JPH0439398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、実用新案登録請求の範囲第１項の上
位概念に記載の接続可能な機械駆動式過給機を備
えた内燃機関に関する。

所定の運転領域で出力を高めるために、圧縮機
により燃焼室に供給される空気の圧力レベル及び
その量を高める様式の従来の過給式内燃機関は、
一般には全負荷時噴射量を充填圧に応じて補正す
る修正器を有していた。その理由は過給機が作用
している場合、空気供給量を高めているので過給
機を切つている場合の純粋な吸気運転時よりも多
くの燃料を供給する必要があるからである。この
様な充填圧に依存し、全負荷時に噴射可能な最大
の燃料量を決定する全負荷時ストツパーにはしか
し付加的費用がかかり、この種の駆動装置の為に
設けられる燃料噴射装置を少なからず高価なもの
にしてしまう。（ダイヤフラムを利用し、ストツ
パーとして働く回動片を充填圧に依存して調整す
る為の装置は、特開昭57−200621号公報参照）。

従つて本考案の課題は、この様な充填圧依存性
の高価な全負荷時ストツパーを用いなくても間に
合う実用新案登録請求の範囲第１項の上位概念に
記載の内燃機関を創ることである。

この課題は、実用新案登録請求の範囲第１項の
特徴部分に記載の構成により解決される。従来の
過給式内燃機関では、過給機のアクセルペダルの
キツクダウン位置で接続（連動連結）され、これ
により発生する充填圧のため全負荷位置で供給さ
れる燃料量が上方に補正される一方、本考案では
実質的に逆に補正される。本考案の場合即ち過給
機が燃料量を制御するのではなく、燃料量が過給
機の接続を制御するのである。これにより燃料噴
射装置は、エンジンの吸気管内の吸気圧力又は充
填圧とは無関係に、エンジン回転数とアクセルペ
ダルの位置とにのみ関係する量の燃料をエンジン
内に噴射する。アクセルペダルを完全に踏み込ん
だ時の全負荷時燃料量は吸気管圧力とは無関係で
あり、勿論この運転状態では過給機も基本的に接
続されている。

充填圧に応じた高価の全負荷時ストツパーを設
けることを無くした他にも、本考案によれば内燃
機関の燃料消費量に関して付加的な長所が得られ
る。即ち内燃機関の固有の燃料消費量は吸気エン
ジンの全負荷時トルク以下の所定の範囲で過給機
を接続することにより過給機を用いず運転する場
合よりもより好ましくなることが分かつた。その
結果負荷が上昇した場合に、過給機を接続した内
燃機関の固有燃料消費量の方が過給機の無い燃料
消費量よりも好ましい時に丁度過給機の接続（連
動連結）を行うのがより目的に適つている。

本考案の特に有利な実施例では、噴射燃料量を
制御する燃料噴射装置の調節部材の位置に応じ
て、特にいわゆる制御スライダの位置に応じて過
給機が接続されるように成されている。この場
合、調節部材は過給機を制御するスイツチを直接
操作するか、調節部材にはその位置を検出する誘
電的測定装置を従属させ、その信号に応じて過給
機を接続する。この場合、測定装置は同時に単位
距離当たりの瞬間的燃料消費量の値を連続的に発
信するように構成することも出来る。

次に図示の実施例に基づいて本考案を詳細に説
明することにする。

デイーゼルエンジンの分配式燃料噴射ポンプ全
体を１で、ケースを２で、そして内燃機関の燃焼
室に通ずる多数の噴射導管のうちの１つを３で表
す。アクセルペダルにより操作可能な回転数調節
レバー４は、制御バネ５を介して所謂バネ引張り
レバー６と始動レバー７とからなるレバー機構に
作用し、レバー機構は回転数調整器の影響を受
け、分配ピストン９に調節可能に保持された制御
スライダ８を移動するのに役立つ。

回転数調整器は本質的に調節軸１０からなり、
その調節軸１０は歯車１３，１４を介してポンプ
軸１５により回転数に比例して駆動される。また
回転数調整器は、調節軸１０に摺動可能に保持さ
れた制御スリーブ１１からなり、そのスリーブは
遠心力に応じる制御装置１２により始動レバー７
とバネ引張りレバー６の作用に抗して摺動可能で
ある。

分配ピストン９はポンプ軸１５の回転数で周方
向に駆動されるのみならず、その一回転毎に内燃
機関のシリンダーの数に対応した数だけ付加的に
往復軸方向運動を行い、この運動はローラリング
１８のローラー上を転動するカム板１７により惹
起される。分配ピストン９の往復運動により吸入
燃料が圧送され、その量は制御スライダ８の位置
により設定され、回転運動により個々の噴射導管
３に分配される。

噴射調節ピストン１９はポンプ内室内に生じた
圧力によりバネに抗して作用を受け、噴射ポンプ
の噴射時点を調節するのに役立つ。

本考案によれば、アクセルペダルの操作とエン
ジン回転数とにのみ関係して噴射燃料量を設定す
る制御スライダ８の位置は、内燃機関に従属され
図示していない過給機を接続する絶対の要件であ
る。このため図示の実施例では、無接触作動測定
装置２０を設けていて、この測定装置２０は制御
スライダ８に接続した測定棒２１の位置を誘電的
方法により検出し、所定の位置を越えた時、過給
機を接続するためにスイツチ２２に信号を発信す
る。この場合スイツチ２２は、内燃機関とこの内
燃機関によつて直接駆動される過給機との間に設
けたクラツチを接ぐように作動するか、外部から
駆動される過給機の駆動装置が作動されるように
しても良い。逆にこのスイツチは制御スライダ８
の位置が所定の位置を下回ると過給機の接続を遮
断する。

特にこの種の測定装置２０が制御スライダの位
置を連続的に検出するように構成されていると
き、測定値を、例えば自動車内に装着された内燃
機関の瞬間的燃料消費量を表示するためにも適用
できる。この理由は制御スライダの位置が、各シ
リンダー及び作動行程当たりに噴射される燃料量
の尺度となり、従つてシリンダー数及び全体の減
速比並びに駆動輪の外周の長さを考慮すると走行
距離当たりの燃料消費量を推し量ることができ、
従つてこの算出燃料消費量を表示することが出来
る。

上述の様に、噴射燃料量に比例して操作される
制御装置を、過給機を接続乃至は遮断するため並
びに瞬間的燃料消費量を表示するために適用でき
る他の様式の分配式噴射ポンプも装備できる。

本考案の実施例の装置の作動状態を図面に基づ
いて説明する。

図示していないアクセルペダルの操作は回転数
調節レバー４を介して矢印Ａ方向へ制御バネ５を
引張り、従つて第１旋回点２３周りで矢印Ｂ方向
へのバネ引張りレバー６の旋回運動を引き起こ
す。バネ引張りレバー６の旋回運動によつて制御
スライダ８は矢印Ｃ方向へ動かされる。基本的に
は従つて矢印Ｃ方向への制御スライダ８の調整は
燃料噴射量を高めることを意味し、矢印Ｃとは逆
の方向への移動は燃料噴射量の減少を意味する。
矢印Ｂ方向へバネ引張りレバー６を旋回運動させ
ることは、噴射ポンプのケーシングに位置を固定
して結合された全負荷時ストツパー、即ちピン２
４によつて制限される。従つて制御スライダ８の
運動を制限し、従つて全負荷時に最大噴射可能な
燃料量を決定する。図示の実施例では最大の燃料
噴射量は調節ねじ２５によつて調節可能である。
調節ねじ２５の所で適当に螺旋運動させることに
より例えば調節レバー２６は第２の旋回点２７周
りで矢印Ｅ方向へ旋回させることができ、その結
果調節レバー２６上に設けた第１の旋回点２３は
同様に矢印Ｃの方向へ一緒に旋回される。矢印Ｃ
方向へ第１の旋回点２３をそうして変位させるこ
とは次の結果となる、即ちピン２４にバネ引張り
レバー６が衝突した時、高められた全負荷量が噴
射される結果となる。

従つて噴射される燃料量が所定の値を越えた時
に初めて純機械的に駆動される過給機が接続（連
動連結）される。この噴射燃料量の決定要件に応
じて過給機が接続されることは従つて負荷と回転
数とに関係して行われる、というのは図示した燃
料噴射装置では燃料量の計量供給はアクセルペダ
ルの位置、従つて負荷と、回転数の実際値とに依
存して行われるからである。この回転数は遠心力
制御装置１２により影響を与える。回転数調節レ
バー４と制御装置１２の各位置が制御スライダ８
にそれ相応に移動をもたらし、従つて噴射すべき
燃料量を決定する。こうして噴射された燃料量が
所定の値を越えると過給機が接続されるようクラ
ツチが接続される。

過給機の接続時点を、全体装置（自動車）に対
して出来るだけ望ましい固有燃料消費量にするた
めには、過給しないときの内燃機関の全負荷時点
より前に接続時点を置くように設定するのが良
く、しかも負荷が上昇するときに、過給を行う内
燃機関の固有燃料消費量が、過給を行わない内燃
機関の固有燃料消費量よりも望ましい範囲に接続
時点を設定するのが良い。この様にすると、全負
荷時の燃料消費量を充填圧に応じて補正するため
の高価な装置を設ける必要がなく、内燃機関、即
ち燃料噴射装置の駆動を最良とすることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦断面図であ
る。 図中参照番号、１……分配式燃料噴射ポンプ、
２……ケース、３……噴射導管、４……回転数調
節レバー、５……制御バネ、６……バネ引張りレ
バー、７……始動レバー、８……制御スライダ、
９……分配ピストン、１０……調節軸、１１……
制御スリーブ、１２……制御装置、１３，１４…
…歯車、１５……ポンプ軸、１７……カム板、１
８……ローラリング、１９……噴射調節ピスト
ン、２０……無接触作動測定装置、２１……測定
棒、２２……スイツチ、２３……第１の旋回点、
２４……全負荷時ストツパー（ピン）、２５……
調節ねじ、２６……調節レバー、２７……第２の
旋回点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 全負荷運転の近傍領域で初めて接続可能で機
   械的に駆動される過給機と、燃料噴射装置１と
   を有する内燃機関にして、燃料噴射装置がその
   位置により噴射される燃料量を決める調節部材
   ８を備え、調節部材８のその時その時の位置を
   調節するために、回転数信号を発生する制御装
   置１２と、内燃機関のアクセルペダルと連結し
   ている調整装置４，５とが、バネ引張りレバー
   ６及び始動レバー７を介して前記調節部材８に
   係合している様な、内燃機関において、過給し
   ない時の内燃機関の全負荷運転に達する少し前
   に過給機を接続する指令を得るために、調節部
   材８の予め決めた位置を検出するため唯一の測
   定装置２０，２１が設けられており、回転数と
   アクセルペダル位置とにのみ関係して調整部材
   ８の予め決めた位置を越えた場合だけ過給機が
   接続される様に、前記部材が全負荷運転に達す
   る少し前に所定の位置を占めることを特徴とす
   る内燃機関。 (2) 負荷が上昇した場合、過給機を接続した時の
   内燃機関の固有燃料消費量が過給機を接続しな
   い時の固有燃料消費量よりも少なくなつた時に
   ほぼ所定の噴射燃料量が得られることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の内
   燃機関。 (3) 過給機を接続するスイツチが設けられ、この
   スイツチは調節部材が所定の位置に達した時に
   操作される様に構成されていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の内燃
   機関。 (4) 調節部材８にはその位置を検出する誘電式測
   定装置２０が従属しており、その信号に応じて
   過給機が接続されることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の内燃機関。 (5) 測定装置２０が同時に、単位距離当たりの瞬
   間的燃料消費量を指し示す値を連続的に発信す
   るためにも形成されていることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の内燃機
   関。 (6) 調節部材が制御スライダ８により形成されて
   いること特徴とする、燃料噴射装置が分配ピス
   トンに関する位置により噴射量を決める制御ス
   ライダを有する分配式燃料噴射ポンプによつて
   形成されることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の内燃機関。