JPH044489B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は都市ガス、天然ガス、LPガス等の
種々の気体燃料を燃焼用触媒体内に拡散させ、そ
の燃焼用触媒体の表面上で対流する燃焼用空気に
よつて酸化反応させ、この時発生した反応熱、す
なわち燃焼用触媒体表面から発生する輻射熱を利
用する触媒燃焼装置に関する。

従来の技術 従来この種触媒燃焼装置は、第２図に示すよう
に、バーナケース１の底部にガス室２を構成し、
この下流側に仕切板３、保温材４、ヒータ体５、
燃焼用触媒体６、保護金網７が順次積層して構成
されており、この燃焼用触媒体６が耐熱性多孔質
セラミツクにRh等の白金族酸化触媒を担持した
一層よりなる触媒体により構成されていた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような構成では、燃焼用
触媒体６が綿状であるので、シワ、あるいは位置
ずれを生じ易く、これを防止するため、燃焼用触
媒体６の表面に金網やラス等からなる保護金網７
を設けていた。このために燃焼用触媒体６の燃焼
面が対流空気の影響で保護金網７により冷却され
るので未然焼成分の発生によるスリツプ率の増大
やCO等の不完全燃焼ガスが発生し易い欠点を有
していた。また、繊維状であるから熱伝導率も小
さいため、燃焼触媒体６表面での熱伝導も少な
く、燃焼触媒体６の表面温度の均一化が図れず、
部分的に低温度域を生じ易いので、前記と同様に
燃焼性が低下する欠点があつた。さらに、燃焼用
触媒体が強度的にも極めて弱いものであるから、
子供のいたずら等により破損し易く、燃焼用触媒
体に孔あきを生じ燃焼性を低下させ、信頼性の点
でも問題となつていた。

一方、繊維状の燃焼用触媒体表面を金網等で覆
つた構成であるから、商品的に美観も優れずデザ
イン上好ましくない等の欠点を有していた。

本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
未燃焼成分発生によるスリツプ率の低減や、CO
等の不完全燃焼ガス発生量抑制による燃焼効率お
よび燃焼可変範囲の拡大と、燃焼用触媒体の信頼
性の向上と、燃焼用触媒体における燃焼面の美観
の向上を図ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の触媒燃焼
装置は、発泡材、ハニカム、多孔板等の内１種の
多孔質耐熱セラミツクスあるいは金属等からなる
多孔体に酸化触媒としてPt、Pd、Rh等の白金族
金属のうち一種類以上を担持した第１の燃焼用触
媒体と、多孔質耐熱性繊維に酸化触媒を担持した
第２の燃焼用触媒体と保温材を順次積層し、バー
ナケースに収納したものである。

作 用 本発明は上記した構成によつて、第２の燃焼用
触媒体で触媒燃焼に必要な大半の表面積を確保
し、第１の燃焼用触媒体を補助燃焼用の触媒体と
し、また破損防止のため機械的強度を高めたもの
であるから、保護ネツトが不要となり、第１の燃
焼用触媒体の表面が保護ネツトにより冷却される
こともなく、且つ燃焼用触媒体表面の熱伝導を促
進し、表面温度の均一化と適度の酸化反応温度を
維持することで、未燃焼ガスやCO発生を抑制し
て燃焼効率の向上化と、燃焼量可変範囲の拡大
と、効率の向上化と、燃焼用触媒体の破損を防止
し、バーナの信頼性を確保すると共に触媒燃焼面
の美観の向上が図れるものである。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて
説明する。

第１図において、耐熱性金属からなるバーナケ
ース１の底部には、ガス室２と燃料ガス流入口３
があり、ガス室２の下流側には、金属製のラス網
等からなる仕切板４、セラミツク繊維成形体から
なる保温材５、ニクロムヒータ線から構成したヒ
ータ体６、セラミツク繊維集合体にRh，Pt等の
白金族金属を酸化触媒として担持した第２の燃焼
用触媒体７、発泡材、ハニカム、多孔板等の内１
種類の多孔質耐熱性セラミツクス、あるいは金属
からなる多孔体に前記同様にRh，Pt等の白金族
金属を酸化触媒として担持した第１の燃焼用触媒
体８、この第１の燃焼用触媒体８の周囲に設けた
押え金具９が設置されている。また第２の燃焼用
触媒体７内、あるいは第２の燃焼用触媒体７とヒ
ータ体６の間には、第２の燃焼用触媒体７の燃焼
温度検知用の熱電対１０がバーナケース１を貫通
して設けられている。

上記構成において、ヒータ体６に通電すると、
ヒータ体６からの発熱が保温材５および第２の燃
焼用触媒体７の双方に伝熱され、第２の燃焼用触
媒体７の温度が活性化温度、すなわち着火可能な
温度に到達したことを熱電対１０が検知すると、
熱電対（図示せず）に通電され、燃料ガス流入口
３よりガス室２内に燃料ガスが一定流量で供給さ
れる。燃料ガスはある程度昇温している保温材５
内を拡散することにより、自らも昇温し第２の燃
焼用触媒体７および第１の燃焼用触媒体８の温度
をあまり低下させることなく第２の燃焼用触媒体
７内および第１の燃焼用触媒体８内に拡散する。
この時第２の燃焼用触媒体７内および第１の燃焼
用触媒体８内では外気から対流して前記第１と第
２の燃焼用触媒体内に拡散してきた燃焼用空気に
よつて、燃料ガスは酸化反応を受け、二酸化炭素
と水蒸気になり反応熱を発しながら外気へ放出さ
れる。さらにこの様な触媒反応が第２の燃焼用触
媒体７と第１の燃焼用触媒体８全体におよび触媒
燃焼は安定化する。この時点で熱電対１０は触媒
燃焼の安定を温度上昇によつて検知し、同時にヒ
ータ体６への通電も断たれ、完全な自燃焼による
触媒燃焼状態が形成され、第２の燃焼用触媒体７
および第１の燃焼用触媒体８の温度が450〜600℃
程度を保持して定常燃焼が持続される。

一方、本実施例の構成では、第２の燃焼用触媒
体７として多孔質耐熱性セラミツク繊維を用い表
面積を比較的多く確保し、この部分で触媒燃焼全
体の70〜80％程度の燃焼が、外気より第１の燃焼
用触媒体を介して燃焼用空気の供与を得て行われ
る。この時、第２の燃焼用触媒体７の一面が第１
の燃焼用触媒体８と近接して設けているので、前
記の第２の燃焼用触媒体７の燃焼熱と第１の燃焼
用触媒体８での自燃焼熱により、第１の燃焼用触
媒体８全体が適度の酸化反応温度に加熱される。
尚、第１の燃焼用触媒体８の熱伝導率が第２の燃
焼用触媒体７より比較的大きいため、第１の燃焼
用触媒体８上での熱伝導を促進し、第１の燃焼用
触媒体８の表面温度が比較的均一な温度に加熱さ
れる。さらに、従来のように保護ネツトを設けて
いないので、第１の燃焼用触媒体の表面温度が冷
却されることなく表面温度の均一化を図ること
で、未燃焼ガス発生によるスリツプ率の増大や、
CO等の不完全燃焼ガスの発生を抑制して燃焼効
率の向上を図ることが可能となる。また、第１の
燃焼用触媒体８として発泡材やハニカム、多孔板
等の比較的機械的強度を有する多孔質耐熱性セラ
ミツクスあるいは金属からなる多孔体を用いてい
るので、誤まつて第１の燃焼用触媒体に触れた
り、幼児のいたづら等で穴あきを生じ破損するこ
とがないので、触媒燃焼装置の長期使用における
信頼性を確保できると同時に触媒燃焼面の美観の
向上化が図れ、応用機器の商品価値を高めること
ができ等の効果がある。

発明の効果 以上のように本発明の触媒燃焼装置によれば次
の効果が得られる。

(1) 酸化触媒として300〜400℃で活性を有する白
金族を、第１、第２の燃焼用触媒体に担持した
ことにより、低温燃焼性能が向上し、燃焼量可
変範囲が広く保持できる。

(2) 第２の燃焼用触媒体で触媒燃焼による輻射を
放散する表面積の大半を確保し、第１の燃焼用
触媒体に機械的強度が強い材料を用いたことに
より第２の燃焼用触媒体の保護および保持が同
時にできる。

(3) 第１の燃焼用触媒体が保護ネツトの働きを兼
ねるため、燃焼面の美観を向上させるだけでな
く、輻射効率を増大させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における触媒燃焼装
置の縦断面図、第２図は従来の触媒燃焼装置の縦
断面図である。 １……バーナケース、５……保温材、７……第
２の燃焼用触媒体、８……第１の燃焼用触媒体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 発泡材、ハニカム、多孔板等の内１種類の多
   孔質耐熱性セラミツクスあるいは金属等からなる
   多孔体に、酸化触媒として、Pt、Pd、Rh等の白
   金族金属の内一種類以上を担持した第１の燃焼用
   触媒体と、多孔質耐熱性繊維に前記酸化触媒を担
   持した第２の燃焼用触媒体と、保温材を表側より
   順次積層してバーナケースに収納した触媒燃焼装
   置。