JPH04351300A - プレス機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、タレットパンチプレ
ス等のプレス機械に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、タレットパンチプレスのフレーム
形式として、図７に示すＣ形のものと、図８に示す門形
のものとがある。

【０００３】図７のＣ形のフレーム５０は、上フレーム
部５１と下フレーム部５２とを、一端の柱部５３で一体
に接合した形状のものである。上フレーム部５１には、
複数の上金型を周縁に配列した上タレット５４と、上金
型を昇降駆動するクランク形式のスライド駆動機構５５
とが設置してある。下フレーム部５２には、下金型を配
列した下タレット５６と、板材Ｗａの送り機構５７とが
設置される。

【０００４】図８の門形のフレーム５８は、上フレーム
部５１と下フレーム部５２とを両端で柱部５３により一
体に接合した形状のものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この種のパンチプレス
では、スライド駆動機構５５による加圧力は一般に数十
トンに達し、このような大きな加圧力が加わるため、図
７のＣ形のフレーム５０では、同図に誇張して鎖線で示
すように、プレス時の反力で上フレーム部５１が上方へ
撓む。この撓みが打抜き後にフレーム５０の弾性で急激
に戻るため、大きな騒音を発生すると共に、振動を発生
して加工精度の低下や工具寿命の低下を招くという問題
点がある。

【０００６】このようなフレーム５０の撓みによる騒音
が、プレス機械の主な騒音発生原因の一つとなっている
。フレーム５０の剛性を高めると、撓みによる騒音や振
動を低下させることができるが、剛性を高めるためには
フレーム５０を大型化することが必要であり、設置スペ
ースが大きくなるうえ、コスト高になる。

【０００７】図８の門形のフレーム５８では、上フレー
ム部５１が両端固定であるため、Ｃ形のフレーム５０に
比べて高い剛性が得られる。しかし、これによっても、
同図に誇張して鎖線で示すように、上フレーム部５１に
撓みが生じ、騒音や振動が発生する。

【０００８】このような問題点を解消するものとして、
フレームを上下に分割し、上フレームを下フレーム上に
昇降自在に支持するものを試みた。

【０００９】これによると、上フレームの慣性によって
上フレームが略静止した状態でプレス加工が行え、かつ
プレス時の反力は上フレームが上昇することによって逃
がされる。そのため、上フレームに撓みが生じることが
なく、撓みによる騒音や振動が防止される。

【００１０】しかし、上フレームが下フレーム上に落下
したときの衝撃が、下フレームを介して床面に伝わり、
そのため十分な騒音および振動の防止効果を得ることが
困難であった。

【００１１】この発明の目的は、フレームの撓みによる
騒音および振動の防止が図れ、さらに床面に振動が伝わ
ることも防止できるプレス機械を提供することである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明のプレス機械は
、フレームを上フレームと下フレームとに分割し、上フ
レームを下フレーム上に中間ダンパを介して浮き上がり
状態に接続すると共に、下フレームを床面上に床部ダン
パを介して浮き上がり状態に固定設置したものである。 前記両ダンパは、弾性および減衰性を有するものである
。上金型の上下スライド駆動機構は上フレームに設け、
下金型は下フレームに設ける。

【００１３】

【作用】この構成によると、上下スライド駆動機構によ
るプレス時の反力は、上フレームが上昇することによっ
て逃がされ、上フレームの撓みが防止される。そのため
、上フレームの撓みによる振動や騒音が防止される。

【００１４】また、この構成の振動モデルは、上フレー
ムの質量と下フレームの質量との間に、中間ダンパの弾
性要素と減衰要素とが並列に介在し、かつ下フレームの
質量と床面との間に床部ダンパの弾性要素と減衰要素と
が並列に介在した２自由度の振動モデルとして考えられ
る。

【００１５】そのため、前記ダンパや上フレームが、下
フレームに対する動吸振器として利用でき、上下フレー
ムの重量比、各ダンパのばね定数，減衰率、およびスラ
イド駆動機構によるパンチ駆動サイクル等を適宜設計す
ることにより、上フレームの落下の振動が下フレームか
ら床面に伝わることを良好に防止することができる。

【００１６】

【実施例】この発明の一実施例を図１ないし図５に基づ
いて説明する。この実施例は、タレットパンチプレスに
適用した例である。

【００１７】フレーム１は、両端に柱部２，３を有する
下フレーム５と、柱部２，３上に渡って載置した上フレ
ーム４とに分割され、全体が門形に形成されている。上
フレーム４は、各柱部２，３の両面に固定された横ずれ
防止片６，７により幅方向に挟まれ（図４）、かつ柱部
２の上面に設けたガイドピン８に下面の位置決め孔９が
嵌合して下フレーム５に昇降自在に支持される。

【００１８】上フレーム４は、柱部２，３の上面に設け
た中間ダンパ１０を介して柱部２，３に載せられ、中間
ダンパ１０の上下面は上下フレーム４，５に接着剤等で
各々固定される。中間ダンパ１０は、加硫ゴム製品等の
防振ゴム、またはプラスチック等からなり、弾性および
内部摩擦による減衰性を有している。

【００１９】下フレーム５は、図１に示すように床面４
１上に複数の床部ダンパ４０を介して浮き上がり状態に
設置し、各床部ダンパ４０の上下面は下フレーム５と床
面４１とに接着剤等で固定してある。床部ダンパ４０は
、中間ダンパ１０と同様な防振ゴムまたはプラスチック
等からなる。

【００２０】上下フレーム４，５の間の後部（図１の左
側部分）には、上タレット１２および下タレット１３が
配置してある。これら上下タレット１２，１３は、各々
複数の上金型１４および下金型１５を周縁部に配列した
ものであり、上下のタレット支持部材１６，１７に回転
自在に支持され、かつ上下フレーム４，５に設けられた
割出し機構（図示せず）により同期して回転させられる
。上下のタレット支持部材１６，１７は、いずれも下フ
レーム５に設けたものであり、上側のタレット支持部材
１６は下フレーム５の柱部２に取付けられている。上下
金型１４，１５は、主に打抜き型が用いられるが、一部
のものは絞り型としてある。

【００２１】スライド駆動機構１８はクランク形式のも
のであり、そのフライホイール１９およびモータ（図示
せず）が上フレーム４に設置されている。フライホイー
ル１９は、ピットマン２０およびラム２１を介して上金
型１４を昇降駆動する。ラム２１の昇降位置において、
下金型１５は下フレーム５の受け部材２２に支持される
。

【００２２】下フレーム５の前部には、板材Ｗを上下タ
レット１２，１３間に送り込む送り機構２３が設置して
ある。送り機構２３は、板材Ｗを載せてキャリッジ２４
と共にレール２５上を前後（図２のＹ軸方向）移動する
スライドテーブル２６と、板材Ｗを把持してクロススラ
イド２７と共にキャリッジ２４に沿って横（Ｘ軸方向）
送りされるワークホルダ２８とからなる。

【００２３】上記構成の動作を説明する。上金型１４は
、スライド駆動機構１８のラム２１によって昇降駆動さ
れ、下降時に板材Ｗを下金型１５との間で打抜く。この
とき、上フレーム４は中間ダンパ１０に抗して昇降可能
であるが、上フレーム４は慣性によって略静止状態を保
ち、上金型１４による打抜きが行われる。打抜き時の加
圧力の反力は、上フレーム４が中間ダンパ１０に抗して
上昇することにより逃がされる。そのため上フレーム４
の撓みが防止され、撓みエネルギーが開放される時に発
生する騒音や振動が防止される。

【００２４】上フレーム４が下フレーム５上に落下した
ときの衝撃は、次のように吸収され、床面４１に伝わる
ことが防止される。

【００２５】すなわち、この構成の振動モデルは、図５
に示すように上フレーム４の質量ｍと下フレーム５の質
量Ｍとの間に、中間ダンパ１０の弾性要素（ばね定数ｋ
）と減衰要素（減衰係数ｃ）とが並列に介在し、かつ下
フレーム５の質量Ｍと床面４１との間に床部ダンパ４０
の弾性要素（ばね定数Ｋ）と減衰要素（減衰係数Ｃ）と
が並列に介在した２自由度の振動モデルとして考えられ
る。

【００２６】そのため、各ダンパ１０，４０や上フレー
ム４が、下フレーム５に対する動吸振器として利用でき
、上下フレーム４，５の重量比、各ダンパ１０，４０の
ばね定数ｋ，Ｋ、減衰率ｃ，Ｃ、およびスライド駆動機
構１８（図１）によるパンチ駆動サイクル等を適宜設計
することにより、上フレーム４の落下による下フレーム
５の振動を吸収できる。そのため、下フレーム５の振動
が床面４１を介して周囲に伝わることが防止できる。

【００２７】このプレス機械は、このようにフレーム１
の撓みによる騒音および振動の防止が図れ、また床面４
１に振動が伝わることが防止できる。

【００２８】また、このプレス機械では上フレーム４に
撓みが発生しないため、上下タレット１２，１３の上下
金型１４，１５の心ずれによる加工精度の低下や金型寿
命の低下が防止される。さらに、フレーム１を分割した
ため、上下フレーム４，５を別々に製造でき、一体の大
きなフレームを製造する場合に比べて鋳造等による製造
が容易である。

【００２９】図６はこの発明の他の実施例を示す。この
例は、フレーム１をＣ形とした例であり、上フレーム４
の一端を下フレーム５の柱部２の上面に中間ダンパ１０
を介して載置し、平行リンク機構２９により上フレーム
４と柱部２とを連結してある。下フレーム５は、図示し
ない床部ダンパで図１の例と同様に床面に固定してある
。上タレット１２は、柱部２に取付けたタレット支持部
材（図示せず）で支持される。このように構成した場合
も、前記実施例と同様に振動および騒音の防止効果が得
られる。

【００３０】なお、前記各実施例では中間ダンパ１０お
よび床部ダンパ４０を防振ゴムまたはプラスチックで構
成したが、ガスショックダンパを用いても良く、また油
圧ダンパとばね部材とを組み合わせて使用しても良い。 また、ダンパ１０，４０の構成によっては、図１の実施
例の横ずれ防止片６，７や、図６の実施例の平行リンク
機構２９を省略しても良い。

【００３１】

【発明の効果】この発明のプレス機械は、上下スライド
駆動機構を備えた上フレームと、下金型を支持した下フ
レームとにフレームを分割し、上フレームを下フレーム
上に浮き上がり状態に支持したものであるため、プレス
時の反力が上フレームの上昇によって逃がされる。その
ため、上フレームに撓みが生じることがなく、撓みによ
る騒音や振動が防止される。

【００３２】また、上下フレームは中間ダンパで互いに
接続し、かつ下フレームを床面上に床部ダンパで固定設
置したため、装置全体が２自由度の振動系として考えら
れ、上フレームの落下による振動が、動吸振器の理論に
より吸収できる。そのため、床面を介して周囲に振動や
騒音が伝わることも防止でき、良好な振動および騒音の
防止効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の側面図である。

【図２】その平面図である。

【図３】同じくその正面図である。

【図４】図１のＩＶ−ＩＶ　線拡大断面図である。

【図５】同実施例のプレス機械の振動モデルの説明図で
ある。

【図６】他の実施例の側面図である。

【図７】従来例の側面図である。

【図８】他の従来例の側面図である。

【符号の説明】

１…フレーム、２，３…柱部、４…上フレーム、５…下
フレーム、６，７…横ずれ防止片、８…ガイドピン、９
…位置決め孔、１０…ダンパ、１２…上タレット、１３
…下タレット、１４…上金型、１５…下金型、１８…ス
ライド駆動機構、２１…ラム、２３…送り機構、４０…
床部ダンパ、４１…床面、Ｗ…板材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　フレームを、上金型の上下スライド駆
   動機構を備えた上フレームと、下金型を支持した下フレ
   ームとに分割し、前記上フレームは前記下フレーム上に
   中間ダンパを介して浮き上がり状態に接続し、前記下フ
   レームは床面上に床部ダンパを介して浮き上がり状態に
   固定設置し、前記両ダンパは弾性および減衰性を有する
   ものとしたプレス機械。