JPH0442790Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は例えば屋外に設置される時計のよう
な多面形内照式時計に関する。

「従来の技術」 屋外に設置される時計には多くの場合内部に光
源を設置し、暗くなるとこの光源を点灯させ内部
から表示面を照明する構造を採つている。

表と裏の二面表示式時計では第３図に示すよう
に表示板Ａと輪のなす面が平行となるように環状
光源（環状の蛍光灯）を設置し、二つの表示面を
一つの光源で照明している。

これに対し二面以上三面又は四面式の時計の場
合一本の環状光源では光量が不足するため第４図
に示すように各表示板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの裏側に環
状光源１を配置する構造を採るか、又は内部の各
角付近に棒状蛍光灯を配置する構造を採ることも
ある。

「考案が解決しよとする問題点」 多面形内照式時計は上記したようになるべく明
るく照明する傾向にある。これに対し公園等に設
置する時計は最近の傾向として電灯線の引込工事
を必要としない太陽電池を利用する要求が多くな
つて来た。太陽電池式時計は充電可能な二次電池
を装備し、昼間時に太陽光によつて得られた電力
を二次電池に充電しておき、夜間この二次電池か
ら電力を供給して時計の運針及び照明用光源の点
灯を行なわせている。

このため照明用光源の数が多くなるに従つて消
費電力量が大きくなり、それに見合つた電源を設
備しようとすると多額な費用が掛る不都合が生じ
る。

この欠点を解消すべく、本考案者は一本の環状
光源を利用して多面形内照式時計を効率よく照明
することを試みた。つまり第５図に示すように環
状光源１を輪のなす面が表示板Ａ〜Ｄの全てに対
し直交する向に設置したのである。

このように光源を配置することにより一本の光
源で各表示板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを比較的明るく照明
することができた。

然し乍らこの照明構造による場合次のような不
都合が生じた。つまり第６図に示すように表示面
に薄い陰２が表れた。この陰２は環状光源１の輪
の内側に照明される光が環状光源自体によつて遮
光されて生じる陰であることが解かつた。

「問題点を解決するための手段」 この考案では環状の輪のなす面が表示板の全て
に対しほぼ直交する向に配置した環状光源に対
し、その輪の内側に遮光体を設けこの遮光体によ
つて環状光源の内側に照射される光を遮光し相互
の光が光源自体に当たらない構造としたものであ
る。

（作用） この構造としたことにより環状光源の内側に照
射された光は遮光体によつて遮光され対向する光
源本体に当たることがない。この結果陰２の発生
が解消された。更に遮光体の表面を反射率のよい
面とすることにより環状光源の内側に向つて照射
された光は遮光体の面で反射し近くの表示面に照
射される。よつて遮光体を設けることにより陰２
を除去することと、照明が明るくなることの二つ
の効果を得ることができた。

「実施例」 第１図にこの考案の一実施例を示す。この例で
は四面表示式の時計の場合を示す。四面表示式時
計の各表示板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは例えば乳白色の光
透過性ガラス又は樹脂板が嵌め込まれ、この表示
板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの裏側に刻時動作を行なう機体
３が取付けられ機体３が指針４と５を運針させ
る。

この考案では各表示板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄで囲まれ
た内側の空間に各表示板Ａ〜Ｄの板面に対し輪の
なす面がほぼ直交する向に環状光源１を設置する
と供に、その輪の内側に遮光体６を設けた構造と
するものである。

遮光体６は光遮光性で容易に変形しない材料な
らばよい。この例では薄い鉄板を円筒状に折曲げ
たものを使用した。また遮光体６の外周面には例
えば白色塗料のように反射率が高い塗料を塗布し
た。遮光体６の高さＨは長い程よいが、限度とし
ては光源１の太さＤの約３倍以上あればよい。ま
た遮光体６の直径Ｗは光源１の内径に可及的に近
い値とするとよい。

このような構造としたことにより環状光源１か
ら内側に照射された光は遮光体６の存在により反
射側の光源本体に達することがない。このために
光源１自体の陰２（第６図）が生じることがな
い。

然も遮光体４の外周面を反射率の高い面に仕上
げることにより光源１の内側に照射された光は遮
光体４の表面で表示板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄに向つて反
射する。よつて光源１の光を有効に利用すること
ができ少ない消費電力で比較的明るい照明を行な
うことができる。この結果例えば太陽電池を電源
とする場合、太陽電池及び二次電池の容量を小さ
く設定することができるため設置費用を少なくで
きその経済的な効果は大きい。

尚上述の実施例では四面式時計を例示して説明
したが、その他の例としては三面式或は二面式に
もこの考案を適用できる。また光源としては環状
の蛍光灯に限らず棒状の蛍光灯を環状に配置した
場合にもこの考案を適用できることは容易に理解
できよう。棒状の蛍光灯を例えば四角形に配置し
た場合はその四角形の内側に平面形状が四角形の
遮光体を設ければよい。尚遮光体６の平面の形状
は円筒状或いは四角い筒状とすることもでき、特
に同筒に限られるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を説明するための
平面図、第２図はその断面図、第３図は従来の多
面形内照式時計を説明するための正面図、第４図
は従来の多面形内照式時計の他の例を説明するた
めの断面図、第５図はこの考案によつて解決しよ
うとする問題点を説明するための平面図、第６図
はこの考案によつて解決しようとする問題点を説
明するための斜視図である。 １……環状光源、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ……表示板、
２……陰、３……機体、４，５……指針、６……
遮光体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 Ａ 少なくとも二つの表示面を有する多面形内照
   式時計において、 Ｂ この多面形内照式時計の内部に設けられ輪の
   なす面が上記表示面の全てに対してほぼ直交す
   る向きに支持された環状光源と、 Ｃ この環状光源の輪の内部に設けられ輪の内部
   相互間の光を遮光する遮光体と、 を設けて成る多面形内照式時計。