JPH0439569Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、試料が流下する分析流路に接続され
るフロー型電極セルの構造に関する。

（従来技術） フロー型電極セルは、測定電極を収容する部屋
の両端に分析流路を接続し、試料を連続的に流下
させた状態で目的成分を測定するものであるが、
通常、アクリル樹脂等の高分子材料により形成さ
れる関係上、その内壁面が疎水性をもつていて、
試料液体に含まれている気泡が壁面に付着し易
く、実効分析流路面積に変動を来して分析結果に
誤差を生じるという問題がある。

（目的） 本考案はこのような問題に鑑みてなされたもの
であつて、その目的とするところは気泡の付着を
防止することができるフロー型電極セルを提供す
ることにある。

（考案の概要） すなわち、本考案が特徴とするところはフロー
型電極セルの内壁面に珪素酸化物の皮膜を形成し
て親水性を持たせた点にある。

（実施例） そこで、以下に本考案の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。

図は、本考案の一実施例を示すものであつて、
図中符号１は、アクリル樹脂等の高分子材料によ
り形成された電極セルで、両端に分析流路に連通
する通孔２，３が、また測定電極Ｅが対向する窓
４を有する部屋５を形成するように壁面１ａ，１
ａ，１ａで区画されており、この壁面１ａ，１
ａ，１ａには、イオンプレーテイングにより酸化
珪素（SiO）や二酸化珪素（SiO₂）等の珪素酸化
物の皮膜６が形成されている。

この実施例において、窓４に対向させて目的成
分の検出に適した測定電極Ｅを取り付ける一方、
各通孔２，３を分析流路に接続すると、通孔２，
３から試料が部屋５に流入する。このとき試料と
ともに流れ込んだ気泡、もしくは部屋５で発生し
た気泡は、壁面１ａ，１ａ，１ａに付着しようと
するが、壁面１ａ，１ａ，１ａに形成されている
珪素酸化物の皮膜６が新水性をもつて試料液と緊
密に接触しているから、気泡は皮膜６の面に接触
することができず、試料の流れに乗つて部屋５の
外に速やかに運び出される。このため、分析流路
は、常に一定の容積を確保されることになつて、
分析精度が保証されることになる。

ところで、珪素酸化物の皮膜は、可視光に対し
ても透過性を有するため、セル１が透明材料によ
り形成されている場合には、外部からセル内部を
目視可能となつて汚染の程度を的確に判断するこ
とができる。

なお、この実施例においては、内部を目視検査
可能ならしめる関係上、セル本体を透明材料によ
り形成しているが、不透明材料で形成したセルに
適用しても同様の作用を奏することは明らかであ
る。

（効果） 以上説明したように本考案によれば、電極セル
本体の内面を珪素酸化物の皮膜により被覆したの
で、気体の壁面に対する付着力を可及的に小さく
して気泡の排出を促して測定誤差の発生を小さく
できるばかりでなく、緻密な酸化珪素皮膜によつ
てセル内面の保護と汚染防止を図ることができ、
さらには電極セルを透明材料により形成した場合
には透過性を維持して外部からの目視検査を可能
ならしめる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す装置の断面
図である。 １……電極セル、１ａ，１ａ，１ａ……壁面、
５……部屋、２，３……通孔、４……電極挿入
窓、６……酸化珪素皮膜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 分析流路に連通するとともに、測定電極を収容
   する部屋を有するセルの内壁面に珪素酸化物の皮
   膜を形成してなるフロー型電極セル。