JPH0438687B2 - - Google Patents

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JPH0438687B2
JPH0438687B2 JP61062810A JP6281086A JPH0438687B2 JP H0438687 B2 JPH0438687 B2 JP H0438687B2 JP 61062810 A JP61062810 A JP 61062810A JP 6281086 A JP6281086 A JP 6281086A JP H0438687 B2 JPH0438687 B2 JP H0438687B2
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crystalline aluminosilicate
metal cation
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cation
producing
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、結晶性アルミノ珪酸塩およびその製
造法に関するものであり、特に分子形状選択性と
触媒能を有する新規な結晶性アルミノ珪酸塩およ
びその製造法に関するものである。さらに詳しく
述べるならば、本発明は、特異な結晶構造を有
し、炭化水素の選択的接触反応に公的なSiO2
Al2O3比の高い結晶性アルミノ珪酸塩を提供する
ものである。 結晶性アルミノ珪酸塩は、一般に、結晶性ゼオ
ライトとして知られ、天然産および合成品共に、
その結晶構造は、珪素(Si)を中心として形成さ
れる4個の酸素原子が頂点に配位したSiO4四面
体と、この珪素(Si)の変りにアルミニウム
(Al)で置換したAlO4四面体の三次元骨格を基本
とした構造を有するアルミノ珪酸塩水和物であ
る。SiO4四面体とAlO4四面体は、4,5,6,
8または12個連結して形成される4員環、5員
環、6員環、8員環または12員環と、これらの
4,5,6,8および12員環が各々重なつた二重
環が基本単位となり、これらが連結して結晶性ア
ルミノ珪酸塩の骨格製造が決定される。これらの
連結方式により決定される骨格構造中には、特定
の空洞が存在し、空洞構造の入口は6,8,10お
よび12員環からなる開孔部を形成する。形成され
た空洞は、孔径が均一であり、特定の大きさ以下
の分子は吸着されるが、大きい分子は空洞内に入
れない状態となる。このような結晶性アルミノ珪
酸塩は、その作用から「分子篩」として知られて
おり、上記の如き特性を利用して、種々の化学プ
ロセスの吸着剤および化学反応用の触媒および触
媒担体として利用されている。 上記の如き結晶性アルミノ珪酸塩のアルミニウ
ムを含有する四面体の電荷は結晶内に陽イオンを
含有させることにより平衡が保持されている。天
然の結晶性アルミノ珪酸塩では、その陽イオンは
元素周期率表第族または同表第族の金属、特
にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウムおよびストロンチウムである。合成結晶性ア
ルミノ珪酸塩においても上記の金属陽イオンが使
用されるが、金属陽イオンのほかに、近年、有機
窒素陽イオン、例えばテトラアルキルアンモニウ
ムイオンの如き第4級アルキルアンモニウムイオ
ンが提案されている。そして、シリカ/アルミナ
比の高い結晶性アルミノ珪酸塩の合成には、アル
カリ源として上記の如き有機含窒素化合物の使用
が不可欠であるとされていた。 しかしながら、有機含窒素化合物を使用する場
合には、原料価格が高いという不利益に加えて、
製造された合成アルミノ珪酸塩を触媒として使用
するために合成物中に存在する有機窒素化合物を
高温にて焼成により除去することが必要であり、
製造工程を複雑化するという不利益があつた。 さらに、上記の如くに、テトラアルキルアンモ
ニウム化合物または、C2−C10の第1級アミン等
の如きアミン系有機化合物を使用した従来の製造
法において、その合成工程ならびに乾燥および焼
成工程時に該有機物の有する潜在的毒性または該
有機物の分解等により生理的危険性を伴い、作業
上の安全性の点で問題があつた。 本発明者らは、種々の研究、実験の結果、顕著
な形状選択性と触媒能を有し、また吸着剤として
優れた性能を発揮する新規な結晶構造を有する結
晶性アルミノ珪酸塩およびこれを実質的に無機反
応材料から製造し得る方法を見出した。 従つて、本発明の主たる目的は、特異な結晶構
造を有し、SiO2/Al2O3モル比の高い硬度の触媒
活性を有する結晶性アルミノ珪酸塩およびこれ
を、珪素化合物、アルミニウム化合物、アルカリ
金属化合物および水の実質的に無機反応材料のみ
からなる水性反応混合物から製造する方法を提供
することである。 本発明の他の目的は、鎖状炭化水素の選択的分
解活性が著しく優れ、X線回折図形により特徴付
けられた特異な結晶構造を有する結晶性アルミノ
珪酸塩を提供することである。 本発明の更に他の目的は、合成アルミノ珪酸塩
M2/oO・Al2O3−SiO2−H2O(ここで、Mはn価
の原子価を有する金属陽イオンである。)の組成
を有し、先行技術において要求された合成物の熱
処理工程を必要とせず、従つて製造工程を容易か
つ簡単なものとし、製造コストの低減を可能なら
しめる結晶性アルミノ珪酸塩の製造法を提供する
ことである。 本発明は、前述の知見に基づいて完成したもの
であり、上記の目的を効果的に達成することがで
きる。 すなわち、本発明は、酸化物のモル比で表示し
て0.8−1.5M2/oO・Al2O3・10−100SiO2・ZH2
(ここで、Mは金属陽イオンであり、nはその金
属陽イオンの原子価であり、Zは0−40である。) の化学組成を有し、かつ、少なくとも第1表に表
わした格子面間隔、即ち、d−距離を示す粉末X
線回折図形を有する結晶性アルミノ珪酸塩に関す
るものである。
【表】 上記の如き、X線回折図形により特徴づけられ
る結晶構造を有するアルミノ珪酸塩は、従来、未
知のものであり、以後TSZと称する。 これらの値は、常法により測定した結果であ
る。照射線は、銅のK−α二重線であり、ストリ
ツプチヤートベン記録計を備えたシンチレーシヨ
ンカウンターを使用した。チヤート2θ(θはブラ
ツク角)の函数としてピーク高さ及びその位置を
読み取つた。これらから、記録された線に対応す
る相対強度及びオングストローム単位で表示した
格子面間隔(d)Åを測定したものである。第1
表の相対強度においてV.S.は最強、S.は強、M.
は中強、W.は弱、V.W.は非常に弱を示す。本発
明による結晶性アルミノ珪酸塩(TSZ)は、粉
末X線回折の常法によつて得られるX線回折図形
により特徴づけられる。すなわち2θ=14.7°(d=
6.03Å)の回折線が単一線(Singlet)であるこ
と、および2θ=23°(d=3.86Å)および2θ=23.3°
(d=3.82Å)の両回折線が明瞭に分かれている
ことが従来提案されている結晶性ゼオライトの結
晶構造と識別され得る最大の特徴である。 また、常法とは別に粉末X線回折分析を行な
い、とりわけ精度の高い2θ(θはブラツク角)を
測定しその結果を解析したところ、本発明による
結晶性アルミノ珪酸塩(TSZ)は結晶学的に単
斜晶系に属することが判明した。例えば後述の実
施例7の生成物である1.02Na2O・Al2O3
26.2SiO2・12.2H2Oの組成を有するTSZはa=
20.159(±0.004)Å、b=19.982(±0.006)Å、
c=13.405(±0.005)Å、α=90.51°(±0.03°)の
単斜晶系の格子定数を示す。この代表的なTSZ
の格子面間隔の実測値及び計算値、ミラー指数は
第2表に記載されている。
【表】
【表】 かかる特異的なX線回折図形は合成アルミノ珪
酸塩の置換陽イオンの変化、特に水素イオン型へ
の変化、SiO2/Al2O3比の変化等によつてもその
格子面間隔は著しい影響を受けるものではない。 合成したままの形態におけるTSZの好ましい
組成は酸化物のモル比で表示して 0.8−1.5M2/oO・Al2O3・25−80SiO2・0−
40H2O(ここで、Mは金属陽イオンの少なくとも
一種であり、nはその金属陽イオンの原子価であ
る。)である。本発明に従えば、合成時において
存在する金属陽イオンは、少なくとも一部をイオ
ン交換等により置換される。イオン交換は、元素
周期率表第族から同表第族の金属イオンもし
くは酸の如き水素イオンを使用し、またはアンモ
ニウムイオンを使用して行なうことができる。水
素、アンモニウム、貴金属、または希土類金属等
で交換することにより、触媒活性、特に、炭化水
素転化用触媒としての活性を付与することができ
る。SiO2/Al2O3モル比が25−80の範囲において
は、TSZを水素イオン型に交換しても単斜晶系
である点では変化がなく、結晶構造が影響を受け
ることはない。 本発明によると結晶性アルミノ珪酸塩、つまり
TSZは、次の方法により製造することができる。
即ち、TSZは、シリカ源、アルミナ源、アルカ
リ源および水を含有し、実質的に無機反応材料か
らなり、かつ、下記のモル比により表示して次の
組成: SiO2/Al2O3 10−130 M2/oO/SiO2 0.03−0.5 H2O/M2/oO 100−1000 X-/SiO2 0.01−20 (ここで、Mは元素周期率表の第族および同
表第族から選択される金属陽イオンであり、n
はその金属陽イオンの原子価であり、X-は鉱化
剤の塩の陰イオンである。) を有する水性反応混合物を調製し、自己圧におい
て、約120℃〜約230℃の範囲で約10時間〜約20時
間維持することにより製造される。 水性反応混合物の好ましい組成をモル比で示す
と次の通りである。 SiO2/Al2O3 20−120 Na2O/SiO2 0.03−0.3 (Na2O+M2/oO)/SiO2 0.03−0.3 H2O/(Na2O+M2/oO) 150−800 X-/SiO2 0.05−15 更に、水性反応混合物の最適範囲の組成は、酸
化物のモル比で表わして次の如きである。 SiO2/Al2O3 30−115 Na2O/SiO2 0.05−0.3 (Na2O+M2/oO)/SiO2 0.05−0.3 H2O/(Na2O+M2/oO) 200−700 X-/SiO2 0.1−10 以上の説明で、式中、Mは元素周期率表の第
族および第族、特にリチウム、バリウム、カル
シウムおよびストロンチウムから選択される金属
陽イオンであり、nはその金属陽イオンの原子価
である。このM2/oOおよびNa2Oは、遊離のM2/o
OおよびNa2Oであり、一般に水酸化物およびゼ
オライト合成において効果を示すような極弱酸
塩、例えばアルミン酸塩、珪酸塩の形態である。
また、上記の「遊離Na2O」は、硫酸アルミニウ
ム、硫酸、塩酸、硝酸等の添加により調節するこ
とができる。 水性反応混合物を調節するにあたり、使用する
上記組成物の酸化物の反応試剤源は、合成ゼオラ
イトの製造に一般に使用されるものである。例え
ば、シリカ源は、珪酸ナトリウム、シリカゲル、
珪酸、水性コロイド状シリカゲル、溶解シリカ、
粉末シリカおよび無定型シリカ等である。アルミ
ナ源としては、活性アルミナ、γ−アルミナ、ア
ルミナ三水和物、アルミン酸ナトリウムおよびア
ルミニウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の各種ア
ルミニウム塩等を使用することができる。M2/o
により表わされる金属酸化物は、水溶性塩の形態
または水酸化物の形態で反応混合物に添加され
る。ナトリウム陽イオン源としてのNa2Oは、水
酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウムまたは珪
酸ナトリウムの形態で添加され、また、リチウム
陽イオン源としてのLi2Oは、水酸化物、ハロゲ
ン化物、硫酸塩、硝酸塩および塩素酸塩
(LiClO4)等の形態で添加される。水性反応混合
物は、上記シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、
および水を混合することにより調製される。特
に、公的なシリカ源は、珪酸ナトリウム、水ガラ
ス、コロイド状シリカ等であり、アルミナ源は、
アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム等であ
る。 本発明に従つて結晶性アルミノ珪酸塩TSZを
製造するにあたり、水性反応混合物の水分含量は
重要であり、前述の如く、該反応混合物はH2
O/(Na2+M2/oO)モル比により表わして100
以上、好ましくは200〜700の範囲の水分含量を有
することが必要である。水分含量を上記範囲に設
定することにより反応試剤のゲルの混合および攪
拌も容易となる。 上記の如く、反応試剤を混合した後、反応混合
物は、自己圧において、約120℃〜約230℃の範囲
で約10時間〜約20時間維持される。 結晶化に際して、水性反応混合物中に鉱化剤を
加えることにより結晶化生成物の結晶性を一層向
上させることができ、無定型アルミノ珪酸塩の生
成を抑制することができる。鉱化剤としては、
NaCl、Na2CO3、Na2SO4、Na2SeO4、KCl、
KBr、KF、BaCl2またはBaBr2等のアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の中性塩を使用するこ
とができる。好適な鉱化剤はNaClである。この
場合において、その添加量は、鉱化剤としての塩
の陰イオンをX-(n価の陰イオンは1価当量とす
る。)とするとき、好ましいX-/SiO2モル比は、
約0.01〜約20の範囲である。更に、好ましい添加
量は、約0.05〜約15の範囲であり、最適添加量は
約0.05〜約10の範囲である。 生成した結晶性アルミノ珪酸塩は、濾過により
溶液から分離した後、水洗し乾燥する。乾燥後、
生成物を空気または不活性気体雰囲気中において
約200℃以上の温度で焼成することにより脱水す
る。脱水した生成物は、化学反応用触媒または触
媒担体として有用である。さらに本発明に従え
ば、生成物中の陽イオンは、少なくともその一部
を熱処理および/またはイオン交換により除去ま
たは置換する。この場合において陽イオン交換を
行なつたものは、特に、炭化水素転化用触媒とし
て有用である。置換イオンは、目的とする反応に
より選択することができるが、元素周期率表の第
a,a,a,b,b,b,bおよ
び族金属から選択される少なくとも一種が好ま
しい。また、酸処理またはNH4 +による置換と熱
処理により水素イオンで置換することができる。
炭化水素の分解、異性化、アルキル化等の転化反
応にとつて好ましい置換イオンは、水素イオンお
よび第族金属イオンである。 陽イオン交換は、結晶化生成物を所望の交換用
陽イオンまたは陽イオン類の塩と接触させること
により行なうことができる。この場合において、
種々の金属塩を使用することができ、特に塩化
物、硝酸塩、硫酸塩および酢酸塩等が好適であ
る。 TSZを水素イオンで置換して得られる本発明
に従つた水素イオン交換型結晶性アルミノ珪酸塩
を、更に、酸と接触させることにより、アルミナ
を抽出しSiO2/Al2O3モル比を100以上に上昇さ
せることができる。この結果、酸強度および分解
活性の一層の向上を図ることができる。 酸抽出処理において使用する酸としては、種々
の鉱酸、例えば、塩酸、硫酸、燐酸または硝酸等
のほかに酢酸、ギ酸の如き有機酸が好適である。
特に好ましい酸は、塩酸である。使用する酸の濃
度は1〜12規定の範囲である。酸抽出処理工程の
温度は、室温から約95℃までであるが、できるだ
け高温が好ましい。上記酸抽出処理を、例えば、
3規定の濃度の塩酸を用いて4時間90℃で行なう
と出発物質のSiO2/Al2O3モル比を100以上とす
ることができる。 本発明によるとTSZは、前述の如くイオン交
換による活性金属成分の導入または酸処理による
水素イオンの導入等により触媒活性を向上させる
ことが好ましい。また、通常のシリカ−アルミ
ナ、アルミナ等の担体と混合することが行なわれ
る。TSZに活性成分を含有させた場合は、約380
℃〜約500℃の温度、約5〜約50Kg/cm2、好まし
くは約10〜約30Kg/cm2の圧力、約0.5〜約5.0V/
H/V、好ましくは約1.0〜約3.0V/H/Vの液
空間速度の反応条件で改質用原料を接触改質する
ことができる。また、Co、Niなどの遷移金属あ
るいは、白金、パラジウム等の貴金属成分を含有
させた場合は、TSZは、軽油留分、潤滑油留分
の接触脱蝋用触媒として使用することができる。
接触脱蝋は、約250℃〜約450℃、好ましくは、約
300℃〜約400℃の温度、5Kg/cm2〜約50Kg/cm2
好ましくは、約10Kg/cm2〜約30Kg/cm2の圧力、約
0.25V/H/V〜約3V/H/V、好ましくは、約
1.0V/H/V〜約2.0V/H/Vの反応条件を採
用することができる。更にTSZは、ノルマルパ
ラフインの異性化、脱水素、アルコール類の炭化
水素への転化、芳香族環へのアルコール類による
アルキル化、芳香族化合物間による不均化等有機
化合物の転化反応においても触媒活性を発揮す
る。 本発明に係る、TSZを基にした陽イオン交換
型結晶性アルミノ珪酸塩は、以上述べた如く、特
定の化学組成および粉末X線回折図形により示す
格子面間隔を有し、有機原料の転化反応、特に、
炭化水素の分解反応において顕著な効果を奏する
ものである。 以下、本発明の結晶性アルミノ珪酸塩について
実施例により説明する。 実施例 1 170gの純水中に4gの硫酸アルミニウムを溶
解し、更に5.7gの濃硫酸(95wt%)および18g
の塩化ナトリウムを転化し、硫酸アルミニウム溶
液を調製した。この硫酸アルミニウム溶液を25g
の水と63gの水ガラス(Na2O;9.5wt%、
SiO2;28.6wt%)(日本工業規格3号水ガラス)
の混合溶液に攪拌しながら混合し、酸化物のモル
比で表示して3.9Na2O・Al2O3・50SiO2
1284H2Oの組成を有する水性反応混合物を得た。
この場合、鉱化剤たる塩化ナトリウムのCl-
SiO2モル比は1.02であつた。水性反応混合物を
SUS製オートクレーブに張り込み昇温し、自己
圧において、180℃で20時間加熱維持した。結晶
化した固体生成物を濾過分離し、水で洗浄後110
℃で乾燥した。この固体生成物の試料を化学分析
したところ、Na2O;2.6wt%、Al2O3;4.23wt
%、SiO2;84.4wt%、H2O;8.4wt%の化学組成
が得られた。 これを酸化物のモル比で表示すると次の通りで
あつた。 1.01Na2O・Al2O3・34.1SiO2・11.2H2Oこ
の生成物をX線分析に供したところ、第3表に示
す結果を得た。
【表】
【表】 このX線分析は、粉末X線回折の常法によつて
行なつた。照射線は、銅のK−α二重線であり、
X線管電圧および管電流はそれぞれ40kVおよび
70mAとした。回折角2θおよび回折線の強度の測
定には、ゴニオメーター、ストリツプチヤートペ
ン記録計を備えたシンチレーシヨンカウンターを
使用した。このとき、操作速度は2θ回転で2°/
分、レートメーターの時定数は1秒を採用した。 生成物の一部分を約3時間、540℃で焼成後、
さらに真空下に300℃で約3時間脱気処理した。
該ゼオライトは12mmHgおよび25℃において7.0重
量%の水、20mmHgおよび25℃において10.5重量
%のn−ヘキサン、20mmHgおよび25℃において
4.5重量%のシクロヘキサンを各々吸着した。 (活性評価) TSZの触媒作用を明らかにするために、従来
公知の粉末X線回折図形を有する結晶性アルミノ
珪酸塩との活性比較を行なつた。 TSZのナトリウムイオンをイオン交換するた
めに5%のNH4Cl溶液を用い80℃において1.5時
間イオン交換操作を行なつた。この乾燥を4回行
ない、終了後600℃において3時間焼成しH型
TSZを調製した。次に、H型TSZ粉末を別途製
造したアルミナバインダーと、7:3の割合(焼
成後の重量比)で混合し、水を加えて混練後、押
出成形をし直径1.5mmのペレツトを得た。 上記のTSZ触媒を使用し、n−ヘキサン分解
反応を以下の如く行なつた。 16/30メツシユに粉砕した触媒3.2mlをガラス
リアクターに充填し、同様に16/30メツシユに粉
砕したシリカチツプ3.2mlを触媒床上部に充填し
反応物の拡散と加熱を良好にした。触媒床は300
℃に保持した。 n−ヘキサンを10℃に保持したサチユレーター
中に入れキヤリアーガスとして窒素を流し、窒素
ガス中n−ヘキサンの濃度が10%になるようにし
た。 n−ヘキサン/窒素をリアクター系に導入して
から一定時間後にガスクロマトグラフイーにてn
−ヘキサンの残存量を測定してフイード中のn−
ヘキサンの量と比較して転化率(Conversion)
を求めた。 その後リアクター系に空気を導入し触媒床温度
500℃にて触媒に付着した炭素質物質を燃焼させ
触媒を新鮮な状態に戻し再び空間速度を変化させ
て実験を行なつた。 このようにして300℃、275℃にてn−ヘキサン
の転化率を求め次の結果を得た(第4表)。 同様にして、公知の粉末X線回折図形を有する
結晶性アルミノ珪酸塩を水素交換型に変換させて
得た触媒についてもn−ヘキサン分解活性を評価
し結果を同表に併記した。この結果から、本発明
によるTSZは顕著な炭化水素分解活性を有して
いることが判明した。
【表】 比較例 1 405gの純水中に、9.8gの硫酸アルミニウムを
溶解し、11.2gの濃硫酸(95wt%)、34.3gのテ
トラプロピルアンモニウムブロマイド
(TPABr)および37.8gの塩化ナトリウムを添加
し、硫酸アンモニウム溶液を調製した。 この硫酸アルミニウム溶液を76.5gの水と
154.2グラムの水ガラス(Na2O:9.1wt%、
SiO2;28.6wt%)(日本工業規格3号水ガラス)
の混合溶液に、攪拌しながら混合し、酸化物のモ
ル比で表示して、 4.4(TPA)2O・5.0Na2O・Al2O3・50SiO2
2180H2O の組成を有する水性反応混合物を得た。 この場合のCl-/SiO2モル比は、0.9であつた。
水性反応混合物をSUS製オート・クレーブに張
り込み、昇温し、自己圧において、160℃で20時
間加熱維持した。結晶化した固体生成物を濾過分
離し、水で洗浄後110℃で乾燥した。この固体生
成物の試料を化学分析に供したところ (TPA)2;10.9wt%、Na2O;1.38wt%、Al2
O3;3.83wt%、SiO2;78.8wt%、H2O;5.0wt%
の化学組成が得られた。 これを酸化物のモル比で表示すると、次の通り
であつた。 0.75(TPA)2O・0.63Na2O・Al2O3
35.0SiO2・7.4H2Oこの生成物の一部分を約3時
間、540℃で焼成後、実施例1に記載と同様の方
法でX線分析を行なつたところ第1図に示す結果
を得た。また、第3図は、生成物の拡大倍率5000
倍の二次電子線像(SEM)を示す。 実施例 2−4 70gの純水に2.5gの硫酸アルミニウムを溶解
し、これに、更に、5.4gの濃硫酸(95wt%)を
添加し、硫酸アルミニウム溶液(A液)を調製し
た。次に、25gの純水と63gの水ガラス(Na2
O;9.5wt%、SiO2;28.6wt%)との混合溶液
(B液)を調製し、更に、21gの塩化ナトリウム
を100gの純水に溶解させた塩化ナトリウム水溶
液を調製した。上記A液およびB液を同時に塩化
ナトリウム水溶液中に攪拌しながら添加し、酸化
物のモル比で表示して、8.8Na2O・Al2O3
80SiO2・3485H2Oの組成を有する水性反応混合
物を得た。この場合、鉱化剤たる塩化ナトリウム
の濃度は、SiO2に対し1.2モルであつた。 上記の水性反応混合物をSUS製オートクレー
ブに張り込み昇温し、自己圧において170℃に20
時間維持し結晶化させ、固体生成物を得た。得ら
れた固体生成物を濾過分離し、水で洗浄後、110
℃で乾燥した。この固体生成物の試料を化学分析
に供し化学組成を求めたところ、 Na2O;1.80wt%、Al2O3;3.0wt%、SiO2
89.9wt%、H2O;5.3wt% の結果を得た。これを酸化物のモル比で表示する
と次の通りであつた。 0.97Na2O・Al2O3・50.1SiO2・9.8H2O この生成物を実施例1に記載と同様の方法でX
線分析に供したところ、第5表に示す結果を得
た。 (実施例2)。 上記A液およびB液を各々調製し、A液および
B液を同時に16gの炭酸アンモニウム(CO2とし
て45重量%含有。)を100gの純水に溶解した炭酸
アンモニウム水溶液に撹拌しながら添加し酸化物
のモル比で表示して、8.8Na2O・Al2O3
80SiO2・3485H2Oの組成を有する水性反応混合
物を得た。この場合、鉱化剤たる炭酸アンモニウ
ムの濃度はSiO2に対し、0.54モルであつた。水性
反応混合物をSUS製オートクレーブに採り、昇
温し、自己圧において170℃に20時間維持し結晶
化させ、固体生成物を得た。得られた固体生成物
を濾過分離し、水洗後110℃で乾燥した。 この固体生成物の試料を化学分析に供したとこ
ろ、Na2O;1.92wt%、Al2O3;3.10wt%、
SiO2;89.0wt%、H2O;6.0wt% の化学組成が得られた。これを酸化物のモル比で
表示すると次の通りであつた。 1.02Na2O・Al2O3・48.9SiO2・10.9H2O この生成物を実施例1に記載と同様の方法でX
線分析に供したところ第5表に示す結果を得た
(実施例3)。 次に、上記A液およびB液を各々調製し、同時
に、6gの硫酸ナトリウムを100gの純水に溶解
した硫酸ナトリウム水溶液に撹拌しながら添加し
酸化物のモル比で表示して8.8Na2O・Al2O3
80SiO2・3458H2Oの組成を有する水性反応混合
物を得た。この場合、鉱化剤たる硫酸ナトリウム
の濃度は、SiO2に対し0.28モルであつた。水性反
応混合物をSUS製オートクレーブに張り込み、
加熱昇温し、自己圧において170℃で20時間維持
した。固体生成物を濾過分離し、水洗後、110℃
で乾燥した。この固体生成物の試料を化学分析に
供したところ、 Na2O・2.15wt%、Al2O3;3.16wt%、SiO2
88.8wt%、H2O;5.9wt%の化学組成を得た。 これを酸化物のモル比で表示すると、次の如く
であつた。 1.12Na2O・Al2O347.8SiO2・10.6H2O この生成物を実施例1に記載と同様の方法でX
線分析に供したところ第5表に示す結果を得た
(実施例4)。
【表】
【表】 比較例 2 鉱化剤を使用しなかつたこと以外すべて実施例
2と同一の条件および操作を採用したところ、固
体生成物として、 Na2O・2.43wt%、Al2O3;3.17wt%、SiO2
88.1wt%、H2O;6.3wt%、の化学組成を得た。
酸化物のモル比で表示すると次の如くであつた。 1.26Na2O・Al2O3;47.2SiO2・11.3H2O この固体生成物を実施例1に記載と同様の方法
でX線分析に供したところ非晶質のアルミナ・シ
リカであることが判明した。 実施例 5−6 20gの純水に0.5gのアルミン酸ナトリウム
(NaAlO2)および0.63gの水酸化ナトリウムを添
加して調製した溶液(A液)と30gのコロイダル
シリカを同時に、55gの塩化ナトリウムを160g
の純水に溶解して調製した塩化ナトリウム水溶液
に撹拌しながら添加し、5.6Na2O・Al2O3
47SiO2・5314H2Oの組成を有する水性反応混合
物を得た。この場合、塩化ナトリウムの濃度は、
Cl-/SiO2モル比として9.40であつた。水性反応
混合物を実施例1と同様に自己圧において、180
℃に加熱維持することにより固体生成物を得た。
これを水洗した後、110℃で乾燥したところ、 Na2O;3.02wt%、Al2O3;4.44wt%、SiO2
83.8wt%、H2O;8.7wt%の化学組成であつた。
酸化物のモル比で表示すると次の如くであつた。 1.12Na2O・Al2O3・32.1SiO2・11.1H2O この生成物を実施例1に記載と同様の方法でX
線分析に供すると、第6表に示す結果を得た(実
施例5)。 次に、上記のA液とコロイダルシリカ30gを同
時に、1.6gの塩化ナトリウムを160gの純水に溶
解して調製した塩化ナトリウム水溶液に撹拌しな
がら添加し、酸化物のモル比で表示して5.6Na2
O・Al2O3・47SiO2・5314H2Oの組成を有する水
性反応混合物を得た。この場合、塩化ナトリウム
は、Cl-/SiO2モル比として0.27の濃度であつた。
上記水性反応混合物を上記と同一の結晶化条件で
加熱維持することにより固体生成物を得た。これ
を水洗した後、110℃で乾燥したところ、 Na2O;3.47wt%、Al2O3;4.18wt%、SiO2
86.6wt%、H2O;6.9wt%の化学組成であつた。
これを酸化物のモル比で表示すると、次の如くで
あつた。 1.23Na2O・Al2O3・30.4SiO2・10.9H20 この生成物を実施例1に記載と同様の方法でX
線分析に供したところ、第6表に示す結果を得た
(実施例6)。 注1 アルミン酸ナトリウム(Al2O3;43.5wt
%、Na2O;30.1wt%) 注2 コロイダルシリカ(SiO2;20.0wt%、Na2
O;0.35wt%)
【表】
【表】 比較例 3 鉱化剤として塩化ナトリウムを使用しないこと
以外すべて実施例5と同一の結晶化条件および操
作を採用し、得られた固体生成物の化学分析の結
果はNa2O;3.33wt%、Al2O3;4.19wt%、
SiO2;85.3wt%、H2O;7.18wt%であつた。こ
れを酸化物のモル比で表わすと次の如くである。 1.37Na2O・Al2O3・34.6SiO2・9.71H2O この生成物をX線分析に供したところ非晶質の
シリカ・アルミナであつた。 以上の結果から、本発明の製造法により得られ
るTSZは、特異な結晶構造を有することが明ら
かとなつた。 実施例 7 70gの純水に5.2gの硫酸アルミニウムを溶解
し、これに、さらに、4.5gの濃硫酸(95wt%)
を添加し、硫酸アルミニウム溶液(A液)を調製
した。次に、25gの純水と63gの日本工業規格3
号水ガラス(Na2O;9.5wt%、SiO2;28.6wt%)
との混合溶液(B液)を調製し、18gの塩化ナト
リウムを100gの純水に溶解させた塩化ナトリウ
ム水溶液を調製した。上記A液およびB液を同時
に塩化ナトリウム水溶液中に撹拌しながら添加
し、酸化物のモル比で表示して、 3.8Na2O・Al2O3・38SiO2・1685H2Oの組成
を有する水性反応混合物を得た。この場合、鉱化
剤たる塩化ナトリウムの濃度は、SiO2に対し1.02
モルであつた。 上記の水性反応混合物をSUS製オートクレー
ブに張り込み昇温し、自己圧において170℃で20
時間維持し結晶化させ、固体生成物を得た。得ら
れた固体生成物を濾過分離し、水で洗浄後、110
℃で乾燥した。この固体生成物の試料を化学分析
に供し化学組成を求めたところ、Na2O;3.23wt
%、Al2O3;5.21wt%、SiO2;80.3wt%、H2O;
11.2wt%の結果を得た。これを酸化物のモル比で
表示すると次の通りであつた。 1.02Na2O・Al2O3・26.2SiO2・12.2H2O この生成物を実施例1に記載と同様の方法でX
線分析に供したところ、第7表および第2図に示
す結果を得た。また、第4図に、この生成物の拡
大倍率5000倍の二次電子像(SEM)を示す。こ
れを第3図と比較すると単斜晶系の結晶の特徴が
顕著に現われている。 実施例 8 130gの純水中に2.5gの硫酸アルミニウムを溶
解し、さらに9gの濃硫酸(95wt%)および21
gの塩化ナトリウムを添加し、硫酸アルミニウム
溶液を調製した。この硫酸アルミニウム溶液を35
gの純水と90gの日本工業規格3号水ガラス
(Na2O;9.5wt%、SiO2;28.6wt%)の混合溶液
に撹拌しながら混合し、酸化物のモル比で表示し
て10.5Na2O・Al2O3・114SiO2・3291H2Oの組
成を有する水性反応混合物を得た。この場合、鉱
化剤たる塩化ナトリウムのCl-/SiO2モル比は
0.84であつた。水性反応混合物をSUS製オートク
レーブに張り込み、昇温し、自己圧において、
180℃で20時間加熱維持した。結晶化した固体生
成物を濾過分離し、水で洗浄後110℃で乾燥した。
この固体生成物の試料を化学分析に供したとこ
ろ、Na2O;1.11wt%、Al2O3;2.04wt%、
SiO2;93.8wt%、H2O;3.0wt%の化学組成が得
られた。これを酸化物のモル比で表示すると次の
通りであつた。 0.89Na2O・Al2O3・78.1SiO2・8.4H2O この生成物をX線分析に供したところ、第7表
に示す結果を得た。
【表】 実施例 9 実施例1で得られた新規結晶性アルミノ珪酸塩
(TSZ)と市販合成ゼオライト(ノートン社製
Zeolon 100H)の活性比較をするためガラスリア
クターを用いてアルコール転化反応を行なつた。 TSZゼオライトを0.35g(約1.0c.c.)ガラスリ
アクターに充填し、触媒床を窒素気流中において
500℃で2時間保持し、窒素気流中下に300℃まで
降温した。そのままリアクターの温度を300℃に
保持し、次にメタノールの分圧が0.163気圧にな
るように維持したサチユレーター中に窒素をキヤ
リアーガスとして導入して触媒床にメタノールを
通した。 このときの反応条件を次に示す。 温度 :300℃ ガスレート :3216c.c./Hr 重量空間速度(SV) :2.32W/H/W メタノール :0.81g/Hr メタノール分圧 :0.163atm. 分解生成物はガスクロマトグラフイーにて分析
したところ第8表に示す結果を得た。 以上の結果から本発明により得られたゼオライ
トTSZはアルコール変換反応において顕著な触
媒能を有し、かつ化学工業における有用な原料で
あるオレフインへの選択性も高いことが判明し
た。また活性維持能もすぐれていることが証明さ
れた。
【表】 実施例 10 実施例1に示した方法と同一の方法で調製した
結晶性アルミノ珪酸塩試料(TSZとして確認)
を実施例1と同一のイオン交換操作を行ない、ア
ンモニウム(NH4)型TSZ粉末を調製した。次
にNH4型TSZ粉末を別途調製したアルミナバイ
ンダーと7:3の割合(焼成後の重量比)で混合
し、水を加えて混練後、押出成型をし直径1.5mm
のペレツトを得た。そして、乾燥後600℃におい
て3時間焼成した。さらに、このペレツトを1規
定Ni(NO32溶液を用いて80℃において1時間処
理を行ない、水洗し、乾燥後600℃において3時
間焼成し、0.64重量%のNiを含有するH型TSZ
触媒を得た。 下記の性状を有する軽油留分を水素の存在下に
おいて第9表に示す反応条件下で上記触媒と接触
させることにより脱蝋した。結果を第9表に示
す。 尚、同表に比較例4の結果を併記した。 比重(15/4℃) 0.8753 硫黄(重量%) 1.56 窒素(重量%) 0.03 炭素/水素(重量比) 6.69 流動点(℃) 15 蒸留試験(ASTM D−2887)(℃) 初留点 161 5% 273 10% 302 30% 345 50% 370 70% 392 90% 422 95% 435 97% 444 比較例 4 比較例1と同一の条件で調製した生成物であつ
て約3時間、540℃で焼成後、第7図と実質的に
同一の粉末X線回折図形を有することを確認した
試料を用い、実施例10に記載と同様の方法でNi
含有H型ゼオライト触媒と調製した。触媒のNi
含有量は0.67重量%であつた。 この触媒を使用して実施例10と同一の軽油原料
を用いて、接触脱蝋実験を行なつた。得られた実
験結果並びに反応条件を第9表に示す。
【表】 比較例 5 39.8gの熱水中に0.7gのNaOHおよび0.79gの
NaAlO2(29.1wt%Na2O、35.7wt%Al2O3
35.2wt%H2O)を溶解させ、これを3.7gの水に
20.6gの水性コロイドシリカゾル(40wt%SiO2
0.4%Na2O)に撹拌しながら添加し、全酸化物
モル組成が 5.0Na2O、Al2O3・50SiO2・1800H2O の反応混合物を調製した。 この反応混合物をオートクレーブに採り、約
200℃および自己圧において72時間維持した。固
体生成物を濾過により分離し、水で洗浄し110℃
で乾燥した。この生成物の試料を粉末X線回折分
析に供したところ第5図に示すX線回折図形が得
られ、これにより非晶質物中に結晶性アルミノ珪
酸塩が一部含有するものであることを確認した。 この生成物の一部分を乾燥し、実施例10に記載
した方法と同一の方法で、Ni含有H型触媒を調
製した。このようにして得られた触媒を用いて、
実施例10に記載の軽油留分の接触脱蝋を行ない第
10表の結果を得た。
【表】 これらの結果から、本発明によるTSZは、テ
トラプロピルアンモニウムブロマイドの如き有機
カチオンまたは鉱化剤を使用しない方法により調
製したゼオライトに比較して低流動点軽油を収率
よく製造することが判明した。 実施例 11 本実施例においては接触脱蝋により潤滑油基油
の製造を説明する。 中東産原油を減圧蒸留して得た沸点範囲約232
℃(630〓)〜約593℃(1100〓)の潤滑油基油留
分をフエノール溶剤抽出おびプロパン溶剤脱蝋の
処理に供したものであり、次の性状を有するもの
を脱蝋原料油とした。 比重(15/4℃) 0.8895 硫黄(重量%) 0.98 窒素(重量ppm) 35 炭素/水素(重量比) 6.48 流動点(℃) −10 粘度(100℃、cSt) 11.61 粘度(40℃、cSt) 106.4 粘度指数 96 沸点範囲(℃(〓)) 初留点334(633) 97%572(1062) 実施例10と同一のNi含有H型TSZ触媒を用い、
沸点範囲約260℃(500〓)〜約454℃(850〓)の
潤滑油基油留部を10日間次の反応条件下で接触脱
蝋に供した。 反応条件 温度(℃) 260〜310 液空間速度(V/H/V) 1.1 圧力(Kg/cm2G) 42 処理ガス(l−H2/l−原料油) 450 次に上記原料油を接触脱蝋に供した。反応条件
及び脱蝋結果を第11表に示す。 比較例 6 比較例4で使用したNi含有H型ゼオライト触
媒と同一の触媒を用い沸点範囲約260℃(500〓)
〜約454℃(850〓)の潤滑油基油留分を10日間次
の反応条件下で接触脱蝋に供した後、実施例11に
記載の原料油と同一の原料油を接触脱蝋に供し
た。 反応条件 温度(℃) 280〜320 液空間速度(V/H/V) 1.1 圧力(Kg/cm2G) 42 処理ガス速度 450 (l−H2/l−原料油)
【表】 比較例 7 比較例5で使用したNi含有H型ゼオライト触
媒と同一の触媒を用い、沸点範囲約260℃(500
〓)〜約454℃(850〓)の潤滑油基油留分を18日
間、300℃〜340℃の反応温度、1.1V/H/Vの
液空間速度、42Kg/cm2Gの反応圧力及び450l−
H2/l−原料油の反応条件下で接触脱蝋した後、
実施例11に記載した原料油と同一の原料油を接触
脱蝋に供した。接触脱蝋の反応条件及び脱蝋結果
を第12表に示す。
【表】
【表】 第11表及び第12表に示す結果から本発明の触媒
によれば比較例6及び7の触媒に比較してより低
い反応温度でより低流動点の潤滑油基油留分を得
ることができるということが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、比較例1記載の方法で合成した結晶
性アルミノ珪酸塩のX線回折図形である。第2図
は、本発明に係る合成結晶性アルミノ珪酸塩
(TSZ)のX線回折図形である。第3図は、比較
例1の方法で合成した結晶性アルミノ珪酸塩の電
子顕微鏡写真である。第4図は、本発明に係る合
成結晶性アルミノ珪酸塩(TSZ)の電子顕微鏡
写真である。第5図は、比較例5記載の方法で合
成した結晶性アルミノ珪酸塩のX線回折図形であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化物のモル比により表わして、 0.8−1.5M2/oO・Al2O3・10−100SiO2・0−
    40H2O(ここで、Mは金属陽イオンであり、nは
    その金属陽イオンの原子価である。) の化学組成を有し、かつ、少なくとも第1表に表
    わした格子面間隔を示す粉末X線回折図形を有す
    る合成結晶性アルミノ珪酸塩が水素、アンモニウ
    ムまたは希土類金属を含有して成る陽イオン交換
    型結晶性アルミノ珪酸塩。 【表】 【表】 2 酸化物のモル比で表示して 0.8−1.3M2/oO・Al2O3・25−80SiO2・ZH2
    (ここで、Mは少なくとも一種の金属陽イオンで
    あり、nはその金属陽イオンの原子価であり、Z
    は、0−20である。) の化学組成を有し、かつ、少なくとも第1表に表
    わした格子面間隔を示す粉末X線回折図形を有す
    る特許請求の範囲第1項記載の結晶性アルミノ珪
    酸塩。 3 化学組成中、Mが元素周期率表第族および
    第族の金属陽イオンの群から選択された少なく
    とも一種である特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の結晶性アルミノ珪酸塩。 4 元素周期率表第族および第族の金属陽イ
    オンはアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金
    属イオンの群から選択された少なくとも一種であ
    る特許請求の範囲第3項記載の結晶性アルミノ珪
    酸塩。 5 アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属
    イオンはナトリウム陽イオン、リチウム陽イオン
    およびカルシウム陽イオンの群から選択された少
    なくとも一種である特許請求の範囲第4項記載の
    結晶性アルミノ珪酸塩。 6 アルカリ金属イオンはナトリウム陽イオンお
    よびリチウム陽イオンを含有する混合物である特
    許請求の範囲第4項記載の結晶性アルミノ珪酸
    塩。 7 酸化物のモル比で表示して 0.8−1.3Na2O・Al2O3・25−80SiO2・0−
    20H2Oの化学組成を有し、かつ、下記の表に表
    わした格子面間隔を示す粉末X線回折図形を有す
    る特許請求の範囲第1項記載の結晶性アルミノ珪
    酸塩。 【表】 8 酸化物のモル比により表わして 0.8−1.5M2/oO・Al2O3・10−100SiO2・0−
    40H2O(ここで、Mは金属陽イオンであり、nは
    その金属陽イオンの原子価である。) の化学組成を有し、かつ、少なくとも第1表に表
    わした格子面間隔を示す粉末X線回折図形を有す
    る合成結晶性アルミノ珪酸塩を酸と接触させるこ
    とからなる水素イオン交換型結晶性アルミノ珪酸
    塩の製造法。 9 実質的に無機反応材料からなり、下記のモル
    比により表示して次の組成: SiO2/Al2O3 10−130 M2/oO/SiO2 0.03−0.5 H2O/M2/oO 100−1000 X-/SiO2 0.01−20 (ここで、Mは少なくとも一種の金属陽イオン
    であり、nはその金属陽イオンの原子価であり、
    X-は鉱化剤としての塩の陰イオンである。) を有する水性反応混合物を調製し、この反応混合
    物を結晶が生成するまで結晶化温度で加熱維持
    し、少なくとも第1表に表わした格子面間隔を示
    す粉末X線回折図形を示す結晶性アルミノ珪酸塩
    を製造する特許請求の範囲第8項記載の製造法。 10 水性反応混合物が実質的に無機反応材料か
    らなり、下記のモル比により表示して次の組成: SiO2/Al2O3 20−120 M2/oO/SiO2 0.03−0.3 H2O/M2/oO 150−800 X-/SiO2 0.05−15 (ここで、Mは少なくとも一種の金属陽イオン
    であり、nはその原子価であり、X-は鉱化剤と
    しての塩の陰イオンである。) を有する特許請求の範囲第9項記載の結晶性アル
    ミノ珪素塩の製造法。 11 水性反応混合物が実質的に無機反応材料か
    らなり、下記のモル比により表示して次の組成: SiO2/Al2O3 30−115 M2/oO/SiO2 0.05−0.3 H2O/M2/oO 200−700 X-/SiO2 0.1−10 (ここで、Mは少なくとも一種の金属陽イオン
    であり、nはその金属陽イオンの原子価であり、
    X-は鉱化剤としての塩の陰イオンである。) を有する特許請求の範囲第10項記載の結晶性ア
    ルミノ珪酸塩の製造法。 12 水性反応混合物中、Mが元素周期率表第
    族および同表第族の金属陽イオンの群から選択
    された少なくとも一種である特許請求の範囲第9
    項、第10項または第11項記載の結晶性アルミ
    ナ珪酸塩の製造法。 13 元素周期率表第族および同表第族の金
    属陽イオンはアルカリ金属陽イオンおよびアルカ
    リ土類金属陽イオンの群から選択された少なくと
    も一種である特許請求の範囲第12項記載の結晶
    性アルミノ珪酸塩の製造法。 14 アルカリ金属陽イオンおよびアルカリ土類
    金属陽イオンはナトリウム陽イオン、リチウム陽
    イオンおよびカルシウム陽イオンの群から選択さ
    れた少なくとも一種である特許請求の範囲第13
    項記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造法。 15 アルカリ金属陽イオンはナトリウム陽イオ
    ンおよびリチウム陽イオンを含有する混合物であ
    る特許請求の範囲第13項記載の結晶性アルミノ
    珪酸塩の製造法。 16 水性反応混合物を自己圧において、結晶化
    温度として120℃〜230℃の範囲の温度を採用する
    特許請求の範囲第9項、第10項または第11項
    記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造法。 17 水性反応混合物を昇温後結晶化温度におい
    て10時間〜20時間、加熱維持する特許請求の範囲
    第16項記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造法。 18 鉱化剤がアルカリ金属、およびアルカリ土
    類金属の中性塩の群から選択される少なくとも一
    種またはアンモニウムの中性塩の少なくとも一種
    である特許請求の範囲第9項、第10項または第
    11項記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造法。 19 アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中
    性塩は塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナ
    トリウムおよび塩化バリウムの群から選択された
    少なくとも一種である特許請求の範囲第18項記
    載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造法。 20 水性反応混合物の全酸化物のモル組成が、
    4Na2O・Al2O3・50SiO2・2000H2Oであり、鉱
    化剤としてNaClがSiO2に対して1.0モル含有し、
    結晶化条件が約170℃で約20時間である特許請求
    の範囲第11項記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製
    造法。 21 酸化物のモル比により表わして、 0.8−1.5M2/oO・Al2O3・10−100SiO2・0−
    40H2O(ここで、Mは金属陽イオンであり、nは
    その金属陽イオンの原子価である。) の化学組成を有し、かつ、少なくとも第1表に表
    わした格子面間隔を示す粉末X線回折図形を有す
    る合成結晶性アルミノ珪酸塩をNH4 +により置換
    してなる前駆体からの水素イオン交換型結晶性ア
    ルミノ珪酸塩の製造法。 22 酸化物のモル比により表わして、 0.8−1.5M2/oO・Al2O3・10−100SiO2・0−
    40H2O(ここで、Mは金属陽イオンであり、nは
    その金属陽イオンの原子価である。) の化学組成を有し、かつ、少なくとも第1表に表
    わした格子面間隔を示す粉末X線回折図形を有す
    る合成結晶性アルミノ珪酸塩を酸と接触させるこ
    とにより得られる水素イオン交換型結晶性アルミ
    ノ珪酸塩を、更に、酸と接触させることにより、
    当該水素イオン交換型結晶性アルミノ珪酸塩のシ
    リカ/アルミナ比を上昇させることからなる結晶
    性アルミノ珪酸塩の製造法。
JP6281086A 1986-03-20 1986-03-20 結晶性アルミノ珪酸塩およびその製造法 Granted JPS623014A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5034309A (ja) * 1973-07-11 1975-04-02
JPS52115800A (en) * 1976-02-04 1977-09-28 Union Carbide Corp Novel zeolite composition and method of makin same
JPS5567521A (en) * 1978-11-09 1980-05-21 Mobil Oil Crystalline aluminoosilicateezeolite catalyst* converting organic material by using same* and preparing same catalyst
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