JPH0436664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、中空二重壁構造でその内壁面にバン
ドをリベツトで固着したプラスチツクケースに関
するものである。

従来の技術 従来、中空二重壁構造のプラスチツクケース等
においては、収納物品等を固定するバンドや各種
ブラツケツト、ホルダおよび台板等をリベツトに
よつて取付けたものが一般に用いられている。

考案が解決しようとする問題点 ところで、中空二重壁構造のプラスチツクケー
ス等の中空体においては、バンド等をリベツトで
固着する壁面の裏側が、対向している他方の壁面
で覆われているので、リベツトは壁面にあけた孔
に挿通して一方の面から締め付けるのみであつ
て、十分な取付強度を得られないことがあり、バ
ンド等の固着強度が低く、しばしばその取付け部
に緩みを生ずる虞れがあつたのである。

また、従来の中空二重壁構造のプラスチツクケ
ースにおいては、ケースの成形後に、その内壁に
ドリルなどを用いてリベツト孔をあけているの
で、孔をあける際の樹脂の削り屑が中空部に落ち
込んでそのまま閉じこめられてしまい、ケースを
動かすたびに中空部内で移動して、異常音を生じ
させるという問題点があつた。

本考案は、上記のような問題点を解消しようと
するものであり、中空二重壁構造の内壁にバンド
をリベツトで容易に、しかも取付部に緩みを生じ
させることなく、確実強固に固着することができ
るうえ、バンドを取付けるリベツトの埋没部が外
壁および内壁面ともに露出せず、外観性に優れて
おり、さらに、ケースの成形時にリベツト凹部を
形成できて、中空部に樹脂屑を落とすことなく、
動かしても異常音の全く生じないプラスチツクケ
ースを提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、その目的を達成するため技術的手段
として、次のように構成した。

すなわち、その構成は、中空二重壁構造でその
内壁面にバンドをリベツトで固着したプラスチツ
クケースにおいて、ケースの成形時に中空二重壁
の内壁にリベツトを挿入するリベツト凹部を形成
すると共に、このリベツト凹部の開口端周囲にリ
ベツトの頭部より若干大きい凹部を形成し、リベ
ツト凹部に挿入して圧縮緊締するリベツトの頭部
でバンドの取付部を上記凹部に変形没入させてケ
ースの内壁面にバンドを固着するように構成した
プラスチツクケースである。

作 用 中空二重壁構造のプラスチツクケースの内壁に
バンドをリベツトで固着するには、バンドにリベ
ツトを嵌合し、そのリベツトをリベツト凹部に挿
入したうえ、リベツトを圧縮緊締してバンドを固
定するが、リベツト凹部の開口端周囲には凹部が
形成されているので、バンドの取付部は圧縮され
るリベツトの頭部に押さえられて変形し、凹部に
没入した状態となつて固定される。したがって、
壁面に取付けられるバンドの取付強度はきわめて
大である。

実施例 本考案の一実施例を図面について説明する。

図面には、中空二重壁構造のプラスチツクケー
スが例示されており、第１図にはケースを開いた
状態のケース本体１が示されている。このプラス
チツクケースはブロー成形によつて構成され、第
２図に示すように、ケース本体１と開閉自在の蓋
体２からなり、蓋体２はヒンジ３によりケース本
体１に対して開閉自在となつている。４は手提げ
ハンドル、５，５はラツチである。

上記ケース本体１内には、各種物品の収納リセ
ス６が複数形成されており、各収納リセス６の外
周部には、収納部品を固定するためのバンド７，
７がリベツト８，８によつて取付けられている。
このバンド７は変形可能な布、シート等の部材か
らなり、第３図に示すように、その両端部が互い
に係止する係止面（マジツクテープ登録商標）と
なつている。９は収納された物品である。

第４図ないし第６図には、前記バンド７の取付
構造の詳細が示されている。すなわち、収納リセ
ス６の外周部は中空体であるが、その部分にリベ
ツト凹部１０が中空体の対向壁の方向に凹となる
ように形成されている。このリベツト凹部１０の
底部側の周面が薄肉状部１０ａとなつており、そ
の底部は対向壁に溶着して一体化してもよい。バ
ンド７を固着するリベツト８は頭部８ａおよび筒
形で先端に膨張部８ｃを有する軸状部８ｂからな
るものであつて、筒形の軸状部８ｂには先端に膨
頭部１１ａを有する緊締棒１１が挿通されてい
る。リベツト凹部１０の開口端周囲にはリベツト
８の頭部８ａより若干大きい凹部１２が予め形成
されている。

このように構成された固着構造において、バン
ド７を固着するには、バンド７にリベツト８を嵌
合し、リベツト凹部１０に挿入する（第４図）。
そして、緊締棒１２を引き抜く方向に強く引け
ば、リベツト８の軸状部８ｂは、その先端部が緊
締棒１１の膨頭部１１ａによつて圧縮されると共
に外側に膨張し（第５図）、リベツト凹部１０の
周面を押し開くようにそれを膨張変形させながら
リベツト８とリベツト凹部１０が違いに噛み合う
密着状態となる。そして、最終的にはリベツト８
の圧縮変形によつて、その頭部８ａがバンド７の
取付部を押して凹部１２に没入させるので、バン
ド７は凹部１２に噛み込んだ状態となつて強固に
固着される（第６図）。

なお、リベツト凹部１０は、第４図ないし第６
図に１０ａで示すようにその底部側の周面部材が
薄肉となつているので、前記のごときリベツト８
の圧縮膨張に伴つてリベツト凹部１０の拡開変形
が容易である。

考案の効果 本考案によれば、中空二重壁構造の内壁にバン
ドをリベツトで容易に、しかも取付部に緩みを生
じさせることなく、確実強固に固着することがで
きるうえ、バンドを取付けるリベツトの埋没部が
外壁および内壁面ともに露出せず、外観性に優れ
ており、さらに、ケースの成形時にリベツト凹部
を形成できて、中空部に樹脂屑を落とすことな
く、動かしても異常音の全く生じないプラスチツ
クケースを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は中空
体として中空二重壁構造のプラスチツクケースを
例示しており、ケースを開いた状態のケース本体
の正面図、第２図は同上プラスチツクケースの全
体斜視図、第３図はケース本体の収納リセス部分
の拡大斜視図、第４図ないし第６図は、それぞれ
バンドの固着部分を示す断面図である。 １……ケース本体、２……蓋体、６……収納リ
セス、７……バンド、８……リベツト、１０……
リベツト凹部、１１……緊締棒、１２……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空二重壁構造でその内壁面にバンドをリベツ
   トで固着したプラスチツクケースにおいて、ケー
   スの成形時に中空二重壁の内壁にリベツトを挿入
   するリベツト凹部を形成すると共に、このリベツ
   ト凹部の開口端周囲にリベツトの頭部より若干大
   きい凹部を形成し、リベツト凹部に挿入して圧縮
   緊締するリベツトの頭部でバンドの取付部を上記
   凹部に変形没入させてケースの内壁面にバンドを
   固着するように構成したことを特徴とするプラス
   チツクケース。