JPH0442263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、焼結体を載置して焼結炉を通過した
焼結体設置ボートにおいて、焼結体と焼結体設置
ボートとを分離する装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、多数の圧粉体が載置された金網ボート等
の焼結体設置ボートをメツシユベルト等によつて
連続的に移送しつつ焼結を行う連続焼結炉が知ら
れている。そして、前記連続焼結体炉を用いて圧
粉体を設置ボートに載置しつつ焼結した場合に
は、焼結炉から取り出した設置ボートと焼結体と
を分離する必要がある。この焼結体と設置ボート
の分離作業は、従来、それに即した有効かつ適切
な装置がないために、作業員自らが手作業によつ
て焼結体を設置ボートから分離するようにしてい
た。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、前記のような作業員の手作業に
よる分離作業は、煩雑かつ重労働であり、更に、
作業能率も良くないといつた問題があり、その改
善が望まれていた。

「考案の目的」 本考案は、前記事情に鑑みてなされたもので、
焼結体を多数載置した設置ボートと焼結体とを手
作業を要することなく自動的に分離しうる分離装
置を提供することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、多数の焼結体を設置した焼結体設置
ボートを通過させる挿入口と取出口とが相互に対
向して形成された回転箱と、この回転箱に近接し
て設けられ、かつ前記焼結体設置ボートを前記挿
入口から挿入するボート挿入用シリンダ装置と、
前記回転箱の取出口側に設けられ、かつ前記挿入
口を取出口の上にするように回転箱を起立させる
モータと、前記回転箱の取出口の開口部に、取出
口から逃避自在に設けられ、かつ前記焼結体設置
ボートを支持し焼結体のみを通過させる支持桟
と、前記回転箱に設けられ、かつ前記支持桟を取
出口から逃避させる支持桟移動用シリンダ装置
と、前記回転箱を起立させた状態の取出口の下方
に設けられたホツパと、前記回転箱とホツパとの
間に設けられ、かつ回転箱内から落下した焼結体
設置ボートを収納ボツクスに押し込むボート押込
用シリンダ装置とを備えたものである。

「作用」 回転箱の水平状態においてボート挿入用シリン
ダ装置によつて挿入口から回転箱に焼結体設置ボ
ートを挿入し、支持桟を取出口に位置させてお
き、モータによつて回転箱を起立させると、焼結
体は回転箱が傾くにつれて回転箱内を滑動して取
出口からホツパに落下するとともに、焼結体設置
ボートは支持桟に乗り、焼結体と焼結体設置ボー
トを分離し、この後に支持桟を支持桟移動用シリ
ンダ装置により取出口から逃避させて、焼結体設
置ボートを回転箱から落下させ、この焼結体設置
ボートをボート押込用シリンダ装置によつて収納
ボツクス内に回収する。

「実施例」 第１図ないし第３図は、本考案の一実施例を示
すもので、１は金網状の焼結体設置ボート、２は
回転箱、５は支持桟を各々示している。

前記焼結体設置ボート１は、平面方形の金網状
のもので、その上には背の低い円筒状の焼結体Ａ
が多数並べて載置され、焼結体設置ボート１は本
実施例の場合、３段に重ねられた状態で焼結炉を
通過したものである。

この焼結体設置ボート１の側方には回転箱２が
設けられている。この回転箱２の対向する面に
は、挿入口２ａと取出口２ｂが形成され、回転箱
２はその取出口２ｂに近い側の側面に水平に取り
付けられた回動軸６によつて支持されて設けら
れ、前記回転箱２はこの回動軸６の回動によつて
起倒するようになつているとともに、前記挿入口
２ａと取出口２ｂは回転箱２を水平にした状態で
前記３枚重ねの水平状態の焼結体設置ボート１…
…を通過できる大きさになつている。そして、こ
の回動軸６は回動軸６の一端にギヤ機構７を介し
て接続されたモータ８によつて回動されるように
なつている。

また、前記回動箱２の取出口２ｂの開口周縁部
にはこの開口周縁部を貫通した複数本の支持桟５
がその長さ方向に移動自在に設けられ、取出口２
ｂの周辺部には前記支持桟５を移動させる第１シ
リンダ装置（支持桟移動用シリンダ装置）２ｃが
取り付けられ、この第１シリンダ装置２ｃによつ
て支持桟５は移動されて取出口２ｂから逃避自在
になつている。

また、前記回動箱２の下方には回動軸６と直角
な方向に沿つてベルトコンベア９が設置され、回
動箱２を起立させた状態の取出口２ｂの下であつ
て、ベルトコンベア９の上にはホツパ１０が設け
られている。

更に、図面には略されているが、前記回転箱２
とホツパ１０の間にはシリンダ装置によつてホツ
パ１０の上方を移動する桟材が設けられ、必要に
応じてこの桟材をホツパ１０の上に位置させるこ
とができるようになつている。そして、この桟材
の側方には収納ボツクス１１がその開口面を桟材
側に向けて設けられ、収納ボツクス１１の側部に
は押し板１２を備えた収納シリンダ装置１３が設
けられている。

なお、第１図に示す１４は回転箱２の水平状態
で挿入口２ａを開閉する蓋板であり、１５はこの
蓋板１４を移動させる第２シリンダ装置（蓋板移
動用シリンダ装置）であり、１６は水平状態の回
転箱２に焼結体設置ボート１を挿入するための第
３シリンダ装置（ボート挿入用シリンダ装置）で
あり、１７はホツパ１０の上方に設けられて、回
転箱２の下の桟材に落下された焼結体設置ボート
１を収納ボツクス１１に押し込む第４シリンダ装
置（ボート押込用シリンダ装置）である。

次に、前記各装置を用いて行う焼結体Ａと焼結
体設置ボート１の分離作業について説明する。

焼結炉から出された３枚重ねの焼結体設置ボー
ト１は案内コロ等の移送装置によつて第１図に示
すように水平状態の回転箱２の側方に移動され
る。この位置で焼結体設置ボート１には所要の振
動付加手段によつて振動が加えられ、焼結中に焼
結体設置ボート１に付着した焼結体Ａは焼結体設
置ボート１から離れる。なお、この際には回転箱
２を水平にしておき、その挿入口２ａを蓋板１４
で閉じておくことによつて、焼結体設置ボート１
から離れた焼結体Ａが回転箱２に入らないように
しておく。

この後に、第２シリンダ装置１５により蓋板１
４を移動させて挿入口２ａを開け、第３シリンダ
装置１６により３枚重ねの焼結体設置ボート１を
挿入口２ａから回転箱２に挿入する。

次に、モータ８により回動軸６を回動させて回
転箱２を起立させる。この起立によつて、焼結体
Ａは回転箱２の中を落下して取出口２ｂからベル
トコンベア９に落下するとともに、焼結体設置ボ
ート１，１，１は支持桟５に乗り、焼結体Ａと焼
結体設置ボート１は分離する。

焼結体Ａの落下が終了したならば、第１シリン
ダ装置２ｃによつて、支持桟５を移動させて取出
口２ｂから逃避させ、取出口２ｂから焼結体設置
ボート１，１，１を桟材の上に落下させ、続い
て、第４シリンダ装置１７によつて、これら焼結
体設置ボート１を収納ボツクス１１に押し入れ、
更に、収納シリンダ装置１３を作動させて押し板
１２によつて収納ボツクス１１の奥側に焼結体設
置ボート１を押し込み、作業を完了する。

この収納ボツクス１１には、焼結体Ａと焼結体
設置ボート１の分離作業を行う度に焼結体設置ボ
ート１を順次収納し、所定数の焼結体設置ボート
１を収納するようにする。

以上のように焼結体設置ボート１と焼結体Ａの
分離を行うならば、総ての作業を人力を用いるこ
となく自動的になしうるために、煩雑で能率の悪
かつた人力による分離作業を省略できる。したが
つて、分離作業の能率が向上するとともに、作業
人員の削減もなしうる。

なお、支持桟５は取出口２ｂにおいて、回動し
て取出口２ｂから逃避するように構成してもよ
い。

「考案の効果」 以上説明したように本考案は、多数の焼結体を
設置した焼結体設置ボートを通過させる挿入口と
取出口とが相互に対向して形成された回転箱と、
この回転箱に近接して設けられ、かつ前記焼結体
設置ボートを前記挿入口から挿入するボート挿入
用シリンダ装置と、前記回転箱の取出口側に設け
られ、かつ前記挿入口を取出口の上にするように
回転箱を起立させるモータと、前記回転箱の取出
口の開口部に、取出口から逃避自在に設けられ、
かつ前記焼結体設置ボートを支持し焼結体のみを
通過させる支持桟と、前記回転箱に設けられ、か
つ前記支持桟を取出口から逃避させる支持桟移動
用シリンダ装置と、前記回転箱を起立させた状態
の取出口の下方に設けられたホツパと、前記回転
箱とホツパとの間に設けられ、かつ回転箱内から
落下した焼結体設置ボートを収納ボツクスに押し
込むボート押込用シリンダ装置とを備えたもので
あるから、回転箱の水平状態においてボート挿入
用シリンダ装置によつて挿入口から回転箱に焼結
体設置ボートを挿入し、支持桟を取出口に位置さ
せておき、モータによつて回転箱を起立させる
と、焼結体は回転箱が傾くにつれて回転箱内を滑
動して取出口からホツパに落下するとともに、焼
結体設置ボートは支持桟に乗り、焼結体と焼結体
設置ボートを分離し、この後に支持桟を支持桟移
動用シリンダ装置により取出口から逃避させて、
焼結体設置ボートを回転箱から落下させ、この焼
結体設置ボートをボート押込用シリンダ装置によ
つて収納ボツクス内に回収することにより、人力
を用いる事なく自動的に焼結体と焼結体設置ボー
トの分離作業をなしうる。したがつて、煩雑で重
労働であつた分離作業は人力の不要な作業にな
り、作業人員の削減と分離作業の能率向上をなし
え、焼結体の製造工程において、生産性の向上を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は水平状態の回転箱を示す平面
図、第２図は回転箱の起立状態を示す平面図、第
３図は焼結体設置ボートの収納状態を示す平面図
である。 Ａ……焼結体、１……焼結体設置ボート、２…
…回転箱、２ａ……挿入口、２ｂ……取出口、２
ｃ……第１シリンダ装置（支持桟移動用シリンダ
装置）、５……支持桟、６……回動軸、８……モ
ータ、１０……ホツパ、１１……収納ボツクス、
１６……第３シリンダ装置（ボート挿入用シリン
ダ装置）、１７……第４シリンダ装置（ボート押
込用シリンダ装置）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の焼結体を設置した焼結体設置ボートを通
   過させる挿入口と取出口とが相互に対向して形成
   された回転箱と、この回転箱に近接して設けら
   れ、かつ前記焼結体設置ボートを前記挿入口から
   挿入するボート挿入用シリンダ装置と、前記回転
   箱の取出口側に設けられ、かつ前記挿入口を取出
   口の上にするように回転箱を起立させるモータ
   と、前記回転箱の取出口の開口部に、取出口から
   逃避自在に設けられ、かつ前記焼結体設置ボート
   を支持し焼結体のみを通過させる支持桟と、前記
   回転箱に設けられ、かつ前記支持桟を取出口から
   逃避させる支持桟移動用シリンダ装置と、前記回
   転箱を起立させた状態の取出口の下方に設けられ
   たホツパと、前記回転箱とホツパとの間に設けら
   れ、かつ回転箱内から落下した焼結体設置ボート
   を収納ボツクスに押し込むボート押込用シリンダ
   装置とを具備したことを特徴とする焼結体設置ボ
   ートと焼結体との分離装置。