、クツシヨン体２と一体発砲したインサ
ートワイヤ４が埋設され、このインサートワイヤ
４はその一部が凹溝２１……に露出するように凹
溝２１……の一部を深く切穿加工した係止凹部２
１ａ……が設けてあり、この係止凹部２１ａにお
いて前記吊込袋３１の先端とトリムワイヤ３２が
ホツグリング５で一体に結着される。

なお、前記吊込袋３１はその先端縁及び凹溝２
１の底面をクツシヨン体２の円弧面と同様に円弧
状に形成してあるが、この円弧はクツシヨン体４
の上面の円弧に対して若干小さな半径の円弧であ
る。

また、前記表皮１の端末はクツシヨン体２の底
面、或いは、クツシヨン体２を支持するシートフ
レーム（不図示）に固定される。

第２図Ａ，Ｂは、前記インサートワイヤ４を示
し、このインサートワイヤ１はクツシヨン体２の
円弧状上面に沿うように、円弧状に折曲させた本
体４１と、この本体４１の両端に略直角状に延設
した回転防止部４２ａ，４２ｂとから構成されて
いる。

本体４１に一体に延設した回転防止部４２ａ，
４２ｂは、第２図Ａに示すように、本体４１に対
して略直角状に折曲させると共に、内側にＵ字状
に形成してあり、この回転防止部４２ａ，４２ｂ
は、第１図に示すように凹溝２１の長手方向の端
部より外側に位置するようクツシヨン体２内に埋
設されている。

第３図は、表皮１をクツシヨン体２に組付ける
前の状態を示し、表皮１の裏面側に複数（３ケ
所）の吊込材３が設けてあり、この吊込材３は
夫々クツシヨン体２の円弧状上面に設けた凹溝２
１……に挿込まれてホツグリング５で前記インサ
ートワイヤ４に結着される。

斯様に前記インサートワイヤ４に吊込材３をホ
ツグリング５で結着すると、表皮１がクツシヨン
体２の円弧状上面に沿つて吊込まれて第５図に示
すようなシートクツシヨンＡが得られる。

斯して、インサートワイヤ４には吊込材３が結
着されているため、インサートワイヤ４が引張荷
重を受け、また、インサートワイヤ４の本体４１
が円弧状に形成されているので回転力が生ずるの
が、本体４１は回転防止部４２ａ，４２ｂによつ
て支持されているため、本体４１は回転すること
がない。

（効果） 本考案によれば、従来のインサートワイヤの両
端に単に回転防止部を延設することによつて、座
席の使用によるインサートワイヤに繰返し荷重が
加わつてもインサートワイヤは回転することがな
い。そのため、従来品に比べ構造が簡単で、表皮
にたるみ、皺が生じることがない円弧状上面を有
する座席が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は断面図、第２図Ａはインサートワイヤ
の平面図、第２図Ｂは同側面図、第３図は分解斜
視図、第４図は本考案構造に係るシートクツシヨ
ンの斜視図である。 図中、１は表皮、２はクツシヨン体、３は吊込
材、４はインサートワイヤ、４１はインサートワ
イヤの本体、４２ａ，４２ｂはインサートワイヤ
の回転防止部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表皮の裏面側に吊込材を設け、この吊込材を、
   表皮によつて被覆される発砲体製クツシヨン体内
   のインサートワイヤ、結着することよつて表皮を
   クツシヨン体の表面形状に沿つて吊込む座席にお
   いて、説明インサートワイヤは、円弧状に折曲さ
   せて、その長手方向の中央を下向きに発砲体製ク
   ツシヨン体に埋設する本体と、この本体の両端に
   略直角状に延設して本体の回転を防止する回転防
   止部とからなることを特徴とする座席の表皮吊込
   構造。