JPH0442921B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （従来技術） ゴルフ靴の靴底は通例多数の埋金を備えてお
り、これらの埋金は靴底に鋲やスパイクのような
把持エレメントをねじ込み、かつ取外し自在に固
定するため雌ねじのついたスリーブまたはブツシ
ユの形状をしている。前記埋金は通常足の指球部
をふくむ足の前部を支持する靴底の前部と、靴底
のかかと部との両方に配置されている。靴底の前
部に在る前記埋金は靴底の各縁部に隣接する２本
の線に沿つて延びる第１グループと第２グループ
に分割でき、その中の１本の線は大体靴底の内縁
部の輪郭に沿つており、もう１本の線はほぼ外縁
部の輪郭に沿つている。この種類のゴルフ靴の靴
底は例えば1980年４月１日付の「アデイダス
（adidas）」の靴のカタログに載つている。ここに
記載されたゴルフ靴の靴底は、かかとの部分が高
くなつていない、全体的に偏平な地表係合面すな
わち表面を持つている。

大体同じ種類の別のゴルフ靴の靴底が西独公開
公報第3120349号に記載されており、これによる
と把持エレメントを取外し自在に固定するための
埋金の配置は１足の左右の各靴の靴底ごとに異つ
ており、特に把持エレメントを嵌入した多数の埋
金が、この靴をはいた人に打つボールの方向を考
えたとき前縁となる靴底の端縁に沿つて設けられ
ている。例えば右利きのプレーヤーを考えた場合
左足の靴底の前縁はその左足の靴底の外縁部とな
り、一方右足の靴の靴底の前縁はその右足の靴底
の内縁部となる。そのデザイン形状は、ゴルフの
スウイングをするとき地面に対して特に良好なグ
リツプすなわち把持力を得る必要があるのは靴底
の前縁となるこれらの外縁部と内縁部であり、そ
の効果は、靴底の各縁部全てにその先端からかか
と部に至るまで連続状に把持エレメント嵌入埋金
を設けると同時に、前述した多数の把持エレメン
トを前縁となる外縁部と内縁部それぞれに設ける
ことによつて得られるという考えに基づいてい
る。

しかし、把持エレメントをこのように配置する
ことはこのような靴底のついたゴルフ靴をはいて
歩くのが不自由となることを意味している。さら
に、右利きプレーヤーと左利きプレーヤーとにそ
れぞれ適した靴底の形状をもつゴルフ靴を別々に
貯蔵する必要を生ずる。

（発明の目的） 本発明の一つの目的は把持エレメントや鋲の嵌
め込みに関しより融通性をもつゴルフ靴の靴底を
提供することである。

本発明のもう１つの目的は、靴底にとりつけた
把持エレメントによつて与えられるグリツプを、
ゴルフのスウイング中に生ずる靴底の側方への回
転運動に一層うまく適合せしめることができるよ
うなゴルフ靴の靴底を提供することである。

本発明のなお別の目的はゴルフ靴が地表に対し
て色々変つた傾きや姿勢の位置についた時に地表
に対しより良好なグリツプを与えるように改造さ
れたゴルフ靴の靴底を提供することである。

（発明の効果） 本発明の原理によれば、これらの目的並びにそ
の他の目的はその中に把持エレメントを取外し自
在に固定するための複数個の埋金を備えたゴルフ
靴の靴底によつて達成される。前記埋金は靴底の
内縁部と外縁部のそれぞれに輪郭に隣接し、且つ
その輪郭に大体沿つた各線に沿つて延びる第１グ
ループと第２グループとして靴底の前部に配置さ
れている。靴底の前部の第１グループと第２グル
ープの埋金に加えて、この靴底はまた前記第１グ
ループ及び第２グループの埋金のそれぞれに近接
して設けられている別の埋金又は別のグループの
埋金を備えている。この別の埋金又は別グループ
の埋金はそれぞれが近接する第１グループ又は第
２グループに対し、靴底の長手方向の中心線に向
かつて位置をずらして配されている。この別の埋
金又は別グループの埋金はそれぞれ靴底の外側指
球部からアーチ状部に広がる部分に設けられてい
る。

本発明の根底にある考えは、「圧力のかかる部
分」と稱される靴底への集中荷重がかけられる部
分が、ゴルフボールを打つ方向において前方にく
るゴルフ靴の場合は靴底の外側指球部に大体集中
し、且つボールを打つ方向において後方にくるゴ
ルフ靴の場合は凡そつま先部に集中しているとい
うことである。その理由のため本発明の靴底はゴ
ルフ靴の靴底の二つの外側指球部に、少なくとも
１個の別の埋金又はのグルーの埋金をその部分に
配されている埋金グループに近接させながら、靴
底の中心線に向つてずらせて配置している。した
がつてこの別の埋金又は別グループの埋金によ
り、その部分において把持エレメントの列が靴底
の表面上に靴底の中心に向つて延びている限りに
おいて、正確に前述の重要な圧力のかかる部分
に、地表に対するグリツプすなわち把持力を集中
させることができる。

また好適な特徴として別の埋金又は別グループ
の埋金を二つのつま先部内の内側指球部にあたる
部分に配し、これらの位置にも把持エレメントを
適当に固定することができるようにしている。

本発明に係る１足のゴルフ靴の靴底は互に鏡像
関係に在り、且つ把持エレメントが適当な埋金に
取外し自在に固定できるので、ゴルフアーは右利
きか左利きかに応じて、自分の要求に合致し且つ
１足のゴルフ靴の右足の靴底と左足の靴底とで異
なるような把持エレメントの配列を任意にえらぶ
ことができる。靴を使用する人が右利きか左利き
かによつて不必要となる別の埋金又は別グループ
の埋金はその中にめくらねじ、すなわち把持エレ
メントを嵌入できないようにするキヤツプのつい
たねじを嵌め込んで閉じることができる。このよ
うにしてすべてのゴルフ靴を同一の基本形状に作
つてあつてもゴルフ靴の底をゴルフアー個人個人
の特定の要求に適合させることができる。

本発明のその他の目的、特徴および効果が次の
説明から明らかとなるだろう。

（実施例） 第１図及び第２図を参照すると、右利きゴルフ
アー用の把持エレメントや鋲を備えた１組のゴル
フ靴の靴底が図示されている。その目的で、それ
ぞれ第１図に番号２４及び２５で、第２図に番号
２６及び２７で示すようにいくつかの取付用埋金
の中にはめくらねじが嵌め込まれており、これら
に関しあとで一層詳しく説明する。その他の埋金
は通常の型式の把持エレメントや鋲やスパイク等
を備えている。

第１図及び第２図にそれぞれ図示されている各
靴底１，２は例えば発泡ポリウレタンのような可
撓性プラスチツク材料を含む、中間ソール部の底
面に固定される実際の外側靴底すなわち摩減する
靴底を形成している。前記靴底１，２は硬質材料
として硬化していてもなお可撓性のある例えばポ
リアミドのような比較的硬質なプラスチツク材料
で作つた枝部分を備えている。更に前記靴底１，
２はそれぞれ、その靴底の前端すなわち尖端（第
１図及び第２図おいて上方）からそのかかと部分
に連続して地表係合面を備え、すなわち図示した
靴底はいかなる形式の段付きかかとも備えていな
い。しかし図面に示すように各靴底のかかと部に
横方向に延びた２個のブリツジ３，４を備え、こ
のブリツジ部は材料を厚くして作り、そのブリツ
ジ部において４個のねじ付埋金が各靴底のプラス
チツク枝に直接埋め込まれ、そこに把持エレメン
トを固定するようになつている。

前記ブリツジ部３，４の隆起形状を第３図の断
面図から明瞭に見ることができる。

なお、第１図及び第２図を参照すれば各靴底
１，２の土踏まずの部分を形成するアーチ状部
７，８がその各縁を厚くすることによつて強化さ
れ、一方靴底の前部９，１０が材料の厚さを増大
することによつて全体的に強化され、また番号１
１乃至１３で示すような横方向に延びた溝を備え
ており、この溝が局部的に剛さの小さい部分を形
成する線を形成し、これによつて各靴底の前部を
一層容易に曲げ且つ撓ませるための曲げ位置を提
供することが明らかになる。靴底の前部９，１０
のそれぞれ２個の前部溝１１，１２は少くとも互
に略平行に延びているが、各靴底の後部溝すなわ
ち第３溝１３は外方拡散状に、すなわち各靴底の
外縁部１５に向つて拡散状に延び、したがつて前
記溝１２，１３は靴底の前部９，１０の後端にお
いてほぼ扇形部を形成する。靴底の前記圧力のか
かる部分の一つが前述の扇形部内の外縁部の近く
に発見される。１組のゴルフ靴の２個の靴底１，
２は靴底の前部９，１０に把持エレメントを取外
し自在に個定するための埋金の配列に関し互に鏡
像関係にあるので、第１図に示す右利きゴルフア
ー用靴底１についてのみ以下に詳細に述べる。

第１図を参照すると靴底の前部９の外縁部１５
の輪郭に隣接し、且つこの輪郭にほぼ沿つて延び
る仮想線１６が例えば前記外縁部から1.3センチ
メートル離れている。把持エレメントを固定する
ためのねじ付き埋金１７の中心点が少くとも殆ん
ど同じ間隔で仮想線１６上に配置されている。前
述のように仮想線１６は少くとも靴底の前部９の
外縁部の輪郭に大体沿つており、したがつて外縁
部１５に大体平行で、この外縁部１５から大体一
定の間隔を保つている。

同様に第１図の別の仮想線１９も輪郭の前部９
の内縁部１８に少くとも大体平行すなわちこの内
縁部から大体同一の距離を保つて延びている。把
持エレメントを取外し自在に固定するための別の
ねじ付き埋金２０の中心点が同じように少くとも
殆んど同一の間隔で仮想線１９上に配置されてい
る。

靴底の前部９の外縁部１５に沿つて設けられて
いる４個の埋金１７からなる第１グループと内縁
部１８に沿つて設けられている４個の埋金２０か
らなる第２グループが大体普通と同じように配置
されている。

本発明によればこの靴底は、仮想線１６及び仮
想線前部１９に沿つて延びる第１グループ埋金並
びに第２グループ埋金に加えて、更にそれぞれ前
記第１グループ埋金並びに第２グループ埋金に沿
つて設けられている別の少くとも１個又は１グル
ープの埋金を備えている。なお、第１図を参照す
れば番号２１は仮想線１６の後端部に大体平行
に、またアーチ状部７に隣接して延びる仮想線を
示し、番号２２は仮想線１９の前部に隣接して、
仮想線１９に少なくとも大体平行して靴底１の先
端に向つて延びる別の仮想線を示す。前述のねじ
２４，２５を収容するものとして図示してある２
個のねじ付き埋金からなる別のグループの中心点
が仮想線２１上に配置されている。同様に２個の
ねじ付き埋金２６，２７の中心点が仮想線２２上
に配置されている。番号２４，２５，２６，２７
で示す位置にあるこれらの別の２グループの埋金
の配置は次のようになつている。すなわち靴底の
前部９の外縁部１５に隣接して延びる埋金の線１
６に沿つて設けられている別のグループの埋金の
うち後部側にある埋金２５が溝１３の後方に存在
し、またそのグループのもう一つの埋金２４が前
記溝１３の前方に存在する配置となつている。

更に、靴底の前部９の内縁部に近い仮想線１９
上の埋金グループに沿つて設けられている仮想線
２２上の２個の埋金２６，２７が靴底の内側指球
部から先端に拡がる部分に配置され、後部側にあ
る埋金２７が前記内側指球部そのものにあたる位
置に配置されている。

別グループのうちの第１グループ埋金２４，２
５と第２グループ埋金２６，２７が各仮想線１
６，１９上に配置された埋金に対して千鳥足状に
配置され、そのため例えば仮想線２２上の埋金２
６，２７は仮想線１９上の隣接する埋金と埋金と
の間の間隙に並ぶ。このようにしてこれらの部分
にあたる位置にある前記圧力のかかる部分はその
表面の少くとも大部分が把持エレメントによつて
覆われることになり、かくして強力なグリツプを
提供する。

右利きのゴルフアーが使用する前述の靴底１，
２の形状によれば、第１図に示す靴底１上の番号
２４，２５で示す位置の埋金と第２図に示す靴底
２上の埋金２６，２７に把持エレメントあるいは
鋲を嵌入しない。これらの埋金は、把持エレメン
トの代りに、第１図及び第２図に示すように溝付
きスクリユーヘツド（第１図中番号２４，２５、
第２図中番号２６，２７で示す）によつてめくら
ねじを嵌入している。このことは右利きゴルフア
ーの要求に適合する状態で１足のゴルフアー靴の
左右の靴底１，２に使用している把持エレメント
のパターンが靴底ごと異つていることを意味す
る。すなわち第１図に示す靴底の外縁部１５より
も内縁部１８の近くに多くの把持エレメント（図
示した状態では６個の把持エレメント）を設けて
いる。この状態は第２図に示す靴底２においては
逆になり、６個の把持エレメントが靴底の外縁部
近くに配置され、一方内縁部の近くには外縁部の
近くに配された把持エレメントの数より少数の把
持エレメント（僅か４個の把持エレメント配置さ
れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は１足のゴルフ靴の靴底の右足の底面
図、第２図は同じ１足のゴルフ靴の左足用の靴底
の底面図、第３図は第２図の線−に沿つた長
手方向の断面図であるが図面を一層明瞭に示すた
め、把持エレメントを固定するために靴底の前部
に設けた隆起部を線−上に存在するもの以外
は省略している。 １，２…靴底、３，４…ブリツジ部、７，８…
アーチ状部、９，１０…靴底の前部、１１，１２
…前部溝、１３…後部溝、１５…外縁部、１６，
１９，２１，２２…仮想線、１７，２０…埋金、
１８…内縁部、２４，２５，２６，２７…埋金。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 把持エレメントを取外し自在に固定するため
   の複数個の埋金を備えたゴルフ靴の靴底であつ
   て、該埋金は、前記靴底の外縁部と内縁部のそれ
   ぞれの輪郭に隣接しかつ該それぞれの輪郭にほぼ
   沿つたそれぞれの仮想線１６，１９に沿つて延び
   る第１グループ１７および第２グループ２０とし
   て前記靴底の前部に配置され、前記靴底の土踏ま
   ずの部分には把持エレメントが設けられておら
   ず、前記第１グループおよび第２グループそれぞ
   れの埋金に近接して配置され且つそれぞれが近接
   する第１グループあるいは第２グループの埋金に
   対し前記靴底の長手方向中心線に向つて位置をず
   らせて配置されたさらなる埋金のグループ２４，
   ２５並びに２６，２７を更に備え、前記靴底の外
   縁部に隣接する前記第１グループの埋金に近接し
   て配置されている方の前記さらなる埋金のグルー
   プ２４，２５は前記靴底の外側指球部から土踏ま
   ずの部分に亘る領域に配置されていることを特徴
   とするゴルフ靴の靴底。 ２ 前記さらなる埋金のグループのそれぞれが、
   それぞれ近接している前記第１グループあるいは
   前記第２グループの埋金の仮想線にほぼ平行に延
   びる仮想線上に配置されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載のゴルフ靴の靴底。 ３ 前記さらなる埋金のグループのそれぞれが、
   それぞれ近接している前記第１グループあるいは
   前記第２グループの埋金に対して千鳥足状に配置
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項または第２項記載のゴルフ靴の靴底。 ４ 前記靴底の内縁部に沿う前記第２グループの
   埋金に近接して設けられている方の前記さらなる
   埋金のグループが前記靴底の内側指球部から先端
   部に亘る領域に配されていることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項から第３項のいずれか１項記
   載のゴルフ靴の靴底。 ５ 前記靴底の長手方向に対してほぼ横方向に前
   記第１グループと第２グループの埋金の中のそれ
   ぞれ最も後方の埋金の背後に延びる、靴底を曲り
   易くするための溝を備え、且つ前記靴底の外縁部
   に沿う第１グループの埋金に近接して設けられて
   いる方の前記さらなる埋金のグループの中の少く
   とも１個の埋金が前記溝よりかかと側に配されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項から
   第４項のいずれか１項記載のゴルフ靴の靴底。 ６ 前記さらなる埋金のグループに把持エレメン
   トを嵌入すべきでないときにそのさらなる埋金の
   グループの埋金を閉じるためのめくらねじが設け
   られていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項から第５項のいずれか１項記載のゴルフ靴の靴
   底。