JPH0443712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ガス器具に内蔵されている立ち消
え安全装置をガス漏れ検知装置と連動させて供給
されるガスを遮断するガス遮断装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

第４図はこの種の装置の従来例を示す構成ブロ
ツク図であり、１は例えば湯沸器等のガス器具
で、種火２を常時点火させておき、メインバーナ
３の点火に備えている。４は前記種火２の点火状
態を監視する立ち消え安全装置で、種火２の近傍
に設置される熱電対５と供給されるガスを遮断す
る電磁弁６で構成されている。７，８はガス管で
ある。９は換気扇で、メインバーナ３の点火と同
時に作動する。１０は遮断バルブ１１を駆動させ
るユニツトである。

従来の装置は上記のように構成され、操作手順
に応じて種火２用の開閉コツク（図示しない）を
開きガス器具１の種火２が点火されると、熱電対
５が種火２の熱により熱起電力を発生させて電磁
弁６を開状態に保持させる。これにより、接続さ
れるガス管７より生ガスが引き込まれ、さらにメ
インバーナ３用の開閉コツクが開かれると、換気
扇９が作動し、これと同時に種火２に触れた生ガ
スが発火してメインバーナ３が点火され給湯され
る。そして、メインバーナ３用の開閉コツク（図
示しない）を閉じることにより、換気扇９も停止
し、これと同時にメインバーナ３の燃焼が止み、
種火２のみが点火された状態を継続する。

また、ガス器具１の配置環境の変化、例えば風
の進入等により種火２が消されてしまつた場合
は、一定経時後、熱電対５の温度が所定位まで下
がるため、電磁弁６が閉じられガスの供給が遮断
されるように構成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、ガス器具１の配置環境の変化、例え
ば酸素欠乏から起こる不完全燃焼が発生しても、
不完全燃焼を検知する手段が設けられていないの
で、メインバーナ３の燃焼は継続されてしまいガ
ス器具１が密閉された環境に配置された場合には
COガスが充満する恐れがあり安全性が問題にな
つてくる。さらに、従来、供給されるガスを遮断
するための遮断バルブ１１を駆動させるユニツト
１０を別に設ける必要があるため、装置の構成が
大型になる等の問題があつた。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、ガス器具の燃焼中に生じる不完全
燃焼を検知して速やかに立ち消え安全装置に内蔵
される電磁弁を作動させてガスの供給を遮断し、
ガス器具の環境を常に最適の状態に保つととも
に、安全に燃焼させることができる小型のガス遮
断装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るガス遮断装置は、不完全燃焼排
気ガスに感知するガス検知回路と、電源回路に対
しガス検知回路に直列に接続され電源回路により
開に保持されガスを供給する電磁弁と、ガス検知
回路から出力される検知信号をあらかじめ設定さ
れる安全レベルと比較するガス判別回路と、この
ガス判別回路から出力される判別信号により所定
時間作動するタイマ回路と、立ち消え安全装置の
出力を得て種火の点火状態を判別する点火判別回
路と、電源回路の出力を遮断するセンサ電源スイ
ツチング回路と、所定時間経過後タイマ回路に入
力されるガス判別信号および点火判別回路の出力
に応じて電源回路を遮断させる遮断指令をセンサ
電源スイツチング回路に送出するコントロール回
路とを設けたものである。

〔作用〕

この考案においては、湯沸器に内蔵される立ち
消え安全装置を利用し、検知回路が不完全燃焼排
気ガスを検知した場合で、かつ、その検知信号が
判別回路にあらかじめ設定される安全レベルを越
え、なおかつ、この安全レベルを越える判別信号
がタイマ回路の設定時間以上出力される場合およ
び点火判別回路が種火の立ち消えを判別した場合
にコントロール回路が電源回路を遮断する遮断指
令を送出するものである。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例を示すガス遮断装
置のブロツク図であり、第４図と同一のものには
同じ符号を付けてある。

この図において、２１はCOガスを検知して検
知信号を送出するガス検知回路、２２はガス判別
回路で、ガス検知回路２１が送出する検知信号の
信号レベルをあらかじめ設定された安全レベルと
比較してガス濃度を判別し、安全レベルを越える
検知信号を受信した場合に判別信号を送出する。
２３はタイマ回路で、ガス判別回路２２が出力す
る判別信号を受けて所定時間作動する。２４は点
火判別回路で、種火２に点火された時、熱電対５
より出力される信号レベルを判別する。２５はコ
ントロール回路で、タイマ回路２３からの出力信
号および点火判別回路２４からの出力信号を処理
する。２６は電源トランスで、交流100Vを遮断
装置に適した電圧まで下げる。２７は整流・平滑
回路で、電源トランス２６の２次側の出力を直流
に変換し、リツプルのない滑らかな直流電圧を出
力する。そして、電源トランス２６と整流の平滑
回路２７で電源回路が構成される。２８はセンサ
電源スイツチング回路で、定電圧回路となるセン
サ定電圧回路２９に印加される直流電圧をコント
ロール回路２５の出力に応じてオン・オフする。
なお、立ち消え安全装置４はガス検知回路２１に
直列に接続され、共通の電源により動作するよう
に構成されている。

次にこの考案によるガス遮断動作について説明
する。

通常の点火作業は、まず、電源トランス２６に
交流100Vが印加され、整流・平滑回路２７でリ
ツプルの少ない直流が各回路に印加される。ここ
で、湯沸器のツマミを回して種火２に点火する
と、点火判別回路２４で熱電対５の熱起電力を判
別してその判別信号を次段のコントロール回路２
５に送出する。このとき、直流電源がガス検知回
路２１から立ち消え安全装置４の電磁弁６を流れ
るので、電磁弁６が開状態を保持する。この状態
が初期状態である。

種火２がガス器具１の設置環境の変化に応じ
て、例えば風の進入で消えた場合は、熱電対５の
熱起電力が低下する。このため点火判別回路２４
が種火２が消えたことを示す判別信号を次段のコ
ントロール回路２５に送出する。この判別信号を
受けてコントロール回路２５がガス検知回路２１
に流れる回路電流を遮断するためのオフ信号をセ
ンサ電源スイツチング回路２８に送出する。この
ため、回路電流が遮断されて、電磁弁６にも回路
電流が流れなくなり、電磁弁６が閉じられガスの
供給が遮断される。

また、初期状態後、COガスをガス検知回路２
１が検知すると、その検知信号がガス判別回路２
２に送出され、あらかじめ設定された安全レベル
と検知信号の濃度レベルを比較し、安全レベルを
越えた場合に、次段のダイマ回路２３が動作して
一定時間経過後に安全レベルを越える検知信号が
継続して出力されている場合に濃度判別信号をコ
ントロール回路２５に送出する。この濃度判別信
号を受けてコントロール回路２５がガス検知回路
２１に流れる回路電流を遮断するためのオフ信号
をセンサ電源スイツチング回路２８に送出する。
このため、回路電流が遮断されて、電磁弁６にも
回路電流が流れなくなり、電磁弁６が閉じられガ
スの供給を遮断する。このように、立ち消え安全
装置４の電磁弁６を熱電対５の熱起電力またはガ
ス検知回路２１が検知するガス濃度に応じて駆動
させるため、従来独立して設けられるユニツト１
０を省くことができる。

第２図は第１図に示したガス遮断装置の回路図
であり、４〜６は第１図と同じものを示し、I₁は
電源部で、１次巻線T₁には交流100Vが印加さ
れ、２次巻線T₂に所要の交流電圧が発生する。I₂
は整流・平滑部で、ダイオードD₁により全波整
流され、コンデンサC₁により平滑され、所要の
直流電源V_ccが得られる。この直流電源V_ccが得ら
れると、その通電を示すLED１が発光する。I₃は
スイツチング部で、スイツチングトランジスタ
Tr₁のエミツタ端子に直流電源V_ccが印加され、
ベース端子は抵抗器R₁を介してスイツチングト
ランジスタTr₂のコレクタ端子に接続されてい
る。このスイツチングトランジスタTr₂のエミツ
タ端子は接地されている。I₄は定電圧部で、スイ
ツチングトランジスタTr₁のコレクタ端子から給
電される直流電源V_ccがトランジスタTr₃のエミ
ツタ端子に印加される。トランジスタTr₃のベー
ス端子は３端子レギユレータＬの入力側に接続さ
れている。I₅はガス検知部で、３端子レギユレー
タＬの電圧調整端子から電圧調整用可変抵抗器
R₂を介してセンサＳに接続されている。センサ
Ｓに所要の直流電源V_ccが通電されると、LED２
が発光する。センサＳはガス判別部I₆のアンプA₁
の反転端子に接続されている。アンプA₁の非反
転端子は基準レベルを設定するため抵抗器R₄に
接続されている。また、センサＳの他方は抵抗器
R₅を介して電磁弁６に直列に接続されている。I₇
は点火判別部で、熱電対５の一方がアンプA₂の
反転端子に接続され、他方がツエナーダイオード
ZDを介して電解効果トランジスタFETのドレイ
ンに接続され、電流が制御されながら抵抗器R₆
に印加され基準電圧が発生する。一方、熱電対５
より発生する熱起電力はアンプA₂の非反転端子
に接続され、アンプA₂の出力はトランジスタTr₄
のベース端子に接続されている。I₈はタイマ部
で、アンプA₁の判別電流が抵抗器R₇およびコン
デンサC₁に印加され、C₁，R₇で定まる時定数の
間コンデンサC₁に充電がタイマ設定時間行われ、
ある設定電圧以上に充電された場合に反転信号が
コントロール部I₉のフリツプフロツプFFに入力
される。フリツプフロツプFFの出力はスイツチ
グトランジスタTr₂ベース端子に接続されてい
る。

次に動作について説明する。

交流電源が電源部I₁のトランスの一次巻線T₁に
投入されると、二次巻線T₂に所要の電圧に落さ
れた交流電圧が発生し、この交流電圧が整流・平
滑部I₂のダイオードD₁およびコンデンサC₁で整
流・平滑されて、直流電源V_ccが発生する。この
ため、スイツチングトランジスタTr₁が通電され
る。さらに、定電圧部I₄のトランジスタTr₃が通
電されて３端子レギユレータＬの入力側に直流電
流が印加され安定化された直流電流がトランジス
タTr₃のコレクタより出力され、ガス検知部I₅の
センサＳが作動する。センサＳの出力はガス判別
部I₆で常時監視され、抵抗器R₄の値で決る電圧を
越えたセンサ出力（判別信号）が得られた場合
は、タイマ部I₈に判別信号が入力され、設定時間
を越えて判別信号が出力されると、コントロール
部I₉のフリツプフロツプFFが動作し、スイツチ
ングトランジスタTr₂，Tr₁がオフし、定電圧部
I₄への直流電源V_ccが遮断され、電磁弁６がガス
の供給を遮断する方向に作動する。

一方、種火２が点火状態であるとき、外的要因
により消えると、立ち消え安全装置４の熱電対５
の熱起電力が低下し、アンプA₂の反転端子に入
力される信号レベルが非反転端子に入力される信
号レベル（抵抗器R₆とセンサ電流で決まる）よ
りも低下するため、アンプA₂から反転信号が出
力され、トランジスタTr₄のベースに電流が流れ
トランジスタTr₄が通電する。これにより、トラ
ンジスタTr₄のコレクタ電流、すなわち、立ち消
え信号がコントロール部I₉に入力され、フリツプ
フロツプFFが作動して、スイツチングトランジ
スタTr₁，Tr₂をオフし、定電圧部I₄への直流電
源V_ccが遮断され、電磁弁６がガスの供給を遮断
する方向に作動する。

第３図はこの考案の他の実施例を示すガス遮断
装置の回路構成図であり、３１はAC電源で、ダ
イオード３１ａで整流されコンデンサ３２で平滑
されて直流電源V_ccが出力される。３３は表示器
で、例えばLEDが使用され、直流電源V_ccが出力
されると点灯する。３４は前記種火２の立ち消え
を監視するサーモカツプル（TC）で、立ち消え
安全装置４内に設けられる。３５はコンパレータ
で、TC３４の熱起電力があらかじめ設定された
値を越えた場合に、定電圧回路３６をオンさせる
信号を出力する。３７はガスセンサで、不完全燃
焼を感知する。３８はコンパレータで、センサ電
流を監視する。３９，４０は抵抗器、４１は表示
器で、例えばLEDが使用され、ガスセンサ３７
に通電されると点灯する。４２は抵抗器で、電磁
弁６の電流を制限する。４３は遅延タイマで、例
えば約30秒を設定時間とする。なお、抵抗器４２
は必要に応じて設けられる。

次に動作について説明する。

電磁弁６の押ボタン６ａを押下しながら種火２
を点火させると、TC３４の周囲温度が上昇し熱
起電力が発生する。この熱起電力がコンパレータ
３５の設定値を越えると、コンパレータ３５が定
電圧回路３６をオンさせる信号を出力する。定電
圧回路３６がオンすると、直流電源V_ccが通電さ
れる。そして、ガスセンサ３７、コンパレータ３
８に直流電源V_ccが印加される。この状態で、押
ボタン６ａを離しても電磁弁６は開状態を保持
し、湯沸器が使用可能状態になるとともに、ガス
センサ３７がガス検知可能状態になる。

上記の状態下で、ガスセンサ３７が不完全燃焼
を感知すると、抵抗器３９を流れるセンサ電流が
増加し電位が上がるため、抵抗器４０の値で決ま
る電位と、バランスが不均衡になるため、遅延タ
イマ４３を作動させる信号を出力する。この信号
を遅延タイマ４３が受けると、約30秒経過後遅延
タイマ４３が定電圧回路３６をオフさせる信号を
出力する。このため、電磁弁６の電源が遮断さ
れ、電磁弁６が閉状態に作動してガスの供給をス
トツプする。

また、湯沸器の使用を停止したり、ガスが立ち
消えを起こした場合は、TC３４の出力がコンパ
レータ３５に設定された設定値よりも低下するた
め、定電圧回路３６をオフさせる信号を出力す
る。このため、電磁弁６の電源が遮断され、電磁
弁６が閉状態に作動してガスの供給をストツプす
る。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したように、不完全燃焼排
気ガスに感知するガス検知回路と、電源回路と、
電源回路に対しガス検知回路に直列に接続され電
源回路により開に保持されガスを供給する電磁弁
と、ガス検知回路から出力される検知信号をあら
かじめ設定される安全レベルと比較するガス判別
回路と、このガス判別回路から出力される判別信
号により所定時間作動するタイマ回路と、立ち消
え安全装置の出力を得て種火の点火状態を判別す
る点火判別回路と、電源回路の出力を遮断するセ
ンサ電源スイツチング回路と、所定時間経過後タ
イマ回路に入力されるガス判別信号および点火判
別回路の出力に応じて電源回路を遮断させる遮断
指令をセンサ電源スイツチング回路に送出するコ
ントロール回路とを設けたので、ガス器具の燃焼
中に生じる不完全燃焼または点火前に発生したガ
ス漏れを検知して速やかに立ち消え安全装置に内
蔵される電磁弁を作動させてガスの供給を遮断で
き、ガス器具の立ち消えをガス検知回路と立ち消
え安全装置とで監視できる。また、内蔵される電
磁弁によりガスの供給を遮断するので、従来のよ
うな遮断ユニツトを設ける必要がなくなるととも
に、従来の既設のガス器具にあとから簡単に組み
込むことができるので、小型で廉価な装置を得ら
れる。また、ガス検知素子と遮断弁が電源に対し
直列に接続されているため、別個の電源回路が不
要で１個の電源回路でできるため、コストが安く
なるとともに、ガス検知素子が断線した場合には
ガスを遮断してガス器具を使用できなくなるので
非常に安全性が高い。さらに、ガス器具を使用す
る時のみガス検知素子が連動されるためガス検知
素子の寿命や経時変化に対して有利で、消費電力
を大幅に節約できる。また、一過性のガスでは作
動しない様にタイマ回路を設けているので、不必
要な作動をしない。また、熱電対で生ガス漏れが
検知できない場合にもCOセンサで検知し遮断で
きるため、より安全性を高めることができる等の
幾多の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すガス遮断装
置の構成ブロツク図、第２図は第１図に示したガ
ス遮断装置の回路図、第３図はこの考案の他の実
施例を示すガス遮断装置の回路構成図、第４図は
従来のガス遮断装置を説明する構成ブロツク図で
ある。 図中、１はガス器具、２は種火、３はメインバ
ーナ、４は立ち消え安全装置、５は熱電対、６は
電磁弁、７，８はガス管、９は換気扇、１０はユ
ニツト、１１は遮断バルブ、２１はガス検知回
路、２２はガス判別回路、２３はタイマ回路、２
４は点火判別回路、２５はコントロール回路、２
６は電源トランス、２７は整流・平滑回路、２８
はセンサ電源スイツチング回路、２９はセンサ定
電圧回路、３１はAC電源、３１ａはダイオード、
３２はコンデンサ、３３，４１は表示器、３４は
TC、３５，３８はコンパレータ、３６は定電圧
回路、３７はガスセンサ、３９，４０，４２は抵
抗器、４３は遅延タイマである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガスを供給遮断する電磁弁と熱電対とを有し、
   種火の点火状態に応じてガスの供給を遮断する立
   ち消え安全装置を有するガス器具において、電源
   回路と、前記電磁弁とともに前記電源回路に直列
   に接続された不完全燃焼排気ガスに感知するガス
   検知回路と、前記ガス検知回路から出力される検
   知信号をあらかじめ設定される安全レベルと比較
   するガス判別回路と、このガス判別回路から出力
   される判別信号により所定時間作動するタイマ回
   路と、前記立ち消え安全装置の出力を得て前記種
   火の点火状態を判別する点火判別回路と、前記電
   源回路の出力を遮断するセンサ電源スイツチング
   回路と、前記所定時間経過後前記タイマ回路に入
   力される前記ガス判別信号および前記点火判別回
   路の出力に応じて前記電源回路を遮断させる遮断
   指令を前記センサ電源スイツチング回路に送出す
   るコントロール回路とを具備したことを特徴とす
   るガス遮断装置。