JPH04357105A - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

過酸化水素の製造方法

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JPH04357105A
JPH04357105A JP3240565A JP24056591A JPH04357105A JP H04357105 A JPH04357105 A JP H04357105A JP 3240565 A JP3240565 A JP 3240565A JP 24056591 A JP24056591 A JP 24056591A JP H04357105 A JPH04357105 A JP H04357105A
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JP
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hydrogen peroxide
catalyst
producing hydrogen
resin
hydrogen
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JP3240565A
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English (en)
Inventor
Yasushi Hiramatsu
靖史 平松
Masao Ishiuchi
石内 征夫
Hiromitsu Nagashima
広光 長島
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反応媒体中で酸素と水素
を触媒と接触的に反応させ、過酸化水素を製造する方法
の改良された製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、工業的に行われている過酸化水素
の主な製造方法は、アルキルアンスラキノンを媒体とす
る自動酸化法である。この方法の問題点として、還元、
酸化、水抽出分離、精製、濃縮等のプロセスが複雑であ
り、装置費、運転費が大きいという事があげられる。更
には、アルキルアンスラキノンの劣化による損失、水素
添加触媒の劣化等の問題もある。これらの問題点を改善
するために、上記製造法以外の製造方法が試みられてい
るが、その一つに、反応媒体中で直接酸素と水素から接
触的に過酸化水素を製造する方法がある。既に、白金族
金属を触媒として用い、酸素と水素から過酸化水素を製
造する方法が提案されており、かなりの濃度の過酸化水
素が生成する事が示されている(特公昭56−4712
1、特公昭55−18646、特公平1−23401 
、特開昭63−156005 )。これらでは、いずれ
も反応媒体として水溶液を用いている。しかも、水溶液
である反応媒体中に酸や無機塩を溶存させている。特に
反応媒体中にハロゲンイオンを含むことにより、触媒活
性が制御され、生成した過酸化水素の分解が大きく抑制
されている。特開昭63−156005 では、白金族
触媒を用い、酸性水溶液中で加圧下酸素及び水素から過
酸化水素を製造する方法において、水溶液中に臭化物イ
オン等のハロゲンイオンを共存させる事によって、選択
的に高濃度の過酸化水素を製造できる事を示している。 また、特開平1−133909及び特開平2−2586
10では疎水性担体担持白金触媒を用い、塩酸、硫酸な
どの強酸性の水溶液において高濃度の過酸化水素を蓄積
させることができることを示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】反応媒体中で酸素と水
素を触媒と接触的に反応させて過酸化水素を製造する方
法において、従来の公知技術では実用上、高濃度の過酸
化水素水を得るためには反応媒体中に高濃度の酸あるい
は酸及びハロゲンイオンを組み合わせて存在させる必要
があった。この場合、反応中または反応前後に於ける触
媒金属および反応容器材質の反応媒体中への溶出が問題
となる。特に上記のごときハロゲンイオンが存在する場
合には、その溶出量はハロゲンイオンの濃度に対して比
例的に増加する。このことは触媒を長期間連続使用する
際の触媒寿命に対して非常に大きな問題となり、また反
応容器材質も非常に高価なものが必要となる。また、反
応後に得られた過酸化水素についても高濃度の酸及びハ
ロゲンイオンが存在するためその用途によっては中和、
イオン除去等の後処理が必要となり経済的にも大きな問
題となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸素及び
水素を窒素などの不活性ガスの存在下または不存在下に
反応媒体中で触媒と接触的に反応せしめて過酸化水素を
製造する方法において、高濃度の酸やハロゲンイオンを
含まない反応媒体中で高濃度の過酸化水素を得る製造方
法の検討を続けた結果、ハロゲン元素を含む樹脂担体に
白金族金属を担持した触媒を用いることにより、この目
的を達成できることを見いだした。即ち、本発明は、高
濃度の酸やハロゲンイオンなどの添加成分を含まない反
応媒体、もしくは極微量の過酸化水素の安定剤のみを含
む水溶液を反応媒体として用いて窒素などの不活性ガス
の存在下または不存在下に水素と酸素とをハロゲン元素
を含む樹脂に担持された白金族金属触媒と接触的に反応
せしめて高濃度の過酸化水素を得ることを特徴とする過
酸化水素の製造方法である。
【0005】本発明により、先にあげた問題点は解決さ
れ、反応容器材質面および中和、イオン除去等の後処理
が不要となる面からみて、本発明は非常に実用性が高く
、経済性に優れており、大規模生産のための商業的実施
を容易にしたものである。本発明の触媒担体であるハロ
ゲン元素を含む樹脂とは樹脂中に化学結合した形態でハ
ロゲン元素を含む樹脂である。本発明においては、樹脂
に対して通常のハロゲン化試薬によりハロゲン化処理し
たもの、あるいは含ハロゲンモノマーを単独または他の
反応性モノマーあるいはポリマーと共に反応させて得ら
れた樹脂を触媒担体として使用することも可能である。 更に、本発明における樹脂は無機成分を含んでいてもよ
く、通常の無機担体の表面にハロゲン含有樹脂を直接被
覆したものあるいは被覆した樹脂に対してハロゲン化試
薬を用いてハロゲン化したものを担体として用いても同
じ効果を得ることができる。但し、本発明においてはフ
ッ素のみを含有する樹脂については水素選択率が低いた
めこれを除外する。本発明において用いられる好ましい
樹脂担体としては吸着樹脂やイオン交換樹脂をハロゲン
化変性したものがある。吸着樹脂とはマクロポアーを有
する不溶性の三次元架橋構造ポリマーであって、イオン
交換基のような官能基は持たず、大きな比表面積を有し
、van  der  waals力によりいろいろの
有機物を吸着するものでスチレン−ジビニルベンゼン系
共重合体や、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルまたはビニルピリジンなどの重合体や共重合体などが
ある。またイオン交換樹脂は架橋した三次元の高分子基
体に、スルホン酸基や4級アンモニウム基のような官能
基を導入した化学構造を持った合成樹脂である。このよ
うなイオン交換樹脂の基体としてはスチレン−ジビニル
ベンゼン系共重合体やアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステルなどの重合体が使用されている。本発明の触
媒担体として使用される好ましい吸着樹脂としてはブロ
ム化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体があり、また
好ましいイオン交換樹脂としてはスルホン酸基を有する
ブロム化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を挙げる
ことができる。
【0006】また、樹脂のハロゲン化の方法は公知の技
術例えば、特開昭59ー 89311 、特開昭59−
89312などに記載された方法を用いることができる
。本発明において使用し得る触媒は白金族金属であり、
具体的にはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジ
ウム、パラジウム、白金を単独またはそれらの2種以上
の混合物もしくは合金として用いることができる。通常
、パラジウムまたは白金が好適に用いられる。本発明の
担体の形態は微粉、粒、ペレット等任意に選択される。 担体としての基本的性質は限定しないが、担体としての
一般的性質として、表面積が大きく、触媒金属が高分散
に担持することのできるものが好ましい。多孔性の状態
で表面積を広くするように架橋重合させたもの、あるい
は、大きい表面積を持つ無機担体上を樹脂で薄く被覆し
たものなどが適している。また、担体は水溶液中で使用
するため、反応条件下で浮いてしまったり、水溶液と非
接触になることは好ましくなく、部分的に疎水部分があ
ることはかまわないが全体としては親水性であることが
好ましい。但し、樹脂として疎水性が強いものに対して
は、親水化処理して用いればよい。親水化処理としては
化学的にイオン交換基などの親水基を樹脂に導入する方
法などの他に水と任意に混合可能な有機溶媒で表面を濡
らし、その後、水で置き換えていく方法などが使用でき
る。実際に芳香族系の吸着樹脂(多孔質樹脂)の場合、
メタノール、エタノール、アセトンなどで多孔質の細孔
内を濡らしてから、これらの有機溶媒を水で置き換える
ことにより親水性担体として使用可能になる。このよう
な有機溶媒および水を使用する樹脂担体の親水化処理は
通常触媒金属を樹脂担体に担持させた後で実施される。 また、触媒の表面処理ではないが、反応媒体内に微量の
界面活性剤を添加することにより、疎水性の強い担体に
おいても、親水性の担体として使用可能になる。
【0007】本発明において使用し得るハロゲン元素を
含む樹脂担体としてはいろいろのものが使用し得るが市
販品を使用することもできる。、好ましい例としては、
臭素化変性した樹脂、例えば、三菱化成工業(株)製の
芳香族系修飾型吸着樹脂、商品名SP200シリーズ及
び同社製耐熱性強酸性ハイポーラス型イオン交換樹脂、
商品名RCP145H等の臭素化変性樹脂、あるいは特
開昭59−89312号公報に記載されたような方法で
製造された塩素化変性した樹脂を挙げることができる。 その他、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合樹脂やブロム化ビスフェノール型エポキシ樹脂な
どのハロゲンを含む樹脂も使用することができる。
【0008】上記担体への触媒金属の担持量は0.1〜
10wt%が一般的である。担持方法は公知の方法を用
いることができる。また過酸化水素の製造における本発
明の触媒の使用量は通常反応媒体1リットル当たり1グ
ラム以上が使用され、スラリー状で使用することもでき
る。
【0009】本発明の反応媒体としては通常、水が使用
されるが、過酸化水素の安定剤を共存させるのが好まし
い。反応媒体中の過酸化水素の安定剤は一般に過酸化水
素に対する安定化作用があるものであれば使用可能であ
る。これまでに安定剤として公知にされているリン酸、
硫酸、硝酸などの無機酸、アミノトリ(メチレンホスホ
ン酸)などの有機酸、ノルロイシンなどのアミノ酸、ピ
ロリン酸ナトリウムなどのリン酸塩、EDTAなどのキ
レート剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど
の界面活性剤などの使用が可能である。好ましい安定剤
としては例えばアミノトリ(メチレンホスホン酸)、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチ
レンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)またはこれ
らのナトリウム塩やピロリン酸ナトリウムなどが挙げら
れる。尚、これらの安定剤は二種以上を混合して使用し
てもよい。安定剤の使用濃度は各々の作用及び必要とす
る過酸化水素濃度により異なるが、金属腐食性の少ない
マイルドな液性を保つことのできる安定剤が好ましい。 酸性度からみればpH7〜pH3程度が好ましい。また
、添加量としては0.1wt%以下、好ましくは100
ppm以下である。本発明の過酸化水素の製造反応は連
続式でも、またバッチ式でも実施することが可能であり
、反応槽は固定床式でも撹拌式でも使用することができ
る。また、本発明の過酸化水素の製造は水素と酸素とを
窒素などの不活性ガスの存在下または不存在下に反応媒
体中で触媒と通常、反応圧力3kg/cm2・G〜15
0kg/cm2 ・G、反応温度0〜50℃、反応時間
30分〜6時間の条件で接触せしめることによって実施
される。
【0010】
【実施例】次に、実施例及び比較例で本発明を更に具体
的に説明する。実施例中で用いられているガス組成の分
析値は、ガスクロマトグラフによる値である。また溶液
中の過酸化水素濃度の測定は、硫酸酸性−過マンガン酸
カリウムによる滴定法により行った。
【0011】実施例1 三菱化成工業(株)製の芳香族系修飾型吸着樹脂、商品
名SP207(スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体
の臭素化変性品、粒径0.2〜1mm,比表面積627
m2 /g、真比重1.18、水分含量50.4wt%
)をメタノール、30%過酸化水素、水で洗浄後、真空
乾燥させた。これをクロロホルムで膨潤させた後、酢酸
パラジウム/クロロホルム溶液で含浸させ、真空乾燥し
た。これを気相中、100℃にて水素ガス還元した。更
にこれをメタノールで洗浄し、十分膨潤させ、細孔を濡
らした後、多量の水で置換して、濾別し、親水性の1w
t%Pd触媒(水分含量約50wt%)を得た。内容積
180mlのガラス容器に、24ppmのリン酸−ピロ
リン酸ナトリム水溶液を100ml入れた。この水溶液
に、上記触媒6gを加え、300mlの容積のオートク
レーブに入れ、水素ガスが4容積%、酸素ガスが16容
積%、窒素ガスが80容積%の組成からなる混合ガスで
25 kg/cm2 ・G迄加圧した。同組成の混合ガ
スを0.8リットル/分で流しながら、温度を10℃に
保ち1,000rpmで1時間撹拌した。撹拌終了後、
反応液中の過酸化水素濃度は0.58wt%、水素選択
率は70%であった。ここで水素選択率は次式によって
計算した。 水素選択率(%)=〔(反応によって生成した過酸化水
素の量、mol)÷(ガス組成変化から算出した消費さ
れた全水素量、mol)〕×100 尚、反応終了後の過酸化水素を含む反応液を大気下で3
0分間放置後、触媒を濾別し、反応液中の溶出パラジウ
ムの量を誘導結合型プラズマ発光分析法(セイコー電子
工業株式会社製、SPS1200VR型分析計使用。)
で測定した結果、1ppm以下であった。
【0012】比較例1(実施例1に対する)三菱化成工
業(株)製の芳香族系吸着樹脂、商品名HP20〔スチ
レン−ジビニルベンゼン系共重合体の非臭素化品(一般
品)、粒径0.2〜1mm,比表面積605m2 /g
、真比重1.01、水分含量56.3wt%〕を担体と
して用い、実施例1と同様の方法で1wt%Pd触媒(
水分含量約60wt%)を得た。この触媒を使用して実
施例1と同様の反応条件で水素と酸素を反応させたとこ
ろ、生成過酸化水素濃度は0.01wt%、水素選択率
は0.5%であった。
【0013】比較例2(実施例1に対する)反応液とし
て比較例1のリン酸−ピロリン酸ナトリウム水溶液の代
わりに0.1mol/lの硫酸及び10mmol/lの
臭化ナトリウムを含む水溶液100mlを使用した以外
は比較例1と同様の触媒を使用し、比較例1と同様の反
応条件で水素と酸素を反応させたところ、生成過酸化水
素濃度は0.50wt%で水素選択率は73%であった
。また実施例1と同様に反応後の反応液を大気下30分
間放置後、触媒を濾別し反応液中の溶出パラジウムの量
を測定したところ溶出パラジウムは15ppmであった
。このように従来公知の方法では実施例1とほぼ同様の
結果を得るためには、反応液中に高濃度の酸とブロムイ
オンの存在が必要であり、そのためパラジウムの溶出量
が非常に大きくなる。
【0014】比較例3(実施例1に対する)実施例1で
得た1wt%Pd触媒を真空乾燥し、疎水性の1wt%
のPd触媒(水分含量0.1wt%以下)を得た。この
触媒を使用して実施例1と同様の反応条件で水素と酸素
を反応させたところ、触媒は反応後も浮遊した状態であ
り、生成過酸化水素濃度は0.01wt%、水素選択率
は1%であった。
【0015】実施例2 三菱化成工業(株)製の芳香族系修飾型吸着樹脂、商品
名SP206(スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体
の臭素化変性品、粒径0.2〜1mm、比表面積556
m2 /g、真比重1.19、水分含量50.0wt%
)をメタノール、30%過酸化水素、水で洗浄後、塩化
白金酸水溶液を含浸させ、真空乾燥した。これを気相中
、120℃にて水素ガスで還元して、更にメタノール、
水で洗浄し0.5wt%Pt触媒(水分含量約50wt
%)を得た。この触媒を使用して実施例1と同様の反応
条件で水素と酸素を反応させたところ、生成過酸化水素
濃度は0.20wt%、水素選択率は30%であった。
【0016】比較例4(実施例2に対する)三菱化成工
業(株)製の芳香族系吸着樹脂、商品名HP20〔スチ
レン−ジビニルベンゼン系共重合体の非臭素化品(一般
品)〕を担体として用い、実施例2と同様な方法で0.
5wt%Pt触媒(水分含量約60wt%)を得た。こ
の触媒を使用して実施例2と同様の反応条件で水素と酸
素を反応させたところ、生成過酸化水素濃度は0.00
wt%、水素選択率は0.0%であった。
【0017】実施例3 三菱化成工業(株)製耐熱性強酸性ハイポーラス型イオ
ン交換樹脂、商品名RCP145H(スルホン酸基を有
するスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体の臭素化変
性品、粒径0.2〜1mm、H型、イオン交換容量0.
8meq/ml、水分含量65wt%)を担体として用
い、テトラアンミンパラジウム2塩化物水溶液で含浸担
持し、水洗後、アルカリ−ホルマリン液相還元を実施し
た。水洗後、酸洗いして、担体のイオン交換基をH型イ
オン交換基にもどし、更に中性になるまで水洗して5w
t%Pd触媒(水分含量約65wt%)を得た。触媒量
を5.7gとした以外は実施例1と同様の反応条件で水
素と酸素を反応させたところ、生成過酸化水素濃度は0
.62wt%、水素選択率は71%であった。
【0018】比較例5(実施例3に対する)三菱化成工
業(株)製強酸性ハイポーラス型イオン交換樹脂、商品
名RCP12H〔スルホン酸基を有するスチレン−ジビ
ニルベンゼン系共重合体の非臭素化品(一般品)、粒径
0.2〜1mm、H型、イオン交換容量0.8meq/
ml、水分含量65wt%〕を担体として用い、実施例
3と同様な方法で5wt%Pd触媒(水分含量約65w
t%)を得た。この触媒を使用して実施例3と同様の反
応条件で水素と酸素を反応させたところ、生成過酸化水
素濃度は0.02wt%、水素選択率は1%であった。
【0019】実施例4 サイエンティフィックポリマープロダクツ(SCIEN
TIFIC  POLYMER  PRODUCTS)
社製の塩素化ポリエチレン(塩素含量48wt%)をク
ロロホルムで膨潤、溶解させた後、樹脂に対して10w
t%のパラジウム量の酢酸パラジウム/クロロホルム溶
液を加え、真空乾燥した。これを気相中、60℃にて水
素ガスで還元した。これを液体窒素で凍結粉砕し、更に
メタノール、水で洗浄し、10wt%Pd触媒を得た。 内容積180mlのガラス容器に、12ppmの燐酸−
ピロ燐酸ナトリウム水溶液を100ml入れた。この水
溶液に、前記触媒を1g加え、300mlの容積のオー
トクレーブに入れ、水素ガスが4容積%、酸素ガスが4
0容積%、窒素ガスが56容積%の組成からなる混合ガ
スで25kg/cm2 ・Gまで加圧した。次いで同組
成の混合ガスを0.5リットル/分で流しながら温度を
10℃に保ち、1,000rpmで1時間攪拌した。攪
拌終了後、水溶液中の過酸化水素濃度は0.12wt%
、水素選択率は20%であった。
【0020】実施例5 サイエンティフィックポリマープロダクツ(SCIEN
TIFIC  POLYMER  PRODUCTS)
社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(塩化ビニル
86wt%、酢酸ビニル13wt%)をアセトンで膨潤
させた後、樹脂に対して5wt%のパラジウム量の酢酸
パラジウム/アセトン溶液を加え、真空乾燥した。これ
を液体窒素で凍結粉砕した後、気相中、80℃で水素ガ
スで還元した。これをメタノール、水で洗浄し、5wt
%Pd触媒を得た。この触媒を使用して実施例4と同様
の反応条件で水素と酸素を反応させたところ、生成過酸
化水素濃度は0.15wt%、水素選択率は28%であ
った。
【0021】実施例6 大日本インキ化学工業(株)製のブロム化ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂(臭素含量40wt%)のメチルエチ
ルケトン溶液にエポキシ樹脂に対して18wt%量に調
製したトリメリット酸(三菱瓦斯化学株式会社製)のア
セトン溶液及びエポキシ樹脂に対して5wt%のパラジ
ウム量の酢酸パラジウム/アセトン溶液を加え、200
℃で熱重合させた。これを液体窒素で凍結粉砕した後、
気相中、140℃で水素ガスで還元した。これをメタノ
ール、水で洗浄し、5wt%Pd触媒を得た。この触媒
を使用して実施例4と同様の反応条件で水素と酸素を反
応させたところ、生成過酸化水素濃度は0.10wt%
、水素選択率は25%であった。
【0022】比較例6 三菱モンサント(株)製ポリスチレンをクロロホルムに
溶解させた後、樹脂に対して5wt%のパラジウム量の
酢酸パラジウム/クロロホルム溶液を加え、クロロホル
ムを除いた後、残渣を真空乾燥した。これを気相中、6
0℃で水素ガスで還元した。得られたパラジウム触媒を
液体窒素で凍結粉砕し、更にメタノール、水で洗浄し、
5wt%Pd触媒を得た。この触媒を使用して実施例4
と同様の反応条件で水素と酸素を反応させたところ、生
成過酸化水素濃度は0.01wt%、水素選択率は1%
であった。
【0023】比較例7(実施例6に対する)大日本イン
キ化学工業(株)製のビスフェノール型エポキシ樹脂の
メチルエチルケトン溶液にエポキシ樹脂に対して18w
t%量に調製したトリメリット酸(三菱瓦斯化学株式会
社製)のアセトン溶液及びエポキシ樹脂に対して5wt
%のパラジウム量の酢酸パラジウム/アセトン溶液を加
え、200℃で熱重合させた。これを液体窒素で凍結粉
砕した後、気相中、140℃で水素ガスで還元した。こ
れをメタノール、水で洗浄して5wt%Pd触媒を得た
。この触媒を使用して実施例4と同様の反応条件で水素
と酸素を反応させたところ、生成過酸化水素濃度は0.
00wt%、水素選択率は0%であった。
【0024】実施例7 反応液として実施例1のリン酸−ピロリン酸ナトリウム
水溶液の代わりに75ppmのエチレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)を含む水溶液を使用したことを
除き実施例1と同様の触媒を使用し、実施例1と同様の
反応条件で水素と酸素を反応させたところ、生成過酸化
水素の濃度は0.56wt%、水素選択率は82%であ
った。
【0025】実施例8 ダイキン工業株式会社製の三フッ化塩化エチレン樹脂(
塩素含量30.4wt%)を凍結粉砕して粉体とした。 この樹脂に対して1wt%のパラジウム量の酢酸パラジ
ウム/アセトン溶液を加え、溶液を含浸させた後アセト
ンを除き、得られた樹脂を真空乾燥した。この樹脂を気
相中70℃で水素還元し、更にメタノール、水で洗浄し
て1wt%Pd触媒を得た。この触媒を使用して実施例
4と同様の反応条件で水素と酸素とを反応させたところ
、生成過酸化水素濃度は0.11wt%であり、また水
素選択率は18%であった。
【0026】比較例8(実施例8に対する)三井フロロ
ケミカル株式会社製の四フッ化エチレン樹脂を用い、実
施例8と同様の方法で1wt%Pd触媒を得た。この触
媒を使用して実施例4と同様の反応条件で水素と酸素と
を反応させたところ、生成過酸化水素濃度は0.01w
t%であり、また水素選択率は1%であった。
【0027】実施例9 反応媒体としてリン酸−ピロリン酸ナトリウム水溶液を
使用せずに、水のみを用いたことを除き実施例1と同様
の触媒を使用し、実施例1と同様の反応条件で水素と酸
素を反応させたところ、生成過酸化水素濃度は0.52
wt%であり、水素選択率は65%であった。
【0028】
【発明の効果】比較例に対して、本発明の実施例では、
過酸化水素生成反応における水素選択率が非常に高くな
っており、樹脂担体としてハロゲン元素を含む樹脂を用
いた場合、マイルドな液性で高濃度の過酸化水素水が得
られている。また、本発明の方法では従来法のように反
応媒体中に高濃度の酸およびハロゲンイオンを共存せし
める必要がないので、触媒の溶出による損失や、反応器
材質の腐食の問題も少なく効率よく高濃度の過酸化水素
を製造することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  酸素と水素を反応媒体中で触媒と接触
    的に反応させ、過酸化水素を製造する方法において、触
    媒の担体としてハロゲン元素を分子を構成する成分とし
    て含む樹脂担体(但しフッ素のみを含むものを除く)を
    使用することを特徴とする過酸化水素の製造方法。
  2. 【請求項2】  触媒担体として (1)ハロゲン化変性した吸着樹脂(多孔質樹脂)ある
    いは (2)ハロゲン化変性したイオン交換樹脂を用いる請求
    項1記載の過酸化水素の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項2記載のハロゲン化変性した吸
    着樹脂がブロム化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
    である請求項1記載の過酸化水素の製造方法。
  4. 【請求項4】  請求項2記載のハロゲン化変性したイ
    オン交換樹脂がスルホン酸基を有するブロム化スチレン
    −ジビニルベンゼン共重合体である請求項1記載の過酸
    化水素の製造方法。
  5. 【請求項5】  触媒がハロゲンを含む樹脂に担持され
    た白金族金属触媒である請求項1記載の過酸化水素の製
    造方法。
  6. 【請求項6】  請求項5記載の白金族金属触媒がパラ
    ジウムまたは白金である請求項1記載の過酸化水素の製
    造方法。
  7. 【請求項7】  反応媒体が水である請求項1記載の過
    酸化水素の製造方法。
  8. 【請求項8】  反応媒体が酸性水溶液もしくは過酸化
    水素の安定剤を含む酸性水溶液である請求項1記載の過
    酸化水素の製造方法。
  9. 【請求項9】  反応媒体がリン酸とピロリン酸ナトリ
    ウムを含む水溶液である請求項1記載の過酸化水素の製
    造方法。
  10. 【請求項10】  反応媒体が過酸化水素の安定剤を含
    む水溶液である請求項1記載の過酸化水素の製造方法。
  11. 【請求項11】  過酸化水素の安定剤がアミノトリ(
    メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1
    ,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレ
    ンホスホン酸)またはこれらの塩、ピロリン酸ナトリウ
    ムからなる群から選ばれたものである請求項10記載の
    過酸化水素の製造方法。
  12. 【請求項12】  水素と酸素とを、不活性ガスの存在
    下または不存在下で、反応媒体中で触媒と反応温度0℃
    〜50℃、反応圧力3kg/cm2 ・G〜150kg
    /cm2 ・Gで接触的に反応せしめる請求項1記載の
    過酸化水素の製造方法。
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