JPH0443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコークス炉の炉頂クリーナーに関する
ものである。

（従来の技術） コークス炉の炉頂は石炭装入車による石炭装入
時に落ちこぼれる石炭粉、装入口シール材の残留
物、塵挨等が散在し、そのまま放置すれば作業環
境を悪化させるばかりでなく、飛散して二次公害
を引き起す恐れもある。この為コークス炉炉頂長
手方向を走行移動する装入車上に塔載された炉頂
クリーナーによりその吸引ノズルをコークス炉炉
頂巾方向に往復移動させることを繰り返えし行い
炉頂に散在した石炭粉等を吸引除去する方法が採
用されている。

従来炉頂クリーナーは実公昭57−58183号公報
に記載の通りその吸引ノズルの吸引口は細長い矩
形状のスリツトにしその長軸を炉頂長手方向に沿
わせ炉頂上面と所定の間隔を保持して炉頂巾方向
に走行移動せしめるものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし乍ら該炉頂クリーナーの吸引ノズルによ
る炉頂清掃の際に装入車の走行用突出軌条部では
吸引ノズルを上昇移動させて衝突を回避するた
め、吸引口と軌条両側面近傍に散在した石炭粉と
の距離が大きくそれを吸引除去することは不可能
である。又軌条部以外の炉頂上面においてもその
レベルが均一でなく、装入口の蓋の突出部もある
ことからそれらと吸引ノズルの吸引口端との接
触、衝突破損を避けるため該吸引口レベルを高目
にしてあることから、吸引ブロアー等の容量を大
巾に増大させる等の配慮をしても吸引効率は極め
て低いものであつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するもので、その特
徴とする手段の構成は、コークス炉炉頂長手方向
の軌条上を走行する装入車に台車を横行可能に搭
載し、該台車にスリツト状吸引口を有する吸引ノ
ズルを昇降可能に設け、これをコークス炉炉頂巾
方向に往復移動させながら該炉頂の散在物を吸引
除去する炉頂クリーナーにおいて、反り部と、こ
れに続いて形成され前記コークス炉頂面に下面を
対向接触可能にしたフラツト部を有する吸引補助
板の該反り部を前記吸引ノズル下端のスリツト状
吸引口の前後縁部夫々に回動可能に取付け、前記
吸引ノズルに回動用レバー（以下単にレバーと称
す）の後端を回動可能に連結し、該レバー先端と
吸引補助板の上面をチエンによつて連結すると共
に、該レバーの中間部を吸引補助板開閉用の駆動
装置に連結したことを特徴とするコークス炉炉頂
クリーナーにある。

（作用） 即ち本考案に於けるクリーナーは炉頂巾方向往
復移動夫々において装入車用軌道部以外の炉頂面
に対して吸引ノズルのスリツト状吸引口下端レベ
ルを所定レベルに保持し、吸引ノズルの反移動方
向側の吸引補助板の開放端部をその開・閉回動機
構により炉頂上面に自重で当接せしめる一方吸引
ノズルの移動方向側の吸引補助板の開放端部をそ
の開・閉回動機構により、炉頂上面レベルに応じ
て所定範囲内の間隙を形成するよう吊り上げ保持
してノズルの移動方向側にのみ該補助板下面と炉
頂上面で所定の吸引路を形成して効率よく炉頂散
在物を吸引除去するものである。

更に軌条部における吸引ノズルの上昇移動によ
る乗り越え時には、該吸引補助板の上下回動によ
つて軌条両側部の炉頂上面部との前後吸引路形成
のための接触及び所定間隙形成を維持して、ここ
でも確実に散在物を吸引除去せしめるものであ
る。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面によつて説明する。

第１図は炉頂クリーナーを示す全体正面図、第
２図は同装置の拡大側面図、第３図は要部の動作
状態を示す拡大正面図である。

図中１は吸引ノズルであり装入車（図示せず）
上をその走行方向と直角に横行（炉頂巾方向）す
る台車２４にブラケツト２０，２０ａを介し、昇
降可能にした支持枠８，８ａに取付けられてい
る。支持枠８，８ａの両側端には車輪１１，１１
ａが設けられ吸引ノズル１の先端の吸引口２がコ
ークス炉炉頂上面２７と一定の間隔に維持する。

又該支持枠８，８ａは駆動装置１４，１４ａに
より回動支点１７，１７ａを中心に回動するレバ
ー１３，１３ａをチエン１２，１２ａを介し２基
釣支されており、装入車が走行する時は該駆動装
置１４，１４ａの上昇駆動により持ち上げられ車
輪１１，１１ａがコークス炉面２７から離れる。
装入車の走行が停止すると該支持枠８，８ａを下
降させて車輪１１，１１ａを炉頂上面２７に当接
せしめ台車を横行移動させて炉上に落下散在した
石炭粉等を吸引ノズル１により吸引する。

２５は装入車走行軌条両側面に設けられた傾斜
板であり今まで軌条の隅に堆積していた石炭粉を
この上面で受け吸引ノズル１にて吸引可能な状態
にする。３，３ａは反り部と、これに続いて形成
され前記コークス炉頂面に下面を対向接触可能に
したフラツト部を有する吸引補助板であり、この
反り部を吸引ノズル１の細長いスリツト状の吸引
口２の前後各回動可能に設け、更に、該吸引補助
板３，３ａの下面にラバー２９，２９ａを貼設し
たものであり、駆動装置６，６ａによりレバー
５，５ａ及びチエン４，４ａを介し開閉回動す
る。吸引補助板３の下面のラバー２９は前端のみ
吸引補助板に固着して他はフリーとし自重で垂れ
下がるようにしてある。装入車走行軌条２６，２
６ａ両側面近傍時以外の吸引時には進行側の吸引
補助板３を上回動して下面のラバー２９後端と炉
頂上面２７との間隔を所定の吸引路形成用間隔と
する。反進行側の吸引補助板３ａは下げて他下面
のラバー２９ａを炉頂上面２７に当接した状態と
する。

又、装入車走行軌条２６，２６ａの近傍吸引時
には第３図イ，ロ，ハの動作を行う。

即ち進行方向より吸引ノズル１を装入車走行軌
条２６の傾斜板２５上に到来の際は進行側吸引補
助板３は傾斜板２５との間隔を所定値に維持させ
且つラバー２９の後端を傾斜板２５に接触させな
がら上回動せしめ、反進行側の吸引補助板３ａは
下がつた状態のまま自重で傾斜板２５上面に摺動
接触せしめながら吸引ノズル１を駆動装置１４，
１４ａにより所定量釣り上げ上昇させ、装入車軌
条２６，２６ａ直上部を通過した時点で吸引ノズ
ル１を徐々に下降させ、同時に進行側の吸引補助
板３を下げて傾斜板２６との間隔を所定値に保持
する一方反進行側の吸引補助板３ａをそのまま自
重で傾斜板２６の上面に当接摺動せしめる。その
状態で車輪１１，１１ａが炉頂上面２７と接する
まで続けて吸引を行う。車輪１１，１１ａが炉頂
上面２７と接すると進行側吸引補助板３を再び上
げてラバー２９の後端と炉頂上面２７と所定間隔
にすると共に反進行側吸引補助板３ａを下げてそ
の下面のラバー２９ａを炉頂上面２７に接触さ
せ、これ以上の炉頂上面２７の凸部に対してはチ
エン４のゆるみにより追従接触させるようにして
吸引効果を高めており、その状態を保つたまま吸
引ノズル１は走行を行う。２８，２８ａは吸引ノ
ズル１に取付けられた伸縮管で連結管９，９ａに
接続され、この連結管９，９ａは回転継手１０，
１０ａに接続されている。更に回転継手１０，１
０ａは切替弁１６，１６ａに接続されている。切
替弁１６，１６ａは連結アーム１５，１５ａを介
し、吸引ノズル１の上昇下降に応じ閉又は開とな
る。

切替弁１６，１６ａは連結管１９，１９ａを介
し、装入車上で横行する台車２４上に設置されて
いる集塵機２１と連結されている。又集塵機２１
は同じく台車２４上の吸引ブロアー２３と連結管
２２を介して接続されており、吸引ブロアー１９
を運転することにより内部を負圧とし、吸引口
２，２ａから吸込まれたコークス炉上の石炭粉を
捕促するようになつている。尚１８はカウンター
ウエイト、７は回動軸である。

（考案の効果） 前記した如く本考案のクリーナーは吸引ノズル
のスリツト状吸引口前後に取付けられた吸引補助
板により炉頂上面及び装入車走行軌条両側近傍の
炉頂上面に散在する石炭粉等を吸引ブロアーを必
要最小限の容量に止めてその大型化を計ることな
く容易にかつ確実に効率よく吸引除去できるもの
であり、コークス炉上の作業環境の改善上、非常
に有効な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例炉頂クリーナーを示す全体正面
図、第２図は同装置の拡大側面図、第３図は第２
図要部の動作状態を示す拡大正面図である。 １，１ａ……吸引ノズル、２，２ａ……吸引
口、３，３ａ……吸引補助板、４，４ａ……チエ
ン、５，５ａ……レバー、６，６ａ……駆動装
置、７，７ａ……回動軸、８，８ａ……支持枠、
９，９ａ……連結管、１０，１０ａ……回転継
手、１１，１１ａ……車輪、１２，１２ａ……チ
エン、１３，１３ａ……レバー、１４，１４ａ…
…駆動装置、１５，１５ａ……連結アーム、１
６，１６ａ……切替弁、１７，１７ａ……回動支
点、１８，１８ａ……カウンターウエイト、１
９，１９ａ……連結管、２０，２０ａ……ブラケ
ツト、２１……集塵機、２２……連結管、２３…
…吸引ブロアー、２４……台車、２５……傾斜
板、２６……装入車走行軌条、２７……コークス
炉面、２９，２９ａ……ラバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コークス炉炉頂長手方向の軌条上を走行する装
   入車に台車を横行可能に搭載し、該台車にスリツ
   ト状吸引口を有する吸引ノズルを昇降可能に設
   け、これをコークス炉炉頂巾方向に往復移動させ
   ながら該炉頂の散在物を吸引除去する炉頂クリー
   ナーにおいて、反り部と、これに続いて形成され
   前記コークス炉頂面に下面を対向接触可能にした
   フラツト部を有する吸引補助板の該反り部を前記
   吸引ノズル下端のスリツト状吸引口の前後縁部
   夫々に回動可能に取付け、前記吸引ノズルに回動
   用レバーの後端を回動可能に連結し、該レバー先
   端と吸引補助板の上面をチエンによつて連結する
   と共に、該レバーの中間部を吸引補助板開閉用の
   駆動装置に連結したことを特徴とするコークス炉
   炉頂クリーナー。