JPH04339254A - ガス封入電気機器における分解ガスの検出方法及びその装置 - Google Patents

ガス封入電気機器における分解ガスの検出方法及びその装置

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JPH04339254A
JPH04339254A JP14109591A JP14109591A JPH04339254A JP H04339254 A JPH04339254 A JP H04339254A JP 14109591 A JP14109591 A JP 14109591A JP 14109591 A JP14109591 A JP 14109591A JP H04339254 A JPH04339254 A JP H04339254A
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神谷 俊郎
Kazuhiko Sato
一彦 佐藤
Yasuhiro Ito
康裕 伊藤
Yoshitaka Kondo
近藤 芳孝
Shogo Kajita
梶田 省吾
Sumio Nochida
後田 澄夫
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばガス絶縁変圧器
のように、絶縁又は冷却のために電気機器本体を絶縁ガ
スとともにタンク内に収容したガス封入電気機器の部分
放電や局部過熱等によって生ずる分解ガスを迅速・確実
に検出するための検出方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、変圧器のような電気
機器においては、機器本体を収容したタンク内に絶縁及
び冷却性能に優れた絶縁油を封入した油入変圧器が主流
をなしているが、この油入変圧器は、異常過熱による故
障が発生すると、絶縁油が引火・爆発したりして周囲建
造物に火災等の2次的災害を発生させるおそれがある。 特に、近年電力需要の増大に伴い、電気機器はその設置
場所確保の困難性から、市街地周辺のビルの地下等に設
置することが多く、この結果、変圧器には設置環境の変
化により、火災発生及び環境破壊のおそれのない安全性
に優れたものが社会的に要求されている。
【0003】然るに、最近前記油入変圧器に代わって火
災発生等のおそれがなく、しかも、油入冷却方式に比べ
て小形、軽量化した防災及び信頼性に優れたガス絶縁変
圧器が採用されるようになってきた。このガス絶縁変圧
器は機器本体を収容したタンク内に、前記絶縁油に代わ
る冷却媒体としてSF6 ガス(六弗化硫黄ガス)等の
絶縁ガスを封入し、機器本体の絶縁及び冷却に供せられ
ている。そして、故障等によりタンク内が異常高温とな
っても、火災発生のおそれがほとんどなく、かつ、周囲
環境にも悪影響を与えることが少ないため、市街地やビ
ル地下等の設置に最適である。
【0004】一方、変圧器等の電気機器は電力の安定供
給の面から考えて事故による運転停止は避けなければな
らない。しかし、前記変圧器の場合、例えば、洩れ磁束
によりタンクや機器本体を構成する構造部材に渦電流が
流れて局部的に異常過熱が発生したり、導体接続部の不
完全接触による発熱、更には、部分放電により生ずる絶
縁劣化や絶縁物の経年劣化による発熱等多くの異常発生
要因があり、これらの異常が拡大進展すると、前記のよ
うに、大事故につながり、電力の供給停止をもたらす原
因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、電気機
器の内部異常を早期に発見したり検出することは、電気
機器の大事故を未然に防ぐ上から非常に大事なことであ
る。この点は、例えば、SF6 ガス等の絶縁ガスを用
いたガス絶縁変圧器においても同様であり、機器本体に
異常が生じたか、否かを判断するために絶縁ガスを常時
又は定期的に検出し分析する必要がある。そして、前記
機器本体に異常が発生すると、例えば、前記異常により
過熱した巻線導体(CU)とSF6 ガス等の絶縁ガス
が直接反応してSF4 ガス等の分解ガスが生成される
ため、これらの分解ガスの有無を調べることによって、
機器本体が異常をきたしているか、否かを容易に知るこ
とが可能となる。然るに、従来、前記分解ガスの検出に
際しては、例えば、変圧器のタンク内からガスを採取し
、これをガスクロマトグラフや質量分析器等を用いて、
前記採取したガス中に分解ガスが含まれていないか、ど
うかを分析することにより、機器本体の異常検出を図っ
ていたが、次のような問題があった。
【0006】(1)  機器本体の異常の有無を確認す
るに際しては、タンク内のガスを一旦ボンベに採り、こ
れをガスクロマトグラフ等の分析器がある場所まで運ん
で分解ガスの有無検出作業を行っていたので、検出に手
間と時間がかかるとともに、この間に機器本体の異常が
進行していると、機器の大事故を未然に予測・保全する
ことができなくなる問題があった。 (2)  又、前記のガス採取作業は、変圧器の活線状
態下で行わなければならないので、非常に危険であると
ともに、採取量はタンク内のガスを多量に採取すると、
タンク内のガス圧が低下してしまうため、おのずと限度
があり、この結果、異常の規模が小さい場合とか、異常
発生の初期段階では、分析器による検出感度以下になる
ことが多く、異常を早期に検出できないという問題もあ
った。 (3)  更に、タンク側においては、内部のガスを採
取するために、ガス採取用のバルブや採取管等分解ガス
を採取するための設備を個別に設置しなければならない
ので、異常検出装置の構造が複雑化する問題があった。 (4)  又、ガス絶縁変圧器に小形のガスクロマトグ
ラフ等分解ガスの分析器を個別に設置し、変圧器の据付
現場において、常時、あるいは、定期的に分解ガスの検
出を行うようにしたものも開発されているが、これは高
価な分析器を変圧器に設置しなければならないので、ガ
ス絶縁変圧器の製造原価を必然的に高くする問題があっ
た。
【0007】本発明は、前記の問題点に鑑み、SF6 
ガス等の絶縁性、冷却性能等絶縁ガス自体が本来備えて
いる性能に何等影響を与えることなく、部分放電や局部
過熱等を含む規模の小さい異常状態の場合や異常発生の
初期段階等の軽微な異常を早期に、しかも、簡易に検出
可能としたガス封入電気機器における分解ガスの検出方
法及びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために、機器本体を収容したタンクと冷却器と
の間のガス流通管の配管途中に、分解ガス検出装置を設
置しこの分解ガス検出装置は、高温及び低温に耐えるこ
とができる不凍液等の熱媒体を密封した検出容器と、こ
の検出容器内に前記ガス流通管と連通可能に連結されて
内部に吸着剤を充填した検出管を液密に収容し、前記検
出管には圧力検出装置と表示装置とを管接続するととも
に、検出管内を所要の真空度とする真空ポンプを併設し
、更に、前記熱媒体を密封した検出容器内には、熱媒体
を所要温度に低,高温化するための冷却・加熱装置を具
備させて構成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明において分解ガスを検出する場合は、検
出管とガス流通管とを連通させるバルブを閉鎖して検出
管とガス流通管との流通を一旦停止させ、この状態で、
冷却・加熱装置を作動させて熱媒体を所要温度に冷却し
、SF6 ガス等の絶縁ガスに含有されている分解ガス
を前記低温状態で吸着剤により良好に物理吸着(捕捉)
させ、つづいて、検出管内を所要の真空度に減圧しなが
ら吸着剤の粒体空間内に残存しているガスを排気し、次
に熱媒体を前記冷却・加熱装置により昇温して検出管内
の吸着剤を所定温度まで加熱する間に、吸着剤に前記物
理吸着されている分解ガスを遊離させる。即ち、吸着剤
の加熱により分解ガスを吸着剤から放出させ、この放出
によって生ずる検出管内の圧力変化を圧力検出装置にて
検出するものである。
【0010】そして、前記検出値と、SF6 ガス等の
絶縁ガスが分解されていないとき、あるいは、許容され
る分解範囲内で事前に設定しておいた設定値と比較し、
前記検出値が設定値の範囲内であれば正常であり、範囲
外となれば、表示装置が作動して異常発生を知らせるよ
うにしたものである。これにより、絶縁ガスの熱分解や
部分放電等によって生成される分解ガスの検出作業が変
圧器の設置場所で迅速・確実に行い得、前記分解ガスの
生成度合に応じて現地での変圧器の保守・点検作業を早
期に実施することが可能となり、ガス絶縁変圧器の重大
事故を未然に回避することができる。又、分解ガスの検
出に際しては、吸着剤を冷却・加熱させることによって
生ずる検出管内の圧力変化を検出するだけで、SF6 
ガス等絶縁ガスの分解ガスが残存するか、否かを容易に
検出することが可能となるため、機器本体の異常規模が
小さい初期段階においても、分解ガスを確実に検出する
ことができる利点がある。更に、分解ガスの検出に際し
ては、高価な検出装置や分析器を用いることなく、吸着
剤に吸着させた分解ガスを、該吸着剤を加熱することに
よって生ずる圧力変化を検出するだけでよいので、分解
ガスの生成可否の判断を容易に行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例をガス絶縁変圧器に実
施した例について図1ないし図4を参照して説明する。 図1において、1はガス絶縁変圧器のタンクで、内部に
は鉄心2及びこの鉄心2に巻装した巻線3並びに前記鉄
心2の上,下部を締付ける締付クランプ4,5等を備え
て構成した変圧器本体6が収容設置されている。又、こ
のタンク1内には変圧器本体6とともに、絶縁及び冷却
のためのSF6 ガス等の不活性、不燃性に優れた絶縁
ガスが所定の圧力で封入されている。7はタンク1内と
連通させてタンク1側壁の上,下に取付けたガス流通管
8,9の間に介挿して設置した絶縁ガスの冷却装置で、
タンク1内で加熱された絶縁ガスをガス送風機10にて
タンク1内の上部から上部ガス流通管8を経て冷却装置
7に導き、ここで冷却した後、下部のガス流通管9を通
ってタンク1内に循環させることにより、変圧器本体6
の冷却を行っている。11,12はタンク1の上面に取
付けられて、巻線3からのリード線を外部に引き出すた
めのブッシングである。
【0012】13は下部ガス流通管9の配管途中、例え
ば、タンク1とガス送風機10との間に介挿した分解ガ
ス検出装置で、その詳細構造を図2によって説明する。 図2において、14はバルブAを介して下部ガス流通管
9に連通可能に取付けられた、例えば、U字状に曲成し
た分解ガスの検出管で、内部にはSF6 ガス等絶縁ガ
スが熱分解したときに発生する種々の分解ガスの分子を
良好に物理吸着させることができる粒状の吸着剤15が
充填されており、本実施例では、例えば、東ソー株式会
社製(商品名・ゼオラムA−5)の吸着剤を使用してい
る。16は前記検出管14を、その下部曲成部分から中
央部分を含めた状態で収容する検出容器で、内部には吸
着剤を所定温度に冷却したり、加熱するために不凍液や
シリコーン油等からなる熱媒体17が封入されている。 18は前記検出容器16に取付けられて熱媒体を冷却・
加熱するための装置で、例えば、冷凍機と、加熱機を組
合せたものやヒートポンプ等からなる。19は一方を検
出容器16内において検出管14と連通可能に連結した
小径の導管で、この導管19の検出容器16外に液密に
突出する他方の先端には、図1のように、バルブBを介
して検出管14内の圧力を検出する圧力検出装置20が
取付けられている。そして、前記圧力検出装置20は、
例えば、検出管14内で生ずる微弱な圧力でもこれを圧
力信号として検出することができる圧力センサと、前記
検出信号を増幅して演算させる増幅演算手段と、増幅演
算された信号をあらかじめ設定した設定値と比較してそ
の比較値が前記設定値をオーバーしたとき比較信号を出
力する比較手段と、比較手段より出力された信号をアナ
ログ又はデジタル信号に変換して表示装置21に出力す
る信号変換手段とを備えて構成されている。又、前記検
出管14内の圧力が事前に設定した設定値を超えている
場合、表示装置21はブザーあるいはランプ(発光ダイ
オードの点滅等)を作動させて機器の点検者に知らせる
ようにすることにより、タンク1内に分解ガスが設定値
以上発生していることを直ちに知ることが可能となる。 22は前記導管19と同様、一方を検出容器16内で検
出管14と連通させて連結し、他方は液密に検出容器1
6外に突出させて先端にバルブCを介して真空ポンプ2
3に連結した排気管で、分解ガスの検出時、検出管14
内を真空ポンプ23にて吸引して所定の真空度に保持さ
せる。なお、前記導管19及び排気管22の検出管14
と連通可能に連結されている部位には、吸着剤15が分
解ガスの検出時、検出管14外に散逸するのを防ぐため
に金網等の散逸防止手段24が設けられている。
【0013】次に、分解ガスを検出する場合を図4に示
すフローシートを中心にして説明する。ガス絶縁変圧器
の運転に伴い、例えば、鉄心を構成するけい素鋼帯の絶
縁被膜が輸送時の振動により損傷されて鉄心に局部的な
異常過熱が生じたり、導体接続部の不完全接触による発
熱、あるいは、部分放電によって生ずる絶縁劣化等タン
ク1内や変圧器本体6から生ずる前記局部的な異常過熱
等の温度が、SF6 ガス等絶縁ガスの熱分解する温度
に達すると、即ち、例えば、過熱した導体(Cu)とS
F6 ガス等の絶縁ガスとが直接反応する等して、下記
の化1(反応式)に示すように、SF4 、SO2 等
の分解ガスが生成される。
【0014】
【化1】
【0015】前記のように、絶縁ガスが局部過熱等によ
り熱分解されて生成された分解ガスは、図1で示すよう
に、タンク1内から上部ガス流通管8→冷却装置7→下
部ガス流通管9→タンク1内に循環する過程で、順次分
解ガス検出装置13の検出管14内にも流入し、該検出
管14に充填した吸着剤15に吸着される。このように
、分解ガスは前記の順序で順次吸着剤15の図示しない
細孔に吸着され、検出管14内の分解ガス濃度は逐次に
高くなる。
【0016】次に、変圧器本体6に異常がないか点検す
る場合について説明する。この場合は、定期的に分解ガ
ス検出装置13に滞留している分解ガスの濃度を検出す
ることにより、タンク1内に発生した局部過熱や部分放
電等を重大事故につながる前の軽微な故障の段階で検出
したり、予測することが可能となり、このため、次に示
すような検出手段によってタンク1の絶縁ガスに分解ガ
スが混入していることを確認する。即ち、分解ガスの検
出に際しては、図4のフローシート図で示すように、最
初にステップ101にて分解ガス検出装置13のバルブ
Aを閉じてタンク1内の絶縁ガスが分解ガス検出装置1
3内に流入するのを防ぐ(バルブB,Cは事前に閉状態
となっている)。つづいて、ステップ102により冷却
・加熱装置18を起動し、この状態で、ステップ103
に移行して検出容器16内に封入した熱媒体17を冷却
して検出管14内の吸着剤15を間接的に所定温度まで
冷却する。吸着剤15が所定温度に冷却されたらステッ
プ104により冷却・加熱装置18の運転を一旦停止さ
せる。前記吸着剤15の冷却作用により、吸着剤15の
粒体の細孔に吸着されている分解ガスの分子のエネルギ
ーを奪い、その活動を停滞させて前記細孔内に良好に物
理吸着させる。つづいて、ステップ105〜107に移
行し、バルブCを開放した後真空ポンプ23を起動し、
検出管14内を所定の真空度まで減圧させ、吸着剤15
の前記細孔内に吸着されず、粒体空間に浮遊しているS
F6 ガス及び分解ガスの分子(この分子は細孔に入り
きらない大きさのものを指す)を排気管22から強制的
に外部に排気させる。一定時間経過後ステップ108に
て真空ポンプ23の運転を停止し、検出管14内を減圧
した状態に保持しながらステップ109にてバルブCを
閉じる。
【0017】次に、吸着剤15の粒体細孔内に吸着させ
た分解ガスを取り出す場合は、ステップ110,111
にて冷却・加熱装置18を再駆動すると同時にバルブB
を開放し、熱媒体17を前記とは逆に加熱して検出管1
4内の吸着剤15を所定温度まで加熱する(ステップ1
12参照)。この結果、吸着剤15の細孔内に吸着され
ていた分解ガスは吸着剤15の昇温に伴い順次検出管1
4内に放出される。この結果、分解ガスが生成されて吸
着剤に吸着されておれば、前記吸着剤15から放出され
るガス量が増大することとなり、検出管14内の圧力上
昇値も必然的に高くなる。従って、前記検出管14内の
圧力を、分解ガスが存在しない場合と、存在する場合と
の差を比較することによって分解ガスがどれだけ生成さ
れたかを容易に知ることが可能となる。このため、本件
発明者等は、分解ガスが存在しない場合の検出管14内
の圧力が、昇温過程においてどれだけ変化するかを事前
に設定しておき、この温度上昇に伴う圧力変化を分解ガ
スが生成されていないときに生ずる設定値(基準値・図
3に実線で示すグラフ)Xとして設定し、次に、分解ガ
スが生成されると、吸着剤15から放出されるガス量も
必然的に多くなるため、その圧力上昇値は吸着剤15の
温度上昇に比例して順次高くなることを実験によって確
認した(図3に点線で示す分解ガスの検出値Yのグラフ
参照)。なお、前記昇温に伴う分解ガスの圧力上昇の理
由としては、吸着剤15を外部から熱を加えると、吸着
剤15の粒体の細孔内に吸着している分解ガスの分子の
熱的分子運動が、吸着剤15の昇温とともに活発化し、
これにより吸着剤15の粒体細孔から分解ガスの分子が
外部(検出管14内)に飛び出すために圧力上昇が生じ
るものと推定される(ステップ113,114参照)。
【0018】前記のように、検出管14内の圧力上昇値
はステップ113によりそのまま圧力検出装置20内の
図示しない圧力センサにて検出され、この検出信号を例
えば演算増幅し、ステップ114にて前記圧力検出装置
20の図示しない比較手段にてあらかじめ設定した設定
値Xと比較する。そして、前記分解ガスの検出値Yが、
あらかじめ設定した設定値Xと比べて大きい場合、図4
で示すように、分解ガスの圧力を示す検出値Yは吸着剤
15の加熱温度が高くなるに従って上昇する。この検出
値Yは所定の信号(アナログ又はデジタル)に変換され
表示装置21にて表示される。この場合の表示手段は、
検出値Yが設定値Xに対してどれだけ差異があるかによ
って、その差異を文字等により表示したり、あるいは、
警報を発するかについては任意に設定すればよい。本実
施例については、例えば、前記設定値Xと検出値Yとに
おける圧力の差異は、分解ガスの検出値Yが、設定値X
を通常の判断基準となる約5%上回った場合、前記検出
値Yを表示装置21にて表示するか、警報を発するよう
になっている(ステップ115,117参照)。なお、
前記検出値Yの表示については5%に限定することなく
、絶縁ガスの熱分解の度合と変圧器本体6の異常状態の
状況によって任意に変更してもよいことは勿論である。
【0019】そして、前記分解ガスの検出値Yが表示装
置21によって表示されたりすると、タンク1内で何等
かの異常状態が発生していると判断し、異常原因を調べ
たり運転切換等の処置を行い、事故発生を未然に防ぐ(
ステップ118参照)。一方検出値Yが表示されない場
合、即ち、設定値Xとの差異が5%以下の場合は誤差と
判断し、そのままステップ116に移行し絶縁ガスの検
出・点検作業を終える。前記のように、本発明において
は、ガス絶縁変圧器の運転中、変圧器本体6の異常状態
(局部過熱、部分放電等)の内容によって、絶縁ガスの
分解の度合が異なったとしても、分解ガスが生成されれ
ば、必ず検出作業において圧力変化が生じ、この圧力変
化は的確に検出することが可能となるため、タンク1内
における異常状態を事故発生に至る前の軽微な故障前兆
段階で検出することができ、これによって、SF6 ガ
ス等の絶縁ガスを封入した電気機器の異常状態の予測・
保全を迅速・確実に行うことができる。なお、本発明に
おいて吸着剤15は特殊なものを使用する必要はなく、
分解ガスが吸着できるものであればよいことは云うまで
もない。又、圧力検出装置20や真空ポンプ23は導管
19,排気管22に最初から設置することなく、分解ガ
スの点検に際して導管19や排気管22に取外し可能に
具備させて分解ガスの検出を行ってもよく、更に、圧力
検出に際しては、バルブA〜Cの開,閉から表示までの
過程を遠隔操作可能となし、複数台のガス封入電気機器
を集中管理するようにしてもよい。その上、吸着剤15
は冷却・加熱装置18と真空ポンプ23との併用により
、分解ガスが完全に排除できる温度まで加熱して、吸着
剤15を補給することなく再使用をはかるようにしても
よいことは勿論である。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
、絶縁ガスが分解したときに生成される分解ガスを、そ
の発生量の大・小によって変化する微小圧力により存在
の有・無を判断することが可能となるため、従来のよう
に、分解ガスの検出時、タンク内の絶縁ガスを一旦ボン
ベ等に採取して分析する必要がないので、分解ガスの検
出作業はガス封入電気機器の設置現場において、迅速・
容易に行うことができる。又、分解ガスの検出に際して
は、分解ガスを吸着した吸着剤を、冷却・加熱するとと
もに、前記冷却時と加熱時との間で検出に不要なガスを
外部に強制排除することにより、検出に必要な分解ガス
のみを検出管内において、確実に封じ込めて検出するこ
とができるため、分解ガスの検出精度を著しく高めるこ
とが可能となり、ガス封入電気機器の異常を軽微のうち
に的確に予測・保全することができ、この種電気機器の
事故発生を未然に回避することができる。更に、分解ガ
スの検出過程で用いる検出手段は、通常経済的に購入可
能な市販品が利用でき、しかも、分解ガス検出装置には
、必要に応じて取外し可能に設置することができるので
、ガス封入電気機器個々に設置する必要がなくなるため
、ガス封入電気機器を簡素な構成で経済的に製作するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異常検出装置を備えたガス封入電気機
器の要部を縦断して示す断面図である。
【図2】本発明の異常検出装置の要部を拡大して示す縦
断面図である。
【図3】分解ガスの温度−圧力特性線図である。
【図4】本発明の異常検出装置の動作状況を概略的に示
すフローシート図である。
【符号の説明】
1  タンク 6  変圧器本体 8  ガス流通管 9  ガス流通管 13  分解ガス検出装置 14  検出管 15  吸着剤 16  検出容器 17  熱媒体 18  冷却・加熱装置 19  導管 20  圧力検出装置 21  表示装置 A  開閉手段 B  開閉手段 C  開閉手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  絶縁ガスの熱分解によって生成される
    分解ガスを検出管内に充填した吸着剤に吸着させる工程
    と、この吸着剤を冷却手段により冷却させて強固に吸着
    保持させる工程と、前記検出管内を排気手段により排気
    して吸着剤に吸着されない分解ガスを強制排除する工程
    と、吸着剤を加熱手段により加熱して吸着剤に吸着され
    ている分解ガスを吸着剤から放出させる工程と、更に、
    前記分解ガスの放出によって生ずる検出管内の圧力変化
    を検出する工程とを備えたことを特長とするガス封入電
    気機器における分解ガスの検出方法。
  2. 【請求項2】  絶縁ガスが流通するガス流通路の配管
    途中に分解ガス検出装置を設置し、この分解ガス検出装
    置は、熱媒体を封入した検出容器と、内部に吸着剤を充
    填してガス流通管と開閉自在に連通接続されて前記検出
    容器内に液密に没入させた検出管と、この検出管に開閉
    手段を備えて連接した排気管及び導管と、更に、熱媒体
    を所定温度に冷却・加熱する手段とを具備して構成した
    ことを特徴とするガス封入電気機器における分解ガス検
    出装置。
  3. 【請求項3】  前記検出管に連接した排気管には真空
    ポンプを、導管には検出管内の圧力変化を検出する圧力
    検出装置を、更に、熱媒体を冷却・加熱する手段として
    検出容器に冷却・加熱装置をそれぞれ具備させたことを
    特徴とする請求項2記載のガス封入電気機器における分
    解ガス検出装置。
JP03141095A 1991-05-15 1991-05-15 ガス封入電気機器における分解ガスの検出方法及びその装置 Expired - Fee Related JP3086714B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008182161A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Hitachi Ltd シリコーン液入り電気機器、シリコーン液入り変圧器、及びシリコーン液入り電気機器に使用されているシリコーン液中の環状化合物の測定方法
CN107797032A (zh) * 2017-09-26 2018-03-13 海南电网有限责任公司电力科学研究院 真实条件下气体绝缘设备过热模拟装置及实验方法
CN108469578A (zh) * 2018-03-21 2018-08-31 广东电网有限责任公司电力科学研究院 一种六氟化硫电气设备内部故障诊断方法及装置

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