JPH0435301B2

JPH0435301B2 -

Info

Publication number: JPH0435301B2
Application number: JP58249562A
Authority: JP
Inventors: Narikazu Tanaka
Original assignee: Niigata Engineering Co Ltd
Current assignee: Niigata Engineering Co Ltd
Priority date: 1983-12-29
Filing date: 1983-12-29
Publication date: 1992-06-10
Also published as: JPS60146647A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は自動工作機械で生じた切削屑を工作
物から除去する掃除用具に関する。

工作機械の掃除用具として次のものが知られて
いる。

(イ) 主軸に把持される支持軸（テーパシヤンク
部）に２個の掃除部材を、その長手方向を支持
軸に垂直な面内において平行に揃えて設け、主
軸で掃除部材を横移動させて工作物上の切削屑
を排除するようにしたもの（実開昭56−121543
号公報）。

(ロ) 支持軸にはけ状の掃除部材を取り付けたもの
（実開昭56−121543号公報）。

(ハ) 支持軸に円筒状の掃除部材を取り付け、該掃
除部材を周方向に回転させて切削屑を掃除する
もの（実開昭54−164984号公報）。

上記(イ)の掃除用具はこれを実際に使用すると、
工作機械に自動装着する際に、掃除部材の長手方
向の位置が装着のつど、異なつた方向になり、例
えば上記長手方向に該掃除部材を移動させるよう
に装着されると、いくら該掃除部材を工作物上面
で移動させても、確実に工作物上面から切削屑を
排除することができず、掃除不能になることがあ
つた。

また、(ロ)の掃除用具では、工作物上面で絡み合
い工作物から離れがたい切削屑を排除しようとす
ると、はけ状の掃除部材の先端部が湾曲して有効
に排除することができないことがたびたびあつ
た。このため、このはけ状の掃除部材を回転させ
て切削屑の排除力を向上させることも考えられる
が、このようにすると該掃除部材の摩耗が激し
く、また工作物の材質によつては工作物自身が上
記回転力により高速に移動しようとする切削屑や
該掃除部材の先端部によつて傷つくという問題が
ある。

また(ハ)の掃除用具は、回転により工作物の横穴
内部にたまつた切粉を排除するものに適したもの
であるが、工作物上面にたまつた切削屑を排除す
るには回転軸に対して直角方向に移動しなければ
有効に切削屑を取り除くことができない。すなわ
ち、該掃除用具を回転軸方向に移動したのでは前
述の問題が依然として解消されない。

この発明は、工作物上の切削屑を工作物に傷つ
けることなく確実に排除することができる工作機
械の掃除用具を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するために、この発明は、主
軸に把持される支持軸を上面の中心部に垂直に取
り付けた基板の下面に、下面に剛体製の掃除部材
をほぼ十字状に配設した支持板を、上記支持軸の
回転中心線に上記掃除部材の十字状交点をほぼ一
致させて着脱手段により着脱自在に取り付けた構
成とした。

以下この発明を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図にはこの発明の掃除用具が使用される自
動工作機械（数値制御工作機械）の一例を示し、
第２図と第３図とはこの発明の掃除用具の一実施
例を示し、第４図は上記数値制御工作機械によつ
て加工される工作物の上を通過する掃除用具の軌
跡と工作物とを示している。

第１図に示す数値制御工作機械Ａは、紙面に対
して垂直な方向に移動自在に設けられたテーブル
１と、このテーブル１の左右と上方とを囲んで設
けられた門型の支持柱２と、この支持柱２に上下
移動自在に取り付けられた横桁３と、この横桁３
に沿つて水平に移動自在に設けられた加工装置４
および工具収納装置５および工具交換装置６と、
図示略の制御装置とを備えた周知のものである。
上記加工装置４は工具の軸部を把持する主軸４ａ
を有し、上記工具収納装置５は多数の工具および
後に説明するこの発明の掃除用具７を収納したも
ので、工具交換装置６は上記工具収納装置５内の
工具あるいは掃除用具７を上記加工装置４の主軸
４ａに把持させるとともに、この把持させた工具
あるいは掃除用具７を工具収納装置５に戻すもの
である。また、上記制御装置は、あらかじめ入力
されたプログラムに沿つて上記加工装置４と工具
交換装置６とを作動させ、必要に応じて工具ある
いは掃除用具７を取り換えて主軸４ａに把持さ
せ、上記加工装置４とテーブル１と横桁３とを操
作して工具によつてテーブル１上に載置された工
作物８を加工させるものである。

上記掃除用具７は、工具交換装置６に収納され
た各工具の軸部と同じ外径の支持軸７ａと、円盤
状を成し中心部にあけた透孔に支持軸７ａの下端
を挿入した状態で支持軸７ａ下端に溶接された基
板７ｂと、この基板７ｂと同じ外径の円盤状の支
持板７ｃと、この支持板７ｃと上記基板７ｂとを
貫通したボルト７ｄ……と、上記基板７ｂと支持
板７ｃとの間にあつて、それらの間に所定間隔を
保持しており、上記各ボルト７ｄが貫通している
スペーサ７ｇと、上記各ボルト７ｄ……に螺入さ
れ支持板７ｃを基板７ｂの下方で基板７ｂと平行
に支持するナツト７ｅ……と、上記支持板７ｃの
中心部分およびこの中心部分を囲む90°間隔の放
射位置の部分を基端部が各々貫通し、相互に等間
隔で十字状に配列され、前記基端部が支持板７ｃ
に溶接されて該支持板７ｃの一側に垂直に延出し
て複数設けられている細長の鋼製のロツド（掃除
部材７ｆ……とから成つている。支持軸７ａは基
板７ｂに垂直に設けられ、また十字状に配設され
た複数のロツド７ｆの十字状交点は支持軸７ａの
回転中心線に一致している（第２図、第３図）。
支持軸７ａの構成、つまり主軸４ａに対する取付
方式は種々あるが、この発明においては任意であ
る。ボルト７ｄとナツト７ｅ及びスペーサ７ｇは
着脱手段を構成している。なお、これらロツド７
ｆ……の自由端側の先端は先の丸に円錐状にされ
ている。

ところで、テーブル１の上に載置され、クラン
プ１ａ……によつて固定された工作物８は、例え
ば多数の熱媒流通管を接続する円盤状のもので、
その上面に上記数値制御工作機械Ａによつて熱媒
流通管を挿通するための孔８ａが多数形成される
ものである。（図示略）次いで、上記した数値制御工作機械Ａの主軸４
ａにこの発明の掃除用具７を装着して切削屑を除
去を実施する場合について説明する。

まず、工作物８と同様の工作物を切削加工した
場合に、どの位の数の切削加工を行うと、工作物
の上に切削屑が溜つて切削加工に支障をきたして
いたかをあらかじめ調べておいた調査結果に基づ
いて、何回の切削加工を行つた後に掃除用具７を
使用するとよいか、のデータを出し、このデータ
を制御装置に加工プログラムに加えて入力してお
く。なお、この際、上記データに加えて掃除用具
７を工作物に対してどのように移動操作するかの
データも入力しておく。すなわち、数値制御工作
機械Ａは以上のようにして入力されたプログラム
によつて以下に説明するようにテーブル１の上の
工作物８を加工する。

制御装置は、工作物８の加工に必要な工具を工
具収納装置５から取り出して工具交換装置６によ
つて加工装置４の主軸４ａに把持させ、テーブル
１および加工装置４を操作して孔あけ加工を開始
する。

ところで、上記加工進行中、制御装置はプログ
ラムされた、ある所定数の孔あけ加工終了後、工
具収納装置５から掃除用具７を取り出し、その支
持軸７ａを主軸４ａに把持させて掃除用具７を加
工装置に取り付ける。次に、制御装置は加工装置
４を下降させて、掃除用具７のロツド７ｆの下端
を工作物８の上面の直上に位置させ、その高さに
掃除具用７を固定した後に、加工装置４又はテー
ブル１を水平に移動させて掃除用具７を工作物８
の上方およびその周囲の上方で第４図の矢印に示
すように繰り返し工作物８に対して左右方向また
は前後方向あるいは両者の方向にジグザグに相対
移動させる。ところで、工作物８の上面には第１
図に示すように切削屑Ｋが堆積しているので、ロ
ツド７ｆ……はこの切削屑Ｋを押しつつ移動し、
切削屑Ｋを工作物８の上面から外方に排出する。
このようにして切削屑Ｋは工作物８から除去され
る。ここで、ロツド７ｆ……は十字状に並設され
ているため、支持板７ｃの外径に近い幅にわたつ
て切削屑Ｋの除去ができる。また、ロツド７ｆ…
…は鋼製で強度が高いので、切削屑Ｋの一部が工
作物上面に付着していて離れ難い場合でも切削屑
Ｋを押し運んで確実に除去できる。

上記除去作業終了後、制御装置は掃除用具７を
工具収納装置５に戻し、プログラムに従つて次に
使用する予定の工具を工具収納装置５から取り出
して加工を続行する。この際、切削屑Ｋはすでに
除去されているので加工を円滑に進行できる。

ところで、制御装置はあらかじめプログラムさ
れた所定数の加工を行う度に上記掃除用具７を用
いて切削屑Ｋの除去作業を繰り返す。したがつて
工作物８の加工は全工程にわたつて円滑になさ
れ、ドリルに切削屑Ｋが巻き付いて加工不能にな
るといつた従来の問題は生じない。このため数値
制御工作機械Ａを用いた工作物８の加工におい
て、無人運転が可能になる。

なお、工作物８の加工に使用する数値制御工作
機械は第１図のような門型のものに限らない。ま
た、掃除用具７の移動軌跡は第４図に示すような
形状でなくともよく、自由であり、掃除用具７を
工作物８の上で何度往復させても差し支えない。
さらに、工作物８が鋼製でなく鋳物製の場合には
ねじ曲がつた切削屑Ｋでなく細かい切削屑Ｋが出
るので、掃除用具７は前述した複数のロツド７ｆ
……でなく平板を十字状に支持板（掃除部材７ｃ
の溶接したものを使用するとよい。

以上説明したように、この発明に係る工作機械
の掃除用具は、主軸に把持される支持軸を上面の
中心部に垂直に取り付けた基板の下面に、下面に
剛体製の掃除部材をほぼ十字状に配設した支持板
が、上記支持軸の回転中心線に上記掃除部材の十
字状交点をほぼ一致させて着脱手段により着脱自
在に取り付けられた構成とされているので次の効
果がある。

ロツド７ｆまたは平板等の剛体製の掃除部材
を支持板７ｃに略十字状に取り付けたので、工
作機械に自動装着する際に、掃除用具が装着の
つど、異なつた方向に装着されようとも、工作
物上面の切削屑を確実に排除できる。

また、ロツド７ｆまたは平板等の掃除部材を
支持板７ｃに略十字状に取り付けたので、該十
字状の部分が一種の切削屑の集積部になり、掃
除用具側方に切削屑を飛散させることが少な
く、前に掃除用具が移動清掃した近傍を該掃除
用具が移動する際にも、清掃した所に切削屑を
押しやることが少ない。

ロツドまたは平板等の剛体製の掃除部材を、
工作物上面をわずかの隙間を隔ててゆつくり移
動させることにより、工作物そのものを傷つけ
ることがなく、また工作物上面で絡み合い工作
物から離れがたい切削屑をも確実に排除でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の掃除用具を使用する自動工
作機械の一例を示す正面図、第２図はこの発明の
掃除用具の一例を示す平面図、第３図は同掃除用
具の断面図、第４図は同掃除用具の工作物上での
移動軌跡を示す平面図である。Ａ……数値制御工作機械、１……テーブル、４
ａ……主軸、５……工具収納装置、６……工具交
換装置、７……掃除用具、７ａ……支持軸、７ｃ
……支持板、７ｆ……ロツド、８……工作物。

Claims

【特許請求の範囲】

１主軸に把持される支持軸を上面の中心部に垂
直に取り付けた基板の下面に、下面に剛体製の掃
除部材をほぼ十字状に配設した支持板が、上記支
持軸の回転中心線に上記掃除部材の十字状交点を
ほぼ一致させて着脱手段により着脱自在に取り付
けられたことを特徴とする工作機械の掃除用具。