JPH04362901A - 耐衝撃性の調整された光学素子及びその製造方法 - Google Patents

耐衝撃性の調整された光学素子及びその製造方法

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JPH04362901A
JPH04362901A JP3267188A JP26718891A JPH04362901A JP H04362901 A JPH04362901 A JP H04362901A JP 3267188 A JP3267188 A JP 3267188A JP 26718891 A JP26718891 A JP 26718891A JP H04362901 A JPH04362901 A JP H04362901A
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    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は一般に光学素子、より詳細には光
学素子の衝撃に対する保護および補強に関する。
【0002】当技術分野で知られているように、光学画
像形成システムは一般に、画像形成システムの残りの部
分を外部環境から遮断する、外部に取り付けられた光学
素子を含む。たとえば赤外線(IR)航空画像形成シス
テム(infrared airborne imag
ing system)については、赤外線画像形成シ
ステムの残りの部分が湿潤した、腐食性の、および摩耗
性の環境に暴露されるのを遮断するための赤外線透過性
光学素子、たとえば窓またはドームが航空システムに取
り付けられている。このような環境に長期間暴露される
と、一般に光学素子の材料の光学的特性および物理的特
性が損なわれる。一般にこれらの外部素子が遭遇する最
も過酷な環境暴露は、航空システムが降雨地域を飛行す
る際に起こる高速の水滴衝撃であると思われる。
【0003】この水滴衝撃の問題はより一般的には当技
術分野で降雨侵食(rain erosion)と呼ば
れている。降雨地域を飛行する際に水滴が外部素子の表
面に衝突し、亜音速においてすら表面下破壊を生じる。 きわめてもろい材料については、これらの表面下破壊は
光学素子の表面付近の既存の微細欠陥(microfl
aw)に始まる。これらの光学素子に対する降雨侵食に
よる損傷は材料が有意に除去される以前に起こる。これ
らの既存の微細欠陥が生長するだけで光学素子に損傷を
与えるのに十分である。特にこれらの微細欠陥は水滴に
よる衝撃を受けた際に生じる表面応力波の引張り成分に
よって生長し、光学素子を貫く。いったん形成されると
、表面下破壊が光学素子を貫いて連続生長することによ
って、しばしば光学素子に大きな亀裂を生じるであろう
。亀裂の領域では入射赤外線エネルギーの散乱および屈
折が起こり、内部反射および赤外線エネルギー損失が増
加する。このような亀裂が多数含まれると、光学素子の
透過率が著しく低下する。さらに亀裂が光学素子を貫い
て生長するのに伴って、素子の突発故障が起こる可能性
がある。光学素子が破砕または破断すると、赤外線画像
形成システムの残りの光学素子が外部環境に暴露され、
画像形成システムに潜在的な突発損傷が生じる。
【0004】一般に赤外線画像形成システムに最良の機
械的耐久性および光学的性能を与える材料(特に8〜1
2μmの赤外線帯域において)は比較的少数に限られて
いる。適切な材料には硫化亜鉛、セレン化亜鉛、ゲルマ
ニウム、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、テルル化カド
ミウム水銀、およびテルル化カドミウムが含まれる。三
元硫化物材料、たとえば硫化ランタンカルシウムも現在
赤外線用として(特に8〜12μmの帯域における)開
発されている。これらの三元硫化物材料は耐久性を若干
改善しうるが、これらの材料ですら上記の環境暴露に対
し感受性である。一般に上記材料はすべて比較的脆く、
損傷、特に高速水滴衝撃に際して受ける損傷に対する抵
抗性が比較的低い。
【0005】同様に当技術分野で知られているように、
光学素子を形成する材料の屈折率がエネルギーを発生す
る媒体の屈折率と著しく異なる場合、光学素子の表面に
入射する光学エネルギーはこの表面で反射されるであろ
う。一般に航空システムについては、エネルギー発生媒
体は約1の屈折率をもつ空気である。従って光学工業に
おいてはこの種の反射損失を少なくするために光学素子
の入射面上に適宜な屈折率をもつ材料の被膜を施すこと
が一般的に行われている。付着した厚さにおいて(これ
は一般に光の波長の部分に関係する)、これらの被膜は
赤外線帯域において透明である。しかしこれらの光学的
被膜はこれまで屈折率の不整合により起こる反射損失を
少なくする役割をもち、光学素子の耐衝性を高めるのに
は役立たなかった。
【0006】当技術分野において、硬質炭素層、すなわ
ち準ダイヤモンド結合および実質的な光学的透明度をも
つ炭素層はゲルマニウム上に施された場合、ゲルマニウ
ム光学素子を降雨侵食により起こる衝撃損傷からある程
度保護することが知られている。ゲルマニウム上の硬質
炭素については“透過性材料における液体衝撃侵食機構
”と題する報文(ジェイ・イー・フィールヅらによる)
、最終論文1982年9月30日〜1983年3月31
日、コントラストNo.AFOSR−78−3705−
D、論文No.AFWAL−TR−83−4101中に
記載されている。硬質炭素表面は他の赤外線材料、たと
えば硫化亜鉛およびセレン化亜鉛に必ずしも効果的に付
着しない。さらに硬質炭素被膜はゲルマニウム上におい
てすら、上記報文に記載されるように高速水滴衝撃に際
し剥離しやすい。そこには水滴衝撃の半径方向アウトフ
ローにより生じる剪断力が被膜をゲルマニウム層から剥
離すると理論づけられている。この剥離現象は硬質炭素
層の厚さが増大するのに伴って著しく増大すると考えら
れている。従って硬質炭素被膜層が厚いほど光学素子は
衝撃に対しさらに保護されるはずであるが、これは上記
の剥離の問題のため成功しなかった。硬質炭素に伴う他
の問題は、硬質炭素の屈折率が約2.45であり、多く
の前記光学材料、たとえば硫化亜鉛およびセレン化亜鉛
の屈折率よりも実質的に高いことである。従って光学素
子を硬質炭素被膜で被覆した場合、光学素子の入射面に
おける反射損失は光学素子を被覆しなかった場合よりも
高いであろう。
【0007】当業界における第3の問題はこれらの材料
の破壊強さに関するものである。この場合も赤外線透過
性(特に8〜12μmの帯域)の窓に適した材料は大部
分が低い破壊強さをもつ。この特性は、素子が高圧領域
を低圧領域から分離しているこれらの素子の用途、すな
わち素子が何らかの静的または動的な機械的負荷のもと
にある用途において特に重要である。“水滴による衝撃
を受けたもろい材料における衝撃損失閾値”と題する報
文、エー・ジー・エバンスら、ジャーナル・オブ・アプ
ライド・フィジックス51(5)2473〜2482頁
(1980年5月)の2481頁に、脆い材料の表面に
おけるマルテンサイト補強(相変化)がこの種のもろい
材料の調整(tempering)に有用となりうると
いう説が示されている。表面圧縮応力が有益であろうと
いう説も示されている。しかし上記報文の著者らは彼ら
が“表面圧縮”によって何を意味しているかについては
何ら特別に説明していない。これらのもろい材料は入射
水滴が材料の表面に衝撃を与えた際に表面圧縮を受ける
【0008】本発明によれば、高速水滴衝撃に対し抵抗
性の光学素子は、第1のあらかじめ定められた弾性率(
modulus of elasticity)をもつ
第1材料の基層、およびこれよりも高い第2の弾性率を
もつ第2材料の被膜を含む。この被膜層は光学素子の材
料に結合し、高速の水滴衝撃に際し遭遇する剪断応力に
より生じる剥離に対し高度の抵抗性をもつ。好ましくは
高弾性率の被膜は光学素子を構成する材料の屈折率より
も低い屈折率をもつ材料からなる。なお好ましくは、こ
の材料は赤外線に対して実質的に透明であり、かつ実質
的に水不溶性である。この形態によれば、より高弾性率
の第2材料はより低弾性率の材料からなる基層を衝撃損
傷、特に高速液滴衝撃により生じる衝撃損傷に対して保
護する。さらに剪断力により生じる剥離に対して高い抵
抗性をもつ被膜材料は、高速の水滴衝撃に際して光学素
子上に残留し、これにより光学素子を降雨侵食などの環
境暴露から保護する。
【0009】本発明の他の観点によれば、被膜は第1材
料と第2材料の混合物(好ましくは均質な混合物)の複
合被膜からなる。これらの材料はそれぞれ基層を形成す
る材料の弾性率の少なくとも2倍の弾性率をもつ。第2
材料は第1材料よりも実質的に高い弾性率をもち、第1
材料は水に対し不溶性かつ不活性であり、第2材料は水
と反応性である。この形態によれば、複合被膜は第1材
料1層のみにより得られる弾性率よりも高い弾性率をも
つ層を光学素子上に与える。ところが複合材料は第1材
料が施されて混合物を水の供給源から分離した場合は特
に、水溶性および水との反応性も比較的低いであろう。
【0010】本発明の他の観点によれば、基層の材料は
ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム
、テルル化カドミウム、テルル化カドミウム水銀、硫化
亜鉛およびセレン化亜鉛、より好ましくはテルル化カド
ミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛または三元硫化物、た
とえば硫化ランタンカルシウムよりなる群から選ばれる
。第1被膜層を構成する高弾性率の赤外線透過性材料は
酸化イットリウム、酸化スカンジウム、ならびに酸化イ
ットリウムと酸化マグネシウムの均質な組成物、酸化ス
カンジウムと酸化マグネシウムの組成物、および酸化ス
カンジウムと酸化イットリウムの混合物よりなる群から
選ばれる。この形態によれば8〜12μmの波長の帯域
で操作しうる光学素子のための耐衝撃性反射防止被膜が
施され、この種の素子を降雨侵食または高速の水滴衝撃
により起こる損傷に対しより抵抗性にする。
【0011】本発明のさらに他の観点によれば、第1弾
性率をもつ赤外線透明な第1材料からなる光学的に透明
な素子が、光学素子の材料の弾性率よりも実質的に高い
第2弾性率、および光学素子の材料の屈折率よりも小さ
い屈折率をもつ第1層を含む複合被膜により、高速水滴
衝撃から保護される。第1被膜層の材料は、高速液滴衝
撃を受ける際に液滴の半径方向アウトフローにより生じ
る剪断応力に応答して光学素子の材料から剥離するのに
対して実質的に抵抗性である。複合被膜の第2層は比較
的高い第3弾性率をもつ第3材料からなる。この弾性率
は光学素子層を構成する第1材料の弾性率よりも高く、
かつ好ましくは第1被膜層の第2材料のものよりも高い
。第2被膜層を構成する第3材料は赤外線に対して実質
的に透明であり、かつ第1被膜層の第2材料の屈折率よ
りも高い屈折率をもつ。第2被膜層を構成する第3材料
も複合被膜の第1層の第2材料からの剥離に対して実質
的に抵抗性であるが、光学素子の第1材料に対する剥離
抵抗性は比較的乏しくてもよい。この形態によれば、半
径方向アウトフローにより誘発される光学素子からの材
料の剥離に対する実質的な抵抗性を備え、さらに半径方
向アウトフローにより誘発される第2被膜層の第3材料
の剥離に対する実質的な抵抗性を備えた材料の第1層を
介在させることにより、半径方向アウトフローにより誘
発される剥離に対して実質的に抵抗性であり、さらに第
1材料のものよりも大きな弾性率をもつ複合被膜が得ら
れる。この複合被膜により保護被膜の有効物理的厚さを
高めることができ、複合被膜層と光学素子の組合わせの
光学特性をなお維持するかまたは恐らくは改善しうる。
【0012】本発明の他の観点によれば、光学素子の第
1材料はケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化
ガリウム、テルル化カドミウム水銀、テルル化カドミウ
ム、硫化亜鉛およびセレン化亜鉛、あるいは三元硫化物
よりなる群から選ばれる。好ましくはこの材料はテルル
化カドミウム、硫化亜鉛およびセレン化亜鉛よりなる群
から選ばれる。第1被膜の第2材料は酸化イットリウム
、酸化スカンジウム、または酸化イットリウムもしくは
酸化スカンジウムと酸化マグネシウムの混合物よりなる
群から選ばれる。第2被膜の第3材料は酸化セリウム、
酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは硬質炭素よりなる
群から選ばれる。この種の形態によれば、光学素子の第
1材料および第2被膜層(特に硬質炭素層)の双方に十
分に結合した第1被膜層を構成する第2材料を介在させ
ることによって、一般に硬質炭素に伴う大部分の8〜1
2μm光学素子への付着の問題が除かれる。さらに、硬
質炭素などの材料は反射防止性材料、たとえば硫化亜鉛
、セレン化亜鉛またはテルル化カドミウムに対し適切な
屈折率をもたないので、硬質炭素層を低屈折率の第1被
膜層と組合わせて使用し、屈折率が効果的に低下した複
合材料を得ることができる。
【0013】本発明のさらに他の観点によれば、複数の
低屈折率、高弾性率の材料、次いで高屈折率、高弾性率
の材料が交互に積重なって多層反射防止性耐衝撃被膜を
形成したものからなる複合層によって光学素子が保護さ
れる。この種の形態によれば、この被膜は、複合多層被
膜の物理的全厚が大きく、耐衝撃性が増大するという利
点と共に、広帯域反射防止性または他の光学的機能、た
とえばフィルター効果を与えるべく設計することができ
る。好ましくは低屈折率、高弾性率の材料は酸化イット
リウム、酸化スカンジウム、または酸化イットリウムも
しくは酸化スカンジウムと酸化マグネシウムの混合物よ
りなる群から選ばれ、高屈折率、高弾性率の材料は酸化
セリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは硬質炭
素よりなる群から選ばれる。光学素子を構成する材料は
ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム
、テルル化カドミウム、テルル化カドミウム水銀、硫化
亜鉛およびセレン化亜鉛あるいは三元硫化物よりなる群
から選ばれる。
【0014】本発明のさらに他の観点によれば、耐衝撃
性の調整光学素子は初期破壊強さをもつ光学材料の基層
を含む、光学材料の基層上に、圧縮された1層の材料か
らなる被膜が配置される。この圧縮材料層は光学材料の
基層の厚さと比較して実質的により小さな全厚をもつ。 この種の形態によれば、圧縮材料層は液滴衝撃に際して
遭遇する引張り応力波成分が表面の微細欠陥に与える影
響を緩和して、それらが光学素子の表面全体に生長する
のを防ぐ傾向を示すであろう。この圧縮領域は引張り応
力波成分に応答してそれらの微細欠陥を閉じ、それらが
生長するのを防止し、これにより引張り応力波成分を低
減させ、これを補償する傾向を示すであろう。この引張
り応力成分を低減させることにより、光学素子の表面に
おける水滴衝撃から生じる損傷は緩和され、従って比較
的もろい材料に、降雨により生じる損傷に対し抵抗性の
調整面が与えられる。この調整面は同時に光学素子の破
壊強さを増大させる。
【0015】本発明の他の観点によれば、高速衝撃に際
して遭遇する損傷に抵抗すべく調整された光学素子は、
光学材料からなる基層を含み、その表面にはその材料の
圧縮層が配置されている。圧縮材料層はその層中に配置
された多数の溝を含み、これらの溝は隣接領域の圧縮層
により分離され、それらの溝の下方には圧縮層材料の一
部が配置されている。
【0016】好ましくは光学材料の圧縮領域の厚さは3
ミクロン以下である。溝は一般に深さ10〜10,00
0Å、幅0.01〜0.02mmである。この形態によ
れば、高速の推進衝撃に際して遭遇する損傷に対して高
度に抵抗性である調整、光学素子が提供される。
【0017】本発明のさらに他の観点によれば、光学素
子の調整法は多数の溝を光学素子に機械加工する工程か
らなり、これらの溝は一般に10〜10,000Åの深
さをもち、隣接する溝の間およびこれらの溝の下側にそ
の光学材料の圧縮領域を備えている。
【0018】本発明のさらに他の観点によれば、光学材
料の表面調整法は光学素子をシングルポイント機械加工
して、光学素子の表面に厚さ0.5〜3.0μmの圧縮
層を施す工程を含む。圧縮層は深さ10〜10,000
Åの多数の溝を含み、隣接する溝は光学素子の材料の圧
縮層の一部によって隔てられている。好ましくは溝は、
シングルポイントダイヤモンド工具が回転光学素子の表
面と接触した状態で、光学素子をあらかじめ定められた
速度で回転させることにより光学材料中に導入される。 この工具は上記圧縮層が施されるまで、あらかじめ定め
られた速度で光学素子の表面に施される。この方法によ
れば、光学材料の表面をシングルポイント機械加工する
ことによって光学素子材料の圧縮層が施される。この圧
縮層は光学素子を補強し、高速水滴衝撃に際して生じる
表面付近の引張り応力を緩和または低減させることによ
って、高速液滴衝撃により生じる光学素子への損傷を防
止するのを助けるであろう。
【0019】本発明のさらに他の観点によれば、耐衝撃
性の調整光学素子は初期破壊強さをもち、かつあらかじ
め定められた第1弾性率をもつ光学素子基層を含む。こ
の基層上に光学材料の圧縮層が配置されている。圧縮材
料層の全厚は光学材料の基層と比較して実質的に小さく
、一般に1〜3ミクロンである。この圧縮層上に、光学
素子の基層を形成する材料のものよりも高い第2弾性率
をもつ第2材料の被膜層が配置されている。この被膜層
は光学材料の圧縮層に結合し、高速水滴衝撃に際して遭
遇する剪断応力により生じる剥離に対し高度の抵抗性を
もつ。この形態によれば、圧縮層と被膜層の組合わせに
よって高い耐衝撃性および強度特性をもつ光学素子が提
供される。外側の被膜層はより高い第2弾性率をもつ材
料の被膜を与え、これによってより低い弾性率の材料か
らなる下側の基層を高速液滴衝撃などにより受ける衝撃
損傷に対して保護する。さらに圧縮材料層は液滴衝撃に
際して遭遇するこの引張り応力波成分の影響を緩和する
傾向を示すであろう。従ってこれら2種の技術を組み合
わせることによって、実質的に改善された耐衝撃性およ
び破壊強度をもつ光学素子が提供されるであろう。
【0020】以上の本発明の特色および本発明そのもの
は、図面に関する以下の詳細な説明からより十分に理解
されるであろう。
【0021】図1は基層および本発明による保護層から
なる光学素子(ここではプレート)の等測投影図である
【0022】図2は図1の線2−2に沿って得た分解組
立断面図であり、本発明の一観点による単一層被膜から
なる保護層を示す。
【0023】図3は図1の線3−3に沿って得た分解組
立断面図であり、本発明の他の観点による一対の被膜層
からなる層を示す。
【0024】図4は図1の線4−4に沿って得た分解組
立立体図であり、本発明のさらに他の観点による複数対
の高屈折率および低屈折率交互の被膜層からなる層を示
す。
【0025】図5A〜図5Dは異なる弾性率をもつ被膜
について、半径方向応力低下を液滴衝撃の中心からの正
規化距離の関数として示す一連のグラフである(先行技
術)。
【0026】図6は変化率25.4mm/時間(1イン
チ/時間)、速度724km/時間(450mph)、
衝撃角度90°および雨滴寸法2mmの加速降雨場に暴
露された未被覆ZnS表面の顕微鏡写真である。
【0027】図7は図6に示したものと同一の加速降雨
場に暴露された、本発明による反射防止(AR)被覆表
面の顕微鏡写真である。
【0028】図8は厚さ5.08mm(0.20インチ
)の被覆ZnSプレートについての透過百分率対波長の
プロットである。
【0029】図9はドームの一部の断面図である。
【0030】図10は図11に示したドームの表面部分
の断面拡大図である。
【0031】図11は微細組織欠陥をもつ一般の光学素
子の表面に降りかかった雨滴の断面略図である。
【0032】図12は本発明の他の観点による圧縮層に
降りかかった水滴の断面略図である。
【0033】図13は図12に示す圧縮層に衝撃を与え
た水滴の拡大図である。
【0034】図14A、図14Bはそれぞれ常法により
研磨したドーム表面および本発明方法により調整した(
シングルポイント−ダイヤモンド加工)ドーム表面の顕
微鏡写真である。
【0035】図15は常法により研磨したZnS表面お
よび調整ZnSディスク表面についてヌープ硬度数を荷
重の関数としてプロットしたものを示す(ZnS微小硬
度)。
【0036】図16は一般的な硬度差(ヌープ)を調整
ZnSディスクの圧縮表面内への侵入深さの関数として
プロットしたものである。
【0037】図17A、図17Bはそれぞれ常法により
研磨したZnSレンズおよび本発明により調整したZn
Sレンズ(DPM、ダイヤモンドポイント加工)の、そ
れぞれ加速降雨場に暴露したのちの表面の顕微鏡写真で
ある。
【0038】図18A、図18Bはそれぞれ常法により
研磨したラップ仕上げZnSレンズ(不規則)、および
本発明により調整した(ダイヤモンドポイント加工)、
圧縮層により生じるディストーションを示すラップ仕上
げZnSレンズ(高度の凹形)の顕微鏡写真である。
【0039】図19は本発明の他の観点による光学材料
圧縮層および被膜層を備えたプレートまたはドームなど
の光学素子の一部の断面図である。
【0040】図1を参照すると、光学素子(ここではプ
レート)10があらかじめ定められた光学特性を備えた
材料からなる基層12を含むものとして示される。光学
素子はここでは特にプレートであるとして示されるが、
他の型の光学素子、たとえば窓、ドーム、レンズなど、
平面以外の形状をもつものを上記のプレートの代わりに
採用できると解される。一般的な基層12は少なくとも
1.3mm(0.05インチ)、一般に2.5〜12.
7mm(0.1〜約0.5インチ)以上の厚さをもつで
あろう。光学素子はさらに選択的光学特性を備えていて
もよい。たとえば光学素子は一般に赤外、可視および/
または紫外スペクトルの光エネルギーに対し透明な材料
からなっていてもよい。この材料は誘電体または半導体
であってもよい。特に8〜12μmの波長範囲の赤外線
画像形成システムに用いられる光学素子については、好
ましい材料の例にはケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウ
ム、リン化ガリウム、テルル化カドミウム水銀、テルル
化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、または三元硫
化物の1種が含まれる。層12を構成する選ばれた材料
を既知のいずれかの方法、たとえば粉末圧縮法(pow
dercompaction,densificati
on)または化学蒸着法により加工することができる。 特に赤外線用としては、層12のために選ばれた材料は
一般に3.5×105〜10.5×105kg/cm2
(5×106〜15×106psi)の比較的低い弾性
率、高い赤外線エネルギー透過率(一般に2.0〜30
μmの赤外線波長帯域の少なくとも一部にわたって50
〜75%)、および10ミクロンにおいて一般に2.2
〜4.0の屈折率をもつことを一般に特色とする。これ
らの材料のうち若干についての関連する機械的および光
学的特性を表1に示す。
【0041】
【表1】 R%は対応する材料上に施された後記Y2O3の四分の
一波長反射防止性(AR)単層被膜により生じる反射損
失(表面当たり)である。基層12上に耐衝撃性の反射
防止被膜層11が配置されている。ここでは層11は論
じようとしている構造のいずれであってもよいと述べる
だけで十分である。
【0042】次いで図2を参照すると、被膜層11は基
層12を構成する材料の上方に(好ましくは材料上に)
配置された第1保護層14を含むものとして示される。 保護層14は基層12弾性率よりも実質的に高い弾性率
、付着した厚さにおいて光学素子の選ばれた波長帯域に
わたって高度の赤外線透明性、および好ましくは基層1
2を構成する材料の屈折率よりも低い屈折率をもつ材料
からなる。さらに付着した材料は層12の材料に対する
高度の付着性を備え、特に高速液滴衝撃(たとえば水滴
衝撃)の半径方向アウトフローにより誘発される剪断応
力によって生じる剥離に対して高度に抵抗性である。 層14はイオンビームスパッター法、ダイオードスパッ
ター法または蒸着法などいかなる方法によっても付着さ
せることができる。さらに層14は、層12を有機ビヒ
クルおよび高弾性率材料からなる溶液中に浸漬すること
によってプレート12上に施すこともできる。プレート
をこの種の材料の溶液に浸漬したのちこの溶液から取出
し、オーブンに入れ、ここで有機ビヒクルを駆け出させ
る。あるいはビヒクルおよび被膜材料の混合物をあらか
じめ定められた温度に加熱された基層12上に噴霧乾燥
することにより被膜を付着させることができる。これら
の各被覆様式によれば、基層12上に均一な被膜層14
を形成するための比較的安価な方法が提供される。前記
の基層材料に適した被膜材料には酸化イットリウム(Y
2O3)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化スカ
ンジウム(Sc2O3)、ならびにこれらの材料の均質
な混合物が含まれる。これらの材料についての関連の機
械的および光学的特性を表2に示す。
【0043】
【表2】 被覆層14に用いる材料を選ぶ際に考慮すべき主な因子
は、選ばれた材料が被膜層14の材料を付着させる厚さ
において、光学素子の目的用途に適した光学特性をもた
なければならないことである。さらに被膜層14の材料
は一般に基層12の材料の弾性率の少なくとも約2倍の
弾性率をもたなければならない。さらに光学素子10の
目的用途が被膜層14を水に暴露するものである場合、
被膜層14の材料は水に不溶性かつ安定性でなければな
らない。反射防止修正を施すためには、被膜層14の材
料の屈折率は好ましくは基層12の材料の屈折率よりも
小さい。一般に屈折率約1.00の空気と基層12の材
料の間の反射防止修正のためには、被膜に要求される屈
折率(n14)は基層12の材料の屈折率と周囲の媒質
の屈折率の相乗平均にほぼ等しい(n14≒√n12)
。大部分の材料について一般に知られているように、屈
折率は波長分散の関数として変化する。従って、この反
射防止修正も波長の関数として変化する。
【0044】好ましくは層14は基層12上にその光学
素子に対し目的とする特定の波長における四分の一波長
に相当する物理的厚さにまで付着する。一般にこの種の
素子の光学厚さ(t0)は被膜14の物理的厚さ(t)
と被膜14の材料の屈折率(nc)の積であると定義さ
れる(t0=t・nc)。光学厚さλ/4に望まれる物
理的厚さはt=(λ/4)/ncにより示され、式中λ
はその光学素子が目的とする特定の波長であり、nCは
目的波長における被膜の屈折率である。そこで当業者に
は認識されるであろうが、光学厚さ(t0)はより高い
オーダーの厚さ、たとえば3λ/4または5λ/4であ
り、従って物理的厚さtはt=((2N+1)λ/4)
/ncにより与えられる。式中Nは整数0,1,2,3
,・・・である。従って層14の物理的厚さtを増大さ
せると基層12に対してより大きな耐衝撃性保護が得ら
れ、一方良好な反射防止性および光透過性はなお維持さ
れる。たとえば10.6ミクロンにおいて屈折率nc=
1.63をもつ材料Y2O3については、10.3ミク
ロンにおけるλ/4単層の最適厚さは約1.63ミクロ
ンであろう。
【0045】次いで図3を参照すると、プレート10は
基層12およびその少なくとも第1面上に配置された被
膜層11を含むものとして示されている。この場合被膜
層11は反射防止性の耐衝撃性複合層15である。層1
5は基層12の材料の屈折率よりも小さな屈折率をもち
、かつ基層12の材料に対し良好な付着性を備えた高弾
性率材料の前記被膜層14を含むものとして示されてい
る。この第1被膜層14上に、基材12および第1被膜
層14の双方の材料のものよりも実質的に高い弾性率を
もち、より高い屈折率をもつ第2材料からなる第2被膜
層16が配置されている。この第2被膜層16に適した
材料には酸化セリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム
および硬質炭素が含まれる。これらの例のうち硬質炭素
が最高の弾性率をもつため好ましい。しかし前記のよう
に、硬質炭素は特に8〜12μmの光の波長において基
層12用として好ましい材料に含まれるセレン化亜鉛、
硫化亜鉛などに必ずしも十分に付着しない。これらの材
料についての関連の機械的および光学的特性を表3に示
す。
【0046】
【表3】 硬質炭素フィルムは適切な方法のいずれによっても付着
させることができる。たとえばイオンビームスパッター
法、および炭化水素含有蒸気の分解を伴う化学蒸着法を
採用することができる。硬質炭素層は前記のように大部
分の赤外線用材料に必ずしも十分には付着しないが、こ
の種の硬質炭素層は第1被膜層14に用いるのに適した
材料には付着すると考えられる。前記のように層14に
適した材料にはMgO、Sc2O3およびY2O3が含
まれる。一般に硬質炭素はこれらのものを含む種々の型
の酸化物にきわめて良好に付着する。従って被膜層14
をきわめて高弾性率の層16と基層12の間に介在させ
ることによって、きわめて高弾性率の16の材料がもつ
耐衝撃性という利点が反射防止性、高耐衝撃性の複合層
15をもたらし、基層12を高速水滴衝撃から保護する
【0047】次いで図4を参照すると、光学素子はここ
では基層12および被膜層11を含むものとして示され
ている。ここでは被膜層11は図3に関連して述べた前
記の反射防止性耐衝撃複合被膜層15を複数層含む広帯
域反射防止性耐衝撃被膜層17である。この形態によれ
ば、基層12への優れた付着性および高度の耐衝撃性を
もつきわめて厚い反射防止被膜11が得られる。さらに
複数の複合層15、ならびに個々の被膜層14および1
6の厚さを多層被膜の光学デザイン原理に従って適宜選
ぶことにより、広帯域反射防止被膜を得ることもできる
【0048】次いで図5A〜図5Dを参照すると、フィ
ールドらの“透明な材料における液滴衝撃浸食の機構”
と題する報文(AFWAL−TR−82−4022)か
ら採用した一連のグラフは、液滴衝撃中心からの正規化
距離の関数としての半径方向応力低下を示す。各グラフ
は光学素子の材料のものよりも高い弾性率をもつ被覆面
上に生じる一般的な半径方向応力を、未被覆面上に生じ
る半径方向応力と比較してプロットしたものである。図
5Dに示すように、被膜の材料の弾性率が基層の材料の
弾性率の10倍である場合、水滴衝撃に際して基層に誘
導される引張り応力は実質的にゼロに等しい。
【0049】次いで図6および図7を参照すると、それ
ぞれ変化率(rate)25.4mm/時間(1インチ
/時間)、速度(velosity)724km/時間
(450マイル/時間)、入射角度90°、および液滴
直径2mmの加速降雨場に暴露されたのちの未被覆面(
図8)および被覆面(図9)の顕微鏡写真が示される。 ここに認められるように、未被覆硫化亜鉛表面が示す損
傷の量は酸化イットリウム被覆した硫化亜鉛表面が示す
損傷よりも実質的に高い。
【0050】図8を参照すると、厚さ5.1mm(0.
2インチ)のレイトラン(RAYTRAN、レイテオン
社の商標、マサチュセッツ州レキシントン)型の硫化亜
鉛の被覆プレートについて透過百分率対波長のプロット
が示される。被膜は10.0ミクロンにおいて四分の一
波長厚さの酸化イットリウムであった。被膜は厚さ約2
.45ミクロンであった。被膜は10ミクロンにおいて
表面の透過率が最大になるように選ばれ、プレートの主
要両面に施された。
【0051】次いで図9〜図12を参照すると、光学素
子(この場合はドーム110)の一部があらかじめ定め
られた光学特性をもつ材料からなる層112を含むもの
として示されている。光学素子はここではドームとして
示されているが、他の型の光学素子、たとえば窓、プレ
ート、レンズなどをこのドーム110の代わりに採用し
うると解される。一般に基層112は基層12と同様な
厚さをもつであろう。光学素子はさらに選ばれた光学特
性を備えていてもよい。たとえば光学素子は一般に赤外
、可視または紫外スペクトルの光エネルギーに対し透明
な材料からなっていてもよい。光学素子の材料は誘電体
または半導体であってもよい。特に赤外線画像形成シス
テムに用いられる光学素子については、好ましい材料の
例にはケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化ガ
リウム、テルル化カドミウム水銀、テルル化カドミウム
、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、または一般式MN2S4(
式中Mは一価のイオンであり、Nはランタニド系列から
選ばれるイオンであり、SはスルフィドイオンS2−で
ある)の三元硫化物のうちいずれかが含まれる。層11
2を構成する選ばれた材料は既知の方法のいずれか、た
とえば粉末圧縮法(powder compactio
n, densification)または化学蒸着法
により加工することができる。一般に層112のために
選ばれた材料は特定のエネルギー、たとえば赤外線帯域
の少なくとも一部にわたって一般に50%以上の赤外線
エネルギーに対し比較的高い透過率をもつことを特色と
し、一般に3.5〜10.5×105kg/cm2(5
〜15×106psi)の弾性率をもつきわめてもろく
、かなり剛性の材料であるが、一般に387〜1055
kg/cm2(5,500〜15,000psi)の破
壊強さをもつ、一般にかなり軟弱な材料である。
【0052】ドーム110はさらに光学素子110の表
面112a上に施された塑性変形圧縮層114(図10
)を含む。好ましくは、圧縮層114(厚さtc)は層
112の材料の一部である。図10にいっそう詳細に示
されるように、圧縮層114は多数の溝(furrow
, groove)113を含み、これらの溝113の
隣接するものは層112の材料の圧縮領域113aによ
り隔てられ、これらの溝の下側には圧縮層113bが配
置されている。層114の圧縮度は、後記のようにドー
ム110の処理に際して与えられる圧縮力の大きさの関
数である。
【0053】次いで第11および12図を参照して、圧
縮層114がドームを補強し、高速水衝撃または機械的
負荷に際して遭遇する損傷から保護する機構について述
べる。
【0054】図11に示されるように、常法により研磨
された表面112aに、最終速度V0で、表面112a
に対し法線方向に、層112の表面112aに衝突して
いる水滴115がある。層112の表面112aには研
磨表面の加工中そのほか基層112の形態に伴って生じ
る既存の微細欠陥116がある。水滴115が常法によ
る表面112aと衝突した際、生じる表面応力波の引張
り成分(矢印118により表わされる)が与えられる。 微細欠陥116の領域におけるこの引張り力118に応
答して、微細欠陥は亀裂116′として生長する。引張
り力が十分に高い場合、亀裂116′は光学素10の基
層112を貫通して生長する可能性がある。これらの亀
裂の数が十分である場合、この素子の光学的透明性は亀
裂の領域における内部反射および屈折のため著しく低下
する可能性がある。より重要なことは、十分な亀裂を含
む光学素子は破壊または破断しやすく、その結果光学シ
ステム(図示されていない)の残りの部分が突発的損傷
を受けることである。
【0055】図12および図13に示されるように、本
発明によれば圧縮層114がドーム110上に施されて
いるので、基層112にある既存の微細欠陥116は領
域114の材料の圧迫により治ゆする。圧縮層114の
加工に際して対向する圧縮力114が与えられ、これに
より微細欠陥の大きさが縮小し、より小さな微細欠陥1
17となる。さらに微細欠陥117を取り巻く材料は、
領域113bの材料を押込む矢印120により示される
ように、なお圧縮下にある。前記のように水滴衝撃に際
して、微細欠陥部位に引張り応力成分118が与えられ
る。微細欠陥はより小さいので、水滴が表面層に衝撃を
与えても損傷を生じない速度は高まる。これは微細欠陥
の大きさが縮小することによって速度閾値が増大するか
らである。さらに、溝113が施されたのちも材料は圧
縮状態にあり、微細欠陥117部位に生じる低下した引
張り応力成分118′は、この引張り応力成分118′
が層114の圧縮程度を表わす圧縮力を上回らない限り
、圧縮層114を貫通して基層112中に達するまで成
長することはないであろう。従って圧縮層114は衝撃
損傷が起こる速度閾値を高める2種の機構を提供する。 すなわちこれは一般に材料中に存在する微細欠陥の程度
を低下させ、これにより一定の水滴衝撃速度について、
生じる引張り成分を小さくし;かつ圧縮層114に生じ
た引張り力の生長を鈍らせるかまたは低下させる圧縮力
を与える。
【0056】圧縮層114を施すための好ましい方法は
、光学素子の表面部分をシングルポイントダイヤモンド
で加工することである。一般に表面を2工程で加工する
ことができる。第1工程、“荒削り”は、図10に示さ
れるように実質量の材料119を除去すべく選ばれた機
械加工パラメータをもつ。これは25〜127ミクロン
(1〜5ミル)程度以上の材料であろう。第2の切削工
程、“仕上げ削り”は1回または数回のパスまたは切削
過程であってもよく、その際少量の材料、一般に約2.
5〜12.7ミクロン(0.1〜0.5ミル)が除去さ
れ、実質的には平坦であるが溝を備えた表面が得られる
【0057】図10に示される調整圧縮層114につい
ての一般的な表面特性は下記のとおりである。
【0058】溝113は一般に幅Wf(一般に0.01
〜0.02mm)をもつであろう。側壁部分113aは
一般に10〜10,000Åの高さhfをもつ。
【0059】25.4mm(1インチ)の硫化亜鉛ディ
スクに圧縮層114を機械加工するために用いられる一
般的な加工パラメータは下記のとおりである。
【0060】               圧縮表面層を作成するた
めに有用な              シングルポイ
ント機械加工パラメーター             
           荒削り:        切削
の深さ=0.076mm(0.003インチ)    
    回転速度  =750rpm        
供給速度  =12.7mm/分(0.5インチ/分)
        工具半径  =3.175mm(0.
125インチ)                  
       仕上げ削り        切削の深さ
=0.0051mm(0.0002インチ)     
   回転速度  =550rpm        供
給速度  =6.35mm/分(0.250インチ/分
)        工具半径  =3.175mm(0
.125インチ)この方法により60個の硫化亜鉛ディ
スク試料を加工した。これらのディスクについて測定し
た機械的パラメータはヌープ微小硬度(kg/mm2)
および破壊強さであった。破壊強さは一般に少なくとも
1371kg/cm2(19,500psi)であり、
これは常法により研磨された試料の破壊強さ1090k
g/cm2(15,500psi)よりも大きい。従っ
てこの方法は破壊強さを約25%増大させる。
【0061】図14A、図14Bに示したように、常法
により研磨した表面は実質的に平滑、均一であり、特色
がない。これに対し本発明により調整された表面は実質
上規則的な間隔を置いたうねまたは溝を含む。
【0062】図15および図16には、常法により研磨
した硫化亜鉛ディスク、および圧縮層114を含む硫化
亜鉛ディスクについての一般的なヌープ硬度数対荷重の
一般的な微小硬度プロットを示す。圧縮層114を含む
ディスクについてのヌープ硬度数は一般に、30g以下
の荷重に対しては常法により研磨したディスクについて
のヌープ硬度よりも50〜100の値だけ高い。さらに
図16に示すように、ヌープ硬度数の差を圧縮層114
中への侵入の深さとして表わした硬度差は、侵入の深さ
2ミクロン以下について著しく硬度が増大することが示
される。このデータを外挿することによって、硬度効果
は機械加工試料の表面部分3ミクロン以内に限られると
推定される。
【0063】図17Aおよび図17B、すなわち724
km/時間(450マイル/時間)において25.4m
m/時間(1インチ/時間)に加速された降雨場(2m
mの液滴直径)に5分間暴露したのちの常法により研磨
した硫化亜鉛プレートおよびダイヤモンドポイント加工
した硫化亜鉛プレートは、常法により研磨した試料が主
として表面破壊からなる損傷を有意により多く受けたこ
とを示す。これに対し、硫化亜鉛試料をシングルポイン
トダイヤモンド加工することにより施された圧縮層を含
むプレートが受けた損傷(図17B)は実質的にこれよ
りも少ない。
【0064】図18Aおよび図18Bを比較すると、層
114が光学材料の圧縮層であることが示される。同一
ロットの硫化亜鉛材料から得た2枚の硫化亜鉛レンズブ
ランクを研磨した。一方のレンズはその表面が通常の研
磨法により光学的に平坦に研磨され、他方のレンズはそ
の表面が本発明により平坦に機械加工された。加工した
のち各試料の表面を下側にしてラッピングパッド上に取
付け、ラップ仕上げ面全体を厚さ約5.1mm(0.2
インチ)から0.25mm(0.01インチ)まで、ま
た可視スペクトルにおいて四分の一波長平面度にまで薄
くした。これらの試料をラッピングパッドからはずした
時、各試料にある程度のディストーションが生じた。こ
のディストーションは図18Aおよび図18Bの干渉ト
ポグラフに示される。図18Aに示すように、常法によ
り研磨した試料のディストーションは小さく、不規則な
最終面が得られたことを示す。しかし図18Bに示すよ
うに、本発明による圧縮層114を含む試料については
、ディストーションが著しいため干渉計で測定できなか
った。さらに図3の試験片をラッピングパッドからはず
した時、試料はひずんで著しい凹面となった。このディ
ストーションはラップ仕上げした試料の層に含まれる固
有の応力に関係するものである。従って常法により研磨
したブランクには圧縮応力が実質上与えられていなかっ
たことが明らかである(図18A);これに対し図18
Bに示される試料は高度に圧縮された層114を備えて
いた。凹面の半径を光学的に測定し、この半径を用いて
機械処理面に存在する圧縮応力の量を推定した(図18
B)。表面の曲率半径(R)と圧縮応力(S)の関係は
下記のとおりである。
【0065】S=Ed2/(6(1−V)tR)式中、
Eはヤング率であり、7.6×105kg/cm2(1
0.8×106psi)で与えられ;dは試料の厚さで
あり、0.229mm(0.009インチ)と推定され
;Rは曲率半径であり、129.2×10−2mと測定
され;tは圧縮層の厚さであり、1×10−6mと推定
され;Vはポッション比(possion′s rat
io)であり、0.28と推定される。Sについて解く
ことによりS=7100kg/cm2(1×105ps
i)が得られる。 従って上記のデータに証明された補強および硬化作用は
明らかに、前記操作中に硫化亜鉛ブランク上に表面圧縮
層が形成された結果である。従って機械加工パラメータ
ー、たとえば工具の速度、工具の種類、切削の深さ、供
給速度、工具の角度などを適切に選ぶことにより、硫化
亜鉛表面に施された圧縮層の規模を選定することができ
、従って硫化亜鉛の補強/硬化の程度を制御することも
できる。
【0066】次いで図19を参照すると、光学素子(こ
こではプレート130)の一部が、前記のあらかじめ定
められた光学特性を備えた材料からなる層12を含むも
のとして示されている。層12上に図9〜図18に関連
して記述されている圧縮材料層114が配置されている
。圧縮層114上に、図1〜図8に関連して記述されて
いる前記の単一層または多層被膜の一つからなる被膜層
11が配置されている。この形態によれば、前記両方法
により高められた硬化性および降雨浸食抵抗性は、実質
的に改善された降雨浸食抵抗性および破壊強さをもつ光
学素子を提供するのに役立つであろうと考えられる。
【0067】以上、本発明の好ましい形態につき記述し
たが、その概念を取入れた他の形態も採用しうることは
当業者には明らかであろう。従って本発明は提示された
形態に限定されるべきでなく、特許請求の範囲の精神お
よび範囲によってのみ限定されるべきであると考えられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】  基層および本発明による保護層からなる光
学素子(ここではプレート)の等測投影図である。
【図2】  図1の線2−2に沿って得た分解組立断面
図であり、本発明の一観点による単一層被膜からなる保
護層を示す。
【図3】  図1の線3−3に沿って得た分解組立て断
面図であり、本発明の他の観点による一対の被膜層から
なる層を示す。
【図4】  図1の線4−4に沿って得た分解組立立面
図であり、本発明のさらに他の観点による複数対の高屈
折率および底屈折率交互の被膜層からなる層を示す。
【図5】  図5A〜図5Dは異なる弾性率をもつ被膜
について、半径方向応力低下を液滴衝撃の中心からの正
規化距離の関数として示す一連のグラフである(先行技
術)。
【図6】  変化率25.4mm/時間(1インチ/時
間)、速度724km/時間(450mph)、衝撃角
度90°および雨滴寸法2mmの加速降雨場に暴露され
た未被覆ZnS表面の金属組織を示す顕微鏡写真である
【図7】  図6に示したものと同一の加速降雨場に暴
露された、本発明による被覆表面の金属組織を示す顕微
鏡写真である。
【図8】  厚さ5.08mm(0.20インチ)の被
覆ZnSプレートについての透過百分率対波長のプロッ
トである。
【図9】  ドームの一部の断面図である。
【図10】  図11に示したドームの表面部分の断面
拡大図である。
【図11】  微細組織欠陥をもつ一般の光学素子の表
面に降りかかった雨滴の断面略図である。
【図12】  本発明の他の観点による圧縮層に降りか
かった水滴の断面略図である。
【図13】  図12に示す圧縮層に衝撃を与えた水滴
の拡大図である。
【図14】  図14A、図14Bはそれぞれ常法によ
り研磨したドーム表面および本発明方法により調整した
(シングルポイント−ダイヤモンド加工)ドーム表面の
金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図15】  常法により研磨したZnS表面および調
整ZnSディスク表面についてヌープ硬度数を荷重の関
数としてプロットしたものを示す(ZnS微小硬度)。
【図16】  一般的な硬度差(ヌープ)を調整ZnS
ディスクの圧縮表面内への侵入深さの関数としてプロッ
トしたものである。
【図17】  図17A、図17Bはそれぞれ常法によ
り研磨したZnSレンズおよび本発明により調整したZ
nSレンズの、それぞれ加速降雨場に暴露したのちの表
面の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図18】  図18A、図18Bはそれぞれ常法によ
り研磨したラップ仕上げZnSレンズ(不規則)、およ
び本発明により調整した(ダイヤモンド白金加工)、圧
縮層により生じるディストーションを示すラップ仕上げ
ZnSレンズ(高度の凹形)の顕微鏡写真(金属組織)
である。
【図19】  本発明の他の観点による光学材料圧縮層
および被膜層を備えたプレートまたはドームなどの光学
素子の一部の断面図である。
【符号の説明】
10、110:光学素子 11、111:反射防止被膜層 12、112:基層 14:第1被膜層 16:第2被膜層 113:溝 114:圧縮層 115:水滴 116、117:微細欠陥 118、118′:引張り応力成分 120:圧縮力

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  硫化亜鉛、セレン化亜鉛、砒化ガリウ
    ム、リン化ガリウム、テルル化カドミウム水銀、テルル
    化カドミウム、及び、一般化学式:MN2S4(式中、
    Mは1A族元素から選ばれるカチオンであり、Nはラン
    タニド系列希土類元素から選ばれるカチオンであり、S
    はスルフィドアニオンS2−である)を有する三元硫化
    物からなる群から選択される、10ミクロンの波長にお
    いて約2.2〜3.3の屈折率、8ミクロン〜12ミク
    ロンの波長範囲における所定の光透過率、及び所定の弾
    性率を有する第1の材料から構成される基層;第1の層
    の材料の弾性率の少なくとも2倍の弾性率、10ミクロ
    ンの波長において2.0未満の屈折率、及び、((2N
    +1)λ/4)/ncにより与えられる物理的厚さ(こ
    こで、λは8ミクロン〜12ミクロンの範囲の波長であ
    り、Nは整数であり、ncは波長λにおける第2の材料
    の屈折率である)を有する、該光学波長範囲において透
    明な、該基層上に配置されている第2の異なる材料から
    構成される層;から構成される光学素子。
  2. 【請求項2】  第2の材料が酸化イットリウム、酸化
    スカンジウム又は酸化マグネシウム、あるいは、酸化イ
    ットリウム、酸化スカンジウム及び酸化マグネシウムの
    均質混合物からなる群から選ばれるものである請求項1
    記載の光学素子。
  3. 【請求項3】  第2の材料の層が酸化イットリウムで
    ある請求項2記載の光学素子。
  4. 【請求項4】  硫化亜鉛及びセレン化亜鉛からなる群
    から選ばれ、約2〜12ミクロンの範囲の波長を有する
    光学エネルギーに対して所定の透過率を有する材料で構
    成されており、約0.05〜0.5インチの範囲の所定
    の厚さを有する基層;及び酸化スカンジウム、酸化イッ
    トリウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれる
    材料の、上記波長範囲内において選択された波長の約1
    /4に等しい光学厚さを有する被覆;で構成される反射
    防止、耐衝撃性光学被覆を有する光学素子。
  5. 【請求項5】  該波長が8〜12ミクロンの範囲内で
    ある請求項4記載の素子。
  6. 【請求項6】  上記波長の1/4の厚さの被覆が酸化
    イットリウムである請求項5記載の素子。
  7. 【請求項7】  硫化亜鉛、セレン化亜鉛、砒化ガリウ
    ム、リン化ガリウム、テルル化カドミウム水銀、、テル
    ル化カドミウム、及び、一般化学式:MN2S4(式中
    、Mは1A族元素から選ばれるカチオンであり、Nはラ
    ンタニド系列希土類元素から選ばれるカチオンであり、
    SはスルフィドアニオンS2−である)を有する三元硫
    化物からなる群から選択される、10ミクロンの波長に
    おいて約2.2〜4の屈折率、所定範囲の波長において
    所定の光透過率、及び所定の第1の弾性率を有する材料
    から構成される基層;並びに、 (i)該基層の材料の弾性率の少なくとも2倍の弾性率
    を有し、該基層の材料の屈折率より低い屈折率を有する
    第1の高弾性率材料から構成される第1の層;及び(i
    i)該基層材料の弾性率の少なくとも2倍の弾性率を有
    し、2.0以上の屈折率を有する第2の高弾性率材料か
    ら構成される第2の層;から構成される、該基層上の少
    なくとも一部分に配置されている複合被覆層;から構成
    される光学素子。
  8. 【請求項8】  第1の高弾性率材料が、酸化イットリ
    ウム、酸化スカンジウム及び酸化マグネシウム、あるい
    は、酸化イットリウム、酸化スカンジウム及び酸化マグ
    ネシウムの混合物からなる群から選ばれるものであり;
    第2の高弾性材料が、硬質炭素、酸化セリウム、酸化チ
    タン及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれるもの
    である請求項7記載の光学素子。
  9. 【請求項9】  層が、t=((2N+1)λ/4)/
    nc1(ここで、Nは整数0,1,2,3・・・であり
    、λは対象とする特定の波長であり、nc1は第1の層
    の材料の屈折率である)により与えられる物理的厚さt
    を有し、第2の層の物理的厚さが、t=((2N+1)
    λ/4)/nc2(ここで、nc2は第2の層の材料の
    屈折率である)により与えられる請求項8記載の光学素
    子。
  10. 【請求項10】  硫化亜鉛、セレン化亜鉛、砒化ガリ
    ウム、リン化ガリウム、テルル化カドミウム水銀、テル
    ル化カドミウム、及び、一般化学式:MN2S4(式中
    、Mは1A族元素から選ばれるカチオンであり、Nはラ
    ンタニド系列希土類元素から選ばれるカチオンであり、
    SはスルフィドアニオンS2−である)を有する三元硫
    化物からなる群から選択される、第1の弾性率及び約8
    〜12ミクロンの波長範囲において所定の光透過率を有
    する第1の材料から構成される光学素子の領域を、高速
    液滴環境中で遭遇する衝撃損傷から保護する方法であっ
    て、保護すべき領域上に、第1の材料の少なくとも2倍
    の弾性率を有し、該波長領域において所定の光透過率を
    有し、かつ、液滴衝撃に際して半径方向のアウトフロー
    によって生じる剪断応力に応答した第1材料からの剥離
    に対して抵抗性を有する第2の材料を施す工程を含むこ
    とを特徴とする前記方法。
  11. 【請求項11】  光学素子を構成する材料が、硫化亜
    鉛、セレン化亜鉛、砒化ガリウム、リン化ガリウム、テ
    ルル化カドミウム水銀、テルル化カドミウムからなる群
    から選ばれる材料を含むものであり、第2の材料が,酸
    化イットリウム、酸化スカンジウム、あるいは、酸化イ
    ットリウム、酸化スカンジウム及び酸化マグネシウムの
    均質混合物からなる群から選ばれるものである請求項1
    0記載の方法。
  12. 【請求項12】  第1の材料の弾性率の少なくとも2
    倍の弾性率を有し、第2の材料の屈折率よりも大きい屈
    折率を有する第3の材料を第2の材料の層上に与える工
    程を更に含む請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】  第3の材料が、硬質炭素、酸化セリ
    ウム、酸化チタン及び酸化ジルコニウムからなる群から
    選ばれるものである請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】  基層と硬質炭素層の間に、酸化イッ
    トリウム、酸化スカンジウム及び酸化マグネシウムから
    なる群から選ばれる材料で構成される第1の層を与える
    工程を含む、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、砒化ガリウム、
    リン化ガリウム、テルル化カドミウム水銀、テルル化カ
    ドミウム、及び、一般化学式:MN2S4(式中、Mは
    1A族元素から選ばれるカチオンであり、Nはランタニ
    ド系列希土類元素から選ばれるカチオンであり、Sはス
    ルフィドアニオンS2−である)を有する三元硫化物か
    らなる群から選択される材料で構成される基層に硬質炭
    素層を結合させる方法。
  15. 【請求項15】  第1の層が酸化イットリウムであり
    、基層の材料が、セレン化亜鉛及び硫化亜鉛からなる群
    から選ばれるものであり、基層、イットリウムの第1の
    層及び硬質炭素層が、少なくとも8〜12ミクロンの波
    長範囲において高割合の効果率を有する光学素子を与え
    る請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】  第1の層が、t=((2N+1)λ
    /4)/nc(ここで、λは対象とする特定の波長であ
    り、ncは波長λにおける第1の層の材料の屈折率であ
    り、Nは整数0,1,2,3・・・である)で与えられ
    る物理的厚さを有する請求項15記載の方法。
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