JPH04370649A - 高輝度放電灯用発光管 - Google Patents

高輝度放電灯用発光管

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JPH04370649A
JPH04370649A JP3174456A JP17445691A JPH04370649A JP H04370649 A JPH04370649 A JP H04370649A JP 3174456 A JP3174456 A JP 3174456A JP 17445691 A JP17445691 A JP 17445691A JP H04370649 A JPH04370649 A JP H04370649A
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JP
Japan
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arc tube
tube
sealing member
temperature
alumina
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JP3174456A
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Koichi Hayashi
浩一 林
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高輝度放電灯用の発光
管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の高輝度放電灯用発光管(
以下、単に発光管という)は、主に石英ガラスから作製
されたり、アルミナにMgO,La2O3,Y2O3等
を透光性を改善する目的で微量添加しこれを焼結させて
得られる透光性セラミック(主にアルミナ)から作製さ
れている。
【0003】この場合、透光性アルミナからなる発光管
にあっては、一般に、次のようにして380〜760n
mの波長の光(以下、単に可視光という)に対する直線
透過率を実用的な数値(500nmの波長の光に対して
約60%:肉厚0.5mm)としている。つまり、上記
MgO等の焼結助剤により焼結時の異常粒成長を抑制し
ながら結晶を数十μmの粒径にまで均一に粗大化させる
とともに、粒界には上記添加物を偏析させて強制的にス
ピネル相を生成させ粒界相の屈折率が光学的に等方性と
なるようにして粒界における光の散乱を抑制し、500
nmの波長の光に対する60%程度の直線透過率(肉厚
0.5mm)を確保している。
【0004】そして、図7に示すように、石英ガラスや
上記透光性アルミナから作製された発光管50は、両端
が開口した円筒体であり、この両端の開口部を、一対の
主電極を封止して保持するための二つの電極保持穴51
,52とする。この各電極保持穴周囲の着座面には、主
電極54,55をそれぞれ焼結固定したセラミックの封
止部材56,57が固着される。つまり、発光管50は
、封止部材を介して主電極を保持している。
【0005】発光管50の内部には、始動用希ガスの他
に、発光管が用いられる高輝度放電灯に応じた放電用金
属成分、例えば高圧水銀灯であれば水銀が、メタルハラ
イドランプであればナトリウム等のアルカリ金属などの
ハロゲン化物等が、数十Torrの内圧で封入されてい
る。
【0006】この放電用金属成分の封入に当たっては、
封止部材56,57の一方を予め発光管50に固着し、
その後、固体の放電用金属成分を管内に入れて所定内圧
を保ちつつ他方の封止部材を発光管50に固着する。こ
の際、内圧はアルゴン等の希ガスにより数十Torrに
調整される。そして、各封止部材の固着に当たっては、
各電極保持穴周囲の端面と封止部材の固着面との隙間に
所定の封止材を充填し、この封止材を局部加熱して溶融
し、その後、冷却・固化させる。
【0007】一般に、発光管は、始動用希ガスや上記種
々の放電用金属成分(固体)を数十Torrの内圧で封
入しており、その放電時には管壁温度が900℃にも達
するとともに、温度上昇に伴って内圧も高くなる。また
、さらに高輝度を得るために点灯状態における管壁温度
を1200℃にまですることが行なわれつつある。この
ため、石英ガラスや上記した透光性アルミナで作製され
た従来の発光管では、以下に説明するような理由から厚
肉化が図られている。
【0008】上記したように管壁温度が900〜120
0℃にまで達した安定な点灯状態では、発光管内では放
電用金属成分として封入されているアルカリ金属などの
ハロゲン化物(例えばNaI)が蒸発遊離してイオンと
なる。このため、石英ガラス製の発光管においては、こ
の金属イオンが石英ガラスと反応して、石英ガラス表面
から腐食が生じ、同時に金属が石英ガラスに含浸吸収さ
れる。これに伴い、輝度は低下し、最終的に石英ガラス
の劣化によりクラックが発生し、管内の放電金属成分が
管外に漏洩してしまう。こうして、高圧放電灯(以下、
ランプという)の寿命が短時間の内に尽きてしまう。従
って、ランプの長寿命化を図るためには、発光管の内面
に当初発生した劣化部分が発光管の外表面に進展するま
での期間が長くなるよう、発光管を厚肉とすることで上
記不具合を回避している。
【0009】一方、上記した透光性セラミックからなる
発光管では、石英ガラスの発光管に見られるような遊離
した金属イオンによる発光管内壁の侵食、即ちアルミナ
結晶粒子内部への金属の含浸等は見られないものの、以
下に説明する理由から厚肉化を余儀なくされている。セ
ラミックにおける機械的強度は、セラミックを構成して
いる結晶粒子の大きさに依存し、結晶粒子の粒径が大き
くなるほど機械的強度(曲げ強度,ワイブル係数等)が
低下することがよく知られている。更に、MgO等を添
加することによって粒界に生成したスピネル相などの粒
界相は、常温環境下では高強度を有するものの、高温環
境下においては容易に軟化するため、これに伴い機械的
強度が低下する。したがって、室温(常温)において数
十Torrの内圧を有する発光管の管壁温度が900〜
1200℃に達した時に発光管が内圧の増加により破壊
されないようにするために、その機械的強度を肉厚を厚
くすることにより確保している。
【0010】更に、粒界相は、ガラスに近似した組成を
備えるので、上記した石英ガラスと同様に、アルミナ結
晶粒子内部に比較して遊離金属イオンによる劣化が著し
い。このため、発光管の内壁の粒界相に起きた劣化が粒
界に沿って外壁にまで進展すると、管内の放電金属成分
が粒界を介して管外に漏洩する。従って、外壁にまでの
劣化の進展に要する行程(距離)を長くする点からも発
光管の肉厚を厚くすることが行なわれている。
【0011】また、管壁温度の温度上昇に伴って内圧が
高くなるので、蒸発した放電用金属成分が各電極保持穴
と封止部材との固着箇所から漏洩しないように、より多
くの封止材で封止部材を電極保持穴に強固に固着すべく
、発光管を厚肉化して電極保持穴端面と封止部材端面の
接触面積を広くすることが行なわれている。
【0012】以上のような理由から、従来の発光管では
その肉厚を最低でも約0.6mm以上に設定しなければ
ならなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに発光管を厚肉化すれば、内圧の増加に耐えられる機
械的強度を確保したり、或いは電極保持穴端面と封止部
材端面の接触面積の拡大に起因して封止部材を強固に固
着できるものの、次のような問題点が指摘されている。
【0014】即ち、肉厚の増大に伴って発光管の熱容量
は増大するので、主電極間に形成されたアーク放電の熱
による発光管の発光部全体の温度上昇に時間を要する。 このため、管内の放電用金属成分が蒸発して飽和蒸気圧
となる定常状態の所定温度にまで発光管の温度が上昇す
る時間を増大させる欠点があり、上記定常状態に到るま
でに約30秒以上を要していた。
【0015】そこで、薄肉化すれば始動時間の短縮は図
れるものの、既述したように、機械的強度の不足と封止
部材の固着の信頼性が低下する。
【0016】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、反応性に富む金属ガスに900〜1200℃とい
った高温かつ高圧下で晒される劣悪な使用環境に耐えう
る機械的強度と耐蝕性とを具備した薄肉の発光管であり
ながら、電極を焼結固定した封止部材を電極保持穴に強
固に固着することができる発光管を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の採用した手段は、透光性セラミックからな
る高輝度放電灯用発光管であって、一対の主電極が封入
される放電空間を管路から形成し、該管路両端の開口部
端面に、主電極を固定した封止部材が封止材を介して密
着固定される鍔部を備え、前記透光性セラミックは、9
9.99mol%以上の高純度アルミナ微粉末を焼結し
た透光性アルミナであり、該透光性アルミナの結晶粒子
の平均粒径が1μm以下で、最大粒径が2μm以下であ
ることをその要旨とする。
【0018】
【作用】上記構成を有する高輝度放電灯用発光管は、管
路の両端開口部に備えた鍔部の端面を、主電極を固定し
た封止部材が封止材を介して密着固定される際の接触面
とするので、封止部材を広い面積の鍔部端面に渡って接
触させて固着する。
【0019】また、高純度のアルミナを焼結した透光性
アルミナからなる高輝度放電灯用発光管であるとともに
、結晶粒子の平均粒径が1μm以下で、最大粒径が2μ
m以下であることから、従来の透光性アルミナに比べて
極めて微細な結晶構造を備える。更に、不純物は、焼結
前のアルミナ中にごく僅か(トータルで最大0.01m
ol%以下)しか含まれていないので、不純物はアルミ
ナに総て固溶し、スピネル相などの粒界相をほとんど形
成しない。このため、上記した結晶粒子の微細化と粒界
相の非形成とに基づいて、常温から放電時温度に亘って
の機械的強度が改善されるとともに、反応性に富む金属
ガスに対する耐蝕性を備えるので、両端開口部の鍔部間
に渡って高輝度放電灯用発光管の薄肉化を可能とする。
【0020】高輝度放電灯用発光管を作製するための従
来の透光性アルミナは、MgO等の焼結助剤とともに焼
結して結晶粒子を粗大化させて透光性を発現させたもの
である。これに対して、本発明の透光性アルミナが従来
の透光性アルミナとは異なる微小結晶粒径を備えながら
透光性を有する根拠は、次のように考えられる。
【0021】まず第1に、上記したように粒界相を形成
しないので、一般の透光性アルミナでは光の散乱因子と
して作用していた粒界相による影響が排除されて、可視
光に対する直線透過率の向上をもたらすと考えられる。
【0022】更に、以下のように推察される。結晶粒子
及び結晶子の断面がいずれも円形であると仮定すると、
直径dの結晶子がn個集まって直径Dの結晶粒子を構成
する場合、次の関係式■が成り立つ。 ■      n=(D/d)^2(演算子^はべき乗
を表わす) この関係式から算出されるnの値は、1個の結晶粒子の
断面に含まれる結晶子界面に換算できる。
【0023】高純度のアルミナから得られた種々の透光
性アルミナ(平均粒径:0.72,0.85,0.99
,1.16,1.35,1.52μm)についての格子
定数をX線回折装置を用いて求め、結晶子の直径dと回
折線の幅とを関係づけるScherrerの式に従い(
012)の回折ピークから上記各平均粒径の透光性アル
ミナの結晶子の直径dを算出したところ、結晶子の直径
dは結晶粒子の大きさに左右されることなく一定であっ
た。なお、Scherrerの式は、「P.Galle
zot,”Catalysis,Scienceand
 Technology,vol.5 p221,Sp
ringer−Verlag (1984)” 」や「
P.Scherrer,”Gottinger Nac
hrichen, 2, 98(1918)”」に紹介
されている。従って、上記関係式■から、結晶粒子の直
径D(平均粒径)が小さくなるほど1個の結晶粒子中に
おける結晶子界面は少ないといえる。
【0024】一般に、光がセラミックのような多結晶体
に入射された場合、その散乱は屈折率の不連続な面、即
ち原子配列の不連続な部分で起こると考えられている。 結晶粒子中の結晶子界面は、この原子配列の不連続な部
分にほかならないので、光の散乱を引き起こす。このた
め、結晶粒子中における結晶子界面が少なければ少ない
ほど、即ち結晶粒子の直径Dが小さいほど、光の散乱因
子である結晶子界面による影響が小さくなり、可視光に
対する直線透過率の向上をもたらすと考えられる。
【0025】
【実施例】次に、本発明にかかる発光管の好適な実施例
について、図面に基づき説明する。図1に示すように、
本実施例の発光管1Jは、両端の開口部端面にそれぞれ
フランジ(鍔部)1gを備え、開口部を後述する封止部
材が固着されて主電極を保持するための電極保持穴1a
とする円筒状の発光管である。この電極保持穴1aの内
径(発光領域の内径d)は約4.0mmであり、両フラ
ンジ間の発光領域管路1hの肉厚は約0.2mmである
。また、フランジ1gのフランジ外径は約5.2(4.
0+0.6×2)mm、フランジ幅は約0.5mmであ
る。
【0026】次いで、この発光管1Jの製造工程につい
て、図2の工程図を用いて説明する。まず、発光管1J
の原料となるアルミナ微粉末の合成について説明する。 このアルミナ微粉末を合成するには、熱分解すると純度
99.99mol%以上のアルミナになるアルミニウム
塩を、その出発原料として用意する。このような高純度
のアルミナ合成用のアルミニウム塩としては、アンモニ
ウムミョウバン、或いはアルミニウム・アンモニウム・
カーボナイト・ハイドロオキサイト(NH4AlCO3
(OH)2 )等を例示することができる。
【0027】こうして用意したアルミニウム塩を秤量し
、蒸留水及び分散剤を用いて一旦懸濁水溶液とし、これ
を噴霧乾燥法により乾燥させる。その後、熱分解してア
ルミナ単独の微粉末を得る。ここで、熱分解を行なうに
当たっては、大気中で900〜1200℃、例えば、1
050℃で2時間処理する。つまり、この噴霧乾燥及び
熱分解を経ることにより、平均粒径が0.2〜0.3μ
mで、純度が99.99mol%以上のアルミナ微粉末
が合成される。なお、合成されたアルミナ微粉末は、上
記粒径のアルミナ微粉末が凝集してこの粒径より大きな
2次凝集体として得られる。
【0028】そして、上記のように合成したアルミナ微
粉末(2次凝集体)に、アクリル系熱可塑性樹脂を主体
とした有機バインダーを配合し、これを有機溶媒(ベン
ゼン)を使ってプラスチック(ナイロン)ボールミルに
て約24時間に亘って湿式混合し、有機バインダーとア
ルミナ微粉末を十分に濡らす。さらに、蒸留乾燥して溶
媒を取り除き、所望粘度(50,000〜150,00
0 cps)のコンパウンドを混練調製する(工程1)
【0029】なお、上記有機バインダーは、アクリル系
熱可塑性樹脂とパラフィンワックスとアタクティックポ
リプロピレンとの混合物である。そして、アルミナ微粉
末100gに対するこれら有機バインダーの配合量は、
総量で25gである。
【0030】上記有機バインダーにおける各成分は、次
のように配合されており、各成分の合計が上記有機バイ
ンダーの総量(25g)となる。 アクリル系熱可塑性樹脂      20〜23g(好
ましくは21.5g) パラフィンワックス          3g以下(好
ましくは2.0g) アタクティックポリプロピレン    2g以下(好ま
しくは1.5g)
【0031】なお、コンパウンドの調製時の蒸留乾燥に
当たっては、130℃で24時間蒸留乾燥させ、その後
、アルミナ製のロールミルを用いて加熱混練(130℃
)を行なって所望の粘度のコンパウンドを得る。
【0032】その後、図示しない射出成形装置の金型に
おけるキャビティに上記コンパウンドを射出して、図3
(a)に示すような円筒状の成形体W0 を作製する(
工程2)。コンパウンドの射出に際しては、予めコンパ
ウンドが130〜200℃(好ましくは180℃)に加
熱されてから、900〜1800kg/cm2 の射出
圧力で射出機のノズルから射出される。
【0033】次いで、所定の条件下で保圧状態を維持し
(180〜800kg/cm2 の保圧圧力を0.5〜
5秒間継続する)、その間に射出空間内でコンパウンド
を固化させ、成形体W0 を形成する(図3(a))。 こうして得られる成形体W0 は、0.99以上の転写
性(成形体の寸法/金型の寸法)で形成されており、0
.99以上の真円度と0.99以上の収縮率(径方向/
軸方向)とを備える。なお、この成形体W0 の寸法は
、焼結後の内径及び外径が上記した発光管1Jの電極保
持穴の径及びフランジ外径となるよう、焼結時の体積収
縮を見込んで設定されており、成形体の内径は約4.8
5mmで、その外径は約6.3mmである。
【0034】上記した射出成形工程(工程2)の実施後
には、得られた成形体W0 を射出成形装置の金型から
離型する(工程3)。
【0035】次に、窒素雰囲気中で、アクリル系熱可塑
性樹脂等の有機バインダーが熱分解して完全に炭化する
温度まで加熱する初期熱処理を成形体W0 に施し、成
形体W0 を脱脂する(工程4)。この初期熱処理にお
ける具体的な加熱上限温度は、使用する熱処理炉の能力
や有機バインダーの熱分解温度に応じてて決定すればよ
く、本実施例では室温(20℃)から450℃まで72
時間かけて昇温した。その他の処理条件は以下の通りで
ある。なお、450℃までの昇温の間は、一定圧力を維
持した。 処理圧力          1〜8kg/cm2 (
最適圧力8kg/cm2 ) 20℃から450℃まで昇温させる時間       
   72時間以下 つまり、初期熱処理を行なうことによって、コンパウン
ド調製時に配合されたアクリル系熱可塑性樹脂,パラフ
ィンワックス,アタクティックポリプロピレン等の有機
バインダーを熱分解して炭化させ、成形体W0 を脱脂
する。
【0036】次いで、この初期熱処理を経た脱脂体W0
 に、大気中で以下の条件に従った後段熱処理を施し、
成形体W0 を焼結する(工程5)。こうして焼結体W
が得られる。この際、100℃/時間で昇温した。 処理温度        1200〜1300℃(最適
温度1235℃) 上記処理温度での保持時間      0〜4時間(最
適時間2時間) ここで、焼結を1200〜1300℃の温度範囲で行な
うようにしたのは、焼結後の密度を理論密度に対して9
5%以上として後工程の熱間静水圧プレスがかかるよう
にするとともに、焼結体における粗大結晶の形成を回避
するためである。つまり、上記焼結を1200℃以下で
行なうと、焼結後の密度が理論密度に対して95%を下
回り熱間静水圧プレスがかからず、1300℃以上では
焼結体における粗大結晶の形成頻度が増し強度上不利と
なるからである。
【0037】上記初期熱処理及び後段熱処理を施して脱
脂後に焼結することにより、その体積収縮は焼結前の成
形体の82.5%となり、焼結後の充填率はほぼ100
%(嵩密度3.976)となる。また、この後段熱処理
の完了までに、前記初期熱処理時に変成した炭化物は焼
結体Wから完全に燃焼除去される。
【0038】その後、この焼結体Wに、アルゴン雰囲気
中、或いは20vol%以下の酸素を含有するアルゴン
雰囲気中で次の条件に基づく熱間静水圧プレスを施す(
工程6)。この際、200℃/時間で昇温した。こうし
て、工程5を経た焼結体Wに透光性が発現し、透光性ア
ルミナからなる円筒体が得られる。この円筒体は、約4
.0mmの内径と、約5.2mmの外径を備え、その肉
厚は約0.6mmである。 処理温度          1200〜1250℃(
最適温度1230℃) 処理圧力          1000〜2000at
m(最適圧力1000atm) 処理時間                1〜   
   4時間(最適処理2時間) ここで、熱間静水圧プレスを上記温度範囲と圧力範囲で
行なうようにしたのは、所望する高い透光性を得るとと
もに機械的強度を改善し、熱間静水圧プレスをかけてい
る最中の破損を回避するためである。つまり、熱間静水
圧プレスを1200℃未満或いは1000atm未満で
行なうと透光性が発現するものの低い透光性しか得られ
なかったり、逆に1250℃を超えると異常粒成長を促
進させて機械的強度や透光性の低下を招き、2000a
tmを超えると焼結体中に存在するポアや傷などが極め
て微細であっても傷等が存在する箇所に応力集中が起こ
りクラックが発生したりするからである。
【0039】次に、透光性アルミナからなる円筒体Hの
両端面及び外周面に、図3(b)に示すように、ダイヤ
モンド研削砥石161,163,165による研削加工
(トラバース研削,プランジ研削)を施して、円筒体H
を、図3(b)中に一点鎖線で示す研削ラインKA,K
Bに沿って研削するとともに、円筒体Hの内面を0.5
μmの粒径のダイヤモンド砥粒を付着させたブラシにて
研削研磨する(工程7)。
【0040】この工程7を経ると、図3(c)及び図1
に示すように、その両端にフランジ1g及び電極保持穴
1aを備え、両フランジ間に薄肉の発光領域管路1hを
備えた発光管1Jが作製される。この発光管1Jは、発
光領域の内径dが約4.0mm、発光領域管路1hの肉
厚が約0.2mm、フランジ外径が約5.2mm、また
その全長が約40mmであり、以下に記すような物性を
備える。なお、研削ラインKAに沿った円筒体Hの端面
研削により、発光管端面には、後述する封止部材の着座
面が形成される。また、上記ブラシによる内面研磨及び
研削ラインKBに沿ったダイヤモンド研削砥石165に
よる外面研削により、発光管内外表面の凹凸等が除去さ
れて表面における光の散乱が回避され、直線透過率が改
善される。 可視光(波長380〜760nm)に対する直線透過率
:  70%以上 500nmの波長の光に対する直線透過率:82%(肉
厚:0.5mm) 焼結粒子の平均粒径:  約0.7μm(最大粒径約1
.4μm) 機械的強度(JIS  R1601) 曲げ強度  St (室温)=98kg/cm2 (900℃)=81kg/cm2 ワイブル係数 (室温)=9.3 (900℃)=8.1
【0041】粒径や強度の測定には、上記本実施例の発
光管1Jの代替え品として別途作製した試料(形状,厚
み等についてはJIS  R1601に準ずる)を用い
た。なお、試料の作製に当たっては、上記した工程にお
ける諸条件に従った。
【0042】粒径の算出は、形状,厚み等がJIS  
R1601に準ずるよう別途作製した上記試料の表面を
ダイヤモンド砥粒にてラップし、更に溶融した水酸化カ
リウムで粒界エッチングを施した後、走査型電子顕微鏡
により試料表面を観察し、結晶粒子の輪郭を画像解析す
ることにより行なった。なお、画像解析に当たっては、
結晶粒子を球体や多角形体として仮定して、その直径や
頂点間距離の最大値を粒径算出に用いた。結晶粒子を球
体と仮定して算出した粒径の分布図を図4に示す。
【0043】直線透過率の測定については、別途作製し
た上記試料を0.5mm厚とし両面をラップ仕上げした
後、ダブルビーム分光光度計により求めた。
【0044】なお、透過型電子顕微鏡(TEM)による
組織観察の結果、光の散乱源となる粒界相や結晶粒子内
部の空隙並びに格子欠陥等の存在は認められなかった。
【0045】そして、図5に示すように、この発光管1
Jの一方の電極保持穴1aに主電極コイル2を焼結固定
したセラミックの封止部材4(図6参照)を所定の封止
材にて固着する。その後、こうして片側が封止された発
光管1J内に所定の始動用希ガス金属及び所望の色で発
光する放電用物質(Sn系,Na−Tl−In系,Sc
−Na系,Dy−Tl系合金又は各金属のハロゲン化物
)のアマルガムを入れ、主電極コイル3を焼結固定した
セラミックの封止部材4を発光管1Jの他方の電極保持
穴1aに所定の封止材にて固着する。なお、こうして管
内に封止された主電極コイル2,3間の距離は、約30
mmである。また、上記放電用物質の封入に際しては、
発光管の内圧が数十Torrになるようアルゴン等の始
動用希ガスにより調整される。
【0046】封止部材4及びこれを固着するための封止
材の材質としては、例えば、発光管の表面改質のために
CuO又はNiOを含有したアルミナ系のサーメットや
、CaO−Al2O3−MgO系のソルダーガラス等を
例示することができる。上記アルミナ系サーメットから
なる封止部材は、管壁温度が約1200℃に達するよう
な発光管に適し、ソルダーガラスからなる封止部材は、
管壁温度が約900℃に達するような発光管に適してい
る。そして、上記ソルダーガラス製の封止部材及び封止
材を使用した場合には、封止材は、所定温度(約137
0℃)に局部加熱されて溶融し、冷却後に固化して発光
管1Jと封止部材4とを完全に気密・封着する。このよ
うに主電極を取り付けた状態の発光管1Jは、一般に、
メタルハライドランプ等の高圧放電灯の外管内に組み込
まれて使用される。
【0047】そして、放電用物質としてHg−NaI(
0.11g)を封入した本実施例の発光管に100Vの
電圧(46W)を印加し点灯させたところ、輝度が安定
するまでの時間、即ち、管内の放電用金属成分が蒸発し
て飽和蒸気圧となって発光状態が定常状態となるまでの
時間(始動時間)は、約6秒であった。なお、この定常
状態における輝度は、183,000 ntであった。 また、放電用物質としてHg−TlI−InI3 (0
.13g)を封入して上記点灯試験を行なったところ、
240,000 ntの輝度で安定するまでに約5秒を
要した。
【0048】また、上記各輝度で発光を継続したところ
、Hg−NaIを封入した本実施例の発光管にあっては
4,000 時間の長期に亘って点灯を継続しても、な
んら発光管に異常はなく、Hg−TlI−InI3 を
封入した本実施例の発光管にあっては3,000 時間
の長期に亘って点灯を継続してもなんら発光管に異常は
見られなかった。つまり、腐食性の高い放電用金属成分
であるこれらHg−NaIやHg−TlI−InI3 
を封入した場合であっても、上記した長期間に亘って点
灯を継続しても異常は見られないのである。
【0049】以上説明したように、本実施例の発光管1
Jによれば、両端に備えたフランジ1g(内径:4.0
mm,フランジ外径:5.2mm)の端面に渡って封止
部材4を接触させて、従来の発光管(内径:4.0mm
,外径:5.2mm,肉厚:0.6mm)と同様に、多
くの封止材で封止部材を強固に固着することができる。
【0050】また、本実施例の発光管1Jは、平均粒径
が約0.7μmで最大粒径が約1.4μmの微細な結晶
粒子からなる透光性アルミナであるとともに、アルミナ
の純度が高いことに起因して粒界相を形成しないので、
常温から放電時温度に亘っての機械的強度(曲げ強度,
ワイブル係数)が、MgO等の焼結助剤とともに焼結し
て結晶粒子を粗大化させた一般的な透光性セラミックの
発光管に比べて改善される。この結果、本実施例の発光
管1Jによれば、発光管の主要部を占める発光領域管路
1hを約0.2mm程度の薄肉とすることができるので
、発光管自体の熱容量を減少させて発光管を速やかに所
定温度まで昇温させることができる。つまり、封入した
放電用金属成分が蒸発して飽和蒸気圧となり発光が安定
するまでの始動時間の短縮化を図ることができる。
【0051】更に、粒界相を形成しないとともに、光の
散乱因子となる結晶粒子内部の結晶子界面を微小粒径に
基づいて少なくしたことに起因して、光が発光管1Jの
壁面を透過する間における光の散乱を抑制し、380〜
760nmの波長の光(可視光)に対する70%以上の
高い直線透過率を備える。このため、この発光管1Jを
用いた高圧放電灯における輝度が向上する。
【0052】加えて、従来のように粒界相が存在しない
ことから、放電用金属蒸気成分(イオン)による粒界へ
の侵食が抑制されて、発光管外への放電用金属蒸気成分
のリークが薄肉であっても阻止される。つまり、薄肉で
あっても発光管壁面からの放電用金属蒸気成分の漏洩が
阻止されるので、より高輝度放電灯の長寿命化を図るこ
とができる。
【0053】以上本発明の一実施例について説明したが
、本発明はこの様な実施例になんら限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
【0054】例えば、本実施例では発光管を作製するに
当たって、射出成形法を採用したが、周知の押出成形法
やプレス成形法といった適宜な成形方法を用いてもよい
【0055】また、発光領域管路1hの肉厚を約0.2
mmとしたが、研削によって0.05mm程度まで薄肉
化しても、使用上差し支えない。加えて、直線管路に限
らず、湾曲した管路を有するU字状の発光管であっても
よいことは勿論である。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の高輝度放電
灯用発光管によれば、電極を固定した封止部材を封止材
によって密着固着する際に、両端の開口部に備えた鍔部
の端面に渡って封止部材を接触させるので、封止部材と
高輝度放電灯用発光管端面との接触面積が広くなること
に起因して、多くの封止材で封止部材を強固に固着する
ことができる。
【0057】更に、平均粒径が約1μm以下で最大粒径
が約2μm以下の微細な結晶粒子からなる高純度な透光
性アルミナであるとともに、アルミナの純度が高いこと
に起因して粒界相をほとんど形成しないので、常温から
放電時温度に亘っての機械的強度(曲げ強度,ワイブル
係数)が、MgO等の焼結助剤とともに焼結して結晶粒
子を粗大化させた一般的な透光性セラミックの発光管に
比べて改善される。この結果、本発明の高輝度放電灯用
発光管によれば、発光管の主要部を占める管路の肉厚を
薄肉することができる。また、薄肉化に付随して発光管
自体の熱容量が減少するので、発光管の発光部全体を速
やかに所定温度まで昇温させて、封入した放電用金属成
分が蒸発して飽和蒸気圧となって発光が安定するまでの
始動時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の発光管1Jの斜視図。
【図2】発光管1Jの製造工程を説明するための工程図
【図3】発光管1Jの製造工程を説明するための説明図
【図4】発光管を構成する透光性アルミナにおける粒径
分布を表わすグラフ。
【図5】発光管1Jの組立状態を説明するための説明図
【図6】発光管1Jの電極保持穴に固着される封止部材
4の斜視図。
【図7】従来の発光管の断面図。
【符号の説明】
1J  発光管 1a  電極保持穴 1g  フランジ 1h  発光領域管体 2  主電極コイル 3  主電極コイル 4  封止部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  透光性セラミックからなる高輝度放電
    灯用発光管であって、一対の主電極が封入される放電空
    間を管路から形成し、該管路両端の開口部端面に、主電
    極を固定した封止部材が封止材を介して密着固定される
    鍔部を備え、前記透光性セラミックは、99.99mo
    l%以上の高純度アルミナ微粉末を焼結した透光性アル
    ミナであり、該透光性アルミナの結晶粒子の平均粒径が
    1μm以下で、最大粒径が2μm以下であることを特徴
    とする高輝度放電灯用発光管。
  2. 【請求項2】  前記封止部材を前記鍔部に封止材を介
    して密着固定して、一対の主電極を前記管路内に封止す
    るとともに、発光に必要な金属成分を管内に封入した請
    求項1記載の高輝度放電灯用発光管。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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