JPH0445673Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の目的》 〈産業上の利用分野〉 本考案は台所等で調理を行う際に用いる桶に関
するものであつて、特に洗い桶状に用いたり、ザ
ル状に用いたりすることのできる新規な調理用桶
に係るものである。

〈考案の背景〉 住宅事情が必ずしもよいとはいえない目下の状
況では台所等も必然的に狭くならざるを得ず、勢
い調理スペースも広くはとれない。このため例え
ば台所等の流し台のシンクに洗い桶等を置き、そ
れを台にして俎を置いて調理を行う場合もある。
このような作業の際、従来の洗い桶はもともと俎
を置いて使用することを予定しておらず、置いた
場合には俎の保持が確実に行えず、且つ滑りやす
いなど甚だ不安定なものであつた。

もとより、このようなことから洗い桶を改良
し、俎を載せやすいものとした提案が、例えば実
開昭50−35549号や実開昭51−160650号等に開示
されているが、これらはいずれも桶の底部が水密
状態となつているものであつて、いわゆるザルと
して調理品を洗うような使い方は考慮されていな
い。しかしながら現実には、この種の調理作業に
あつては、水を満たした桶としての使用法と、水
切りを行いやすいようにザルとしての使用法との
双方ができるよう求められる場合も多くあり、前
記従来手法にあつてはこのような要求に応えきれ
ていない。

〈開発を試みた技術的事項〉 本考案はこのような背景に鑑みなされたもので
あつて、本考案者は俎を安定して支持できるとと
もに桶としてもあるいはザルとしても使用できる
新規な構造を有する調理用桶の開発を試みたもの
である。

《考案の構成》 〈目的達成の手段〉 即ち本考案たる調理用桶は、側板の上端縁に俎
の載置用凹部が形成されるとともに、前記側板の
底部に形成される底板は透水性を有し、且つこの
底板は別体の非透水性の底板により水密状態に切
り替えられることを特徴として成るものであり、
もつて前記目的を達成しようとするものである。

〈考案の作用〉 本考案にあつては桶の底部構造が透水状態と水
密状態とに切り替えできるから、調理時の用法を
種々選択できる。

〈実施例〉 以下本考案を図示の実施例に基づいて具体的に
説明する。符号１は調理用桶であつて、多くはプ
ラスチツク材料等を射出して成型したり、あるい
はステンレス等の金属板を絞りプレスによつて成
型したりして構成するものである。勿論これ以外
に木製等適宜の材料が使用できることは言うまで
もない。この調理用桶は底板２とその外周縁部か
ら立ち上がるように形成されている側板３とより
成るものであり、この底板２と側板３とは一体に
形成される通常の桶のほか、この実施例で示すよ
うに両者が別体となつて組み合わされたものであ
つてもよい。本考案の一つの特徴的構成が形成さ
れる側板３はその上端縁５の一部に俎Ａの載置用
凹部６を対向的に形成するものである。この載置
用凹部６の上面には滑り止め７を設けるものであ
つて、例えば材料自体を凹凸あるいは筋状に形成
したり、あるいはゴム等の比較的滑り難い材料を
設けるなど、適宜の手法がとり得るものである。
一方、本考案の他の特徴的構成である底部の構成
は次のとおりである。まず前記側板３の下端縁９
の部分には更に下方に向かつて嵌込リブ１０が円
環状に形成される。更に本実施例では一例とし
て、側板３はその下方が大きく開口したものであ
り、ここに別体の底板２を嵌め込むように構成さ
れる。即ち底板２は例えば透水網１１を具えたも
のと、単なる平板１２を用いて非透水構造とした
ものとがあり、両者を適宜組み合わせることによ
り、いわゆるザル様の使用法と洗い桶状に水を張
つた使用法との双方が選択的にとり得るものであ
る。これらの底板２はいずれもその周縁部に上面
から下方に向かつて削成された嵌込溝１３が形成
されるものであり、この嵌込溝１３に対し前記側
板３における嵌込みリブ１０が嵌め込まれるもの
である。勿論、本考案は実用新案登録請求の範囲
第１項に定義するように少なくとも底板２は透水
構造を有し、これを一時的に閉塞して非透水状態
を保つことができればよいから、透水網１１を具
えている底板２については側板３と一体であつて
もよい。そしてこの場合に非透水状態とするに
は、別体の閉塞部材たる前記平板１２を底部に嵌
め込むことによつてこの状態を得る。更に底板２
の周縁部下方は接地縁１４とするものであり、こ
のものは下広がり状に張り出すように構成するこ
とが好ましい。尚この接地縁１４の下面部にも滑
り止め１５を形成することが好ましい。

本考案は以上述べたような具体的な構造を有す
るものであり、これを使用するには俎Ａを側板３
における載置用凹部６に嵌め込むようにして調理
用桶１を台として使用するものである。勿論この
桶を俎Ａの台として使用すると否とにかかわら
ず、例えばザル様に利用する場合には底板２を透
水網１１がある状態で使用し、また洗い桶として
使用する場合には非透水状態とすべく、平板１２
状の底板２を適用した状態で使用する。

《考案の効果》 本考案は以上述べたような構成を有するもので
あり、調理用桶１における側板３に対し俎Ａの載
置用凹部６が形成されているから、俎Ａを安定的
に支持することができ、安全な調理作業ができる
ものである。

また本考案は底板の構成を、透水状態と非透水
状態とに切り替え得るから、ザルとしても桶とし
ても使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案たる調理用桶を示す一部破断斜
視図、第２図は同上縦断側面図、第３図は同上分
解斜視図である。 １……調理用桶、２……底板、３……側板、５
……上端縁、６……載置用凹部、７……滑り止
め、９……下端縁、１０……嵌込リブ、１１……
透水網、１２……平板、１３……嵌込溝１３、１
４……接地縁、１５……滑り止め、Ａ……俎。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 側板の上端縁に俎の載置用凹部が形成される
   とともに、前記側板の底部に設けられる底板は
   透水性を有し、且つこの底板は別体の非透水性
   の底板により水密状態に切り替えられることを
   特徴とする調理用桶。 (2) 前記側板の底部は開口し、且つここに別体の
   透水性を有する底板と、別体の非透水性の底板
   とが交換自在に設けられていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の調理用
   桶。 (3) 前記底板は下広がり状の接地縁を有すること
   を特徴とする前記実用新案登録請求の範囲第１
   項または第２項記載の調理用桶。