JPH0440044B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は空気吸込装置を備えたベルト形フイル
タに関する。

懸濁液から液体、例えばアルコール飲料を抽出
するのに特に適したものとして各種のベルト形フ
イルタが知られている。かかるフイルタは一般に
上面に横断溝が設けられた無端の搬送ベルトで構
成されている。ベルトは何らかの好適な手段によ
り均一に駆動され、その運動はベルトの上面が概
ね水平を保つようになつている。

ベルトが移動するとベルト上部の上面は、ベル
トと協働して動く濾過構造体等と接触するように
なる。かくして横断溝は濾過構造体によつて覆わ
れ、濾過されるべき懸濁液は何らかの好適な手段
により協働するフイルタ組立体へと指向させられ
る。

横断溝の底部には排液孔が形成され、ベルト上
部の下方には濾過された液体を集めそれを管路系
を通じて受入用バルーンへと移送するための排液
用樋が設けられる。しかしながら、濾過された液
体は各種の原因により一定量の空気を取去つてし
まう。このためこれらの空気を吸入させるために
真空発生装置へと接続するための手段が、受入用
バルーンの上部領域内に設けられる。

前述した従来の型式のフイルタにはいくつかの
欠点がある。まず第１に、濾過される液体の排液
システムは大量の空気を移送しなければならず、
その結果装置全体の寸法が大きくなることであ
る。第２に、真空発生装置の動力はきわめて大き
くなければならず、あらゆる予防策をとつたとし
ても、濾過ケーキを通じての濾過はうまく達成さ
れず、特に搬送ベルト上部の下流側端部ではうま
く行なわれないことが判明した。この結果、フイ
ルタの濾過量は流れに対して行なつた順序立てた
濾過にもかかわらず低いままであり、さらに前記
濾過量は使用中に変化するという性質がある。

本発明の目的は、前述した欠点を克服すべくな
された多くの改良点を有する前記型式のベルト形
フイルタを提供することにある。

本発明の１つの重要な特徴によれば、懸濁液か
ら液体を抽出するフイルタであつて、上面に複数
の横断リブにより形成された横断溝を有する無端
の搬送ベルトを備え、該ベルトの上部は概ね水平
で前記横断リブの上部にあつて懸濁液を受入れる
濾過構造体等で覆われるように作られ、前記ベル
トの前記横断溝の底部には排液孔が設けられ、前
記ベルト上部の下面より下方に排液用樋が設けら
れ、該樋は一方では底部に設けられた管路を備
え、他方では該樋の上部を真空発生装置と連結す
る少なくとも１つの空気吸込パイプを備えるフイ
ルタにおいて、前記ベルトは、複数の前記横断リ
ブに、前記リブの頂部に形成された通路を介して
少なくとも１つの隣接する前記横断溝の上部と連
通する少なくとも１つの換気孔を有するフイルタ
が提供される。

かかる配置に基づき、搬送ベルトの下面は直接
真空にさらされ、このことが濾過された液体の排
出を改良し、特にベルトに沿う全ての位置での濾
過を均一にする効果がある。加えて、搬送ベルト
の排液孔を通じて濾過された液体により搬送され
る空気は樋の上部領域内で捕捉され、空気を含ま
ない液体だけが排液管路を通つて流れる。この場
合、ベルトは、複数の横断リブに、このリブの頂
部に形成された通路を介して少なくとも１つの隣
接する横断溝の上部と連通する少なくとも１つの
換気孔を有することにより、濾過された液体に含
まれる空気が迅速に除去され、ベルト下面の下方
の真空室による空気吸込効果を高めることができ
る。この結果排液管路は比較的小さい寸法にな
り、そのうえ受入用バルーンはもはや必要でなく
なる。

本発明は添付図面を参照した以下の記載により
さらに容易に理解されよう。第１図は本発明に基
づく無端ベルトの長手方向に沿う縦断面図、第２
図乃至第４図は各部の断面図、第５図は変形例を
表わす平面図である。

第１図は２つのドラム１１，１２のまわりに巻
回された無端ベルト１０から成るフイルタを表わ
しており、ドラムの１つは矢印Ｆ方向へと駆動さ
れている。ドラムは、図には一部しか表わされて
いないシヤシ１３上に支持されており、ドラムの
１つはベルトの張力を調節するために移動させる
ことができる。

天然又は合成のエラストマーで作られた無端ベ
ルト１０は、概ね水平でかつ液体透過性の濾過用
織物１９又は類似の構造体で覆われるように設計
された上部（ドラムの上側）を有し、前記織物１
９は無端ベルトに従いF′方向へと動かされる。織
物１９は、ベルト上部の下流側端部からケーキが
除去される領域Ａまで変位する間、及びベルト上
部での戻り行程の間、支持と案内と張力とを受持
つローラ１４によつて支持される。

濾過されるべき懸濁液１５は供給体１６から注
がれ、ベルト１０の移動通路に関して供給体１６
より下流側に分配器１７，１８が設けられる。

織物１９の上方は多数の仕切板２０によつて、
供給体１６の下方の抽出領域２１と、分配器１
７，１８の下方の１つ又は複数の洗浄領域２２，
２３と、最後の１つの排液領域２４とに分割され
ている。

分配器１８へと供給される洗浄液は、領域２３
を通過する際に、領域２２の分配器１７に供給さ
れる洗浄濾過液を生み出し、これにより流れに対
し洗浄作用を行なう。もちろん２つ以上の洗浄領
域を用いて同じ方法を利用することも可能であ
る。

第２図、第３図、第４図に詳細に示される上部
が開放した樋２５は、ベルト１０上部の下方中心
に位置決めされており、その内部は横仕切板２６
によつて３つの隔室２７，２８，２９に分割さ
れ、各隔室は排液管路３０を通じて受入用バルー
ン３２，３３，３４内へと内容が移されるように
なつている。濾過された液体を排出する管路３０
に加え、本発明に基づくフイルタには空気吸込パ
イプ３１が設けられている。パイプ３１の作用に
ついては後述する。このパイプ３１は樋２５の上
部即ち各隔室２７，２８，２９の内部と各バルー
ン３２，３３，３４の上部とをそれぞれ連結す
る。第２図に示すように、前記の吸込管はいくら
か傾斜しており、バルーン側の端部は作用状態に
かかわらずバルーン内の液面の自由レベル４３よ
りも常に上方にあるように位置決めされることが
望ましい。これにより前記パイプは、詰りによる
損失を生じることなく、直接真空発生装置３５と
定常的に連通することになる。真空発生装置３５
については次に述べる。

受入用バルーン３２，３３，３４の上部は真空
発生装置３５に連結されており、濾過された液体
は下部管３６を通じて除去される。領域２１から
バルーン３２を通じて抽出された濾過後の液体に
は実際上ほとんど希釈がなく、一方領域２２，２
３からそれぞれバルーン３３，３４を通じて抽出
された濾過後の液体には次第に増加する希釈が認
められる。

ベルト１０上部の下方に好適に支持された樋２
５は、その上側開放部の端縁上に商品名テフロン
又はその同等品から成る摩擦防止用帯状体３７が
設けられ、この帯状体３７は第３図に示すように
ベルト表面に接触している。

帯状体３７の間には排液孔３８が露出してお
り、この排液孔３８は第３図に示す如く列をなし
て配置され、ベルトの外面上に形成された横断溝
３９の底部４６内に形成されている。図から理解
される如く、横断溝３９はベルト上部の長手方向
にわたり織物１９で覆われている。

横断溝３９はリブ４０，４０′によつて分離さ
れ、これらのリブ上には第４図に示す如く織物１
９が横たわつている。１つおきのリブ４０には孔
があけられて換気孔４１を形成しており、換気孔
４１はベルト１０内面へと露出しかつ樋２５内に
も露出している。一方リブ４０の頂部に設けられ
た水平通路４２は横断溝の内部を換気孔４１の内
部と連通せしめ、かつ換気孔４１を通じて樋２５
とも連通せしめている。

反対に孔のあいていない中間のリブ４０′は、
ベルト１０に沿つて空気が長手方向に流れるのを
阻止している。

樋２５の各隔室２７，２８，２９は、横断溝３
９から排液孔３８の列を通つて流れる抽出後の液
体を受入れ、これらの液体を管路３０を通じてそ
れぞれ受入用バルーン３２，３３，３４に向けて
指向させる。ケーキ４５を通過して樋２５内へと
貫入する空気は、圧力低下に基づく脱泡或いは自
己蒸発により形成されることのあるガスや蒸気と
共に、吸込パイプ３１を通じて除去される。

かくして、樋２５の隔室２７，２８，２９は定
常的に空気、ガス或いは蒸気で満され、真空発生
装置３５によつて生成される部分的真空を、全て
の隔室の底部を流れる抽出後の液体のレベル４４
とバランスさせるようにする。その上、もしも排
液管路内の液面レベル４４が異常に上昇しても、
換気孔４１，４２を通つて横断溝３９から液があ
ふれ出すことができる。また、空気の激しい流れ
がケーキ４５を貫通し横断溝３９内に侵入した時
は、この空気流は換気孔４１から流出することが
できる。

これらの特別な内地に基づき、液体だけが横断
溝３９の排液孔３８を通過し、一方空気は換気孔
４１を通つて流れる。これにより横断溝３９はほ
とんど空のままに保たれ、一方では異なる領域間
を液が移動する際に流れと反対方向の洗浄作用を
発生するという有害な効果を除去し、他方では各
横断溝３９内及び排液溝３８内での詰りによる損
失を最小限に抑えることができる。

樋２５内へと開口している吸込パイプ３１の口
は、第３図、第４図に示すように排液溝３８の下
方に位置決めし、偏向板４７を用いて開口部内へ
と液体が流入するのを防ぐことが望ましい。

第５図は本発明の変形例を表わしており、横断
溝３９を２つの分離した部分で構成している。リ
ブ４０の頂部に形成された水平通路４２を介して
換気溝４１が横断溝３９の頂部と連通するという
構成が、この変形例にも含まれている。フイルタ
は前述の例と同様にして作動するが、この変形例
による利点は、換気溝４１が少なくともリブ４０
の幅に等しい直径を有することができる点であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるベルト形フイルタの長手
方向に沿う縦断面図、第２図は第１図の線−
に沿う断面図、第３図は第２図の一部の拡大断面
図、第４図は第３図の線−に沿う断面図、第
５図は変形例に基づくベルト中央部分の平面図で
ある。 １０……ベルト、１５……懸濁液、１９……濾
過構造体、２５……樋、３０……排液管路、３１
……吸込パイプ、３５……真空発生装置、３８…
…排液孔、３９……横断溝、４１……換気孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 懸濁液から液体を抽出するフイルタであつ
   て、上面に複数の横断リブにより形成された横断
   溝を有する無端の搬送ベルトを備え、該ベルトの
   上部は概ね水平で前記横断リブの上部にあつて懸
   濁液を受入れる濾過構造体等で覆われるように作
   られ、前記ベルトの前記横断溝の底部には排液孔
   が設けられ、前記ベルト上部の下面より下方に排
   液用樋が設けられ、該樋は一方では底部に設けら
   れた管路を備え、他方では該樋の上部を真空発生
   装置と連結する少なくとも１つの空気吸込パイプ
   を備えるフイルタにおいて、 前記ベルトは、複数の前記横断リブに、前記リ
   ブの頂部に形成された通路を介して少なくとも１
   つの隣接する前記横断溝の上部と連通する少なく
   とも１つの換気孔を有するフイルタ。 ２ 前記ベルトの前記横断溝は２つの分離した部
   分から成り、各部分はそれ自身の排液孔を有し、
   前記換気孔は少なくとも前記溝を分離する前記リ
   ブの幅に等しい直径を有している特許請求の範囲
   第１項記載のフイルタ。