JPH0434829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、寝たきりの患者が衣類、寝具によつ
て圧迫を受ける部位に生じる褥創を洗浄する機能
を備えた褥創洗浄ベツドに関する。

［従来の技術］ 長期間寝たきりの患者は衣類、寝具によつて圧迫
を受ける部位にいわゆる床ずれと称する褥創が発
生してしまう場合が多い。

この褥創が生じた場合、従来にあつては、ハバ
ードタンクと称されるような大型のタンクに洗浄
液を満たし、患者の全身をタンクに浸けて洗浄液
で洗浄をおこなつていた。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、上記の従来例にあつては、患者の全
身をハバードタンクのようなタンクに浸けて洗浄
液で洗浄していたので、患者の疲労が大きく、ま
た、介添えの看護人にとつても重労働となつてい
た。また、全身を浸けるためのタンクに洗浄液を
満たさなければならないので、高価な洗浄液を大
量に使用しなければならず経済的でなく、また交
換に当たつても大量の洗浄液を交換するため交換
も面倒である。また、洗浄液を大量に必要とする
ため洗浄液の消毒濃温度を高くするには多くの消
毒液（原液）が必要となり、高価となる。したが
つて、実際に使用されている洗浄液では殺菌効果
が弱く、使用後液の交換後も細菌が残存している
場合があり、他の患者への感染につながる。

本考案は上記の従来例の問題点を鑑みて考案し
たものであつて、その目的とするところは、褥創
の洗浄に当たり、患者の疲労を少なくし、また、
看護人の労働を少なくし、洗浄液の使用量が少な
くてすみ、交換も簡単にでき、MRSA（耐性菌）
等の他の患者への感染を防止できる褥創洗浄ベツ
ドを提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の褥創洗浄ベツドは、ベツド１の一部に
孔部２を設けてこの孔部２に容器３を配設し、容
器３に上方に向けて洗浄液４を噴出する洗浄液噴
出部５を設け、容器３と洗浄液噴出部５とを循環
流路６により連通して成るものであつて、このよ
うな構成を採用することで、上記した従来例の問
題点を解決して本考案の目的を達成したものであ
る。

［作用］ しかして、褥創の発生した患者をベツド１の上
に寝かせ、褥創部分をベツド１の孔部２に対向さ
せ、洗浄液噴出部５から洗浄液を噴出して褥創部
を洗浄液で消毒、洗浄し、噴出した洗浄液は人体
に当たつて跳ね返つて容器３に受けられ、容器３
に受けられた洗浄液は循環流路６を通つて再び洗
浄液噴出部５から噴出されて褥創部分を消毒、洗
浄するものである。そして、上記洗浄が終わる
と、洗浄液を排出して新しい洗浄液と交換し、次
の患者の褥創の消毒、洗浄を行うものである。

［実施例］ 本考案を以下添付図面に示す実施例に基づいて
詳述する。

ベツド１の一部に孔部２が設けてあり、この孔
部には上方が開口した容器３が装着してある。す
なわち添付図面に示す実施例ではベツドフレーム
７の上にマツトレス８が載設してあるが、このマ
ツトレス８に孔部２が設けてあり、孔部２の下方
においてベツドフレーム７に容器３が取り取り付
けてある。容器３内の中央部には上方に向けて突
出する洗浄液噴出部５が設けてあり、この洗浄液
噴出部５の先端部は多数の小さい孔を穿孔したシ
ヤワーノズル５ａとなつている。上記洗浄液噴出
部５と容器３とはホース、管等の循環流路６によ
り連通接続してある。この循環流路６の途中には
ポンプ９が設けてあり、更に循環流路６の途中ま
たは容器３の下端部には弁１０を介して排液部１
１が設けてある。ここでポンプ９はベツドフレー
ム７に取り付けてもよく、あるいは床に設置する
ようにしてもよい。図中１２はゴムマツトや合成
樹脂マツト等の可撓性を有する防水マツトであつ
て、中央部にマツトレス８の孔部２と同じ大きさ
の開口部１３が設けてあり、この開口部１３の全
周縁から下方に向けてスカート部１４が一体に垂
下してある。そして、防水マツト１２をベツド１
のマツトレス８の上に敷き、スカート部１４を孔
部２にはめ込み、スカート部１４によりマツトレ
ス８の孔部２内壁面を覆い洗浄液４により孔部２
内壁面が濡れないようにする。

しかして、褥創の消毒、洗浄に当たつては、容
器３に洗浄液４を入れ、患者をベツド１のマツト
レス８の上に寝かせるとともに患者の褥創部分を
ベツド１の孔部２に対向させる。この状態で、ポ
ンプ９を駆動させて洗浄液４を洗浄液噴出部５の
シヤワーノズル５ａから噴出させ、患者の褥創部
分にシヤワー状に洗浄液４を当てて消毒、洗浄を
行うものである。噴出した洗浄液４は患者の身体
１５に当たつて跳ね返つて容器３に受けられ、循
環流路６を経て再び洗浄液噴出部５から噴出され
るのである。このようにして一人の患者の褥創の
消毒、洗浄が終わると、弁１０を開いて排液部１
１から使用済の洗浄液４を排液する。そして、次
の患者の褥創の洗浄をするには新たに容器３に新
しい洗浄液４を入れ、再び上記と同様にして褥創
の消毒、洗浄を行うものである。

［考案の効果］ 以上のように本考案にあつては、ベツドの一部
に孔部を設けてこの孔部に容器を配設し、容器に
上方に向けて洗浄液を噴出する洗浄液噴出部を設
け、容器と洗浄液噴出部とを循環流路により連通
してあるので、患者をベツドに寝かせたまま洗浄
液を褥創部分に噴出して消毒、洗浄ができるもの
であつて、患者の疲労を少なくすることができる
とともに看護人の労働を少なくでき、また、高価
な洗浄液の使用量も少なくてすんで経済的であ
り、交換も簡単にできるものであつて、コスト面
及び交換作業の面で容易に患者一人毎に洗浄液を
交換でき、この結果、MRSA（耐性菌）等の他の
患者への感染の心配もないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は同上の分解
斜視図、第３図は同上の断面図であつて、１はベ
ツド、２は孔部、２は孔部、３は容器、４は洗浄
液、５は洗浄液噴出部、６は循環流路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベツドの一部に孔部を設けてこの孔部に容器を
   配設し、容器に上方に向けて洗浄液を噴出する洗
   浄液噴出部を設け、容器と洗浄液噴出部とを循環
   流路により連通して成る褥創洗浄ベツド。