JPH0444054Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は刈り込み鋏の改良に関するものであ
る。

（従来の技術） 刈り込み鋏は、柄体がある程度長い方が庭木等
を刈り込むのに操作上都合がよいことが周知され
ている。

ところで、一般に従来の刈り込み鋏は刃体と柄
体とからなる一対の鋏構成部材を支軸にて回動自
在に枢着している。換言すれば、柄体はそのほと
んどが木材又はダイカスト又は中空パイプからな
る一体のもので構成されていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、木材を柄体に使用する場合はガ
タツキや割れが生じて好ましくないことは言うま
でもなく、また柄体をダイカストにより製作した
場合には、大きな金型を要してコストアツプし、
長い柄体の加工は機械加工的にも困難である等の
問題がある。

一方、柄体を真直ぐな中空パイプで製作しよう
とすれば、刃体の前記支軸から柄体までの長さが
長くなることを余儀なくされるが、刃体の材料は
一般に高価であるためコストアツプにつながる。
また、刃体を中空パイプからなる柄体に連結する
には、刃体の後端を柄体に挿入してねじ又は接着
剤で固定する方法が考えられるが、接着剤による
場合は連結部が外れ易く、又ねじによる場合は、
ねじ部が突出するため外観体裁上、好ましくない
等の問題がある。

本考案は、かかる課題を解消し、長い柄体の刈
り込み鋏を安価に提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 前記課題を解決するために、本考案に係る刈り
込み鋏は、中空パイプからなる柄体に刃体を保持
する刃体取付部材が挿入取着される一対の鋏構成
部材を、支軸にて回動自在に枢着し、前記両柄体
の合せ面双方にストツパーを突設した刈り込み鋏
であつて、前記刃体取付部材に雌ねじを螺設し、
この雌ねじに柄体を貫通する雄ねじを螺合させる
ことにより刃体取付部材及びストツパーを柄体に
一体的に固着するようにしたことを特徴とするも
のである。

（作用） 本考案に係る刈り込み鋏によれば、刃体取付部
材及びストツパーはガタツキが生じたり、連結部
が外れたりすることなく柄体に確実に固着され
る。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案に係る
刈り込み鋏は、柄体を刃体取付部材と中空パイプ
からなる柄体とから構成したので、刃体取付部材
をダイカスト製にしても金型代に要する費用はわ
ずかで済み、刃体の長さを長くすることなく長尺
の柄体を安価に得ることができるほか、例えば刃
体取付部材に挿嵌孔及び刃体を挟持する嵌合縁を
設けることにより容易に刃体を保持することがで
きるから替刃式の刈り込み鋏に適用するのに好都
合であり、刈り込み鋏全体を軽量かつ長尺柄のも
のとしうるので、庭木等の刈り込み操作に都合の
よいものとなしうる。

また、刃体取付部材及びストツパーは、一本の
ねじによつて強固に柄体に固着することができる
から、ガタツキを生じたり外れたりすることな
く、部品点数の削減を図ることができる。そし
て、前記ねじはストツパーによつて外部に突出す
るのが回避できるので、外観体裁上好ましいもの
となしうる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的
に説明する。

第１図は刈り込み鋏全体の斜視図、第２図は刈
り込み鋏要部の分解斜視図、第３図は第１図の矢
印−方向から見た断面図、第４図は第３図の
矢印−方向から見た断面図である。

これらの図において、１，１は鋼でなる刃体
で、これら鋼１，１を、それぞれアルミのダイカ
ストより形成される刃体取付部材２，２で保持す
ることにより、一対の鋏構成部材を構成する。換
言すれば、刃体取付部材２，２には前部にそれぞ
れ挿嵌孔３が凹設されていると共に前記刃体１の
厚さ相当分隆起する嵌合縁４が突設されている。
そして、前記挿嵌孔３に刃体１の中子を嵌合させ
ると共に、嵌合縁４に刃体１の後部背面及び後部
腹面を差し込むことにより、それぞれの刃体１を
刃体取付部材２で保持することができる。

前記刃体１及び刃体取付部材２には、一連の貫
通孔６が穿設されており、この貫通孔６に一対の
ボルトとナツトからなる支軸５を挿通し、この支
軸５にて前記鋏構成部材を回動自在に枢着する。

前記刃体取付部材２は、長手方向やや後方寄り
に段部１０を有しており、この段部１０から後端
までの部分が、柄体８を挿入しうるよう若干細く
なつた挿入部９になつている。

挿入部９は、全長に亘つてその断面の中程が
左、右にくびれた一様なコ字溝１１になつてお
り、このコ字溝１１に合成樹脂製の緩衝材１２が
挿入される。

緩衝材１２は、第３図に示すように段部１０及
び柄体８の端部を被覆する環状部１３と、この環
状部１３に一体的に固着され、前記コ字溝１１に
沿つて嵌入される二本の挿入片１４を有してい
る。そして、環状部１３によつて柄体８の端部の
バリから手を保護しうると共に挿入片１４によつ
て刃体取付部材２と柄体８とのガタツキを阻止す
ることができるようになつている。

前記刃体取付部材２の挿入部９上面、つまり鋏
を閉じる側の合わせ面にはストツパー１７を取付
けるための雌ねじ１５が螺設され、また挿入部９
に柄体８を嵌めた状態において、雌ねじ１５に対
応する柄体８部分には、透孔１６が開設される。

ストツパー１７は臼状を呈する合成樹脂製の取
付片１８と、この取付片１８に頭部２２だけが露
出するよう嵌め込み可能に冠着されるゴム、ウレ
タン樹脂等の弾性材料からなるキヤツプ片１９と
からなり、弾性を有するストツパー同志の当接に
より切断時の緩衝を行ないうるようになつてい
る。

前記取付片１８は、その底部にねじ挿通孔２０
が開設されており、このねじ挿通孔２０及び前記
透孔１６に雄ねじ２１を貫挿する。そして、ねじ
挿通孔２０及び透孔１６を貫通する雄ねじ２１を
前記雌ねじ１５に螺合させることにより、刃体取
付部材２及び取付片１８を柄体８に一体的に固着
することができる。

なお、このとき前記雄ねじ２１の頭部は、取付
片１８の臼状の円筒部の中に入つた状態にある
が、この上から頭部２２をもつキヤツプ片１９が
嵌着されるので、雄ねじ２１はこれら取付片１８
とキヤツプ片１９とで完全に隠蔽された状態にな
る。

以上は本考案における一実施例を説明したもの
であるが、本考案は考案の要旨を逸脱しない範囲
内において種々変更可能である。例えば、前記実
施例における一対の雌ねじ１５と雄ねじ２１をタ
ツプボルトによつて締結したり、ストツパーと雄
ねじとを一体化して形成する等は適宜なしうる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈り込み鋏の一実施例を示
すもので、第１図は刈り込み鋏全体の斜視図、第
２図は刈り込み鋏要部の分解斜視図、第３図は第
１図の矢印−方向から見た断面図、第４図は
第３図の矢印−方向から見た断面図である。 １……刃体、２……刃体取付部材、５……支
軸、８……柄体、１５……雌ねじ、１７……スト
ツパー、２１……雄ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空パイプからなる柄体に刃体を保持する刃体
   取付部材が挿入取着される一対の鋏構成部材を、
   支軸にて回動自在に枢着し、前記両柄体の合せ面
   双方にストツパーを突設した刈り込み鋏であつ
   て、前記刃体取付部材に雌ねじを螺設し、この雌
   ねじに柄体を貫通する雄ねじを螺合させることに
   より刃体取付部材及びストツパーを柄体に一体的
   に固着するようにしたことを特徴とする刈り込み
   鋏。