JPH04335991A - ループ型ヒートパイプ - Google Patents

ループ型ヒートパイプ

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JPH04335991A
JPH04335991A JP3107348A JP10734891A JPH04335991A JP H04335991 A JPH04335991 A JP H04335991A JP 3107348 A JP3107348 A JP 3107348A JP 10734891 A JP10734891 A JP 10734891A JP H04335991 A JPH04335991 A JP H04335991A
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JP
Japan
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heat
pipe
loop
heat pipe
working medium
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JP3107348A
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English (en)
Inventor
Masamichi Kawai
正道 河合
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/06Control arrangements therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0266Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with separate evaporating and condensing chambers connected by at least one conduit; Loop-type heat pipes; with multiple or common evaporating or condensing chambers

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は閉ループ管を採用したル
ープ型ヒートパイプに係り、特に極低温機器の構成部品
の冷却または保冷に適した極低温ループ型ヒートパイプ
に関する。
【0003】
【従来の技術】代表的な従来型ヒートパイプの構造を図
6に例示する。このヒートパイプは、両端を閉じた管1
に少量の作動媒体2が封入され、管壁内側にウィック3
が装着された管構造になっている。このヒートパイプの
一端を加熱し、他の一端を冷却すると、受熱部4では作
動媒体2が蒸発し、放熱部5では蒸気が凝縮するため、
作動媒体の蒸気2aは中空状の管1内を受熱部4から放
熱部5に向って移動し、同時に熱を運搬する。
【0004】放熱部5に達した作動媒体は凝縮後、ウィ
ック3に浸潤し、毛細管現象によって再び受熱部4に移
動し、ヒートパイプ内を循環する。以上のように作動媒
体が同一の管1内の内側と外側を往復することによって
、熱の輸送が行なわれる。常温での作動媒体は、主に水
または各種フロンガスが用いられる。
【0005】この種のヒートパイプにおいては、(a)
受熱部4での入熱量が過大になると、受熱部4でドライ
アウトが起こって熱輸送能力が著しく低下し、甚しい場
合はヒートパイプが損傷する。 (b)ヒートパイプの長さと直径に限界があり、細く長
尺のヒートパイプほど性能が低下する。ウィック3を挿
入する関係上製造も難しくなる。 (c)ヒートパイプの姿勢限界があり、受熱部4が放熱
部5よりも上方にあるいわゆるトップヒート状態では性
能が著しく低下し、高低差がある限界を超えるとヒート
パイプとして機能しなくなる。 (d)ヒートパイプは可塑性がないため装着にあたって
の自由度が小さい。 (e)ヒートパイプは直線以外の形状では性能が低下す
る。 (f)極低温領域では実用的な性能が期待できない。
【0006】また、図6に示す従来型ヒートパイプを極
低温領域で使用とようとすると、極低温で作動媒体とし
て使用可能な液体窒素や液体ヘリウムの表面張力が一般
の作動媒体に較べてはるかに小さいため、ウィック3の
毛細管現象による作動媒体の循環が十分ではない。液体
窒素等を作動媒体とした従来型ヒートパイプも発表され
ているが、作動条件の制約、特にヒートパイプの姿勢制
限が大きく、熱輸送量もあまり大きくないため、広く実
用化されるには至っていない。そのため、現在のところ
極低温機器の冷却は、伝熱、冷却配管を使っての極低温
冷媒の圧送、もしくは冷媒中への浸漬によって行なうの
が一般的である。
【0007】この種の従来型ヒートパイプが持つ幾つか
の欠点を改善するものとして、特開昭63−31849
3号公報に示されたループ型細管ヒートパイプがある。 このヒートパイプを図7に示す。このヒートパイプは閉
ループ状に接続された閉ループ細管6の途中に受熱部4
、放熱部5を挟んで幾つかの流れ方向規制手段(逆止弁
)7を設置した閉ループ管構造のもので、ヒートパイプ
作動が図6の従来型ヒートパイプとは全く異なり、作動
媒体8がヒートパイプ内を一方向に循環して熱を輸送す
るようになっている。
【0008】この閉ループ型細管ヒートパイプは、細管
を採用するため、図6の従来型ヒートパイプに較べ姿勢
限界が大幅に緩和され、形状の自由度も大幅に向上する
他、ドライアウトが起こりにくくなっている。また、基
本的に、ヒートパイプ動作は作動媒体の表面張力にはよ
らないので、液体窒素や液体ヘリウムといった極低温冷
媒(作動媒体)の使用にも適している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−3184
93号公報に開示されたループ型細管ヒートパイプは、
ループ状細管を用いるため、姿勢限界が緩和され、形状
の自由度も向上するが、図6に示すヒートパイプと同様
、極低温冷媒圧送時に次の問題がある。
【0010】(g)不純物、特に水蒸気の混入によって
冷却配管が詰まる場合がある。 (h)冷媒はタンクからの絞り弁とタンク内の圧力によ
って流出量が調節されるが、熱負荷が変化した場合の対
応が難しい。 (i)保冷等に用いる場合、冷却不足にならないよう常
に多目の冷媒を流すので最低限の必要量に較べて冷媒の
消費量が過大になる。
【0011】また、従来型ヒートパイプの内部が低圧で
あるのに対して、ループ型細管ヒートパイプは作動媒体
を圧縮、液化して封入しなければならないことから極低
温用として用いる場合、次の問題点がある。
【0012】(j)常温付近での作動媒体としてよく用
いられているフレオンガス等は圧縮することにより常温
でも容易に液化し、閉ループ細管6内に所定量を封入で
きるのに対して、極低温領域用の作動媒体として用いら
れる窒素、ヘリウム等のガスは、臨界温度(各々126
K,5.6K)以上では液化しない。そのため、例えば
窒素の場合、常温における気体の体積は液体状態の60
0倍以上にもなるため、動作に必要な量の作動媒体を室
温で閉ループ状ヒートパイプ内だけに貯蔵しておくには
非常に高圧で封入しておく必要があり、技術的に困難で
ある。しかも、ループ型細管ヒートパイプでは液体窒素
温度等の極低温領域における作動について有効な手段が
開示されていない。
【0013】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ループ型ヒートパイプを極低温用に適用し、
極低温領域で良好なヒートパイプ特性を有効的に発揮で
きるループ型ヒートパイプを提供することを目的とする
。 〔発明の構成〕
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るループ型ヒ
ートパイプは、上述した課題を解決するために、請求項
1に記載したように、閉ループ管の途中に複数の流れ方
向規制手段を間隔をおいて設け、流れ方向規制手段によ
り前記閉ループ管内を作動媒体が一方向に循環して受熱
部から放熱部に熱を運搬するループ型ヒートパイプにお
いて、前記閉ループ管にバッファタンクを接続し、この
バッファタンク内に極低温においてヒートパイプ動作に
必要な量の作動媒体を貯蔵したものである。
【0015】また、上述した課題を解決するために、本
発明のループ型ヒートパイプは、請求項2に記載したよ
うに、閉ループ管の途中から作動媒体封入用配管を分岐
させ、この配管の途中に、作動媒体の封入、排出あるい
は交換を可能とした開閉弁を設けたり、また、請求項3
に記載したように、閉ループ管の受熱部をクライオスタ
ット内に収容し、上記閉ループ管の放熱部を液体窒素タ
ンクや冷凍機等の冷却手段と熱交換可能に配置したもの
である。
【0016】
【作用】本発明のループ型ヒートパイプは従来型のヒー
トパイプとは異なり、閉ループ管の途中に流れ方向規制
手段が設けられ、内部を気液混合状態となった作動媒体
が一方向に循環して受熱部から放熱部に熱を運搬してヒ
ートパイプ動作を行なうものである。
【0017】そして、本発明では、極低温領域でのヒー
トパイプ動作に必要な量の気体状態にある作動媒体をバ
ッファタンク内に圧縮、貯蔵しておき、放熱部の冷却に
よる液化で所定量の作動媒体(液)を閉ループ管の系内
に生じせしめるようにしている。これにより作動媒体を
ヒートパイプの閉ループ管内に封入する際、それほどの
高圧力は必要なくなり、ループ型ヒートパイプの耐圧構
造の簡略化が図れる。
【0018】本発明によるループ型ヒートパイプの使用
では冷却能力の自己調整により冷媒使用量の最適化が図
られ、冷媒の流量不足、過剰などの現象が殆ど起こらな
い。また、ヒートパイプ内部の作動媒体の純度を管理す
ることにより水や、炭酸ガス等ヒートパイプ中で凝結し
て作動を阻害する不純物は除去できるので配管の途中が
詰まることもない。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係るループ型ヒートパイプの
実施例について添付図面を参照して説明する。
【0020】図1は本発明のループ型ヒートパイプ10
の第1実施例を示すものである。このループ型ヒートパ
イプ10はループ状をなす閉ループ管11を有し、この
閉ループ管11は例えば管径10mmφ以下、好ましく
は3mmφ〜5mmφ程度の細管を閉ループ状に接続し
たコンテナとして形成される。閉ループ管11の途中に
は流れ方向規制手段としての複数の逆止弁12が間隔を
おいて設置され、閉ループ管11を受熱部14側と放熱
部15側に区画するとともに閉ループ管11内を作動媒
体13が一方向に循環して受熱部14から放熱部15に
熱を運搬するようになっている。
【0021】閉ループ管11には作動媒体貯蔵用バッフ
ァタンク16が接続され、このバッファタンク16内に
極低温用作動媒体13が常温(例えば273K)・常圧
(例えば1気圧)の気体状態で封入され、貯蔵される。 作動媒体としては窒素(N)、酸素(O)、水素(H)
、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar
)あるいはそれらの混合物が用いられたり、常温常圧で
気体状態にあり、極低温にて液化する化学的に安定な炭
化水素(CH4 )が用いられる。
【0022】バッファタンク16は閉ループ管11の受
熱部14側に接続しても、その放熱部15側に接続して
も、また両側にそれぞれ接続してもよい。バッファタン
ク16は弁を介して閉ループ管11に接続してもよい。 上記バッファタンク16には作動媒体配管18が接続さ
れ、この作動媒体配管18によりバッファタンク16内
に作動媒体を封入させるようにしてもよい。作動媒体配
管18の途中には開閉弁19が備えられている。
【0023】また、閉ループ配管11の途中から少なく
とも1本以上の作動媒体配管20を分岐させ、この作動
媒体配管20の途中に開閉弁21を設け、上記作動媒体
配管20を介して作動媒体の封入・排出あるいは交換を
行なうようにしてもよい。
【0024】ところで、バッファタンク16には極低温
において閉ループ管11の系内がヒートパイプ動作可能
になる所定量の作動媒体13がガスの状態で封入されて
いる。例えば、作動媒体として窒素を選択した場合、液
化したときヒートパイプ10の閉ループ管11内の50
%を満たす程度の量を常温で閉ループ管11の系内だけ
に貯蔵しようとすると、単純計算では、閉ループ管11
内がおよそ300気圧にもなってしまうが、ヒートパイ
プ部(閉ループ管)の例えば10倍程度の容量を持つバ
ッファタンクを設ければ、30気圧で済むことになり、
また30倍程度のバッファタンクでは10気圧で済み、
耐圧設計が容易になる。
【0025】次に、ループ型ヒートパイプの作用を説明
する。
【0026】このバッファタンク16内に貯蔵された作
動媒体13はヒートパイプ放熱部15が液化温度以下に
冷却されるとヒートパイプ10の閉ループ管11内で凝
縮を始め液体となり、作動液の量が所定量に達すると、
ヒートパイプ10は動作を始める。一方、ヒートパイプ
10内の作動液は受熱部14で熱を受けると気化し、そ
の部分の圧力が上昇するが、このとき閉ループ管11の
系内は逆止弁12によって幾つかの圧力室に仕切られた
状態になっているので、圧力の上昇した受熱部14の作
動媒体13は上流側に移動せず、気液混合状態で隣接し
た下流側の圧力室へと移動し、放熱部15に達して凝縮
する。
【0027】一方、受熱部14では、作動媒体13の減
少に伴って、逆に上流側の圧力室よりも圧力が減少し、
新たな作動液が流入してくる。このように作動媒体13
の蒸発、凝縮に伴う圧力変化が駆動力となり、閉ループ
管11の系内に一方向の流れが形成される。したがって
、閉ループ管11の系内が気液混合状態となっているこ
とがループ型細管ヒートパイプ10が動作するための前
提条件になる。
【0028】なお、図1では閉ループ管11の1つのル
ープ中に受熱部14、放熱部15が各々1箇所ずつある
が、ループ中に受熱部14と放熱部15とが交互に複数
箇所ずつ存在する閉ループ管構造であっても基本的な動
作は同じである。
【0029】本発明者らは、外径1mm、内径0.5m
mの銅パイプで、閉ループ管を構成し、閉ループ管の1
ループ中で受熱部5箇所、放熱部5箇所、両者の間隔1
80mmの往復型ヒートパイプ(1つのループ中で放熱
部、受熱部が交互に並んだ閉ループ管構造)を試作し、
窒素を作動媒体として極低温性能試験を行なったところ
、次の試験結果を得た。
【0030】1)伝熱とは有意な差がみられ、閉ループ
管にヒートパイプ動作が確認された。 2)閉ループ管の系内に所定量の作動液が溜るとヒート
パイプ動作が始まる。 3)閉ループ管の系内が全て作動液で満たされるとヒー
トパイプ動作は停止する。
【0031】この実験結果の一例を図2に示す。この実
験は受熱部にあたる銅パイプ(ブロック)を0℃(27
3K)迄加熱した後、放熱部を液体窒素温度(77.4
K)として受熱部冷却時の温度変化を測定したものであ
る。図中符号Aは閉ループ型ヒートパイプを停止させた
場合で伝熱による冷却を示し、符号Bは閉ループ型ヒー
トパイプを作動させた場合である。
【0032】次に、本発明に係るループ型ヒートパイプ
を極低温機器として超電導磁石装置の熱シールド板に適
用した第1の応用例を図3に示す。
【0033】図3では極低温状態の例として超電導磁石
装置22に用いられる一般的な超電導磁石23を冷却す
るクライオスタット24を採用したものである。酸化物
高温超電導材料による超電導磁石は実用に供されていな
いため、超電導磁石23は一般には温度4.2Kの液体
ヘリウム25で冷却される。
【0034】真空断熱容器としてのクライオスタット2
4内に熱遮蔽用コンテナとしての熱シールド板26が納
められ、この熱シールド板26内に液体ヘリウム容器2
7が収容される。液体ヘリウム容器27内には液体ヘリ
ウム25が貯溜され、この液体ヘリウム25に浸漬状態
で超電導磁石23が設置される。
【0035】一方、コンテナ状熱シールド板26にはル
ープ型ヒートパイプ10を構成する閉ループ管11の受
熱部14が外側から装着される。閉ループ管11はクラ
イオスタット24を貫いて外部に取り出され、その放熱
部15は冷却手段としての液体窒素28を収容した液体
窒素タンク29内に設置される。
【0036】ループ型ヒートパイプ10の閉ループ管1
1にはクライオスタット24の外側で流れ方向規制手段
としての逆止弁(この逆止弁はクライオスタット24内
に設けてもよい。)12が設けられ、この逆止弁12に
より閉ループ管11内を作動媒体が一方向に流れるよう
になっている。
【0037】閉ループ管11には図1に示されたものと
同様のバッファタンク16や図示しない作動媒体配管が
接続される。バッファタンク16や作動媒体配管はクラ
イオスタット24内で閉ループ管11に接続してもよい
【0038】しかして、超電導磁石装置22の液体ヘリ
ウム容器27や超電導磁石23へ周囲の常温空間からの
対流および伝導による熱侵入を防ぐためには、クライオ
スタット24を使用するが、クライオスタット24で覆
ってもなお輻射による熱侵入が残されている。輻射によ
る熱侵入を低減するため、通常は、液体ヘリウム容器2
7の周囲に液体窒素温度(77.4K)まで冷却したシ
ールドコンテナである熱シールド板26を置く。輻射熱
は絶対温度の4乗に比例するため、液体ヘリウム容器2
7への液体窒素温度からの輻射による熱侵入は常温から
のそれに較べて大幅に少なくなる。
【0039】従来の極低温機器では、図8に示すように
、液体窒素タンク29から延びる冷却配管30がクライ
オスタット24内に収容された熱シールド板26に案内
される。そして、液体窒素タンク29から送出された液
体窒素28は冷却配管30を巡った後、排出口31から
大気中に放出されていた。液体窒素の流量は絞り弁32
と液体窒素タンク29の送出圧力によって調整されてい
るが、熱負荷の変動に対応するのは難しいうえ、たれ流
し構造であるため、液体窒素の消費量が過大になる傾向
があった。
【0040】図3では従来の放出するだけの液体窒素配
管30に代ってループ型極低温用ヒートパイプ10を適
用したもので、このヒートパイプ10は放熱部15を液
体窒素28中に露出させるだけでよい。こうすることに
よって、熱負荷に変動があった場合も速かに対応できる
とともに、液体窒素28の消費量も必要最低限に抑えら
れるので、特に長時間の保冷などでは液体窒素タンク2
9の容量が少なくて済む利点ある。
【0041】なお、図3では便宜上ヒートパイプ10の
閉ループ管11のループは1つだけを示しているが、こ
れが複数個配置されていても何等差し支えはなく、また
、1つのループ中に受熱部14、放熱部15が何箇所か
配置された閉ループ管構造であってもよい。
【0042】図4は本発明に係るループ型ヒートパイプ
を極低温機器の冷却および熱シールドに応用した他の例
を示す。
【0043】この応用例は、ループ型極低温用ヒートパ
イプ10Aの閉ループ管11Aを例えば並列状に複数設
け、各閉ループ管11Aの受熱部14Aをクライオスタ
ット24Aに収容された筒状シールドコンテナとしての
熱シールド板26Aにほぼ均等に装着し、閉ループ管1
1Aの放熱部を冷凍機35のコールドヘッド36に集め
、このコールドヘッド36で閉ループ管11Aの放熱部
と熱交換可能としたものである。熱シールド板26A内
には極低温機器(超電導磁石装置)22Aの構成要素で
ある超電導磁石23Aが収容されている。
【0044】この極低温機器は、例えば核磁気共鳴イメ
ージング装置(MRI装置)のような大型の機器に適用
されるもので、ループ型極低温用ヒートパイプ10Aを
冷凍機35のコールドヘッド36に直結して極低温機器
22Aの冷却および熱シールドとしたものである。
【0045】MRI装置などの大型の機器においては、
熱シールド等の冷却を伝熱により行なっているため、全
体を完全に冷却するのに約1週間要している。しかし、
極低温用ループ型細管ヒートパイプ10Aを図4に示す
ように冷凍機35のコールドヘッド36に直結して、熱
シールド板26Aに沿って設置することにより、熱シー
ルド板26Aの冷却に要する時間を従来例に較べ大幅に
短縮できる。図4ではヒートパイプ10Aを短ループで
多数並列状に設置する形式を採っているが、これはソレ
ノイド巻きであっても何等問題はない。
【0046】なお、図4ではループ型ヒートパイプ10
Aの閉ループ管11Aに設けられる逆止弁やバッファタ
ンクは便宜上省略されている。
【0047】図5は本発明に係るループ型ヒートパイプ
10Bの第3の応用例を示すものである。
【0048】この応用例では、ループ型ヒートパイプ1
0Bの受熱部14Bを、熱負荷変動が大きな機器例とし
て磁気浮上列車の熱シールド板26Aに適用したものを
示している。
【0049】磁気浮上列車の超電導磁石23Bおよびク
ライオスタット24Bは走行に伴う機械的な振動に加え
て、推進、浮上コイルからの電磁気的な擾乱を受ける。 特に外部磁場の変動によるシールド板26Bでの渦電流
の発生は、超電導磁石23Bへの熱侵入を増加させ、走
行状態によってその量も変動する。このような熱負荷に
対応するには極低温ループ型細管ヒートパイプ10Bの
特性は最適であり、また、ヒートパイプの材質を選択す
ることにより、構造上脆弱になり易いシールド板26B
の補強を兼ねることもできる。
【0050】なお、本発明はループ型ヒートパイプは特
に極低温用に適したものであが、作動媒体を考慮するこ
とにより、常温あるいは低温用ヒートパイプにも適用す
ることが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るループ
型ヒートパイプにおいては、受熱部と放熱部とを有する
閉ループ管にバッファタンクを接続し、このバッファタ
ンク内に極低温においてヒートパイプ動作に必要な量の
作動媒体を貯蔵したので、閉ループ管の放熱部を極低温
に冷却することにより、従来にない良好なヒートパイプ
特性を有する極低温用ヒートパイプが伝熱手段として得
られる。このヒートパイプは従来型ヒートパイプの欠点
をほぼ克服したループ型ヒートパイプの特徴を有し、か
つドライアウトが起こりにくく、細径・長尺のものが作
れ、姿勢の制約が殆どなく、可塑性があり、直線以外の
管形状でも性能に変化がないといった長所を持つ上、極
低温において非常に高い熱伝導性を有している。
【0052】また、極低温冷媒を圧送する冷却では極低
温冷媒を貯蔵するタンクが必要であったが、本発明によ
れば、冷却手段としてタンクを必ずしも必要とせず、冷
凍機のみによる冷却も可能となる。さらに、ヒートパイ
プの作動温度は作動媒体の種類によって決まるので、開
閉弁を介して作動媒体を交換することにより作動温度を
調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るループ型ヒートパイプの一実施例
を示す基本的な系統図。
【図2】図1のループ型ヒートパイプの試作装置による
実験結果を示すグラフ。
【図3】液体窒素冷却のループ型ヒートパイプを超電導
磁石装置の熱シールド板に適用した例を示す図。
【図4】冷凍機のコールドヘッドに直結した本発明のル
ープ型ヒートパイプを超電導磁石装置に適用した例を示
す図。
【図5】磁気浮上列車の超電導磁石装置の熱シールド板
に本発明のループ型ヒートパイプを適用した例を示す図
【図6】従来型ヒートパイプの基本的構成を示す図。
【図7】従来のループ型細管ヒートパイプの基本的構成
を示す図。
【図8】従来の超電導磁石装置の構成を示す図。
【符号の説明】
10,10A,10B  ループ型ヒートパイプ11,
11A,11B  閉ループ管 12  逆止弁(流れ方向規制手段) 13  作動媒体 14,14A,14B  受熱部 15  放熱部 16  バッファタンク 18,20  作動媒体配管 19,21  開閉弁 22,22A  超電導磁石装置 23  超電導磁石 24,24A,24B  クライオスタット25  液
体ヘリウム 26,26A,26B  熱シールド板27  液体ヘ
リウム容器 29  液体窒素タンク(冷却手段) 35  冷凍機 36  冷凍機のコールドヘッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  閉ループ管の途中に複数の流れ方向規
    制手段を間隔をおいて設け、流れ方向規制手段により前
    記閉ループ管内を作動媒体が一方向に循環して受熱部か
    ら放熱部に熱を運搬するループ型ヒートパイプにおいて
    、前記閉ループ管にバッファタンクを接続し、このバッ
    ファタンク内に極低温においてヒートパイプ動作に必要
    な量の作動媒体を貯蔵したことを特徴とするループ型ヒ
    ートパイプ。
  2. 【請求項2】  閉ループ管の途中から作動媒体配管を
    分岐させ、この配管の途中に、作動媒体の封入、排出あ
    るいは交換を可能とした開閉弁を設けた請求項1記載の
    ループ型ヒートパイプ。
  3. 【請求項3】  閉ループ管の受熱部をクライオスタッ
    ト内に収容し、上記閉ループ管の放熱部を液体窒素タン
    クや冷凍機等の冷却手段と熱交換可能に配置した請求項
    1記載のループ型ヒートパイプ。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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