JPH0437907Y2 - - Google Patents
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- JPH0437907Y2 JPH0437907Y2 JP6209986U JP6209986U JPH0437907Y2 JP H0437907 Y2 JPH0437907 Y2 JP H0437907Y2 JP 6209986 U JP6209986 U JP 6209986U JP 6209986 U JP6209986 U JP 6209986U JP H0437907 Y2 JPH0437907 Y2 JP H0437907Y2
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Description
<考案の目的>
産業上の利用分野
本考案はバスケツト型アノードに係り、詳しく
は、塩化物を主体とする液を用いる電気めつきに
おいて、腐食することなく連続的に通電すること
のできるバスケツト型アノードに係る。 従来の技術 塩化物を主体とするめつき液は電導度が高く、
極間の液抵抗が小さいので、めつき電圧が低く、
省電力となり実操業上極めて有利である。しか
し、硫塩酸を主体とするめつき液等に較べて腐食
性が強い点が問題である。 また、塩化物を主体とする液を用いる電気めつ
きにおいて、不溶性アノードを用いると、アノー
ドから塩素ガスが発生し、人体に有害であり、ま
た、装置の腐食を引き起こすので実用的でない。 従つて、通常、可溶性アノードが使用され、可
溶性アノードとしては、一般に金属のインゴツト
が用いられる。しかし、金属のインゴツトをアノ
ードとした場合、次のような問題が生じる。 (1) 被めつき材が金属帯(ストリツプ)である場
合、ストリツプ幅に対面するアノード部の溶解
が進行するため、極間距離が変化し、幅方向の
流速分布が不均一となる。また、ストリツプ幅
が変化した場合、均一な極間距離の維持が困難
となる。 (2) インゴツトを並べて、所定の幅のアノードと
する場合、インゴツト間に隙間が生じ、極間に
噴射された液が漏れるため、流速の低下ととも
に幅方向および長手方向流速分布が不均一とな
る。流速分布の不均一は合金めつきにおいては
合金成分の不均一による耐食性等の品質低下を
招き、また、流速の低下は許容電流密度を低下
させ、生産性をダウンさせる。 (3) インゴツトは完全に溶解して消費されるま
で、アノードとして使用することができない。
すなわち、インゴツトの厚みが1/2〜1/3以下に
なると、自重等により折れてアノードサポート
から脱落する恐れが生ずる。従つて、完全に使
用できないので不経済である。 この場合、金属粒をバスケツト内に充填したバ
スケツト型アノードを用いることにより、インゴ
ツトをアノードとして使用する場合の前記問題点
が解消される。すなわち、バスケツトにより、極
間距離が常に一定に維持され、液漏れがなく、ま
た、金属粒を消費し尽すことが可能となる。 しかし、バスケツト型アノードに金属粒が充填
された時、ふくれ等の変形を防止し、極間距離を
一定に維持するには、前面ラスにかなりの剛性が
必要であり、金属製ラスが望ましい。また、めつ
き液温度が高い場合にも、前面ラスが変形しない
よう金属製ラスが望ましい。しかし、金属製ラス
に電流が流れると、ラスがアノード溶解するの
で、とくに、高電流密度による高めつき電圧下で
の操業条件において厳しい環境にさらされる。 バスケツト型アノードの従来技術としては特公
昭57−23753号、特開昭57−161085号公報などが
あるが、何れも塩化物浴を主体とする電気めつき
を対象としておらず、また、バスケツト型アノー
ドのケーシング部材にTiを使用するという説明
はあるが、取付構造等の詳細な検討はされていな
い。 考案が解決しようとする問題点 本考案はこれらの問題点の解決を目的とし、具
体的には、バスケツト型アノードの給電部と金属
製ラスが直接電気的に接触しないように絶縁的に
取付けたバスケツト型アノードを提供することを
目的とする。 <考案の構成> 問題点を解決するための手段ならびにその作用 本考案は、金属粒を充填したバスケツト型アノ
ードの前面ラスとして、TiまたはNbよりなるラ
スを、給電部をもつバスケツト型アノード本体と
電気的に絶縁して取付けてなることを特徴とす
る。 以下、図面によつて本考案の構成ならびに作用
を説明すると、次の通りである。 第1図は本考案に係るバスケツト型アノードの
縦断面図であり、第2図はアノード電流密度と電
圧および表面状態を示すグラフである。 耐食性金属の表面は安定な酸化物皮膜が形成さ
れている。しかし、酸化物破壊電圧以上になる
と、Tiの場合でも3%塩化ナトリウム中でのア
ノード電解において、僅か14VでTi溶解が起る。 そこで、本考案者等はTiと更にTiよりも耐食
性が優れるNbについて、塩化物めつき液を用い
てバスケツト型アノードに対するシミユレート実
験を行なつた。実験条件は次の通りである。 めつき液 ZnCl2 21g/ KCl 36g/ pH 4〜6 液濃度はめつき電圧を上昇させることを目的と
して、通常より薄くし、アノード、ラス、カソー
ド、およびアノードとラスの短絡の有無について
第1表に示す組合せ条件で実施した。 アノードのZnはバスケツト内のZn粒不完全充
填状態を想定し、ラスと10mmの隙間をあけ、ま
た、ラスとカソードの間隔は極間距離を想定し、
30mmとした。
は、塩化物を主体とする液を用いる電気めつきに
おいて、腐食することなく連続的に通電すること
のできるバスケツト型アノードに係る。 従来の技術 塩化物を主体とするめつき液は電導度が高く、
極間の液抵抗が小さいので、めつき電圧が低く、
省電力となり実操業上極めて有利である。しか
し、硫塩酸を主体とするめつき液等に較べて腐食
性が強い点が問題である。 また、塩化物を主体とする液を用いる電気めつ
きにおいて、不溶性アノードを用いると、アノー
ドから塩素ガスが発生し、人体に有害であり、ま
た、装置の腐食を引き起こすので実用的でない。 従つて、通常、可溶性アノードが使用され、可
溶性アノードとしては、一般に金属のインゴツト
が用いられる。しかし、金属のインゴツトをアノ
ードとした場合、次のような問題が生じる。 (1) 被めつき材が金属帯(ストリツプ)である場
合、ストリツプ幅に対面するアノード部の溶解
が進行するため、極間距離が変化し、幅方向の
流速分布が不均一となる。また、ストリツプ幅
が変化した場合、均一な極間距離の維持が困難
となる。 (2) インゴツトを並べて、所定の幅のアノードと
する場合、インゴツト間に隙間が生じ、極間に
噴射された液が漏れるため、流速の低下ととも
に幅方向および長手方向流速分布が不均一とな
る。流速分布の不均一は合金めつきにおいては
合金成分の不均一による耐食性等の品質低下を
招き、また、流速の低下は許容電流密度を低下
させ、生産性をダウンさせる。 (3) インゴツトは完全に溶解して消費されるま
で、アノードとして使用することができない。
すなわち、インゴツトの厚みが1/2〜1/3以下に
なると、自重等により折れてアノードサポート
から脱落する恐れが生ずる。従つて、完全に使
用できないので不経済である。 この場合、金属粒をバスケツト内に充填したバ
スケツト型アノードを用いることにより、インゴ
ツトをアノードとして使用する場合の前記問題点
が解消される。すなわち、バスケツトにより、極
間距離が常に一定に維持され、液漏れがなく、ま
た、金属粒を消費し尽すことが可能となる。 しかし、バスケツト型アノードに金属粒が充填
された時、ふくれ等の変形を防止し、極間距離を
一定に維持するには、前面ラスにかなりの剛性が
必要であり、金属製ラスが望ましい。また、めつ
き液温度が高い場合にも、前面ラスが変形しない
よう金属製ラスが望ましい。しかし、金属製ラス
に電流が流れると、ラスがアノード溶解するの
で、とくに、高電流密度による高めつき電圧下で
の操業条件において厳しい環境にさらされる。 バスケツト型アノードの従来技術としては特公
昭57−23753号、特開昭57−161085号公報などが
あるが、何れも塩化物浴を主体とする電気めつき
を対象としておらず、また、バスケツト型アノー
ドのケーシング部材にTiを使用するという説明
はあるが、取付構造等の詳細な検討はされていな
い。 考案が解決しようとする問題点 本考案はこれらの問題点の解決を目的とし、具
体的には、バスケツト型アノードの給電部と金属
製ラスが直接電気的に接触しないように絶縁的に
取付けたバスケツト型アノードを提供することを
目的とする。 <考案の構成> 問題点を解決するための手段ならびにその作用 本考案は、金属粒を充填したバスケツト型アノ
ードの前面ラスとして、TiまたはNbよりなるラ
スを、給電部をもつバスケツト型アノード本体と
電気的に絶縁して取付けてなることを特徴とす
る。 以下、図面によつて本考案の構成ならびに作用
を説明すると、次の通りである。 第1図は本考案に係るバスケツト型アノードの
縦断面図であり、第2図はアノード電流密度と電
圧および表面状態を示すグラフである。 耐食性金属の表面は安定な酸化物皮膜が形成さ
れている。しかし、酸化物破壊電圧以上になる
と、Tiの場合でも3%塩化ナトリウム中でのア
ノード電解において、僅か14VでTi溶解が起る。 そこで、本考案者等はTiと更にTiよりも耐食
性が優れるNbについて、塩化物めつき液を用い
てバスケツト型アノードに対するシミユレート実
験を行なつた。実験条件は次の通りである。 めつき液 ZnCl2 21g/ KCl 36g/ pH 4〜6 液濃度はめつき電圧を上昇させることを目的と
して、通常より薄くし、アノード、ラス、カソー
ド、およびアノードとラスの短絡の有無について
第1表に示す組合せ条件で実施した。 アノードのZnはバスケツト内のZn粒不完全充
填状態を想定し、ラスと10mmの隙間をあけ、ま
た、ラスとカソードの間隔は極間距離を想定し、
30mmとした。
【表】
以上の条件で定電圧ステツプ法で測定したアノ
ード電流密度、電圧およびラスの表面状態を第2
図に示す。 第2図の曲線IはNbラスでアノードと短絡有
りの場合を示す。めつき電圧30VでNbラス表面
がブルーイングし(表面状態A)、35Vでは濃く
着色した。さらに、電圧を上げ(同時に電流も高
くなる)40Vでは、Nbラス表面から白粉を生じ
Nbラスが溶解しはじめた(表面状態B)。曲線
は短絡無しの場合で、めつき電圧が70Vまで上昇
しても、Nbラス表面はほとんど変化せず、薄く
ブルーイング(表面状態A)する程度であつた。
すなわち、給電部が存在するバスケツト型アノー
ド本体に対して、前面ラスを絶縁状態(短絡無
し)で取付けることにより、ラスの耐食性が著し
く向上することを知見した。そこで、Nbラスよ
りも耐食性の劣るTiラスについて、アノードと
短絡無しの状態における耐食性を調べた。結果は
第2図の曲線に示す如く、Tiラスでは、めつ
き電圧45Vにおいて、白粉を生じ、Tiが腐食しは
じめたが(表面状態B)、40Vにおいては腐食が
生じなかつた。 耐食性が著しく向上する理由は必ずしも明らか
でないが、次のように推察される。バスケツト給
電部(+)とストリツプ(−)の電圧が直接ラス
にかからず、ラスにかかる電圧はラスとストリツ
プ間の電圧降下分である。すなわち、バスケツト
内の電圧降下分が差引かれ、この分だけ電圧が下
がり、高電流密度でも前記の酸化物破壊電圧に到
達しない。また、ラスには液を介して間接的に電
流が流れるが(バイポーラ)、ラス表面には不働
態酸化物皮膜が存在するので、電流が著しく小さ
くなることも耐食性向上原因の大きな理由と考え
られる。 以上のように、本考案に係る金属製ラスを取付
けたアノードを用いると、耐食性を著しく向上で
き、従来、使用できなかつた条件、すなわち塩化
物を主体とする液の電解用としてバスケツト型ア
ノードが使用可能になる。 ここで、金属製ラス材質の選択は電解液組成、
電流密度、電解時の電圧等の耐食性の面と金属の
価格に依存する。すなわち、耐食性はTiよりNb
が優れるが、価格はTiに比べて、Nbの方が約10
倍高価である。 第1図において、給電部をもつバスケツト型ア
ノード本体1のリブ3に前面ラス2を取付ける。
この際に、リブ3とラス2を絶縁するため、プラ
スチツク等の絶縁スペーサー4をはさみ、ボルト
5で固定する。ボルト5は強度のあるプラスチツ
ク(例えば、ポリカーボネート樹脂)あるいは絶
縁コーテイングした金属が使用できる。リブ3は
金属粒の充填スペース6の中に柱状で幅方向およ
び長手方向にチドリ状に配置するのが幅方向の電
流密度分布の均一性から望ましく、金属粒の充填
およびラス2の固定に支障をきたさない限り少な
くする。 また、ラス2が金属粒との接触で摩耗するよう
な使用条件では、ラス2の表面に薄いコーテイン
グを施すことができ、あるいは、ラス2とリブ3
の間にプラスチツク等の絶縁性ネツトをはさみ、
絶縁スペーサ4の代替と金属ラス2の摩耗を防止
する役割をもたすこともできる。 また、Ti,Nb以外の耐食性金属として、Ta,
Zrなどがあり、液種、電解条件によつて使用す
ると有効である。例えば、Taを使用することに
より、Nbの場合よりさらに厳しい腐食条件に耐
えることができる。 なお、本願考案における目的は、腐食性の強
い、塩化物を主体とする液を用いる電気めつきに
おいて、腐食することなく連続的に通電すること
の可能なバスケツトアノードを提供することにあ
るが、Niめつきおけるワツト浴のような、硫酸
塩と塩化物の混合浴においても、好適に使用可能
である。 実施例 以下、実施例によつて更に説明する。 実施例 1 第1図に示すようにバスケツト型アノード本体
の前面にTiラスを絶縁状態で取付け、Zn粒を充
填したものをアノードとして用い、次の中濃度塩
化物Znめつき浴中で鋼板をカソードとしてめつ
きを行なつた。 めつき浴組成 塩化亜鉛 100g/ 塩化カリウム 180g/ pH 4〜5 電流密度250A/dm2において、めつき電圧は
40Vであつたが、Tiラスは腐食せず、連続して通
電を行なうことができた。 また、比較として同一条件でバスケツトと前面
ラスを短絡状態で電解を行なつた結果、電流密度
90A/dm2において、Tiラスが腐食溶解した。そ
の時のめつき電圧は約15Vであつた。 実施例 2 実施例1のように絶縁状態でバスケツト型アノ
ードの前面にNbラスを取付け、Zn粒とNi粒を
別々に充填したものをアノードとして用い、次の
中濃度塩化物主体Zn−Niめつき浴中で鋼板をカ
ソードとして電解を行なつた。 めつき浴組成 塩化亜鉛 60g/ 塩化ニツケル 10g/ 硫酸ニツケル 10g/ 塩化カリウム 90g/ pH 4〜5 その結果、電流密度250A/dm2において、め
つき電圧は60Vであつたが、Nbラスは腐食せず、
連続して通電することができた。 また、比較としてバスケツトと前面ラスを短絡
状態でバスケツト型アノード本体の前面にNbラ
スを取付けた以外は同一条件でめつきを行なつた
結果、電流密度140A/dm2において、Nbラスが
腐食溶解した。その時のめつき電圧は約35Vであ
つた。 実施例 3 実施例1と同様に、バスケツト型アノード本体
の前面にTiラスを絶縁状態で取付け、Ni粒を充
填したものをアノードとして用い、次の組成のワ
ツト浴中で鋼板をカソードとして電解を行つた。 めつき浴組成 硫酸ニツケル 240g/ 塩化ニツケル 45g/ ホウ酸 30g/ その結果、電流密度250mA/dm2において、
電解電圧75Vであつたが、Tiラスは腐食せず、連
続して通電することができた。 <考案の効果> 以上説明したように、本考案は、金属粒を充填
したバスケツト型アノードの前面ラスとして、
TiまたはNbよりなるラスを、給電部をもつバス
ケツト型アノード本体と電気的に絶縁して取付け
てなることを特徴とするバスケツト型アノードで
あつて、本考案によつて、腐食性の大きい塩化物
を主体とするめつき浴において、前面ラスの金属
材料としてNbは勿論のこと低価格のTiを使用し
ても腐食することなく連続して長時間安定して通
電することが可能となつた。
ード電流密度、電圧およびラスの表面状態を第2
図に示す。 第2図の曲線IはNbラスでアノードと短絡有
りの場合を示す。めつき電圧30VでNbラス表面
がブルーイングし(表面状態A)、35Vでは濃く
着色した。さらに、電圧を上げ(同時に電流も高
くなる)40Vでは、Nbラス表面から白粉を生じ
Nbラスが溶解しはじめた(表面状態B)。曲線
は短絡無しの場合で、めつき電圧が70Vまで上昇
しても、Nbラス表面はほとんど変化せず、薄く
ブルーイング(表面状態A)する程度であつた。
すなわち、給電部が存在するバスケツト型アノー
ド本体に対して、前面ラスを絶縁状態(短絡無
し)で取付けることにより、ラスの耐食性が著し
く向上することを知見した。そこで、Nbラスよ
りも耐食性の劣るTiラスについて、アノードと
短絡無しの状態における耐食性を調べた。結果は
第2図の曲線に示す如く、Tiラスでは、めつ
き電圧45Vにおいて、白粉を生じ、Tiが腐食しは
じめたが(表面状態B)、40Vにおいては腐食が
生じなかつた。 耐食性が著しく向上する理由は必ずしも明らか
でないが、次のように推察される。バスケツト給
電部(+)とストリツプ(−)の電圧が直接ラス
にかからず、ラスにかかる電圧はラスとストリツ
プ間の電圧降下分である。すなわち、バスケツト
内の電圧降下分が差引かれ、この分だけ電圧が下
がり、高電流密度でも前記の酸化物破壊電圧に到
達しない。また、ラスには液を介して間接的に電
流が流れるが(バイポーラ)、ラス表面には不働
態酸化物皮膜が存在するので、電流が著しく小さ
くなることも耐食性向上原因の大きな理由と考え
られる。 以上のように、本考案に係る金属製ラスを取付
けたアノードを用いると、耐食性を著しく向上で
き、従来、使用できなかつた条件、すなわち塩化
物を主体とする液の電解用としてバスケツト型ア
ノードが使用可能になる。 ここで、金属製ラス材質の選択は電解液組成、
電流密度、電解時の電圧等の耐食性の面と金属の
価格に依存する。すなわち、耐食性はTiよりNb
が優れるが、価格はTiに比べて、Nbの方が約10
倍高価である。 第1図において、給電部をもつバスケツト型ア
ノード本体1のリブ3に前面ラス2を取付ける。
この際に、リブ3とラス2を絶縁するため、プラ
スチツク等の絶縁スペーサー4をはさみ、ボルト
5で固定する。ボルト5は強度のあるプラスチツ
ク(例えば、ポリカーボネート樹脂)あるいは絶
縁コーテイングした金属が使用できる。リブ3は
金属粒の充填スペース6の中に柱状で幅方向およ
び長手方向にチドリ状に配置するのが幅方向の電
流密度分布の均一性から望ましく、金属粒の充填
およびラス2の固定に支障をきたさない限り少な
くする。 また、ラス2が金属粒との接触で摩耗するよう
な使用条件では、ラス2の表面に薄いコーテイン
グを施すことができ、あるいは、ラス2とリブ3
の間にプラスチツク等の絶縁性ネツトをはさみ、
絶縁スペーサ4の代替と金属ラス2の摩耗を防止
する役割をもたすこともできる。 また、Ti,Nb以外の耐食性金属として、Ta,
Zrなどがあり、液種、電解条件によつて使用す
ると有効である。例えば、Taを使用することに
より、Nbの場合よりさらに厳しい腐食条件に耐
えることができる。 なお、本願考案における目的は、腐食性の強
い、塩化物を主体とする液を用いる電気めつきに
おいて、腐食することなく連続的に通電すること
の可能なバスケツトアノードを提供することにあ
るが、Niめつきおけるワツト浴のような、硫酸
塩と塩化物の混合浴においても、好適に使用可能
である。 実施例 以下、実施例によつて更に説明する。 実施例 1 第1図に示すようにバスケツト型アノード本体
の前面にTiラスを絶縁状態で取付け、Zn粒を充
填したものをアノードとして用い、次の中濃度塩
化物Znめつき浴中で鋼板をカソードとしてめつ
きを行なつた。 めつき浴組成 塩化亜鉛 100g/ 塩化カリウム 180g/ pH 4〜5 電流密度250A/dm2において、めつき電圧は
40Vであつたが、Tiラスは腐食せず、連続して通
電を行なうことができた。 また、比較として同一条件でバスケツトと前面
ラスを短絡状態で電解を行なつた結果、電流密度
90A/dm2において、Tiラスが腐食溶解した。そ
の時のめつき電圧は約15Vであつた。 実施例 2 実施例1のように絶縁状態でバスケツト型アノ
ードの前面にNbラスを取付け、Zn粒とNi粒を
別々に充填したものをアノードとして用い、次の
中濃度塩化物主体Zn−Niめつき浴中で鋼板をカ
ソードとして電解を行なつた。 めつき浴組成 塩化亜鉛 60g/ 塩化ニツケル 10g/ 硫酸ニツケル 10g/ 塩化カリウム 90g/ pH 4〜5 その結果、電流密度250A/dm2において、め
つき電圧は60Vであつたが、Nbラスは腐食せず、
連続して通電することができた。 また、比較としてバスケツトと前面ラスを短絡
状態でバスケツト型アノード本体の前面にNbラ
スを取付けた以外は同一条件でめつきを行なつた
結果、電流密度140A/dm2において、Nbラスが
腐食溶解した。その時のめつき電圧は約35Vであ
つた。 実施例 3 実施例1と同様に、バスケツト型アノード本体
の前面にTiラスを絶縁状態で取付け、Ni粒を充
填したものをアノードとして用い、次の組成のワ
ツト浴中で鋼板をカソードとして電解を行つた。 めつき浴組成 硫酸ニツケル 240g/ 塩化ニツケル 45g/ ホウ酸 30g/ その結果、電流密度250mA/dm2において、
電解電圧75Vであつたが、Tiラスは腐食せず、連
続して通電することができた。 <考案の効果> 以上説明したように、本考案は、金属粒を充填
したバスケツト型アノードの前面ラスとして、
TiまたはNbよりなるラスを、給電部をもつバス
ケツト型アノード本体と電気的に絶縁して取付け
てなることを特徴とするバスケツト型アノードで
あつて、本考案によつて、腐食性の大きい塩化物
を主体とするめつき浴において、前面ラスの金属
材料としてNbは勿論のこと低価格のTiを使用し
ても腐食することなく連続して長時間安定して通
電することが可能となつた。
第1図は本考案に係るバスケツト型アノードの
縦断面図、第2図はアノード電流密度と電圧およ
び表面状態を示すグラフである。 符号1……バスケツト型アノード本体、2……
前面ラス、3……リブ、4……絶縁スペーサー、
5……ボルト、6……金属粒充填スペース。
縦断面図、第2図はアノード電流密度と電圧およ
び表面状態を示すグラフである。 符号1……バスケツト型アノード本体、2……
前面ラス、3……リブ、4……絶縁スペーサー、
5……ボルト、6……金属粒充填スペース。
Claims (1)
- 金属粒を充填したバスケツト型アノードの前面
ラスとして、TiまたはNbよりなるラスを、給電
部をもつバスケツト型アノード本体と電気的に絶
縁して取付けてなるバスケツト型アノード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6209986U JPH0437907Y2 (ja) | 1986-04-24 | 1986-04-24 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6209986U JPH0437907Y2 (ja) | 1986-04-24 | 1986-04-24 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62175076U JPS62175076U (ja) | 1987-11-06 |
JPH0437907Y2 true JPH0437907Y2 (ja) | 1992-09-04 |
Family
ID=30896048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6209986U Expired JPH0437907Y2 (ja) | 1986-04-24 | 1986-04-24 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0437907Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5287654B2 (ja) * | 2009-10-20 | 2013-09-11 | 新日鐵住金株式会社 | バスケット型アノード |
-
1986
- 1986-04-24 JP JP6209986U patent/JPH0437907Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62175076U (ja) | 1987-11-06 |
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