JPH044342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は開閉器の接触子、特に通電容量の大
容量化の可能なものに関する。

［従来の技術］ 第５図から第７図を用いて従来例を説明する。
第５図は従来の接触子の構成を示す部分断面図、
第６図は第５図に示す従来の接触子の動作を示す
図、第７図は第５図に示す接触子の左側面図であ
る。

第５図と第６図における接触子は、接触子片
１、（第７図に示す）コの字形の固定端子２及び
これらを貫通したヒンジ軸３からなる可動接触部
と、固定接触子４、圧接装置５、開閉器（図示せ
ず） に接続されたブツシング６、可動接触子を一体的
に回動させるロツド機構７とで構成されている。

上記従来の接触子の動作は次の通りである。

第５図に示す状態において、圧接装置５のばね
の力により接触子片１の接触部１ａと固定接触子
４とが接触する。同様に、接触子片１の接触部１
ｂが固定端子２と接触することにより通電するこ
ととなる。ロツド機構７により第６図に示す矢印
１０の方向にヒンジ軸３を中心に反時計方向に回
動することにより、接触子片１と固定接触子４と
が開離し、回路はしや断される。

［考案が解決しようとする課題］ 以上説明したように、従来の接触子は通電容量
の大容量化をはかるために、接触子片１を複数連
結し配列して取り付ける場合、固定端子２の形状
を２連の場合はコの字形に、３連の場合はＥ字形
に、また４連以上の場合はくし歯状にと、連結数
が変るごとに異なる形状にしなければならず、固
定端子２の製作上及びブツシング６の組立上にお
いて手間がかかる等の問題点を有していた。

また、SF₆ガス等を封入して構成されるガス絶
縁開閉装置等において用いられる場合、ガス絶縁
タンクの内部の容積に限りがあるため、小型化を
はかる上で障害となつていた。

この考案は以上のような問題点を解決するため
になされたものであり、ブツシング及び固定端子
を特殊な形状にすることなく、簡単な構成でしか
もコンパクトであり、容易に接触子片の配列数を
増加して通電容量の増加をはかることができる接
触子を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ この考案にかかる接触子は、 導電性を有する材料からなる段付スペーサと、
段付スペーサに回動自在に嵌合した少なくとも２
個の接触子片を有する可動接触子、 前記可動接触子と接触することにより通電を行
なう固定接触子、 前記可動接触子に設けられ、前記可動接触子を
前記固定接触子に圧接する圧接手段、 前記可動接触子の可動面と平行な少なくとも１
つの可動接触子取付面を有する導電性ブツシン
グ、 前記段付スペーサを前記導電性ブツシングの取
付面に固定するための固定手段、 を具備している。

［作用］ 固定手段は、例えばボルト及びナツト等であ
り、可動接触子の段付ブツシングを貫通して導電
性ブツシングの可動接触子取付面に固定する。通
電容量を増加する場合、ボルトの長さを適宜選択
し、１つのボルトにより複数の可動接触子を連結
してブツシングに固定する。

導電性ブツシングは棒状の導体であり、その端
部付近を軸に平行に平面加工し、これを可動接触
子取付面とする。すなわち、ブツシングの形状は
簡単なものとなる。さらに、従来用いられていた
固定端子が不要となり、固定端子の各くし歯状部
分の間に設けられていたスペース分が従来例と比
較して小型化される。

［実施例］ この考案に係る接触子を、その一実施例を示す
第１図から第４図を用いて説明する。

第１図は、この考案に係る接触子の構成を示す
部分断面図、第２図は第１図に示す接触子の側面
図、第３図は第１図及び第２図に示す接触子の可
動接触子の構成を示す部分断面図、第４図は第１
図に示す接触子の左側面図である。

可動接触子２０は、第３図に示すように、２個
の接触子片１、段付スペーサ１１、及び接触子片
１を貫通する軸５ａ、スペーサ５ｂ、ばね５ｃか
らなる圧接装置５で構成されている。接触子は、
第１図に示すように、上記可動接触子２０をブツ
シング６にボルト８及びナツト９からなる固定部
材により固定された構造を有している。接触子片
１は段付スペーサ１１と回動自在に嵌合している
ため、可動接触子２０はロツド機構７の動きによ
り、第２図における矢印で示すように、反時計方
向及びその逆の時計方向に自由に回転することが
できる。また、接触子片１は圧接装置５により固
定接触子４に圧接される。

接触子片１、段付スペーサ１１、ブツシング
６、及び固定接触子４はそれぞれ導電性を有する
材料でできなくなり、第２図に示す状態におい
て、電流はブツシング６→段付スペーサ１１→接
触子片１→固定接触子４の順に流れる。可動接触
子２０がロツド機構７の動きにより図中矢印１０
の方向に回転すると、接触子片１と固定接触子４
とが離反し、電流はしや断される。

ブツシング６は、第１図、第２図及び第４図か
ら明らかなように、例えば丸棒の先端部付近を軸
に平行な平面に切削加工することにより、可動接
触子取付面６ａを形成することができる。その結
果、従来必要とされていた特殊形状の固定端子
（例えば第７図に示す固定端子２）が不要となる。
また、ボルト８の長さを適宜選択し、１つのボル
ト８により３個以上の可動接触子２０を連結して
ブツシング６に固定することも可能である。

なお、上記実施例では接触子片１を２個有する
可動接触子２０を示したが、段付スペーサ１１を
複数個（数量をＮとする）用意することによりＮ
＋１個の接触子片１を有する可動接触子を構成す
ることも可能である。

［考案の効果］ 以上のように、この考案によればボルト８及び
ナツト９からなる固定部材により、可動接触子２
０の段付スペーサ１１を直接ブツシング６の可動
接触子取付面６ａに固定しているので、従来必要
であつた特殊形状の固定端子２（第７図）が不要
となり、またブツシング６も丸棒を切削加工する
だけで製作でき、構成が簡単となる。また、可動
接触子２０を複数設けて通電容量を増加させる場
合において、複数の可動接触子２０を１個の固定
部材により連結してブツシング６に固定すること
ができ、従来の固定端子２の各くし歯部の間に設
けられていたスペース２ａ（第７図に示す）の合
計の分、装置が小型になるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る接触子の構成を示す
部分断面図、第２図は第１図に示す接触子の側面
図、第３図は第１図及び第２図に示す接触子の可
動接触子２０の構成を示す部分断面図、第４図は
第１図に示す接触子の左側面図、第５図は従来の
接触子の構成を示す部分断面図、第６図は第５図
に示す従来の接触子の動作を示す図、第７図は第
５図に示す接触子の左側面図である。 図中、１は接触子片、４は固定接触子、５は圧
接装置、６はブツシング、６ａは可動接触子取付
面、８はボルト、９はナツト、１１は段付スペー
サ、２０は可動接触子である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 導電性を有する材料からなる段付スペーサ
   と、段付スペーサに回動自在に嵌合した少なく
   とも２個の接触子片を有する可動接触子、 前記可動接触子と接触することにより通電を
   行なう固定接触子、 前記可動接触子に設けられ、前記可動接触子
   を前記固定接触子に圧接する圧接手段、 前記可動接触子の可動面と平行な少なくとも
   １つの可動接触子取付面を有する導電性ブツシ
   ング、 前記段付スペーサを前記導電性ブツシングの
   取付面に固定するための固定手段、 を具備することを特徴とする接触子。 (2) １つの前記固定手段により、少なくとも２個
   以上の前記可動接触子を連結して前記導電性ブ
   ツシングに固定したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の接触子。