JPH04337027A - 溶接熱影響部靱性の優れた鋼板の製造法 - Google Patents

溶接熱影響部靱性の優れた鋼板の製造法

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JPH04337027A
JPH04337027A JP13862791A JP13862791A JPH04337027A JP H04337027 A JPH04337027 A JP H04337027A JP 13862791 A JP13862791 A JP 13862791A JP 13862791 A JP13862791 A JP 13862791A JP H04337027 A JPH04337027 A JP H04337027A
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JP
Japan
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steel
steel billet
temperature
toughness
steel plate
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JP13862791A
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Naoki Saito
直樹 斎藤
Yoshihiro Okamura
岡村 義弘
Ryota Yamaba
山場 良太
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は母材および溶接熱影響部
靱性の優れた鋼板の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶接構造物の安全性向上から母材の機械
的性質および溶接性を具備することが必要とされている
。近年、特に、造船用鋼,海洋構造物用鋼等の需要の増
大から溶接性、特に鋼材としては溶接熱影響部(以降H
AZと呼ぶ)の靱性向上に関する研究、開発が盛んに行
なわれてきた。その中でも特開昭59−185760号
公報および特開昭60−245768号公報、さらに特
開昭61−79745号公報および特開昭61−117
245号公報の各々に開示されているように、Tiの酸
化物あるいは窒化物を鋼中に微細分散させ、MnSとの
複合析出物からのフェライト生成により溶接後のミクロ
組織の微細化を図ることによりHAZ靱性の優れた鋼材
の製造技術が公知になっている。これらの鋼はTi酸化
物を鋼中に微細分散させるためにTi脱酸を行なう必要
があり、そのために、従来の脱酸元素であるAlを重量
%で0.006以下で実質的に添加していない。しかし
ながら、そのために、熱間圧延前の鋼片加熱段階におい
て、AlNによるオーステナイト結晶粒の粗大化抑制効
果が得られず熱間圧延後の結晶粒の細粒化が達成できず
、母材の靱性低下が懸念されていた。そのために、例え
ば、特開平2−125812号公報に開示されているよ
うに、鋼片を低温で加熱し結晶粒の粗大化を防止すると
ともに、かつ熱間圧延等条件を規制することで圧延によ
るフェライト粒微細化を達成し、母材の機械的性質、特
に靱性の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のTi酸化物を利
用する鋼材においては、目的とするHAZの靱性は確か
に優れてはいるものの、母材の靱性は先の理由から改善
が必要とされる。また、母材靱性の改善のために、鋼片
を低温で加熱する方法、また熱間圧延で制御圧延を行な
うなどの方法が知られている。しかしながら、結晶粒の
粗大化を防ぐために鋼片の加熱を低温で行なうと、鋼片
が所定の温度に均一に加熱保持されるまでの時間が著し
く増大するために、生産性を著しく阻害する。また、制
御圧延によるミクロ組織の細粒化を得ようとすると、圧
延待ち時間が長時間にわたりやはり生産性の低下を招く
と同時に、圧延の効果は板厚が厚くなればなるほど板厚
中心部まで及びにくくなる。その結果、板厚中心部の靱
性の低下が懸念される等の問題点がある。本発明は上記
の問題点を解決するために、母材およびHAZの靱性が
優れた溶接用鋼材の安価な製造法を提供するものである
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはTi酸化物
を利用した溶接用構造用鋼において、低コストでかつ母
材の靱性、特に、板厚中心部の靱性を抜本的に向上せし
める方法を検討した結果、高価な合金元素を多量に添加
することなく板厚方向の靱性を均一に向上できる方法を
見いだした。本発明者らは、一旦高温に加熱され粗大化
したオーステナイト組織でも、鋼板表層部から板厚1/
4t部では1100℃以下の温度で適切な圧延を行なえ
ば細粒化すること、さらに、板厚中心部でも鋼片を低温
加熱すれば細粒化が達成されると言う従来知見を考慮し
、この二つの現象を同時に生じさせれば目的とするミク
ロ組織の細粒化が板厚各位置で得られると考えた。本発
明はその手段を提供するものである。まず、本発明者ら
は鋼片の加熱過程における鋼片内部の温度変化を考察し
、加熱途中の非定常状態において、熱伝導により鋼片表
層部と中心部に温度差が生じることに着目した。すなわ
ち、温度が鋼片表層部より低い中心部の温度が目的とす
る温度範囲に加熱されている間に鋼片を抽出すれば、結
晶粒の粗大化を防止でき、しかも加熱時間を大幅に短縮
できることを見いだした。一方、鋼片表層部は中心部よ
り温度が高い状態にあるものの、この場合、先に明らか
になっている知見から、熱間圧延により結晶粒の細粒化
が図れると考えられる。
【0005】本発明はこのような基本思想に基づいて構
成したもので、その要旨は、 (1)重量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
×108個/mm2のTi酸化物を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなる鋼片を用いて鋼板を製造
するに際し、該鋼片を加熱炉に装入し、鋼片厚みの中心
部の最低温度がAc3変態点に達した後、Ac3+15
0℃以下にあって鋼片表層部との温度差が80〜280
℃にある不均一加熱状態で加熱炉から鋼片を抽出し、圧
延仕上がり温度が鋼板表面において700〜950℃で
ある熱間圧延を行なうことを特徴とする溶接熱影響部靱
性のすぐれた鋼板の製造法、 (2)重量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
×108個/mm2のTi酸化物を含有し、さらにCu
:0.1〜2.0% Ni:0.1〜3.0% Nb:0.001〜0.05% からなる強度改善元素群のうち1種または2種以上を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を
用いて鋼板を製造するに際し、該鋼片を加熱炉に装入し
、鋼片厚みの中心部の最低温度がAc3変態点に達した
後、Ac3+150℃以下にあって鋼片表層部との温度
差が80〜280℃にある不均一加熱状態で加熱炉から
鋼片を抽出し、圧延仕上がり温度が鋼板表面において7
00〜950℃である熱間圧延を行なうことを特徴とす
る溶接熱影響部靱性のすぐれた鋼板の製造法、(3)重
量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
×108個/mm2のTi酸化物を含有し、さらにCr
:0.1〜1.0% V  :0.01〜0.2% Mo:0.1〜1.0% からなる強度改善元素群のうちの1種または2種以上を
さらに含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からな
る鋼片を用いて鋼板を製造するに際し、該鋼片を加熱炉
に装入し、鋼片厚みの中心部の最低温度がAc3変態点
に達した後、Ac3+150℃以下にあって鋼片表層部
との温度差が80〜280℃にある不均一加熱状態で加
熱炉から鋼片を抽出し、圧延仕上がり温度が鋼板表面に
おいて700〜950℃である熱間圧延を行なうことを
特徴とする溶接熱影響部靱性のすぐれた鋼板の製造法、
(4)重量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
×108個/mm2のTi酸化物を含有し、さらにCu
:0.1〜2.0% Ni:0.1〜3.0% Nb:0.001〜0.05% からなる強度改善元素群のうち1種または2種以上とC
r:0.1〜1.0% V  :0.01〜0.2% Mo:0.1〜1.0% からなる強度改善元素群のうち1種または2種以上を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を
用いて鋼板を製造するに際し、該鋼片を加熱炉に装入し
、鋼片厚みの中心部の最低温度がAc3変態点に達した
後、Ac3+150℃以下にあって鋼片表層部との温度
差が80〜280℃にある不均一加熱状態で加熱炉から
鋼片を抽出し、圧延仕上がり温度が鋼板表面において7
00〜950℃である熱間圧延を行なうことを特徴とす
る溶接熱影響部靱性のすぐれた鋼板の製造法である。
【0006】
【作用】以下、本発明の詳細をその作用とともに説明す
る。まず、本発明において鋼成分を上記のように限定し
た理由を述べる。 C:Cは強度確保に必要な元素であるが0.18%を超
える含有量では溶接性が低下し、0.02%未満では強
度が確保できない。したがって、C含有量の範囲は0.
02〜0.18%とする。 Si:Siは製鋼上脱酸元素として必要な元素であり、
鋼中に0.01%は含有されるが、0.5%を超えると
母材、HAZ靱性を低下させる。したがって、その範囲
を0.01〜0.5%とする。 Mn:Mnは強度、靱性の確保に必要な元素である。し
かしながら、2.0%を超えるとHAZ靱性が著しく低
下し、逆に、0.4%未満では母材の強度確保が困難に
なるためにその範囲を0.4〜2.0%に制限する。 Al:Alは通常の溶製工程では脱酸元素であるが、本
発明ではTi酸化物を積極的に得るためにできるだけ低
い方が好ましく、0.004%を超える含有量ではTi
脱酸によるHAZ靱性に対して好ましいTi酸化物を得
ることができず、その上限を0.004%とする。 Ti:Tiは本発明において脱酸元素および窒化物形成
元素として添加されるもので、0.020%を超える添
加では窒化物だけでなく炭化物も形成され、母材の靱性
が著しく低下し、逆に、0.003%未満の含有量では
HAZ靱性向上に有効な酸化物が確保されない。したが
って、その範囲を0.003〜0.020%に制限する
。本発明鋼ではさらに、強靱性改善元素群として良好な
母材の強度、靱性を得るために以下のうちから1種また
は2種以上の元素を選択して添加できる。 Cu:Cuは靱性を低下させずに強度を上昇させるので
あるが、0.1未満ではその効果がなく、2.0%を超
えると鋼片加熱時や溶接時の溶接部に熱間割れを生じや
すくする。したがって、その含有範囲を0.1〜2.0
%とする。 Ni:Niは焼き入れ性を上昇させ、強度の向上が得ら
れるとともに、マトリックスに固溶し靱性も向上させる
が、0.1%未満の含有量ではその効果が認められず、
3.0%以上では溶接性が低下するためその上限を3.
0%とする。 Nb:Nbは圧延後のミクロ組織の微細化と析出硬化を
利用するために添加するもので、強度靱性を共に向上さ
せる。しかしながら、0.001%未満の添加ではその
効果がなく、0.05%以上含有すると溶接性および靱
性を阻害する。さらに、鋼材の厚手化など強度をより向
上させる場合、本発明では以下の強度改善元素群のうち
から1種または2種以上を選択して添加できる。 Cr:Crは微細なベイナイト組織を生成し、強度を向
上させる元素である。この場合、0.1%未満ではその
効果がなく、1.0%を超えて添加すると炭化物が異常
に増加し靱性の著しい低下を招く。 V:VはNbとほぼ同様な効果をもつが、0.01%未
満の添加では強度改善効果が小さく、逆に、0.2%を
超えて含有すると過剰な析出物の生成により靱性を低下
させる。 Mo:Moは焼入れ性の上昇とともに、炭化物を生成し
強度を改善する元素である。しかしながら、0.1%未
満の添加では顕著な改善効果が認められず、1.0%を
超える添加では粗大な析出物を形成し靱性を著しく低下
させる。上記成分の他に、不可避的不純物元素としてP
,S等は本発明の特性である靱性を阻害する有害な元素
であるために、その量は少ないほど良いが、好ましくは
Pは0.02%以下、Sは0.005%以下であれば本
発明には差し支えない。なお、Nは鋼中の気体成分とし
て不可避的に混入するが、0.01%以上含有するとH
AZのミクロ組織中に島状マルテンサイト組織が生成し
、靱性が著しく低下する。
【0007】上記の鋼成分を有する鋼を転炉あるいは電
気炉等で溶製し、連続鋳造、あるいは造塊分塊法により
鋼片を製造する。このとき、鋼片内部には粒子径が0.
1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1×108個/
mm2のTi酸化物あるいはTi酸化物と窒化物の複合
体を含有している必要がある。この条件は溶接後のミク
ロ組織の微細化を図るために、粗大化した旧オーステナ
イト粒内からフェライト変態を生成させるために必要な
MnSの析出部の析出サイトとしての、それら酸化物の
大きさおよび個数を限定するものである。すなわち、そ
の粒子の大きさが0.1μm未満では溶接時の冷却過程
で好ましいMnSの析出が得られず、3.0μmを超え
る酸化物が存在すると靱性の低下を招く。また、その数
については最適値が存在し、5×104個/mm2未満
であると生成するフェライト数が少なく、期待される靱
性の向上が得られず、逆に、1×108個/mm2を超
えると酸化物がクラスターを形成し、やはり靱性に悪影
響を及ぼす。なお、このようなTi酸化物あるいは窒化
物との複合体を鋼中に微細分散せしめるためにはすでに
公知となっている技術を適宜選択することで達成できる
。例えば、あらかじめ前記粒度の範囲内に調整したTi
酸化物を溶鋼に噴射添加し、そのまま鋳造する方法や、
凝固直前にTi脱酸を行ない、そのまま凝固させる方法
等がある。このようなAlの含有量が著しく低い鋼は、
AlNによる加熱時のオーステナイト結晶粒のピニング
効果が得られないために通常の圧延では、細粒なミクロ
組織を得ることができない。また、靱性向上のために、
低温加熱法や制御圧延法などを単独にあるいはそれらを
組み合わせて採用すると著しく生産を阻害し、鋼材コス
トを増加するだけでなく、場合によっては板厚方向に均
一な性質が得られない。以上の課題を解決するために、
本発明者らは以下の方法を発明した。
【0008】鋼片を熱間圧延するために加熱する工程に
おいて、まず鋼片の表面から温度が上昇し、熱伝導によ
り鋼片内部に熱が伝わる。本発明の特徴は、その鋼片の
厚みの中心部の最低温度がAc3変態点に到達した後、
Ac3変態点+150℃以下にあって鋼片表層部との温
度差が80℃以上280℃以下にあるような、均一な加
熱状態になる前の不均一な加熱状態で加熱炉から抽出し
、圧延を行なうことである。従来、鋼片の加熱は、温度
の精度を保って可能な限り鋼片厚み方向に均一に加熱し
その後圧延するのが常識となっている。例えば、現在の
鋼片加熱炉の主流となっている連続加熱炉では、換熱帯
、予熱帯、加熱帯のあとに均熱帯をもうけており、鋼片
の表層部と中心部との温度差を可能な限り小さくする工
夫をしている。しかし、本発明においては上記のように
意識的に鋼片の厚み方向に温度差をもうけて、圧延直前
の鋼片中心部の温度を低温状態にすることで、結晶粒の
細粒化を図ることができる。また、表層部近傍は圧延に
よる再結晶効果により細粒化させることで、結果として
鋼板の厚み方向の靱性が極めて良好な鋼板の製造が可能
になる。
【0009】図1に種々の加熱条件において、鋼片表層
部(表面下5mm)と中心部の温度差を変化させた時の
鋼板の板厚各位置(○:板厚中心部  ●:表層部7m
m)での靱性の変化を示す。実験に用いた鋼材の成分は
表2に示すA鋼を用いた。鋼片は加熱炉から抽出後、仕
上げ温度の範囲が750℃〜780℃である圧延を行な
い焼戻し処理を行なった。なお、鋼片の厚みは200m
mであった。図から明らかなように、表層部と中心部の
温度差が280℃超になると鋼板表面部の温度が高くな
りオーステナイト結晶粒が粗大化するために●に示すよ
うに靱性が低下する。逆に、その温度差が80℃未満で
は鋼片中心部の温度が高くなるため、靱性が低下する。 したがって、本発明は鋼片中心部の温度を表層部の温度
より80〜280℃の範囲に低温にして、熱間圧延を行
なうものである。また、鋼片中心部の温度がAc3変態
点未満では鋳造時の凝固組織が残存し、均一なミクロ組
織が得られず、逆にAc3変態点+150℃超に加熱さ
れると、オーステナイト結晶粒が粗大化し目的とする良
好な低温靱性が得られない。なお、本発明における鋼片
内部の温度管理には、実測、計算など種々の方法を適用
することができる。たとえば、連続加熱炉の鋼片の温度
は、一般にコンピュータを利用して一定周期で厚さ方向
の一次元熱伝導方程式を差分法により計算して管理され
ている。これは、実測値に対する計算誤差は約20℃以
内という良い精度である(神戸製鋼技報/Vol.33
  No.4「熱延工場加熱炉の計算機制御」参照)の
で、本発明においても同様の手法を用いて鋼片中心温度
の管理をしてもよい。また、簡便には、Heisler
の計算図表(M.P.Heisler著:”Tempe
rature  Charts  for  indu
stries  and  Constant  He
ating”Transaction  of  th
e  American  Society  of 
 Mechanical  Engineers 19
47 April)によってもよく、特に、後者は鋼片
加熱炉がバッチ炉の場合に適する(適用の一例  W.
Trink  &  M.H.Mawhinney著、
鈴木弘、井田緑朗訳:工業加熱炉(上巻)コロナ社  
P420参照)。
【0010】加熱に続く、熱間圧延では仕上げ温度が7
00℃以上、950℃以下であるような圧延を行なう。 これは、圧延再結晶による鋼片表層部近傍の結晶粒を細
粒にするために必要な温度規制であって、仕上げ温度が
950℃を超えると圧延により期待される細粒化効果が
得られず、鋼板表層部の靱性が低下する。また、仕上げ
温度が700℃未満では圧延集合組織の発達により機械
的性質に異方性が生じるため構造用鋼としては好ましく
ない。また、この圧延条件は仕上げ温度が本発明範囲内
であれば、先に述べた制御圧延技術、あるいは特開平1
−195244号公報に記載されているようなすでに公
知となっている圧延後制御冷却技術、等を適宜選択し実
施してもよい。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について示す。表1に
示す組成および変態点を有する鋼を溶製して得た鋼片を
、表2に示す種々の製造条件に基づいて板厚32〜75
mmの鋼板を製造した。そして、その母材の衝撃値およ
び溶接サイクル後の衝撃値を調べ表3に示した。なお、
溶接熱サイクルの条件は最高加熱温度1350℃、80
0℃から500℃までの冷却速度が17℃/secであ
った。
【0012】
【表1A】
【0013】
【表1B】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3A】
【0016】
【表3B】
【0017】表3に見られるように、本発明鋼(製造条
件1,2,4,6,8,10,12,14,16,17
,18)の母材の強度と靱性は板厚方向の差違が小さく
、かつ靱性も比較鋼と比べ良好な値を示す。また、HA
Z靱性は基本成分系およびTi酸化物の状態に依存する
ために、これが本発明範囲内であれば表2に示した製造
条件によらず良好な値を示す。これに対し、製造条件3
,5,7,9,11,13,15,19,20,21,
22は本発明範囲を逸脱しているものである。その中で
、製造条件3,13,15は従来一般的に行なわれてい
る条件で製造されており、鋼片表層部と中心部の加熱温
度差が極めて小さい。この場合、加熱中の鋼片中心部の
オーステナイト結晶粒が粗大化するために、板厚中心部
の靱性低下が認められる。製造条件7,11はいずれも
鋼片中心部の温度がAc3変態点+150℃以上の場合
である。この場合も前述したように、板厚中心部の結晶
粒の細粒化が不十分であり中心部の靱性が低い。製造条
件9は表層部と中心部の温度差が325℃であり、本発
明範囲の280℃以下という条件から逸脱しているもの
である。この場合、鋼片表層部の加熱温度が極めて高く
なるために、その後の熱間圧延でも結晶粒の細粒化が得
られず、中心部に比べ、鋼板表層部の靱性の低下が認め
られる。また、製造条件5は鋼片中心部の温度がAc3
変態点以下であるものである。この場合、鋼片中心部に
鋳造時の凝固組織が残り、均一なミクロ組織が得られず
、鋼板中心部強度、靱性の低下をきたす。製造条件19
,20,21,22はHAZ靱性向上に効果があるTi
酸化物個数が低下している例である。この場合、表1に
示したように、各基本成分系は、それぞれA、B、J、
G鋼とほぼ同一であるが、Ti酸化物個数が本発明範囲
を逸脱しているために、母材の強度、靱性は本発明鋼と
同じ程度であるものの、溶接熱サイクル後の靱性の低下
が認められる。
【0018】
【発明の効果】本発明による組成範囲、および製造法を
実施することで、母材板厚表層部から中心部まで強度、
靱性が優れ、かつ溶接熱影響部の靱性の優れた溶接構造
用鋼の製造が可能になった。また、本発明により、制御
圧延を行なう場合、不可欠である低温加熱が実施できな
い旧来の加熱炉でも高靱性鋼を製造できるようになり、
さらに従来の加熱法に比べ加熱時間が大幅に短縮でき、
経済的な加熱ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1のA鋼の組成を有する鋼を加熱温度100
0〜1200℃加熱し、そのときの鋼片表層部と中心部
との温度差が、板厚(50mm)の表層部と中心部の靱
性に及ぼす影響を示した図面である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
    ×108個/mm2のTi酸化物を含有し、残部がFe
    および不可避的不純物からなる鋼片を用いて鋼板を製造
    するに際し、該鋼片を加熱炉に装入し、鋼片厚みの中心
    部の最低温度がAc3変態点に達した後、Ac3+15
    0℃以下にあって鋼片表層部との温度差が80〜280
    ℃にある不均一加熱状態で加熱炉から鋼片を抽出し、圧
    延仕上がり温度が鋼板表面において700〜950℃で
    ある熱間圧延を行なうことを特徴とする溶接熱影響部靱
    性のすぐれた鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】  重量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
    ×108個/mm2のTi酸化物を含有し、さらにCu
    :0.1〜2.0% Ni:0.1〜3.0% Nb:0.001〜0.05% からなる強靱性改善元素群のうち1種または2種以上を
    含有し、残物がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片
    を用いて鋼板を製造するに際し、該鋼片を加熱炉に装入
    し、鋼片厚みの中心部の最低温度がAc3変態点に達し
    た後、Ac3+150℃以下にあって鋼片表層部との温
    度差が80〜280℃にある不均一加熱状態で加熱炉か
    ら鋼片を抽出し、圧延仕上がり温度が鋼板表面において
    700〜950℃である熱間圧延を行なうことを特徴と
    する溶接熱影響部靱性のすぐれた鋼板の製造法。
  3. 【請求項3】  重量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
    ×108個/mm2のTi酸化物を含有し、さらにCr
    :0.1〜1.0% V  :0.01〜0.2% Mo:0.1〜1.0% からなる強度改善元素群のうちの1種または2種以上を
    さらに含有し、残物がFeおよび不可避的不純物からな
    る鋼片を用いて鋼板を製造するに際し、該鋼片を加熱炉
    に装入し、鋼片厚みの中心部の最低温度がAc3変態点
    に達した後、Ac3+150℃以下にあって鋼片表層部
    との温度差が80〜280℃にある不均一加熱状態で加
    熱炉から鋼片を抽出し、圧延仕上がり温度が鋼板表面に
    おいて700〜950℃である熱間圧延を行なうことを
    特徴とする溶接熱影響部靱性のすぐれた鋼板の製造法。
  4. 【請求項4】  重量%として C  :0.02〜0.18% Si:0.01〜0.50% Mn:0.4〜2.0% Al:0.004%以下 Ti:0.003〜0.020% 粒子径が0.1〜3.0μm、粒子数が5×104〜1
    ×108個/mm2のTi酸化物を含有し、さらにCu
    :0.1〜2.0% Ni:0.1〜3.0% Nb:0.001〜0.05% からなる強靱性改善元素群のうち1種または2種以上と
    Cr:0.1〜1.0% V  :0.01〜0.2% Mo:0.1〜1.0% からなる強度改善元素群のうち1種または2種以上を含
    有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を
    用いて鋼板を製造するに際し、該鋼片を加熱炉に装入し
    、鋼片厚みの中心部の最低温度がAc3変態点に達した
    後、Ac3+150℃以下にあって鋼片表層部との温度
    差が80〜280℃にある不均一加熱状態で加熱炉から
    鋼片を抽出し、圧延仕上がり温度が鋼板表面において7
    00〜950℃である熱間圧延を行なうことを特徴とす
    る溶接熱影響部靱性のすぐれた鋼板の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012241268A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Jfe Steel Corp 高圧縮強度鋼管及びその製造方法
JP2017193759A (ja) * 2016-04-21 2017-10-26 新日鐵住金株式会社 厚鋼板およびその製造方法

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