JPH0444110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は小物入れ用装飾箱に関する。

［従来の技術］ 宝石箱に代表されるように従来の小物入れ用装
飾箱は、基本的に水平に置かれて保管され、水平
に取り出されて蓋が開けられる。

第７図は更に別の小物入れ装飾箱を示す。こら
は保管されるときは本の如く立てられてもよい。
それは立てられたとき蓋１が長方形枠２に舌状封
止具３で確実に閉められるからである。

［考案が解決しようとする課題］ 第７図に示された小物入れ用装飾箱をその外観
が本であるように装丁しても、これを本棚から取
り出せば一見して本ではないということが判明す
る。それは舌状封止具３が目に入るからである。
そこで、舌状封止具３を除去すると、第８図に示
す如く本棚から背部を抓んで引張り出すときと
か、本棚に並べられているとき本の間に位置して
いないと蓋１が自然と開いてしまい、中の小物が
ばらけ出すのである。

本考案の目的は、舌状封止具を除去してしかも
中から小物あるいは書類がそう簡単にはばらけ出
さないようにした本型の小物あるいは書類入れ装
飾箱を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 本考案の本型装丁箱は、厚手のおもて表紙、厚
手の背部、厚手のうら表紙、前記の背部とうら表
紙とに固着され前記おもて表紙により蓋をされる
容器を形成する厚手の長方形枠、およびこの長方
形枠の開口部内周縁に丁度嵌まり込み前記背部と
は反対の辺に枢支された厚手の中蓋を具備し、こ
の中蓋はおもて表紙の閉じ位置においておもて表
紙の内側面に押されて前記開口部内周縁に嵌まり
込んだ状態に維持され、おもて表紙が多少開いて
もこの中蓋の自由端はおもて表紙の根本部の内側
縁に制限されて中蓋の自由端の内側縁が前記長方
形枠の開口部内周縁より外へはみ出さないように
したものである。

［作用］ 本考案の本型装丁箱は本棚に立てかけられてい
て少々そのおもて表紙が開いても、中蓋の自由端
がおもて表紙の根本端の内側縁またはその近傍に
より制限されて長方形枠内の空間を完全に閉じて
いる。長方形枠内の空間に詰め込まれている内容
物が中蓋を押し開けようとしても、おもて表紙の
下側縁と棚面との間の摩擦力がてこの原理で増幅
されておもて表紙の根本端の内側縁を介して中蓋
の自由端を確実に閉じたままにする。

［実施例］ 第１図乃至第３図は本考案の基本的な実施例を
示す図である。第１図は本考案の本型装丁箱を開
いた状態で示す斜視図、第２図は中蓋を閉じた状
態で示す斜視図、第３図はさらにおもて表紙を閉
じた状態で示す斜視図である。これら図におい
て、５はおもて表紙、６は背部、７はうら表紙、
８は長方形枠、９は中蓋、１０は平紐である。厚
手のおもて表紙５は厚手の背部６に枢着されてい
る。厚手のうら表紙７には厚手の長方形枠８が固
着され、かつ背部６が長方形枠８の一辺に固着さ
れている。厚手の中蓋９は第２図に示すごとく長
方形枠８の開口部内周縁１６に丁度嵌まり込むよ
うになつている。この中蓋９は平紐１０を引張る
ことにより長方形枠８から引き出され第１図に示
す如く、おもて表紙５とは反対の方向へ開く。長
方形枠８の開口部内周縁には段１１が設けられて
いて、中蓋９が閉じられたとき第２図に示す如
く、中蓋９の外側面と長方形枠８の上端の縁面１
５とが同一の高さになるようにしている。従つて
第３図の如くおもて表紙５が閉じられたときその
内側面は長方形枠８の開口部（前記上端）の縁面
１５に接すると同時に中蓋９の外側面にも接す
る。

第４図は、おもて表紙５が多少開いても中蓋９
を閉じ込めておく機構を断面で示す図である。つ
まり、おもて表紙５が多少開いてもその根本部の
内側縁１２は中蓋９の自由端１３の動きを制限
し、中蓋９の内側面１４は段１１から浮き上がっ
ても長方形枠８の開口部内周縁１６から外へはみ
出すことはない。つまり中蓋９の自由端における
内側面１４が長方形枠８の上端の縁面１５より上
がることはない。かくして例えばカード類の如き
薄いものでも抜け落ちるということはない。

他方、おもて表紙５を大きく開けると中蓋９の
自由端がおもて表紙５の根本部の内側縁１２を通
過できる状態になる。

また、本考案の本型装丁箱が本棚に立てられて
いるときは、おもて表紙５およびうら表紙７の下
側縁が棚の表面に接触して摩擦力を受けるのであ
るが、この摩擦力はてこの原理で増幅され、中蓋
９を内側から押し開ける力に対して十分に対向す
る構造にもなつている。

なお、おもて表紙や中蓋の枢支は厚手のボール
紙をクロス張り仕上げした際のクロスを用いて達
成している。

また、この本型装丁箱は本棚に立てて飾られる
ばかりでなく、机の上に置かれて必要な書類入れ
などに使用される。

第５図および第６図は本考案の本型装丁箱の他
の実施例を示す斜視図である。第１図乃至第３図
に示したものと異なる点は長方形枠８で形成され
た内部空間を区画したことである。区画２０には
カフスボタン等のつけ根を挿し込んで支持するた
めの可撓的に開く溝２１を形成するために、弾力
性の丸芯のまわりにフエルト布を巻いたものを例
えば図示の如く５本を互いに隣接させて固定的に
取り付ける。区画２２には第６図ａに示すごとく
指輪２４類を取り付けるためにフエルト布２３を
巻いたものを着脱自在に押し込んでおく。区画２
５には第６図ｂに示す如くネクタイピンを一連に
挟んで止めておきこれを点線部で二つ折りにでき
るフエルト布２７が数枚押し込められており、区
画２８には第６図ｃに示すごとくタツクタイ２９
の針を通して留めておくためのフエルト布３０が
数枚押し込められている。区画３１はペンダント
等を入れるようになつており、更に区画３２には
オルゴール等が設けられ、中蓋９が開かれたとき
に作動するようになされている。オルゴールは電
子的録音装置であつてもよい。これらを含めて情
報音発生装置と称する。

勿論、この仕切りのある本型装丁箱は宝石箱と
して使用されてもよい。そして、中蓋を開けると
宝石等の全体が見渡せ、かつ中蓋を開けた状態で
この箱が少々傾けられてもフエルト布に取り付け
られた宝石等は箱から落ちないのである。

このように本考案は単なる小物入れではなく、
自分の歴史や、所属クラブの活動の歴史等に関連
した記念品の如き小物等を何等違和感なしに本棚
に飾つておくことができ、折りに触れて書籍と同
様に紐解くことができるのである。

［考案の効果］ 本考案の本型装丁箱は一見しては全く本と同じ
であり、本棚に何ら違和感なしに飾つておくこと
ができ、しかも中蓋の自由端がおもて表紙の根本
部の内側縁に押されて閉じ位置に維持され、おも
て表紙に隣接して押さえの本がなくとも、そして
おもて表紙が少々開いても本考案の箱から内容物
がばらけ落ちるということはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の本型装丁箱を開けた状態を示
す斜視図、第２図は本考案の本型装丁箱の中蓋を
閉じた状態を示す斜視図、第３図は本考案の本型
装丁箱のおもて表紙を閉じた状態を示す斜視図、
第４図は本考案の要部を拡大して示す断面図、第
５図は本考案の他の一実施例である本型装丁箱を
開けた状態で示す斜視図、第６図ａ〜ｃは第５図
の本型装丁箱に付属する備品を説明するための
図、第７図は従来の装飾箱の一例を示す斜視図、
第８図は本棚から本を取り出すときの一般状態を
示す図である。 図において、５……おもて表紙、６……背部、
７……うら表紙、８……長方形枠、９……中蓋、
１０……平紐、１１……段、１２……おもて表紙
の根本部の内側縁、１１……中蓋の自由端、１４
……中蓋の内側面、１５……長方形枠の上端の縁
面である。 なお、図面中同一符号は同一または相当部分を
示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 厚手のおもて表紙、厚手の背部、厚手のうら
   表紙、前記の背部とうら表紙とに固着され前記
   おもて表紙により蓋をされる容器を形成する厚
   手の長方形枠、およびこの長方形枠の開口部内
   周縁に丁度嵌まり込み前記背部とは反対の辺に
   枢支された厚手の中蓋を具備し、この中蓋はお
   もて表紙の閉じ位置においておもて表紙の内側
   面に押されて前記開口部内周縁に嵌まり込んだ
   状態に維持され、おもて表紙が多少開いてもこ
   の中蓋の自由端はおもて表紙の根本部の内側縁
   またはその近傍により制限されて中蓋の自由端
   の内側縁が前記長方形枠の開口部内周縁より外
   へはみ出さないようにしたことを特徴とする本
   型装丁箱。 ２ 前記長方形枠で形成され容器の内側を仕切壁
   で多数区画し、区画の少なくとも一つには小物
   を挿し込んで支持するための可撓的に変形する
   溝を形成し、区画の少なくとも一つには小物が
   ガタつかないようにするためのフエルト布を適
   当枚数取外し自在に備えてなる請求項(1)に記載
   の本型装丁箱。 ３ 区画の少なくとも一つにオルゴール等の情報
   音発生装置を設け、前記中蓋を開けたとき前記
   情報音発生装置が作動するようにした請求項(2)
   に記載の本型装丁箱。