JPH04345564A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

Info

Publication number
JPH04345564A
JPH04345564A JP11761491A JP11761491A JPH04345564A JP H04345564 A JPH04345564 A JP H04345564A JP 11761491 A JP11761491 A JP 11761491A JP 11761491 A JP11761491 A JP 11761491A JP H04345564 A JPH04345564 A JP H04345564A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
braking
target
cylinder pressure
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11761491A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiki Yasuno
芳樹 安野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP11761491A priority Critical patent/JPH04345564A/ja
Publication of JPH04345564A publication Critical patent/JPH04345564A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制動時の車両の操縦安
定性を向上させることができる制動力制御装置に関する
【0002】
【従来の技術】従来の制動力制御装置としては、例えば
特開昭63−184116号公報に記載されているよう
に、各車輪に設けた制動手段としてのホイールシリンダ
の制動圧を検出し、所定周期毎に制動圧検出値と目標制
動圧との差分に比例した増圧又は減圧を行うことにより
、制動圧を目標値に追従させる制御方法が知られている
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の制動力制御装置にあっては、増圧時間及び減圧時間
に対する圧力変化量が比例関係にあるという前提で増圧
時間及び減圧時間が決定されているが、実際にはマスタ
シリンダ圧レベル及びホイールシリンダ圧レベルの違い
によって圧力変化量も変動し、例えば所定時間の減圧を
行ってもホイールシリンダ圧レベルが大きい程圧力変化
量も大きくなるため、目標値に対する誤差が大きくなる
という未解決の課題があった。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、マスタシリンダ圧
レベル及びホイールシリンダ圧レベルの相違による圧力
変化量の変動を加味して正確な制動力制御を行うことが
できる制動圧制御装置を提供をすることを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る制動力制御装置は、図1の基本構成図
に示すように、前輪及び後輪の少なくとも一方に配設さ
れた入力される流体圧に応じて制動力を制御可能な制動
力制御手段と、前記制動力制御手段の流体圧を検出する
制動圧検出手段と、マスタシリンダ圧を検出するマスタ
シリンダ圧検出手段と、各制動力制御手段の目標制動圧
を算出する目標制動圧算出手段と、該目標制動圧算出手
段の目標制動圧と前記制動圧検出手段の制動圧検出値と
が一致するように、前記所定周期T毎に前記増圧、保持
及び減圧モードの何れかを決定し、前記制動力制御手段
を制御する制動圧制御手段と、前記マスタシリンダ圧検
出手段の検出値及び制動圧検出手段の検出値に基づいて
前記所定周期Tより短い単位時間T1 当たりの増圧及
び減圧に対する制動圧変化量予測値を一意に求める制動
圧推定手段とを備え、前記制動圧制御手段は、所定周期
T毎の増圧又は減圧となる圧力変化モード開始前に、前
記制動圧推定手段で算出される圧力変化モードを単位時
間T1 の整数倍行ったときの制動圧変化量予測値と、
目標制動圧算出手段の目標制動圧とを比較して最も目標
制動圧に近い圧力変化モードの実行回数を決定し、当該
実行回数に基づいて圧力変化モードの保持時間を算出す
ることを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明に係る制動力制御装置においては、ホイ
ールシリンダ等の制動力制御手段の制動圧を制動圧検出
手段で検出すると共に、マスタシリンダのマスタシリン
ダ圧をマスタシリンダ圧検出手段で検出する。一方、制
動圧推定手段で、マスタシリンダ圧検出値と制動圧検出
値に依存する実測データに基づいた2変数関数として単
位時間の増圧/減圧に対する圧力変化量予測値を一意に
求め、制動圧制御手段で、圧力変化量予測値と目標制動
圧とを比較して、目標制動圧に最も近い増圧又は減圧の
圧力変化モードの実行回数を決定し、これによって制動
力制御手段を制御する。したがって、マスタシリンダ圧
レベル及びホイールシリンダ圧レベルの相違による圧力
変化量の変動を加味した正確な制動力制御を行うことが
できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は本発明の一実施例を示す油圧系統図である
。図中、1FL,1FRは前輪に取付けられた制動手段
としてのホイールシリンダ、1RL,1RRは後輪に取
付けられた制動手段としてのホイールシリンダであって
、これらホイールシリンダ1FL〜1RRに供給するブ
レーキ油圧がアクチュエータ2によって制御される。
【0008】このアクチュエータ2は、前輪側のホイー
ルシリンダ1FL及び1RRのシリンダ圧を個別に制御
する3ポート3位置電磁方向切換弁3FL及び3FRと
、後輪側のホイールシリンダ1RL及び1RRを同時に
制御する3ポート3位置電磁方向切換弁3Rとを備えて
いる。そして、電磁方向切換弁3FL及び3FRのPポ
ートがブレーキペダル4に連結された2系統マスターシ
リンダ5の一方の系統に接続され、また電磁方向切換弁
3FL及び3FRのAポートが個別にホイールシリンダ
1FL及び1FRに接続され、さらにBポートが電動モ
ータ(図示せず)によって回転駆動される油圧ポンプ7
Fを介してマスターシリンダ5の一方の系統に接続され
ている。
【0009】また、電磁方向切換弁3RのAポートがホ
イールシリンダ1RL及び1RRに接続され、Bポート
が電動モータ(図示せず)によって回転駆動される油圧
ポンプ7Rを介してマスターシリンダ5の他方の系統に
接続されている。さらに、電磁方向切換弁3FL及び3
FRのPポートと油圧ポンプ7Fとの間の管路にアキュ
ムレータ8Fが接続され、Bポートと油圧ポンプ7Fと
の間の管路にリザーバタンク9Fが接続され、同様に電
磁方向切換弁3RのPポートと油圧ポンプ7Rとの間の
管路にアキュムレータ8Rが接続され、Bポートと油圧
ポンプ7Rとの間の管路にリザーバタンク9Rが接続さ
れている。
【0010】ここで、各電磁方向切換弁3FL〜3Rの
夫々は、ノーマル位置の第1の切換位置でマスターシリ
ンダ5とホイールシリンダ1FL〜1RRとを直接接続
してホイールシリンダ1FL〜1RRのブレーキ液圧を
マスターシリンダ5に応じた値とする増圧状態とし、第
2の切換位置でホイールシリンダ1FL〜1RRとマス
ターシリンダ5及び油圧ポンプ7F及び7Rとの間を遮
断してホイールシリンダ1FL〜1RRのブレーキ液圧
を保持する保持状態とし、さらに第3の切換位置でホイ
ールシリンダ1FL〜1RRとマスターシリンダ5との
間を油圧ポンプを介して接続することにより、ホイール
シリンダ1FL〜1RR内の作動油をマスターシリンダ
5側に戻す減圧状態とし、これらの切換位置が後述する
制動圧制御装置16から供給される3段階の電流値によ
って切換制御される。
【0011】一方、車両には、ステアリングホイール1
0の操舵角を検出して、ステアリングホイール10が中
立位置にあるときに零の電圧、この中立位置から右切り
したときに操舵角に応じた負の電圧、及び中立位置から
左切りしたときに操舵角に応じた正の電圧となる操舵角
検出値θを出力する操舵状態検出手段としての操舵角セ
ンサ11が配設されていると共に、車速に応じた車速検
出値VX を出力する速度検出手段としての車速センサ
12が取付けられ、またブレーキペダル4の踏込状態を
検出するブレーキスイッチ13が取付けられていると共
に、各ホイールシリンダ1FL,1FR,1RL,1R
R及びマスターシリンダ5のシリンダ圧に応じたアナロ
グ電圧でなる圧力検出値PFL,PFR,PR 及びP
MCを出力する圧力センサ14FL,14FR,14R
及び14MCが取付けられ、これら各センサの圧力検出
値PFL,PFR,PR 及びPMCが制動圧制御装置
16に入力される。
【0012】制動圧制御装置16は、図3に示すように
、各センサ11,12及び14FL〜14MCの各検出
値がセンサ12の検出値については直接、センサ11及
び14FL〜14MCについてはA/D変換器17a〜
17eを介して入力されると共に、ブレーキスイッチ1
3のスイッチ信号が直接入力されるマイクロコンピュー
タ19と、このマイクロコンピュータ19から出力され
る制御信号CSFL,CSFR及びCSR がD/A変
換器18a〜18cを介して個別に入力されて前述した
電磁方向切換弁3FL,3FR及び3Rのソレノイドを
駆動するフローティング形の定電流回路20FL,20
FR及び20Rとを備えている。
【0013】マイクロコンピュータ19は、少なくとも
入力インタフェース回路19a、出力インタフェース回
路19b、演算処理装置19c及び記憶装置19dを備
え、演算処理装置19cで、操舵角センサ11からの操
舵角検出値θ,車速センサ12からの車速検出値VX 
及び圧力センサ14MCからのマスタシリンダ圧検出値
PMCに基づいて図5の処理を実行して、前輪左右の目
標制動力としての目標ホイールシリンダ圧P* FR及
びP* FLを算出し、これら目標ホイールシリンダ圧
P* FR及びP* FLと、圧力センサ14FR,1
4FLにおけるシリンダ圧検出値PFR及びPFLの補
正値PFRA 及びPFLA と、圧力センサ14MC
のシリンダ圧検出値PMCとに基づいて図6の処理を実
行してアクチュエータ2の電磁方向切換弁3FL,3F
Rを制御する制御信号CSFL,CSFRを出力し、且
つ電磁方向切換弁3Rに対しては、常時零の制御信号C
SR を出力すると共に、このときの増圧時間及び減圧
時間を図7及び図8の処理を実行して決定する。
【0014】次に、上記実施例の動作を説明する。先ず
、上記実施例の制御原理について説明すると、車両の運
動を、図4に示すように、ヨーイング及び横方向の2自
由度と考えた場合、運動方程式は下記(1)式及び(2
) 式で表すことができる。   IZ ・Ψ″(t) =Cf ・Lf −Cr ・
Lr                     +T
f ・( BFL(t) −BFR(t))/2   
       …………(1)   M・V′y (t
) =2(Cf +Cr ) −M・Vx (t) ・
Ψ′        …………(2)   ここで、I
Z は車両ヨー慣性モーメント、Ψ′はヨーレート、L
f は車両重心と前車軸との間の距離、Lr は車両重
心と後車軸との間の距離、Tf は前輪トレッド、BF
L(t) は左前輪制動力、BFR(t) は右前輪制
動力、Mは車両重量、Vy は車両横方向速度、V′y
 (t) は車両横方向加速度、Vx は車両前後方向
速度である。また、Cf 及びCr は、前輪及び後輪
のコーナリングフォースであって、下記(3) 式及び
(4) 式で表すことができる。
【0015】   Cf =Kf {θ(t)/N−( Vy +Lf
 ・Ψ′(t) /Vx (t) ) }…………(3
)   Cr =−Kr ( Vy −Lr ・Ψ′(
t) ) /Vx (t)             
…………(4) なお、θ(t) は操舵角、Nはステ
アリングギヤ比、Kf は前輪コーナリングパワー、K
r は後輪コーナリングパワーである。そして、前記(
3) 式及び(4) 式を前記(1) 式及び(2) 
式に代入し、ヨーレートΨ′(t) 、横方向速度Vy
 (t) に関する微分方程式と考えると、下記(5)
 式及び(6)式で表現することができる。
【0016】   Ψ″(t) =a11・Ψ′(t) +a12・V
y (t)               +b1 ・
θ(t) +bpl・ΔBf (t)        
       …………(5)   V′y (t) 
=a21・Ψ′(t) +a22・Vy (t) +b
2 ・θ(t)   …………(6) 但し、ΔBf 
(t)   =BFL(t) −BFR(t)    
                   ………(7.
1)       a11=−2(Kf ・ Lf ・
 Lf + Kr ・ Lr ・ Lr )/( IZ
 ・VX ) …(7.2)       a12=−
2(Kf ・ Lf − Kr ・ Lr )/( I
Z ・VX )         ………(7.3) 
      a21=−2(Kf ・ Lf − Kr
 ・ Lr )/( M・VX ) −VX     
………(7.4)       a22=−2( Kf
 +Kr )/( M・VX )          
           ………(7.5)      
 b1 =2・Kf ・Lf /(IZ ・N)   
                    ………(7
.6)       b2 =2・Kf /(M・N)
                         
     ………(7.7)       bp1=T
f /(2・IZ )               
                 ………(7.8)
 である。
【0017】上記(5) 式及び(6) 式より、操舵
角入力θ(t) に対する発生ヨーレートΨ′1 (t
) の関係は、微分演算子sを用いると下記(8) 式
のように表せる。   この(8) 式の伝達関数X(s) は(一次)/
(二次)の形であり、VX が大きくなる程操舵角入力
θ(t) に対する発生ヨーレートΨ′1(t)は振動
的になり、車両操縦性及び安定性が悪化することが分か
る。すなわち、前記(8) 式の分母の一次の項に係る
係数{−(a11+a22)}は、制御系の減衰係数ζ
に相当し、このため係数{−(a11+a22)}に前
記(7.2) 式及び(7.5) 式に示すa11及び
a22を代入すると、これらa11,a22が常に負の
値となることから、減衰係数ζは正の減衰であり、且つ
車両前後方向速度VX が大きくなる程減衰係数ζは零
に近づくことになる。つまり、車両前後方向速度VX 
が大きくなる程、制御系の減衰係数ζが小さくなるため
、ヨーレートΨ′1(t)は振動的(減衰し難い)にな
る。
【0018】そこで、例えば目標ヨーレートΨ′r(t
)を操舵角入力θ(t) に対してオーバシュート及び
アンダシュートの無い1次遅れ系とし、且つ定常値をノ
ーマルの車両と等しく設定すれば、目標ヨーレートΨ′
r(t)は下記(9) 式で表すことができる。   Ψ′r(t)=H0 ・θ(t) /(1+τS)
                      ………
…(9) 但し、H0 は定常ヨーレートゲインで、ス
タビリティファクタAを用いることにより、下記(10
)式によって定義される。
【0019】   H0 =VX /{(1+A・VX 2)・L・N
)                  …………(1
0)ここで、Lはホイールベースであり、またスタビリ
ティファクタAは、   A=−M(Lf ・Kf −Lr ・Kr )/2
・L2 ・Kf ・Kr   …………(11)で表さ
れる。このように、上記(9) 式で定常値をノーマル
の車両と等しく設定するようにしているので、前述した
従来例のように車両の制動時に積極的に回頭性を向上さ
せるものではなく、制動時、非制動時にかかわらず操舵
角検出値θと車速検出値VX とによって定められた所
定のヨー特性を満足させて、車両の操縦安定性を向上さ
せることができる。
【0020】次に、前輪左右の制動力差ΔBf (t)
 を用いて、車両の発生ヨーレートΨ′(t) を目標
ヨーレートΨ′r(t)に一致させる方法について説明
する。前記(9) 式を変形すると、目標ヨーレートの
微分値Ψ″r(t)は、下記(12)式で求めることが
できる。   Ψ″r(t)=H0 ・θ(t) /τ−Ψ′r(
t)/τ                  ………
…(12)また、操舵角入力θ(t) と前輪左右制動
力差ΔBf (t) による発生ヨーレートΨ′(t)
 が、目標ヨーレートΨ′r(t)と一致すると仮定す
れば、各々の微分値Ψ″(t) ,Ψ″r(t)も一致
する。したがって、Ψ″r(t)=Ψ″(t) 、Ψ′
r(t)=Ψ′(t) と仮定し、また前記仮定が成立
する時の横方向速度Vy(t) をVyr(t) と定
義して、これらを前記(5) 式及び(6) 式に代入
することにより、下記(13)式及び(14)式を得る
ことができる。
【0021】   Ψ″r(t)=a11 ・Ψ′r(t)+a12 
・Vyr(t)              +b1・
θ(t) +b p1・ΔBf (t)       
          …………(13)  V′yr(
t) =a21 ・Ψ′r(t)+a22 ・Vyr(
t) +b2・θ(t)     …………(14) 
 そして、上記(13)式に前記(12)式を代入すれ
ば、前輪左右の制動力差ΔBf (t) は下記(15
)式で求めることができる。 ΔBf (t) =(Ψ″r(t)−a11 ・Ψ′r
(t)−a12 ・Vyr(t) −b1・θ(t))
/bp1                     
                         
              …………(15)  こ
の(15)式で求めた前輪左右の制動力差ΔBf (t
)を発生させるためには、前輪左右のホイールシリンダ
圧に差圧を生じさせればよく、ホイールシリンダ圧Pと
制動力Bf との関係は、車輪の慣性モーメントを無視
すれば、下記(16)式で求めることができる。
【0022】   Bf =2・μp ・Ap ・rp ・P/R=k
p ・P              …………(16
)  kp =2・μp ・Ap ・rp /R   
                         
…………(17)但し、kp はホイールシリンダ圧と
制動力との比例定数であり、μp はブレーキパッド及
びディスクロータ間摩擦係数、Ap はホイールシリン
ダ面積、rp はディスクロータ有効半径、Rはタイヤ
半径である。
【0023】したがって、前輪左右のホイールシリンダ
圧の目標差圧をΔP(t) とすれば、この目標差圧Δ
P(t) は、   ΔP(t) =ΔBf (t) /kp     
                         
   …………(18)で表すことができる。そして、
上記(18)式で求められた目標差圧ΔP(t) とマ
スターシリンダ圧PMC(t) とから、前輪左右の目
標ホイールシリンダ圧PFL(t) 及びPFR(t)
 を下記(19)式及び(20)式に従って算出する。
【0024】   P* FL(t) =PMC(t)   (ΔP(
t) ≧0)            =PMC(t)
 +ΔP(t)             (ΔP(t
) <0且つPMC(t) >−ΔP(t) )   
         =0              
                         
     …………(19)            
(ΔP(t) <0且つPMC(t) ≦−ΔP(t)
 )  P* FR(t) =PMC(t)   (Δ
P(t) <0)            =PMC(
t) −ΔP(t)             (ΔP
(t) ≧0且つPMC(t) >ΔP(t) )  
          =0             
                         
      …………(20)           
 (ΔP(t) ≧0且つPMC(t) ≦ΔP(t)
 )  なお、前後輪のコーナリングパワーKf,Kr
 は制動力及び駆動力が加わることにより変化するので
、制動時のコーナリングパワーを算出する必要がある。
【0025】すなわち、前輪及び後輪のコーナリングフ
ォースCf 及びCr と制動力及び駆動力とは、一般
に図9に示すような摩擦円の概念によって関係づけられ
ている。以下、前輪を例にとって制動力が加わるときの
コーナリングパワーKf の算出方法を説明する。先ず
、前輪側のコーナリングフォースCf は車輪横すべり
角βに比例すると仮定し、タイヤの出し得る最大摩擦力
(即ち摩擦円半径)をF0 、コーナリングフォースC
f が最大値Cfmaxとなるときの横すべり角βをβ
max 、制動力が加わらないときのコーナリングパワ
ーをKf0とすれば、  Cfmax=F0 =Kf0
・βmax                    
             …………(21)の関係が
得られる。
【0026】この(21)式が成り立つ時に制動力Bf
 が加わると、最大コーナリングフォースCfmaxは
、下記(22)式のように変化する。   Cfmax=(F0 2 −Bf 2)1/2  
                       =F
0 {1−(Bf /F0 )2 }1/2     
   =[Kf0{1−(Bf /F0 )2 }1/
2 ]βmax         …………(22)し
たがって、制動力Bf が加わったときの前輪側コーナ
リングパワーKf は下記(23)式で求めることがで
きる。
【0027】   Kf =Kf0{1−(Bf /F0 )2 }1
/2                     ……
……(23)そして、前輪側コーナリングパワーKf 
を前輪側の左右輪の平均値とすれば、前輪左右に制動力
BFL, BFRが加わった時の前輪側コーナリングパ
ワーKf は下記(24)式で求めることができる。   Kf =Kf0[{1−(BFR/F0)2 }1
/2 +{1−(BFL/F0)2 }1/2 ]/2
…………(24)同様に、後輪の出し得る最大摩擦力を
F0 ′、制動力が加わらない時の後輪側コーナリング
パワーをKr0とすれば、後輪に制動力Brが加わった
時の後輪側コーナリングパワーKr は下記(25)式
で求めることができる。
【0028】   Kr =Kr0{1−(Br /F0 ′)2 }
1/2                   ………
…(25)そして、上記(23)式及び(24)式に前
述した(16)式を代入することにより、下記(26)
式及び(27)式に従って前輪側コーナリングパワーK
f 及び後輪側コーナリングパワーKr を求めること
ができる。   Kf =Kf0[{1−(kp P FR/F0)
2 }1/2 +{1−(kp P FL/F0)2 
}1/2 ]/2                 
                         
                  …………(26
)  Kr =Kr0{1−(kp PR /F0 ′
)2 }1/2               ………
…(27)そして、実際のホイールシリンダ圧PFL〜
PR を目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R
 に一致させるには、各ホイールシリンダ1FL〜1R
Rのホイールシリンダ圧PFL〜PR の増圧,保持及
び減圧モードの何れかを所定周期(例えば5msec)
毎に決定する必要がある。ここでは、前右輪のホイール
シリンダ圧PFRを、目標シリンダ圧P* FRに追従
させる場合を例にとって説明する。
【0029】モードの決定を行うには、予め所定時間の
増圧(又は減圧)を行った時のホイールシリンダ圧変化
量特性データが必要となる。この特性データは、マスタ
シリンダ圧PMC及び増圧(又は減圧)開始前のホイー
ルシリンダ圧が決まれば、圧力変化量が一意に決定され
る2入力1出力関数の形で記述されていなければならな
い。
【0030】一例として、マスタシリンダ圧PMCを4
0,60及び80kg/cm2  の一定値に保った状
態で、5msec間の増圧を行った場合のホイールシリ
ンダ圧変化量ΔP1 の実測データを図10(a),(
b) 及び(c) に示す。 この場合ホイールシリンダ圧変化量ΔP1 は、増圧開
始前のホイールシリンダ圧に依存しており、図10に示
した実測データは概ねホイールシリンダ圧の2次関数と
して表せ、例えばマスタシリンダ圧PMCが60kg/
cm2の時のホイールシリンダ圧変化量ΔP1 は、下
記(28)式により近似することができる。
【0031】   ΔP1 (PMC=60kg/cm2)=ΔPma
x −K0(PFR−P0)2     …………(2
8)ただし、ΔPmax =4.5kg/cm2 、K
0 =0.0041(kg/cm2)−1、P0 =2
7kg/cm2である。同様に、マスタシリンダ圧PM
Cが40kg/cm2及び80kg/cm2の場合は、
夫々下記(29)式及び(30)式で近似することがで
きる。
【0032】   ΔP1 (PMC=40kg/cm2)=ΔPma
x −K0(PFR−P0)2     …………(2
9)ただし、ΔPmax =3kg/cm2、K0 =
0.0062(kg/cm2)−1、P0 =18kg
/cm2である。   ΔP1 (PMC=80kg/cm2)=ΔPma
x −K0(PFR−P0)2     …………(3
0)ただし、ΔPmax =6kg/cm2、K0 =
0.0031(kg/cm2)−1、P0 =36kg
/cm2である。
【0033】上記ΔPmax 、K0 及びP0 のマ
スタシリンダ圧PMCに対する変化量に着目し、これら
をマスタシリンダ圧PMCの関数と考えると、ホイール
シリンダ圧変化量ΔP1 はホイールシリンダ圧PFR
とマスタシリンダ圧PMCの2変数関数として下記(3
1)式で近似することができる。   ΔP1(PMC、PFR)=K1 PMC−K2(
PFR−K3 PMC)2/PMC  …………(31
)ただし、K1 =0.075、K2 =0.248、
K3=0.45である。
【0034】また、マスタシリンダ圧PMCを40,6
0及び80kg/cm2  の一定値に保った状態で、
5msec間の減圧を行った場合のホイールシリンダ圧
変化量ΔP2 の実測データを図11(a),(b) 
及び(c) に示す。この場合ホイールシリンダ圧変化
量ΔP2 は、減圧開始前のホイールシリンダ圧と比例
関係にあり、且つマスタシリンダ圧に対する依存性は無
い。したがって、ホイールシリンダ圧変化量ΔP2 は
、下記(32)式により近似することができ、この(3
2)式に従ってホイールシリンダ圧変化量ΔP2 を算
出する。
【0035】   ΔP2(PFR)=K4 ・PFR       
                         
  …………(32)ただし、K4 =0.12である
。したがって、上記(31)式又は(32)式にしたが
って、ホイールシリンダ圧変化量ΔP1 又はΔP2 
を算出し、これを実際のホイールシリンダ圧PFRに増
減することにより、ホイールシリンダ圧予測値を求める
ことができ、これと目標シリンダ圧P* FRとから増
圧モード、保持モード及び減圧モードを決定することが
できる。
【0036】このため、マイクロコンピュータ19の演
算処理装置19cで、図5の目標ホイールシリンダ圧演
算処理及び図6の制動力制御処理を実行することにより
、前輪側左右輪に対する制動力を制御して車両のヨーレ
ートを目標ヨーレートに一致させることができる。すな
わち、図5の目標ホイールシリンダ圧演算処理は、所定
周期ΔT(例えば5msec)毎のタイマ割込処理とし
て実行され、先ずステップS1で、操舵角センサ11の
操舵角検出値θ、車速センサ12の車速検出値VX 及
び圧力センサ14MCのマスタシリンダ圧検出値PMC
を読込み、次いでステップS2に移行する。
【0037】このステップS2では、各ホイールシリン
ダ圧検出値PFR, PFL及びPR に基づいて前述
した(26)式及び(27)式の演算を行って前輪側コ
ーナリングパワーKf 及び後輪側コーナリングパワー
Kr を算出する。次いで、ステップS3に移行して、
車速検出値VX と予め設定された車両の諸元とから前
記(7.2) 〜(7.5) 式の演算を行って、係数
a11〜a22を算出する。ここで、前記(7.2) 
〜(7.5) 式における車両の諸元によって決定され
る定数部a11V 〜a22V は下記(33.1)〜
(33.4)式によって予め算出しておく。
【0038】   a11V =−2(Kf Lf 2 +Kr Lr
 2)/IZ               …………
(33.1)  a12V =−2(Kf Lf −K
r Lr ) /IZ               
  …………(33.2)  a21V =−2(Kf
 Lf −Kr Lr ) /M          
        …………(33.3)  a22V 
=−2(Kf +Kr ) /M          
                …………(33.4
)次いで、ステップS4に移行して、車速検出値VX 
と、予め前記(11)式に基づいて算出されたスタビリ
ティファクタA及び車両の諸元によって決定されるホイ
ールベースL、ステアリングギヤ比Nとに基づいて前記
(10)式の演算を行って定常ヨーレートゲインH0 
を算出すると共に、算出された定常ヨーレートゲインH
0 に基づいて前記(12)式の演算を行うことにより
、目標ヨーレートの微分値Ψ″r(n)を算出し、さら
に算出された微分値Ψ″r(n)と目標ヨーレートの前
回値Ψ′r(n−1)とから下記(34)式に従って現
在の目標ヨーレートΨ′r(n)を算出し、これを記憶
装置19dに形成した目標ヨーレート記憶領域に更新記
憶する。
【0039】   Ψ′r(n)=Ψ′r(n−1)+Ψ″r(n)Δ
T                        
…………(34)ここで、ΔTはタイマ割込周期である
。次いで、ステップS5に移行して、前記ステップS3
で算出した係数a21及びa22と、前記(7.7) 
式に従って予め算出した係数b2 と、前記ステップS
4で算出した目標ヨーレートΨ′r(n)と横方向速度
の前回値Vyr(n−1) とから前記(14)式の演
算を行って横方向加速度V′yr(n) を算出し、こ
の算出された横方向加速度V′yr(n) と横方向速
度の前回値Vyr(n−1) とから下記(35)式の
演算を行って現在の横方向速度Vyr(n) を算出し
、これを記憶装置19dの横方向速度記憶領域に更新記
憶する。
【0040】   Vyr(n) =Vyr(n−1) +V′yr(
n) ΔT                    
  …………(35)次いで、ステップS6に移行して
、前記(15)式に従って前輪左右の制動力差ΔBf 
を算出し、算出された制動力差ΔBf と予め(17)
式に従って算出された比例定数kp とに基づいて前記
(18)式の演算を行うことにより、目標差圧ΔPを算
出する。
【0041】次いで、ステップS7に移行して、目標差
圧ΔPが正又は零であるか否かを判定し、ΔP≧0であ
るときには、ステップS8に移行して、前左輪の目標シ
リンダ圧P* FLをマスタシリンダ圧PMCに設定す
ると共に、前右輪の目標シリンダ圧P* FRをマスタ
シリンダ圧PMCと目標差圧ΔPとの減算値(PMC−
ΔP)又は“0”の何れか大きい値に設定からタイマ割
込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、Δ
P<0であるときには、ステップS9に移行して、前左
輪の目標シリンダ圧P* FLをマスタシリンダ圧PM
Cと目標差圧ΔPとの加算値(PMC+ΔP)又は“0
”の何れか大きい値に設定すると共に、前右輪の目標シ
リンダ圧P* FRをマスタシリンダ圧PMCに設定し
てからタイマ割込処理を終了する。
【0042】この図5の処理が目標制動圧算出手段に対
応している。したがって、今、ブレーキペダル4を解放
した非制動状態を維持しながら直進走行を継続している
ものとすると、車速センサ12からの車速検出値VX 
は車速に応じた値となるが、操舵角センサ11からの操
舵角検出値θは零であり、さらに目標ヨーレートの前回
値Ψ′r(n−1)及び横方向速度の前回値Vyr(n
−1) も零となっている。
【0043】このため、ステップS4で算出する定常ヨ
ーレートゲインH0は車速に応じた値となるが、目標ヨ
ーレートの微分値Ψ″r(n)は、前記(12)式の右
辺第1項の操舵角検出値θが零であり且つ右辺第2項の
目標ヨーレートの前回値Ψ′r(n−1)も零であるの
で零となり、したがって目標ヨーレートの現在値Ψ′r
(n)も零となる。 これに応じてステップS5で算出する横方向加速度V′
yr(n) 及び横方向速度Vyr(n) も零となり
、ステップS6で算出される前輪左右制動力差ΔBf 
及び目標差圧ΔPも零となるので、ステップS7からス
テップS8に移行する。ここで、車両が非制動状態であ
るので、圧力センサ14MCで検出されるマスターシリ
ンダ圧PMCは零であり、目標ホイールシリンダ圧P*
 FL及びP* FRは零に設定される。
【0044】ところが、直進走行状態を継続しながらブ
レーキペダル4を踏込んで制動状態に移行すると、マス
ターシリンダ5のマスターシリンダ圧PMCは上昇する
ことになるが、目標差圧ΔPは零を継続するので、ステ
ップS8で算出される左右輪の目標ホイールシリンダ圧
P* FL及びP* FRは、マスターシリンダ圧PM
Cと等しく設定される。
【0045】一方、車両が直進定速走行状態からステア
リングホイール10を例えば左切りすることにより、左
旋回状態となると、これに応じて操舵角センサ11から
ステアリングホイール10の操舵角に応じた正方向に増
加する操舵角検出値θが出力されることになるので、ス
テップS4で算出される目標ヨーレートの微分値の現在
値Ψ″r(n)が車速に応じた定常ヨーレートゲインH
0と操舵角検出値θとに応じた値となり、目標ヨーレー
トの現在値Ψ′r(n)も正方向に増加する値となる。 それに伴い、ステップS5で算出される横方向加速度の
現在値V′yr(n) は、車両諸元や車速により正方
向又は負方向に変化し、これに応じて横方向速度の現在
値Vyr(n) も正方向又は負方向に変化する。
【0046】上記の値に基づきステップS6で、前輪左
右の制動力差ΔBf及び目標差圧ΔPが算出される。そ
の時目標差圧ΔPが負の値の場合には、ステップS7か
らステップS9に移行して、前左ホイールシリンダ1F
Lに対する目標シリンダ圧P* FLがマスターシリン
ダ圧PMCより目標差圧ΔP分小さく設定され、前右ホ
イールシリンダ1FRに対する目標シリンダ圧P* F
Rがマスターシリンダ圧PMCと等しく設定され、これ
らに応じて各ホイールシリンダ1FL及び1FRのシリ
ンダ圧を制御することにより、車速と操舵角とに応じた
適性なヨーレートを発生することができる。
【0047】逆に目標差圧ΔPが正の値の場合には、ス
テップS7からステップS8に移行し、前左側ホイール
シリンダ1FLに対する目標シリンダ圧P* FLがマ
スターシリンダ圧PMCに設定されると共に、前右側ホ
イールシリンダ1FRに対する目標シリンダ圧P* F
Rがマスターシリンダ圧PMCより目標差圧ΔP分だけ
小さい値に設定されることになり、これらに応じて各ホ
イールシリンダ1FL及び1FRのシリンダ圧を制御す
ることにより、車速と操舵角とに応じた目標ヨーレート
Ψ′r(n)に一致するヨーレートを発生することがで
きる。
【0048】次に、直進走行状態からステアリングホイ
ール10を右切りして右旋回状態としたときには、操舵
角センサ11の操舵角検出値θが負の値となることによ
り、目標ヨーレートの微分値Ψ″r(n)、目標ヨーレ
ートΨ′r(n)が負の値となるが基本的には前記左旋
回と同様に制御される。一方、図6の制動力制御処理は
、図5の目標シリンダ圧演算処理と同様に所定周期ΔT
(例えば5msec) のタイマ割込処理として左右輪
側で個別に実行される。
【0049】すなわち、ステップS11でブレーキスイ
ッチ13がオン状態であるか否かを判定し、ブレーキス
イッチ13がオフ状態であるときには、非制動状態であ
ると判断してステップS12に移行して、目標シリンダ
圧P* FLと実際のシリンダ圧PFLとの誤差を監視
する周期を表す変数mを“1”に設定すると共に、出力
する制御信号の保持時間ΔTを5msecに設定してか
らステップS13に移行して、前記変数mから“1”を
減算した値を新たな変数mとして設定してからステップ
S14に移行する。
【0050】このステップS14では、保持時間ΔTが
正であるか、“0”であるか、さらには負であるかを判
定し、ΔT>0であるときには、ステップS15に移行
して保持時間ΔTが5msec以上であるか否かを判定
し、ΔT<5であるときには、ステップS16に移行し
て、増圧信号として“0”の制御信号CSFLを2.5
msec間定電流回路20FLに出力し、次いでステッ
プS17に移行して保持時間ΔTから“2.5”を減算
した値を新たな保持時間ΔTとして記憶装置19dに形
成した保持時間記憶領域に更新記憶してからタイマ割込
処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、ステ
ップS15の判定結果がΔT≧5であるときには、ステ
ップS18に移行して、増圧信号として“0”の制御信
号CSFLを5msec間定電流回路20FLに出力し
、次いでステップS19に移行して保持時間ΔTから“
5”を減算した値を新たな保持時間ΔTとして記憶装置
19dに形成した保持時間記憶領域に更新記憶してから
タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復
帰する。
【0051】また、ステップS14の判定結果がΔT=
0であるときには、ステップS20に移行して、保持信
号として第1の所定電圧VS1の制御信号CSFLを出
力してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプロ
グラムに復帰し、さらにステップS14の判定結果がΔ
T<0であるときにはステップS21に移行する。この
ステップS21では、保持時間ΔTが−5msec以下
であるか否かを判定し、ΔT>−5であるときには、ス
テップS22に移行して、減圧信号として前記第1の所
定電圧VS1より高い第2の所定電圧VS2の制御信号
CSFLを2.5msec間定電流回路20FLに出力
し、次いでステップS23に移行して保持時間ΔTに“
2.5”を加算した値を新たな保持時間ΔTとして記憶
装置19dに形成した保持時間記憶領域に更新記憶して
からタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラム
に復帰し、ステップS21の判定結果がΔT≦−5であ
るときには、ステップS24に移行して、減圧信号とし
て前記第2の電圧VS2の制御信号CSFLを5mse
c間定電流回路20FLに出力し、次いでステップS1
9に移行して保持時間ΔTに“5”を加算した値を新た
な保持時間ΔTとして記憶装置19dに形成した保持時
間記憶領域に更新記憶してからタイマ割込処理を終了し
て所定のメインプログラムに復帰する。
【0052】また、前記ステップS11の判定結果がブ
レーキスイッチ13がオン状態であるときには、車両が
制動状態であるものと判断してステップS31に移行し
、ホイールシリンダ圧Pi (i=FL,FR,R)が
マスタシリンダ圧PMC以上であるか否かを判定し、P
i ≧PMCであるときには、前記ステップS12に移
行し、Pi <PMCであるときには、ステップS32
に移行する。
【0053】このステップS32では、変数mが正であ
るか否かを判定し、m>0であるときには直接前記ステ
ップS13に移行し、m≦0であるときには、ステップ
S33に移行する。このステップS33では、目標シリ
ンダ圧P*i と現在のシリンダ圧検出値Pi との誤
差Perr (=P* i −Pi )を算出し、且つ
変数mを予め設定した所定値m0 に設定してからステ
ップS34に移行する。
【0054】このステップS34では、誤差Perr 
が予め設定した十分に小さい値でなる所定値P0 に対
して、Perr >+P0 であるか、Perr <−
P0 であるか、さらには、+P0 ≧Perr ≧−
P0 であるかを判定する。 このとき、Perr >+P0 であるときには、ステ
ップS35に移行して増圧時間算出処理を実行してから
前記ステップS13に移行し、Perr <−P0 で
あるときには、ステップS36に移行して減圧時間算出
処理を実行してから前記ステップS13に移行し、+P
0 ≧Perr ≧−P0 であるときには、ステップ
S37に移行して、保持時間ΔTを“0”にクリアして
から前記ステップS13に移行する。
【0055】ここで、増圧時間算出処理は、図7に示す
ように、先ずステップS41で、ホイールシリンダ圧P
i (0) を読込み、次いでステップS42に移行し
て、下記(36)式に示すように、目標ホイールシリン
ダ圧P* i からホイールシリンダ圧Pi (0) 
を減算して現在の誤差Perr (0) を算出する。   Perr (0) =P* i −Pi (0) 
                         
     …………(36)次いで、ステップS43に
移行して、実行回数Nを“1”にセットしてからステッ
プS44に移行する。
【0056】このステップS44では、前記(31)式
に従ってホイールシリンダ圧変化量ΔP(N) を算出
し、次いでステップS45に移行して下記(37)式に
従ってホイールシリンダ圧予測値Pi (N) を算出
する。   Pi (N) =Pi (N−1) +ΔP(N)
                         
    …………(37)次いで、ステップS46に移
行して、算出したホイールシリンダ圧予測値Pi (N
) と目標ホイールシリンダ圧P* i とに基づいて
下記(38)式の演算を行って現在の誤差Perr (
N) を算出する。
【0057】   Perr (N) =P* i −Pi (N) 
                         
     …………(38)次いで、ステップS47に
移行して、前述した第5図のステップS34と同様に誤
差Perr (N) が予め設定した十分に小さい値で
なる所定値P0 に対して、Perr (N) >+P
0 であるか、Perr (N) <−P0 であるか
、さらには、+P0 ≧Perr (N) ≧−P0 
であるかを判定する。このとき、Perr (N) >
+P0 であるときには、ステップS48に移行して、
実行回数Nが“5”に達したか否かを判定し、N<5で
あるときには、ステップS49に移行して、現在の実行
回数Nに“1”をインクリメントした値を新たな実行回
数Nとして設定してから前記ステップS44に戻り、ス
テップS48の判定結果がN=5であるときにはステッ
プS50に移行して増圧保持時間ΔTを下記(39)式
に従って算出してから前記図6の処理に戻る。
【0058】   ΔT=5×N                 
                         
    …………(39)  また、ステップS47の
判定結果が、Perr (N) <−P0 であるとき
には、ステップS51に移行して、|Perr (N)
 |≦|Perr (N−1) |であるか否かを判定
し、|Perr (N) |≦|Perr (N−1)
 |であるときには、前記ステップS50に移行し、|
Perr (N) |>|Perr (N−1) |で
あるときには、ステップS52に移行して、増圧保持時
間ΔTを下記(40)式に従って算出してから前記図6
の処理に戻る。
【0059】   ΔT=5×(N−1)+2.5         
                     …………
(40)さらに、ステップS47の判定結果が、+P0
 ≧Perr (N) ≧−P0 であるときには、そ
のまま前記ステップS50に移行する。また、減圧時間
算出処理は、図8に示すように、先ずステップS61で
、ホイールシリンダ圧Pi (0) を読込み、次いで
ステップS62に移行して、下記(41)式に示すよう
に、ホイールシリンダ圧Pi (0) から目標ホイー
ルシリンダ圧P* i を減算して現在の誤差Perr
 (0) を算出する。
【0060】   Perr (0) =Pi (0) −P* i 
                         
     …………(41)次いで、ステップS63に
移行して、実行回数Nを“1”にセットしてからステッ
プS64に移行する。このステップS64では、前記(
32)式に従ってホイールシリンダ圧変化量ΔP(N)
 を算出し、次いでステップS65に移行して下記(4
2)式に従ってホイールシリンダ圧予測値Pi (N)
 を算出する。
【0061】   Pi (N) =Pi (N−1) −ΔP(N)
                         
    …………(42)次いで、ステップS66に移
行して、算出したホイールシリンダ圧予測値Pi (N
) と目標ホイールシリンダ圧P* i とに基づいて
下記(43)式の演算を行って現在の誤差Perr (
N) を算出する。   Perr (N) =P* i −Pi (N) 
                         
     …………(43)次いで、ステップS67に
移行して、前述した第5図のステップS34と同様に誤
差Perr (N) が予め設定した十分に小さい値で
なる所定値P0 に対して、Perr (N) >+P
0 であるか、Perr (N) <−P0 であるか
、さらには、+P0 ≧Perr (N) ≧−P0 
であるかを判定する。このとき、Perr (N) >
+P0 であるときには、ステップS68に移行して、
実行回数Nが“5”に達したか否かを判定し、N<5で
あるときには、ステップS69に移行して、現在の実行
回数Nに“1”をインクリメントした値を新たな実行回
数Nとして設定してから前記ステップS64に戻り、ス
テップS68の判定結果がN=5であるときにはステッ
プS70に移行して減圧保持時間ΔTを下記(44)式
に従って算出してから前記図6の処理に戻る。
【0062】   ΔT=−5×N                
                         
   …………(44)  また、ステップS67の判
定結果が、Perr (N) <−P0 であるときに
は、ステップS71に移行して、|Perr (N) 
|≦|Perr (N−1) |であるか否かを判定し
、|Perr (N) |≦|Perr (N−1) 
|であるときには、前記ステップS70に移行し、|P
err (N) |>|Perr (N−1) |であ
るときには、ステップS72に移行して、減圧保持時間
ΔTを下記(45)式に従って算出してから前記図6の
処理に戻る。
【0063】   ΔT=−{5×(N−1)+2.5}      
                  …………(45
)さらに、ステップS47の判定結果が、+P0 ≧P
err (N) ≧−P0 であるときには、そのまま
前記ステップS50に移行する。ここで、図6の処理が
制動力制御手段に対応しており、図7及び図8のステッ
プS44,S45の処理及びステップS64,S65の
処理が制動圧推定手段に対応している。
【0064】したがって、車両が非制動状態で走行して
いる図12の時点t0 〜t1 間では、ブレーキスイ
ッチ13がオフ状態であるので、ステップS11からス
テップS12,S13を経てステップS14に移行して
ΔT≧0となるので、ステップS15に移行し、ΔT≧
5であるので、ステップS18に移行して“0”の制御
信号CSFL及びCSFRを図6のタイマ割込周期Tと
等しい5msec間出力し、次いでステップS19に移
行して現在の保持時間ΔTから“5”を減算することに
より、保持時間ΔTが“0”にクリアされる。このため
、定電流回路20FL及び20FRから励磁電流が出力
されず、電磁方向切換弁3FL及び3FRはノーマル位
置を維持し、前輪側のホイールシリンダ1FL及び1F
Rがマスターシリンダ5と常時連通状態となる常時増圧
モードとなっている。
【0065】このとき、ブレーキペダル4を踏込んでい
ないので、マスターシリンダ5から出力されるシリンダ
圧力は零となっており、各ホイールシリンダ1FL及び
1FRのシリンダ圧力も零となっており、制動力を発生
することはなく、非制動状態を継続する。この状態から
、時点t1 でブレーキペダル4を踏込んで制動状態と
すると、ブレーキスイッチ13がオン状態となることに
より、図6のステップS11からステップS31に移行
し、図5の目標シリンダ圧演算処理で算出された目標シ
リンダ圧P* FL及びP* FRが夫々マスターシリ
ンダ5のマスターシリンダ圧PMCと一致するか否かを
判定する。 この判定は、車両が直進走行状態であるか旋回状態であ
るかを判定することになり、直進走行状態では、前述し
たように、図5の処理において、目標シリンダ圧P* 
FL及びP* FRがマスターシリンダ圧PMCと等し
く設定されるので、ステップS31からステップS12
に移行し、前述した非制動状態と同様に制御信号CSF
L及びCSFRを共に零として常時増圧モードを継続し
て、各ホイールシリンダ1FL及び1FRのシリンダ圧
PFL及びPFRをマスターシリンダ圧PMCと等しい
値まで上昇させ、両ホイールシリンダ1FL及び1FR
で等しい制動力を発生させる。
【0066】ところが、車両が制動状態を継続している
時点t2 で直進走行状態から旋回状態に移行すると、
前述した図5の処理において、目標シリンダ圧P* F
L (又はP* FR) がマスターシリンダ圧PMC
に対して目標差圧ΔP分減算した値に設定されてP* 
i ≠PMCとなるので、このホイールシリンダ1FL
(又は1FR)に対する処理においては、ステップS3
1からステップS32に移行し、前回のステップS13
の処理で変数mが“0”に設定されていることにより、
ステップS33に移行する。
【0067】このため、各目標シリンダ圧P* FL 
(又はP* FR)と圧力センサ14FL(又は14F
R)の圧力検出値PFL(又はPFR)との誤差Per
r を算出すると共に、変数mを設定値m0 (例えば
m0 =10)に設定してからステップS34に移行す
る。そして、時点t2 では、Perr ≒0であるの
で、そのままステップS13に移行して、変数mを“1
”だけデクリメントしてからステップS14に移行する
。このとき、前回の処理時に保持時間ΔTが“0”にク
リアされているので、ステップS14からステップS2
0に移行し、第1の電圧VS1でなる制御信号CSFL
(又はCSFR)を定電流回路20FL(又は20FR
)に保持信号として出力する。
【0068】このため、定電流回路20FL(又は20
FR)から所定電圧VS1に応じた励磁電流が電磁方向
切換弁3FL(又は3FR)に出力されることにより、
これら電磁方向切換弁3FL(又は3FR)が第2の切
換位置に切換えられ、ホイールシリンダ1FL(又は1
FR)とマスターシリンダ5との間が遮断されて、ホイ
ールシリンダ1FL(又は1FR)のシリンダ圧PFL
(又はPFR)が一定値に維持される保持モードとなり
、この保持モードがステップS13で変数mが“0”と
なるまで即ち50msec間継続される。
【0069】その後、時点t3 で変数mが“0”とな
ると、再度ステップS33に移行し、この時点で誤差圧
力Perr が所定値−P0 より小さい値となるので
、ステップS36の減圧時間算出処理に移行する。この
減圧時間算出処理では、図8に示すように、先ず、現在
のホイールシリンダ圧PFR(0) を初期値として読
込む(ステップS61)と共に、現在の誤差Perr 
(0) を算出し(ステップS62)、且つ実行回数N
を“1”にセットする(ステップS63)。
【0070】次いで、前述した(32)式に従って減圧
状態でのホイールシリンダ圧変化量ΔP2(1)を算出
し(ステップS64)、算出したホイールシリンダ圧変
化量ΔP2(1)を初期ホイールシリンダ圧PFR(0
) から減算して第1回目のホイールシリンダ圧予測値
PFR(1) を算出し(ステップS65)、さらに算
出した予測値PFR(1) から目標シリンダ圧P* 
FRを減算して第1回目の誤差Perr (1) を算
出する(ステップS66)。
【0071】この時点t3 では、図12に示すように
、ホイールシリンダ圧PFR(0) が目標シリンダ圧
P* FRを大きく上回っているので、ステップS67
からステップS68に移行し、実行回数Nが“1”であ
るので、ステップS69に移行して実行回数Nを“2”
に設定してからステップS64に戻る。以上のステップ
S64〜S69の処理を繰り返して、実行回数Nが“5
”に達したとき、又は誤差Perr (N) の絶対値
が所定値P0 以下となったときに、図12では、実行
回数Nが“5”に達したときに、ステップS70に移行
する。このため、保持時間ΔTがΔT=−5×5=−2
5msecに設定される。
【0072】このように、保持時間ΔTが−25mse
cに設定されると、図6のステップS14からステップ
S21を経てステップS24に移行するので、第2の電
圧VS2の制御信号CSFR(又はCSFL)を減圧信
号として出力しする。このため、定電流回路20FL(
又は20FR)から所定電圧VS2に応じた励磁電流が
電磁方向切換弁3FL(又は3FR)に供給されるので
、これが第3の切換位置に切換えられる。
【0073】したがって、ホイールシリンダ1FL(又
は1FR)が油圧ポンプ7Fを介してマスターシリンダ
5に連通されることになり、ホイールシリンダ1FL(
又は1FR)のシリンダ圧PFL(又はPFR)が減圧
される減圧モードとなり、これがステップS25で算出
される保持時間ΔTが“0”となるまで即ち25mse
c間維持される。
【0074】一方、時点t3 から50msecの間(
所定周期Tに対応する)はm>0の状態を維持するので
、ステップS35又はステップS36の増圧時間又は減
圧時間算出処理による新たな保持時間ΔTが算出される
ことはなく、25msecが経過した時点t4 でステ
ップS25の保持時間ΔTが零となることにより、ステ
ップS14からステップS20に移行して、前述した保
持モードに移行する。
【0075】なお、図8の減圧時間算出処理で、ステッ
プS46で算出した予測値と目標値との誤差Perr 
(N) が所定値−P0 を下回ったときには、ステッ
プS67からステップS71に移行して、誤差が大きく
なったか否かを判定し、|Perr (N) |≦|P
err (N−1) |であるときには誤差が小さくな
ったものと判断して、前記ステップS70に移行するが
、|Perr (N) |>|Perr (N−1) 
|であるときには誤差が大きくなったものと判断して、
ステップS71に移行して、前記(45)式に従って前
回の実行回数(N−1)での減圧時間ΔTと今回の実行
回数Nでの減圧時間ΔTとの中間値の減圧時間ΔTを算
出する。
【0076】この結果、例えばNが“3”である場合に
は、減圧時間ΔTはΔT=−{5×(3─1)+2.5
}=−12.5となり、図6の処理でステップS14か
らステップS21を経てステップS24,S25に移行
する処理を2回繰り返した後、ステップS21からステ
ップS22に移行して第2の電圧VS2の制御信号CS
FR(又はCSFL)を2.5msec間出力してから
保持モードに移行し、結局減圧モードが12.5mse
c間継続される。
【0077】その後、時点t5 で変数mが“0”とな
ることにより、図6のステップS32からステップS3
3に移行して、前述したと同様の減圧時間算出処理を行
って新たな減圧時間ΔTを算出し、減圧モードを設定す
る。その後、時点t6 で、目標シリンダ圧P* FR
に対してホイールシリンダ圧PFRが小さい値となるの
で、図6のステップS33の処理において誤差Perr
 が正の所定値P0 より大きい値となることにより、
ステップS34からステップS35の増圧時間算出処理
に移行する。この増圧時間算出処理では、図7に示すよ
うに、前述した減圧時間算出処理に準じて目標シリンダ
圧P* FRからホイールシリンダ圧予測値PFR(N
) を減算して算出した誤差Perr (N) の絶対
値が所定値P0 以下となるか又は実行回数Nが“5”
に達したときに、ステップS50に移行して実行回数N
を5倍した増圧時間ΔTを算出し、また、誤差Perr
 (N) が所定値−P0 を下回ったときには、ステ
ップS51に移行して、今回の誤差Perr (N) 
の絶対値が前回の誤差Perr (N−1) の絶対値
より大きいときに、ステップS52に移行して前回の実
行回数(N−1)での増圧時間ΔTと今回の実行回数N
での増圧時間ΔTとの中間値となる前記(40)式で表
される増圧時間ΔTを算出する。
【0078】そして、算出された増圧時間ΔTに基づい
て図6のステップS14〜ステップS19の処理を繰り
返すことにより増圧時間ΔTだけ増圧モードが維持され
、その後保持モードに移行する。このようにして、減圧
(又は増圧)モードから保持モードを経て減圧(又は増
圧)モードに至るモード変更を行いながら各ホイールシ
リンダ1FL及び1FRのシリンダ圧PFL及びPFR
を目標シリンダ圧P* FL及びP* FRに一致させ
ることができ、結果として車速と操舵角とに応じた目標
ヨーレートの最適値に一致するヨーレートを発生させる
ことができる。
【0079】したがって、制動状態での操舵による不安
定な挙動を防止して操縦安定性を向上させることができ
ると共に、過渡的なヨーレート特性を改善することがで
きる。このとき、マスタシリンダ圧PMCに応じたホイ
ールシリンダ圧変化量ΔP1 又はΔP2 を順次実行
回数N回減算又は加算することにより、実行回数N毎の
ホイールシリンダ圧予測値Pi (N) を算出し、こ
の予測値Pi (N) が目標シリンダ圧P* i に
最も近い値となる実行回数Nを決定して、増圧又は減圧
時間ΔTを算出するようにしているので、図12に示す
ように、毎回の増減圧によってホイールシリンダ圧と目
標シリンダ圧とを高精度で一致させることができ、良好
な圧力サーボ性能を実現することができる。
【0080】しかも、目標ホイールシリンダ圧P* i
 とホイールシリンダ圧予測値Pi (N)との偏差P
err (N) の絶対値が所定値P0 以内に収まっ
たときの回数を圧力変化モードの実行回数として決定す
るようにしているので、制御ハンチングを防止して安定
した保持時間を設定することができる利点がある。また
、目標ホイールシリンダ圧P* i がマスタシリンダ
圧検出値PMC以上であるときに、常時増圧モードを設
定するようにしているので、制御開始時に制動圧を急増
させて、良好な制動状態に移行することができる利点が
ある。
【0081】さらに、圧力変化モードの実行回数を予め
設定された上限値(N=5)で制限するようにしている
ので、ホイールシリンダ圧変化量を適正値に制限して操
縦安定性を向上させることができる利点がある。なお、
上記実施例では、目標シリンダ圧P* FL及びP* 
FRを算出する場合に制動時にコーナリングパワーKf
,Kr が変化するものとして演算する場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、制動時のコ
ーナリングパワーの変化を無視して目標シリンダ圧P*
 FL及びP* FRを算出するようにしてもよい。
【0082】また、上記実施例では、増圧(又は減圧)
モードでのN回目のホイールシリンダ圧予測値Pi (
N) と目標シリンダ圧P* i との誤差Perr 
(N) が所定値+P0 を上回っており、且つ次のN
+1回目のホイールシリンダ圧予測値Pi (N+1)
 が所定値−P0 を下回っており、さらに誤差が大き
くなったときに、N回目における保持時間ΔTとN+1
回目における保持時間ΔTとの中間値を保持時間ΔTと
する場合について説明したが、これに限定されるもので
はなく、下記(46)式(又は(47)式) に従って
保持時間ΔTを算出するようにしてもよい。
【0083】   ΔT=N*T1 +T1 *{P* −P(N) 
}/{P(N+1) −P(N) }        
                         
                         
  …………(46)  ΔT=N*T1 +T1 *
{P(N) −P* }/{P(N) −P(N+1)
 }                       
                         
            …………(47)  ここで
、T1 は図6の制動力制御処理のタイマ割込周期であ
る。このように、(46)式又は(47)式で保持時間
ΔTを算出することにより、増圧又は減圧保持時間をよ
り正確に算出することができる利点がある。
【0084】さらに、上記実施例では、車両が制動状態
となったときにのみヨーレート特性制御を行う場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、例え
ばトラクションコントロール用のアクチュエータを用い
ることにより、非制動状態でもヨーレート特性制御を行
うことができる。さらにまた、上記実施例では、前輪側
の左右輪の制動力差を制御するようにした場合について
説明したが、これに限らず後輪又は前後輪の左右制動力
差を制御するようにしてもよい。
【0085】なおさらに、上記実施例では、車両の操舵
状態検出手段として操舵角センサ11を適用した場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、操
舵角センサに代えて実際の車輪の転舵角(実舵角)を検
出するようにしてもよく、この場合には、前述した(3
) 式,(7.6) 式及び(7.7) 式におけるス
テアリングギヤ比Nを省略する。
【0086】また、上記実施例では、速度検出手段とし
て車速センサ12を適用した場合について説明したが、
これに限らず車輪速度、車両前後加速度等を検出して車
両前後方向速度を算出することもできる。さらに、上記
実施例では、制動圧制御装置16としてマイクロコンピ
ュータを適用した場合について説明したが、これに限定
されるものではなく、比較回路、演算回路、論理回路等
の電子回路を組み合わせて構成することもできる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る制動
力制御装置によれば、制動圧検出手段でホイールシリン
ダ等の制動力制御手段の制動圧を検出すると共に、マス
タシリンダ圧検出手段でのマスタシリンダ圧を検出し、
制動圧推定手段で、マスタシリンダ圧と目標制動圧とに
基づいて制動圧予測値を算出し、制動圧制御手段で、所
定周期T毎の増圧又は減圧となる圧力変化モード開始前
に、制動圧推定手段で算出される圧力変化モードを単位
時間T1 の整数倍行ったときの各制動圧予測値と、目
標制動圧算出手段の目標制動圧とを比較して最も目標制
動圧に近い圧力変化モードの実行回数を決定し、当該実
行回数に基づいて圧力変化モードの保持時間を算出する
ようにしたので、毎回の増減圧によって制動圧と目標制
動圧とを確実に一致させることができ、良好な圧力サー
ボ性能を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す系統図である。
【図3】制動圧制御装置の一例を示すブロック図である
【図4】車両の運動モデルの説明図である。
【図5】制動圧制御装置の目標シリンダ圧算出処理の一
例を示すフローチャートである。
【図6】制動圧制御装置の制動圧制御処理の一例を示す
フローチャートである。
【図7】制動圧制御装置の増圧時間算出処理を示すフロ
ーチャートである。
【図8】制動圧制御装置の減圧時間算出処理を示すフロ
ーチャートである。
【図9】コーナリングパワーの説明に供する摩擦円の概
念を示す説明図である。
【図10】増圧時におけるマスタシリンダ圧が40,6
0,80kg/cm2であるときのホイールシリンダ圧
と圧力変化量ΔP1 との関係を示す特性線図である。
【図11】減圧時におけるマスタシリンダ圧が40,6
0,80kg/cm2であるときのホイールシリンダ圧
と圧力変化量ΔP2 との関係を示す特性線図である。
【図12】実施例の動作の説明に供する信号波形図であ
る。
【符号の説明】
1FL〜1RR    ホイールシリンダ2    ア
クチュエータ(制動力制御手段)3FL〜3R    
電磁方向切換弁 4    ブレーキペダル 5    マスタシリンダ 11  操舵角センサ 12  車速センサ 13  ブレーキスイッチ 14FL〜14MC    圧力センサ(制動圧検出手
段)16    制動圧制御装置 19    マイクロコンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  前輪及び後輪の少なくとも一方に配設
    された入力される流体圧に応じて制動力を制御可能な制
    動力制御手段と、前記制動力制御手段の流体圧を検出す
    る制動圧検出手段と、マスタシリンダ圧を検出するマス
    タシリンダ圧検出手段と、各制動力制御手段の目標制動
    圧を算出する目標制動圧算出手段と、該目標制動圧算出
    手段の目標制動圧と前記制動圧検出手段の制動圧検出値
    とが一致するように、前記所定周期T毎に前記増圧、保
    持及び減圧モードの何れかを決定し、前記制動力制御手
    段を制御する制動圧制御手段と、前記マスタシリンダ圧
    検出手段の検出値及び制動圧検出手段の検出値に基づい
    て前記所定周期Tより短い単位時間T1 当たりの増圧
    及び減圧に対する制動圧変化量予測値を一意に求める制
    動圧推定手段とを備え、前記制動圧制御手段は、所定周
    期T毎の増圧又は減圧となる圧力変化モード開始前に、
    前記制動圧推定手段で算出される圧力変化モードを単位
    時間T1 の整数倍行ったときの制動圧変化量予測値と
    、目標制動圧算出手段の目標制動圧とを比較して最も目
    標制動圧に近い圧力変化モードの実行回数を決定し、当
    該実行回数に基づいて圧力変化モードの保持時間を算出
    することを特徴とする制動圧制御装置。
JP11761491A 1991-05-22 1991-05-22 制動力制御装置 Pending JPH04345564A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11761491A JPH04345564A (ja) 1991-05-22 1991-05-22 制動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11761491A JPH04345564A (ja) 1991-05-22 1991-05-22 制動力制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04345564A true JPH04345564A (ja) 1992-12-01

Family

ID=14716116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11761491A Pending JPH04345564A (ja) 1991-05-22 1991-05-22 制動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04345564A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999064279A1 (de) * 1998-06-05 1999-12-16 Robert Bosch Gmbh Verfahren und vorrichtung zur modellierung eines hydrauliksystems und bremskraftregelsystem

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02208156A (ja) * 1989-02-08 1990-08-17 Nissan Motor Co Ltd アンチスキッド制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02208156A (ja) * 1989-02-08 1990-08-17 Nissan Motor Co Ltd アンチスキッド制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999064279A1 (de) * 1998-06-05 1999-12-16 Robert Bosch Gmbh Verfahren und vorrichtung zur modellierung eines hydrauliksystems und bremskraftregelsystem
US6682154B1 (en) 1998-06-05 2004-01-27 Robert Bosch Gmbh Method and device for modeling a hydraulic system and brake force regulating system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5341296A (en) Vehicle dynamic characteristic control apparatus
US5229944A (en) Braking force control apparatus
US5344224A (en) System and method for controlling braking force for automotive vehicle
US5428532A (en) Vehicle dynamic characteristic control apparatus
JP3257351B2 (ja) 車両の旋回制御装置
EP0465958A1 (en) System for controlling the behavior of a vehicle during braking
JPH0466357A (ja) 車両の旋回挙動制御装置
US5303989A (en) Vehicle dynamic characteristic control apparatus
KR19980063995A (ko) 차량 동적 제어 시스템
JPH1159364A (ja) 車輪スリップ制御装置付き車両の挙動制御装置
JP3214141B2 (ja) 制動力制御装置
JPH07223520A (ja) 車両の旋回挙動制御装置
US8249790B2 (en) Vehicle behavior control device
JPH04345564A (ja) 制動力制御装置
JP2903784B2 (ja) 制動力制御装置
JP2712786B2 (ja) 制動力制御装置
JPH07223526A (ja) 車両状態推定装置及び制動制御装置
JP2606003B2 (ja) 制動力制御装置
JPH0415154A (ja) 車両のアンチロック制御方法
JPH07215193A (ja) 車両の挙動異常検出装置
JP2823062B2 (ja) 制動力制御装置
JPH05185944A (ja) 車両の挙動制御装置
JP3146718B2 (ja) 制動力制御装置
JP2861666B2 (ja) 制動力制御装置
JPH09295564A (ja) 電動ブレーキ制御方法及び装置