JPH04342748A

JPH04342748A - 可塑剤及びそれを含むハロゲン含有樹脂組成物

Info

Publication number: JPH04342748A
Application number: JP11604291A
Authority: JP
Inventors: Keizo Yamamoto; 恵造山本; Akira Urabe; 朗占部; Toshiro Tanaka; 寿郎田中
Original assignee: Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Current assignee: DIC Corp
Priority date: 1991-05-21
Filing date: 1991-05-21
Publication date: 1992-11-30

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、低温柔軟性と耐熱老化
性をバランス良く優れ、しかも他の物性をも損なわない
新規な４−カルボキシ−１，８−オクタン二酸エステル
からなる可塑剤及びそれを含むハロゲン含有樹脂組成物
に関する。

【０００２】

【従来の技術】可塑剤には、ジオクチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタ
ル酸エステル系、トリオクチルトリメリテート等のトリ
メリット酸エステル系、ピロメリット酸エステル系、ジ
オクチルアジペート、ジオクチルセバケート（ＤＯＳ）
等の脂肪族二塩基酸エステル系、トリクレジルホスフェ
ート等のリン酸エステル系、エポキシ化動植物油類、エ
ポキシ化脂肪酸エステル類等のエポキシ系、ポリエステ
ル系、塩素化パラフィン系等各種あり、塩化ビニル樹脂
等ハロゲン含有樹脂に混合した最終製品の性能用途に応
じて使い分けられている。

【０００３】主な要求性能としては、耐寒性、耐熱性、
耐熱老化性、非移行性等があり、耐寒性は、脂肪族二塩
基酸エステル系が優れており、中でもＤＯＳのような長
鎖二塩基酸エステルは耐寒性が最も優れ耐熱老化性も比
較的良好である。耐熱老化性は、トリメリット酸エステ
ル系が優れているが、トリメリット酸エステル系は耐寒
性が著しく劣っている。

【０００４】耐寒性（低温柔軟性）を要求される耐寒電
線被覆、耐寒レザ−、ペースト加工などの用途では脂肪
族二塩基酸エステル系可塑剤で可塑化された塩化ビニル
樹脂などの含ハロゲン樹脂が使用されている。しかしな
がら、これらの応用分野については従来より品質向上に
対する要望が厳しく特に電線被覆、レザーなどの用途で
はＤＯＳのような優れた低温柔軟性とトリメリット酸エ
ステル系のような優れた耐熱老化性が要求され、従来の
可塑剤では対応が困難となっている。

【０００５】脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤の低温柔
軟性、耐熱老化性を向上させるために、長鎖の二塩基酸
またはアルコールを使用すれば良いが、長すぎると相溶
性、可塑化効率の低下をまねき、物性のバランス上から
限界がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この様に従来の可塑剤
は、含ハロゲン樹脂の低温柔軟性と耐熱老化性とを高度
に改善し、しかも他の物性をバランス良く満足させるこ
とが出来なかった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記欠点
がなく低温柔軟性、耐熱老化性及び他の物性をバランス
良く、しかも高度に改善する可塑剤について研究した結
果、本発明を完成するに至った。

【０００８】即ち、本発明は、下記一般式　　　　　　
（ただし、Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３は、脂肪族炭化水素基であ
る。）で示される４−カルボキシ−１，８−オクタン二
酸エステルからなる可塑剤及びそれを含むハロゲン含有
樹脂組成物を提供するものである。

【０００９】（構成）本発明で用いられる可塑剤は、一
般式　　　　　　（ただし、Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３は、脂肪族炭
化水素基である。）で示される４−カルボキシ−１，８
−オクタン二酸エステルである。

【００１０】上記の一般式で示される４−カルボキシ−
１，８−オクタン二酸エステルは、４−カルボキシ−１
，８−オクタン二酸と１価アルコールとのエステル化反
応物で、Ｒ１，Ｒ２，及びＲ３の脂肪族炭化水素基は、
１価アルコールの残基を示すものである。好ましくは、
酸価２以下のエステル化物である。

【００１１】本発明で使用される１価アルコール成分と
しては、例えば、ブタノール、ヘキサノール、イソヘキ
サノール、ヘプタノール、ｎ−オクタノール、イソオク
タノール、２−エチルヘキサノール、ノナノール、イソ
ノナノール、２−メチルオクタノール、デカノール、イ
ソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデ
カノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オク
タデカノールなど炭素数４〜１８の脂肪族１価アルコー
ルが挙げられる。これらの１価アルコールは、１種また
は２種以上の混合物として使用しても良い。

【００１２】本発明の可塑剤は、４−カルボキシ−１，
８−オクタン二酸と上記１価アルコールとを通常の方法
によりエステル化反応して得られる。

【００１３】例えば、４−カルボキシ−１，８−オクタ
ン二酸に対して化学量論的に過剰の１価アルコールをパ
ラトルエンスルホン酸などの酸触媒またはテトライソプ
ロピルチタネートなどの金属触媒の存在下、１００〜２
５０℃、好ましくは１３０〜２５０℃の温度で、好まし
くは酸価が２以下までエステル化反応させた後、過剰の
アルコールを除去して製造される。この様にして得られ
たエステル化物は、精製処理により不純物を除去した方
が品質性能を向上させる上で好ましい。精製処理は苛性
アルカリによる中和及び水洗を行い不純物を除去する方
法、或いは活性炭、活性白土またはアルミナ系合成吸着
剤などによる通常の吸着処理により精製除去する方法を
用いる。

【００１４】この様な４−カルボキシ−１，８−オクタ
ン二酸エステルは、合成樹脂、特にハロゲン含有樹脂の
可塑剤として好適である。ハロゲン含有樹脂としては、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。

【００１５】本発明の可塑剤配合量は、通常ハロゲン含
有樹脂１００重量部に対して１０〜１５０重量部、好ま
しくは２０〜１００重量部である。

【００１６】また本発明の可塑剤は、ハロゲン含有樹脂
の加工分野で使用されている周知の可塑剤、例えばフタ
ル酸エステル系、トリメリット酸エステル系、ピロメリ
ット酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、リン酸
エステル系、エポキシ系、ポリエステル系、塩素化パラ
フィン系等の可塑剤と併用することができる。

【００１７】本発明の可塑剤は、低温柔軟性と耐熱老化
性とを要求される分野に用いられ、特に電線被覆、レザ
ーなどの用途に有用である。次に本発明の特徴を更に明
確にするため実施例を挙げて具体的に説明する。なお、
文中「部」「％」は全て重量基準を示すものである。

【００１８】

【実施例】

＜４−カルボキシ−１，８−オクタン二酸エステル系可
塑剤の製造＞〔実施例１〕反応容器に４−カルボキシ−１，８−オク
タン二酸７６３部、２−エチルヘキサノール１６３８部
及び触媒としてテトライソプロピルチタネート０．６部
を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、１４０〜２３０
℃で生成する水を留去しながら酸価が１以下になるまで
６時間反応を行った。

【００１９】次いで１８０〜１９０℃で最大５ｍｍＨｇ
の減圧下、過剰のアルコールを留去し１００℃で２０部
の水酸化アルミナマグネシウムにより吸着処理を行った
。この後、濾過して次の性状を有するエステルを得た。

【００２０】粘度（２５℃、ｃｐｓ）；４４酸価　　　
　　　　　　　　　　　　；０．２２

【００２１】〔実
施例２〕反応容器に４−カルボキシ−１，８−オクタン
二酸７６３部、イソデカノール１９９１部及び触媒とし
てテトライソプロピルチタネート０．７部を一括して仕
込み窒素気流中で攪拌下、１４０〜２３０℃で生成する
水を留去しながら酸価が１以下になるまで６時間反応を
行った。

【００２２】次いで１９０〜２００℃で最大５ｍｍＨｇ
の減圧下、過剰のアルコールを留去し１００℃で２２部
の水酸化アルミナマグネシウムにより吸着処理を行った
。この後、濾過して次の性状を有するエステルを得た。

【００２３】粘度（２５℃、ｃｐｓ）；４８酸価　　　
　　　　　　　　　　　　；０．１５

【００２４】〔比
較例１〜３〕比較のため次に示す市販の可塑剤を使用し
た。比較例１：ジオクチルセバケート大日本インキ化学工業（株）製　　モノサイザーＷ−２
８０比較例２：トリオクチルトリメリテート大日本インキ化
学工業（株）製　　モノサイザーＷ−７００比較例３：ジオクチルフタレート大日本インキ化学工業（株）製　　ＤＯＰ

【００２５】
＜可塑剤の評価＞実施例　　３実施例１〜２で得られた可塑剤について以下の基本配合
及び成形条件に従ってシートを作成し、物性試験を行っ
た。比較例１〜３の可塑剤の物性試験結果と併せて表−
１に示した。

【００２６】（基本配合）ポリ塩化ビニル樹脂（重合度１０５０）　　；１００部
可塑剤　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　；　　５０部バリウム／亜鉛系粉末複合安定剤
＊　；　　　　２部＊大日本インキ化学工業（株）製商品名：グレックＭＰ−５６８Ｃ

【００２７】（成形条件）ロール（直径６インチ）；１６５℃ｘ１０分プレス（１
ｍｍ厚）　　　　；１７０℃ｘ５分

【００２８】（物性
試験）１）硬度（ＪＩＳスプリングＡスケール）；ＪＩＳＫ−
６３０１に準じて測定した。

【００２９】２）引張試験；ＪＩＳＫ−６７２３に準じ
て測定した。３）低温柔軟性試験；ＪＩＳＫ−６７４５に準じて測定
した。温度が低い程、低温柔軟性に優れることを示す。

【００３０】４）熱老化性試験；ＪＩＳＫ−６７２３に
準じて測定した。但し試験条件は１００℃ｘ１２０時間
を採用した。結果は試験後の常態に対する伸び残率（％
）及び重量減少率（％）で示した。

【００３１】５）高湿度ブリード性試験０．３ｍｍ厚の
ロールシートで４０ｍｍｘ１００ｍｍの試験片として７
０℃、９８％ＲＨで２０日後における試験片のブリード
状態を目視及び指触により観察評価した。

【００３２】○：ブリードのないこと示す

【００３３】

【表１】

【００３４】

【発明の効果】本発明の４−カルボキシ−１，８−オク
タン二酸エステルからなる可塑剤は、従来公知の可塑剤
に比べて特に低温柔軟性及び耐熱老化性が同時に極めて
優れたものであり、ハロゲン含有樹脂の可塑剤としてそ
の応用加工分野における利用価値が極めて大きい。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　下記一般式（ただし、Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３は、脂肪族炭化水素基であ
る。）で示される４−カルボキシ−１，８−オクタン二
酸エステルからなる可塑剤。
【請求項２】　　請求項１に記載の可塑剤を含有するこ
とを特徴とするハロゲン含有樹脂組成物。