JPH04335900A - クラミジア属微生物の検出および識別方法 - Google Patents

クラミジア属微生物の検出および識別方法

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JPH04335900A
JPH04335900A JP13336891A JP13336891A JPH04335900A JP H04335900 A JPH04335900 A JP H04335900A JP 13336891 A JP13336891 A JP 13336891A JP 13336891 A JP13336891 A JP 13336891A JP H04335900 A JPH04335900 A JP H04335900A
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JP
Japan
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chlamydia
dna
dna probe
base sequence
gene
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Application number
JP13336891A
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English (en)
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Toichi Saito
斉藤 十一
Hironori Tsurui
鶴井 博理
Susumu Hattori
進 服部
Sukeyuki Nishimura
西村 祐之
Shunichi Shirai
俊一 白井
Michio Takada
道夫 高田
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クラミジア属微生物の
検出方法および/または血清型の識別方法に関し、さら
に詳しくはクラミジア属、特にクラミジア・トラコマテ
ィスを高い精度で検出し、種類を識別する方法に関する
【0002】
【従来の技術】クラミジア (Chlamydia)属
微生物は、クラミジア・トラコマティス(Chlamy
diatrachomatis) とクラミジア・シッ
タシ(Chlamydia psittaci)の2種
類に分類され、クラミジア・トラコマティスはさらに1
5種類の血清型に分属されており、多彩な感染像を示す
が、その違いは血清型別に関係している。クラミジア・
トラコマティスの血清型A,B,Ba,Cの4型は眼の
トラコーマを起こし、L1 ,L2 ,L3 の3型は
性病性リンパ肉芽腫の原因となり、D,E,F,G,H
,I,J,Kの8型は泌尿生殖器感染症、封入体結膜炎
、新生児肺炎などを引起こすことが知られている。これ
らクラミジア・トラコマティスの血清型による抗原性の
違いは、菌体外膜蛋白をコードする遺伝子領域内の4つ
の可変領域(variabledomein: VD・
I, VD・II,VD・III, VD・IV )に
存在する(Stephens, R.S. ら、J.B
acteriol., 163, 3879−3885
,(1987) およびBaehr, W.Y. ら、
Proc. Natl.Acad. Sci.,85,
 4000−4004(1988) 参照)。
【0003】この可変領域VDI〜IV内のいずれかに
型間で異なる塩基配列があり、それによりクラミジア・
トラコマティスの生物学および免疫学的特異性が決定さ
れている(Ying Yuan  ら、Infect−
Immun., 57, 1040−1049(198
9)参照)。
【0004】従って、これらの型特異的遺伝子配列を検
出すれば、クラミジア・トラコマティスを血清型別に検
出・分類することが可能であると考えられる。
【0005】既にクラミジア・トラコマティスの検出お
よび型別分類は抗血清もしくはモノクローナル抗体を用
いたマイクロトラック法、エンザイム・イムノアッセイ
(Enzyme immunoassey; EIA法
)等により行われている(Stephens, R.S
. ら、J. Clin.Microbiol., 1
6, 4−7(1982)およびStephens, 
R.S.ら、J. Immunol., 128, 1
083−1089(1982) 等参照)。
【0006】しかしながら、これらの方法は検出感度が
低く、従って、検出感度をあげようとすると培養に相当
の時間が必要になり、培養操作が煩雑になる。さらに、
この方法は、抗体を使用するためにクラミジア属の非特
異的選択が起こり、他の細菌との交差反応によってクラ
ミジア属を純粋に検出することができない等の問題点を
有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クラミジア
属を高い精度で検出することができるとともに、高い精
度でクラミジア属を分類することができる方法の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、クラミジ
ア属の菌体外膜蛋白をコードする遺伝子領域内の4つの
バリアブル・ドメイン(VD・I〜VD・IV) を含
む遺伝子領域を増幅し、この増幅遺伝子DNAを検出す
ることによりクラミジア属の高精度な検出が可能であり
、さらにこの増幅DNAに、クラミジア属の血清型特異
的塩基配列に結合能を有する標識DNAプローブを結合
させ、結合標識DNAプローブを検出し、結合したプロ
ーブの種類と結合パターンを解析することにより、クラ
ミジア属の高精度な血清型の識別が可能なことを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】かくして本発明は、 1.(i)クラミジア属の菌体外膜蛋白をコードする遺
伝子領域内の4つの可変領域を含む遺伝子領域の上流共
通部分および下流共通部分に相補性を有するDNAプロ
ーブをプライマーとして、クラミジア属の血清型特異的
塩基配列を含む遺伝子領域を増幅し、(ii)該増幅遺
伝子DNAを検出することからなるクラミジア属微生物
の検出方法。
【0010】2.(i)クラミジア属の菌体外膜蛋白を
コードする遺伝子領域内の4つの可変領域を含む遺伝子
領域の上流共通部分および下流共通部分に相補性を有す
るDNAプローブをプライマーとして、クラミジア属の
血清型特異的塩基配列を含む遺伝子領域を増幅し、(i
i)該増幅遺伝子DNAに、クラミジア属の血清型特異
的塩基配列に結合能を有する標識DNAプローブを結合
させ、(iii) 該結合標識DNAプローブを検出し
、結合プローブの種類を解析することからなるクラミジ
ア属微生物および血清型識別方法。
【0011】3.4つの可変領域を含む遺伝子領域の上
流共通部分に相補性を有するDNAプローブが下記式(
1)       GCCGCTTTGA  GTTCTGC
TTC  C        (1)で示される塩基配
列を有し、下流共通部分に相補性を有するDNAプロー
ブが下記式(2)、       GCAAGATTTT  CTAGATT
TCA  T        (2)で示される塩基配
列を有する、上記1又は2のクラミジア属微生物の検出
または識別方法。
【0012】4.血清型特異的塩基配列を有する標識D
NAプローブが、下記式(3)、式(4)、式(5)、
式(6)、式(7)、式(8)または式(9)    
  ATGTAGGGCA  AGAATTCCCT 
           (3)      TTTGA
TACTA  CCACGCTTAA        
    (4)            GTCTCT
TCCG  CAGAAAACGA         
   (5)            CCTGTTG
TAG  ATATTACAAC          
  (6)            TTCAGATG
GG  AGCGGCGCCT           
 (7)            AAATCTTCT
G  ATTTTAATAC            
(8)            CACAATATTC
  TAAGTTTAAT            (
9)      で示される塩基配列を有するDNAプ
ローブである、上記2のクラミジア属微生物および血清
型の識別方法を提供する。
【0013】以下、本発明のクラミジア属微生物の検出
・識別方法およびそれに用いるDNAプローブについて
更に詳細に説明する。
【0014】本発明の一つの特徴は、クラミジア属微生
物の遺伝子の一部を増幅させて検出した後、この増幅さ
れた遺伝子に、クラミジア属の血清特異的塩基配列に結
合能を有する標識DNAプローブを結合させ、このプロ
ーブを検出して、結合したプローブの種類と結合パター
ンを解析することにより、クラミジア属微生物を検出す
ると共に、このクラミジア属の種類を特定することにあ
る。このような方法により、クラミジア属微生物を高い
精度で検出することができると共に、クラミジア属の種
類を高精度で識別することが可能となる。
【0015】先ず、診察時に採取した臨床検体、例えば
子宮頸管綿棒擦過材料等、または臨床検体からの分離培
養株から常法[Frederic M.A. 編、Cu
rrent Protocols in molecu
lar biology, Greene publi
shing associates, NY, 198
9参照)によりDNAを抽出する。
【0016】この抽出DNAに適当なDNAプローブを
プライマーとして加えて、クラミジア属の菌体外膜蛋白
をコードする遺伝子領域、詳しくは菌体外膜蛋白をコー
ドする遺伝子領域内の4つの可変領域(variabl
e domein :  VD・I,VD・II ,V
D・III,VD・IV )を含む長さが約1050塩
基のDNA領域を増幅する。
【0017】遺伝子の増幅は、通常用いられるポリメラ
ーゼ・チエイン・リアクション法(polymeras
e chain reaction法、以下これをPC
R法と略記する)(このPCR法の詳細については、特
開昭61−274697号公報、特開昭62−281号
公報、サカイら(Sakaiら)、サイエンス(Sci
ence) 239 巻、487−491 頁等参照)
により容易に行うことができる。
【0018】クラミジア属の菌体外膜蛋白をコードする
遺伝子領域内の4つの可変領域を含む遺伝子領域の増幅
に際して、プライマーとして用いることができるDNA
プローブとしては、4つの可変領域を含む遺伝子領域の
上流共通部分および下流共通部分に相補性を有するDN
Aプローブを同時に用いれば、特に限定されない。それ
らの中で、好ましくは、既知の菌体外膜蛋白をコードす
る遺伝子の塩基配列データ[Stephens, R.
S. ら、J. Bacteriol., 169, 
3879−3885(1987) 参照)をもとに、ク
ラミジア属に特異的で、かつ種間で共通性の高い塩基配
列をVD・Iの5´側(上流共通部分)とVD・IVの
3´側(下流共通部分)に設定し、その配列に基づいて
化学合成したDNAプローブを用いるのが適当である。
【0019】化学合成したDNAプローブ、すなわち前
記4つの可変領域を含む遺伝子領域の上流共通部分に相
補性を有するDNAプローブとしては、下記式(1) 
     GCCGCTTTGA  GTTCTGCT
TC  C        (1)で示される塩基配列
を有るDNAプローブ、また、下流共通部分に相補性を
有するDNAプローブとしては、下記式(2)、       GCAAGATTTT  CTAGATT
TCA  T        (2)で示される塩基配
列を有するDNAプローブを用いるのがより好ましい。
【0020】上記したDNAプローブの化学合成は、そ
れ自体既知の通常用いられる核酸合成機、例えばアプラ
イド・バイオシステム社製、モデル381−A  DN
A合成機(Applied Biosystems m
odel 381−A  DNA  Synthesi
zer)等を用いる固相合成法により容易に行うことが
できる。
【0021】上記の如くしてPCR法により増幅したク
ラミジア属の菌体外膜蛋白をコードする遺伝子領域内の
4つの可変領域を含む遺伝子領域DNAは、通常用いら
れるポリアクリルアミド・ゲル電気泳動、アガロース・
ゲル電気泳動等により分離し、バンドとして検出するこ
とができ、これによりクラミジア属由来の遺伝子DNA
を確認することができる。なお、電気泳動後のDNAバ
ンドの検出は、エチジウム・ブロマイドで染色し、紫外
線照射により容易に行うことができる。
【0022】次にクラミジア属の血清型識別用DNAプ
ローブとしては、クラミジア属の前記4つの可変領域内
の各血清型に特異的な塩基配列に結合能を有するDNA
プローブであれば特に限定されないが、好ましくは、前
記既知の菌体外膜蛋白をコードする遺伝子の各血清型別
の塩基配列中の、4つの可変領域(VD・I〜VD・I
V)の塩基配列をもとに、各血清型に特異性を有する配
列を選び、その配列に基づいて化学合成したDNAプロ
ーブを用いるのが適当である。
【0023】このDNAプローブの塩基の長さは、通常
10〜30塩基、好ましくは10〜25塩基が適当であ
る。
【0024】血清型識別用DNAプローブの具体例とし
ては、例えば、下記式(3)〜式(9)、      
ATGTAGGGCA  AGAATTCCCT   
         (3)      TTTGATA
CTA  CCACGCTTAA          
  (4)            GTCTCTTC
CG  CAGAAAACGA           
 (5)            CCTGTTGTA
G  ATATTACAAC            
(6)            TTCAGATGGG
  AGCGGCGCCT            (
7)            AAATCTTCTG 
 ATTTTAATAC            (8
)            CACAATATTC  
TAAGTTTAAT            (9)
      で示される塩基配列を有するDNAプロー
ブを挙げることができる。
【0025】これらの各DNAプローブを放射性同位元
素、例えば32P等で標識し、各クラミジア血清型標準
株から抽出しPCR法により増幅した各血清型の4つの
可変領域を含む遺伝子DNAとの結合パターンを、ドッ
トプロットにより解析することにより、各プローブの各
血清型特異的結合能を知ることができる。
【0026】これにより、クラミジア属の血清型の識別
が可能となる。上記した式(3)〜式(9)で示される
DNAプローブは、各血清型由来の前記4つの可変領域
を含む遺伝子DNAに特異的な結合パターンを有してお
り、この7種類のDNAプローブを用いることにより、
クラミジア・トラコマティスの少なくともD、E、F、
G、H、I、J、Kの各血清型の識別が可能である。
【0027】ここで、上記血清型識別用DNAプローブ
の合成は、前記DNA合成機を用いて容易に行うことが
でき、標識は、5´末端のリン酸化反応により、[γ−
32P]ATP,T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(東
洋紡績(株)製)を用いて行うことができる。
【0028】また、ドットプロットによる各DNAプロ
ーブの結合能の解析は、PCR法により増幅された遺伝
子DNAを試料とし、該DNAを変性させた後ナイロン
メンブランに滴下し、UV Stratalinker
TM (ストラタジーン社製)等により紫外線固着させ
、次に血清型識別用DNAプローブとのハイブリダイゼ
ーションを行い、ナイロンメンブランのオートラジオグ
ラフィーを行い、各DNAプローブとのドットハイブリ
ッド形成の有無を調べることにより行うことができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0030】実施例1  クラミジア属の血清型の識別
1.実験材料および方法 (A)使用微生物 用いた15種類の全血清型(A〜K・Ba・L1 〜L
3 )クラミジア・トラコマティス(Chlamydi
a trachomatis) 感染培養細胞は、国立
予防衛生研究所において継代培養されている標準株、 A/G −17/OT YHL−13, B/TW− 
5/OT YHL−12,Ba/AP−2/OT YH
L−21, C/TW− 3/OT YHL−11,D
/UW −3/CX YHL−13, E/UW− 5
/CX YHL−16,F/UW −6/CX YHL
−21, G/UW−57/CX YHL− 9,H/
UW −4/CX YHL−18, I/UW−12/
UR YHL−14,J/UW−36/CX YHL−
39, K/UW−31/CX YHL− 7,L1/
440/Bubo YHL− 6, L2/434/B
ubo YHL−11,L3/404/Bubo YH
L− 6である。これらは、モノクローナル抗体を用い
たマイクロトラック法により血清型が同定されている。 同様に、クラミジア・シッタシ(Chlamydia 
psittaci)の培養細胞も同研究所より供与され
た標準株である。
【0031】用いた腟内常在菌、腟炎起因菌の臨床分離
培養株は、エシエリヒア・コリ(Escherichi
a coli)、クレブシエラ・ニューモニー(Kle
bsiella pneumoniae) 、エンテロ
バクター・クロアッカ(Enterobacter c
loacae)、プロテウス・ミラビリス(Prote
us mirabilis) 、シュードモナス・アエ
ルギノーザ(Pseudomonas aerugin
osa)、スタヒロコッカス・アウレウス(Staph
ylococcusaureus) 、スタヒロコッカ
ス・エピデルミデス(Staphylococcus 
epidermides)、エンテロコッカス・フェカ
リス(Enterococcus faecalis)
 、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Strept
coccus agaractiae) 、ラクトバチ
ルス(Lactobacillus sp.) No.
939、ラクトバチルス(Lactobacillus
 sp.) No.940、コリネバクテリウム(Co
rynebacterium sp.) 、ナイセリア
・コノローエ(Neisseria gonorrho
eae) 、バクテロイデス・フラジリス(Bacte
roides fragilis)、カンジダ・アルビ
カンス(Candida albicans)の15種
類であり、108 CPU/mlに調整されたものを用
いた。
【0032】(B)DNAの抽出 上記各細胞または細菌の培養液一定量を試験管内にとり
、遠心操作によりペレット状に沈殿させた後、その沈殿
物を1%(w/v) SDSドデシル硫酸ソーダ、0.
1mg/ml プロテナーゼ(ベーリンガーマンハイム
製)にて変性・溶解させた。続いてヘキサデシルトリメ
チルアンモニウムブロミドにて細胞壁断片・蛋白・ポリ
サッカライドを選別し、フェノール/クロロホルム/イ
ソアミルアルコール(25/24/1)にてDNA抽出
を行い、イソプロパノールを用いて沈殿させた。
【0033】(C)PCR用DNAプローブの合成クラ
ミジア・トラコマティスの全ての血清型およびクラミジ
ア・シッタシの遺伝子の一部を共通に増幅できるDNA
プローブを、クラミジア属の菌体外膜蛋白をコードする
遺伝子の塩基配列(Stephens, R.S. ら
、J.Bacteriol., 169, 3879−
3885(1987) 参照)をもとにVD・Iの5´
側とVD・IV の3´側の各々に相補性を有する下記
式(1)および式(2)、       GCCGCTTTGA  GTTCTGC
TTC  C        (1)      GC
AAGATTTT  CTAGATTTCA  T  
      (2)の塩基配列で示される21塩基のD
NAプローブをホスホアミダイト(Phosphora
midite) 法により合成し、OPCTM(アプラ
イド・バイオシステムズ製)カートリッジを用いて精製
し、PCRのプライマーとして使用した。
【0034】(D)遺伝子DNAの増幅(PCR法)反
応液として、10X反応用緩衝液(Reaction 
Buffer) 10μl 、デオキシヌクレオチド3
−リン酸混合液(dATP,dCTP,dGTP,dT
TP;各1.25mM含有)16μl 、上記合成DN
Aプローブ  式(1)(50μM )2.0μl 、
上記合成DNAプローブ  式(2)(50μM )2
.0μl 、テンプレート(template)DNA
  100ng〜1μg およびTaqポリメラーゼ(
宝酒造製)1μl (5Units)にH2 Oを加え
、計100μl としたものを調整した。1サイクルは
、塩基鎖の変性工程を92℃1分、アニーリング工程を
54℃1分、塩基鎖伸長工程を72℃5分に設定し、ア
ンプリフィケーション・システム(amplifica
tion system;  シータス社)を用いて、
前記(B)で抽出した標的DNAを30サイクル増幅し
た。
【0035】(E)ゲル電気泳動法 0.8%のアガロースゲルにエチジウムブロマイドを0
.5μg/ml加え、上記で増幅したDNAの電気泳動
を行った。泳動後254nmの紫外線を照射し、エチジ
ウムブロマイドの発色反応によりDNAバンドを検出し
、クラミジア属の菌体外膜蛋白をコードする遺伝子領域
に由来する1050塩基の標的DNAバンドを確認した
【0036】(F)血清型識別用DNAプローブの合成
と標識 血清型識別用DNAプローブは、前記クラミジア・トラ
コマティス(血清型:D,E,F,G,H,I,J,K
)の菌体外膜蛋白をコードする遺伝子領域内の4つの可
変領域(VD・I〜VD・IV)の塩基配列から、各血
清型に特異的な塩基配列を選び、下記式(3)〜式(9
)、       ATGTAGGGCA  AGAATTC
CCT            (3)      T
TTGATACTA  CCACGCTTAA    
        (4)            GT
CTCTTCCG  CAGAAAACGA     
       (5)            CCT
GTTGTAG  ATATTACAAC      
      (6)            TTCA
GATGGG  AGCGGCGCCT       
     (7)            AAATC
TTCTG  ATTTTAATAC        
    (8)            CACAAT
ATTC  TAAGTTTAAT         
   (9)      の塩基配列で示される各々2
0塩基のDNAプローブをホスホアミダイト(Phos
phoramidite) 法により合成し、OPCT
M(アプライド・バイオシステムズ製)カートリッジを
用いて精製した。
【0037】このDNAプローブの標識は、5´末端の
燐酸化反応により、[γ−32P]ATP,T4 ポリ
ヌクレオチドキナーゼ(東洋紡績(株)製)を用いて行
った。
【0038】(G)ドットプロット法 前記PCRにより増幅されたDNA断片を試料とし、そ
の分子数を260nmの吸光度により算出した。そして
、この1012 molecule/1〜2μl を9
0℃で変性させた後ナイロンメンブレンに滴下し、25
4nmの紫外線1.2×105 μJOULES/cm
2(UV stratalinkerTM ;ストラタ
ジーン製)により固着させた。32Pで標識されたDN
Aプローブは、1回のハイブリダイゼーションにつき1
06 cpm/ml使用した。プレハイブリダイゼーシ
ョンは、反応液として6×クエン酸標準緩衝液、5×デ
ンハルト(Denhardt’s)試薬、0.5%SD
S(ドデシル硫酸ソーダ)、100μg/ml変性サケ
精子DNAを用い、65℃2時間行った。ハイブリダイ
ゼーションは、反応液として3.0M テトラメチルア
ンモニウムクロライド、0.01M リン酸ナトリウム
(pH6.8)、1mM  EDTA(pH7.6)、
0.5%SDS、100μg/ml変性サケ精子DNA
、0.1%脱脂粉乳を用い、62℃2時間行った。ハイ
ブリダイゼーション後、ナイロンメンブレンをラップに
包み、オートラジオグラフィーを−70℃4時間行い、
各プローブとのドットハイブリッド形成の有無により試
料の血清型を識別した。
【0039】2.結果 用いたクラミジア・トラコマティスおよびクラミジア・
シッタシ標準株の全てについて、PCR後のゲル電気泳
動により増幅された標的DNAバンドが検出された。一
方、腟内常在菌、腟炎起因菌の臨床分離培養株から抽出
したDNAを試料としてPCRを行った場合、標的とす
るDNAバンドは検出されず、交差反応は認められなか
った。
【0040】クラミジア・トラコマティス標準株から抽
出したDNAをPCR法で増幅した後、血清型識別用の
各DNAプローブとドットプロットを行った結果、各血
清型由来のDNAと血清型識別用DNAプローブ間で、
表1に示す結合パターンが認められた。
【0041】
【表1】
【0042】この結合パターンからクラミジア・トラコ
マティスの各血清型の識別が可能であることが判明した
【0043】実施例2  クラミジア属の検出帯下感、
下腹痛などを主訴とする治療前臨床患者94症例より採
取された子宮頸管綿棒擦過材料を、1mMの1M 塩酸
グアニジン、10mM  EDTA、10mMトリス塩
酸および0.05%アジ化ナトリウムの入ったチューブ
内で4℃に保存した。保存検体から、実施例1(B)記
載の方法によりDNAを抽出し、同(D)記載の方法で
PCRを行い、同(E)記載の方法でDNAバンドの検
出を行った結果、94例中33例(35.1%)で標的
DNAが検出され、クラミジア属の感染が認められた。
【0044】一方、同時に採取された子宮頸管綿棒擦過
材料のクラミジア属感染を、EIA法(クラミジアザイ
ムTM;アボット社製)で行った場合、検出症例は24
例(24.5%)であった。
【0045】
【配列表】配列番号  :1 配列の長さ:21 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 GCCGCTTTGA GTTCTGCTTC C
【0
046】配列番号  :2 配列の長さ:21 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 GCAAGATTTT CTAGATTTCA T
【0
047】配列番号  :3 配列の長さ:20 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 ATGTAGGGCA AGAATTCCCT
【004
8】配列番号  :4 配列の長さ:20 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 TTTGATACTA CCACGCTTAA
【004
9】配列番号  :5 配列の長さ:20 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 GTCTCTTCCG CAGAAAACGA
【005
0】配列番号  :6 配列の長さ:20 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 CCTGTTGTAG ATATTACAAC
【005
1】配列番号  :7 配列の長さ:20 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 TTCAGATGGG AGCGGCGCCT
【005
2】配列番号  :8 配列の長さ:20 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列 AAATCTTCTG ATTTTAATAC
【005
3】配列番号  :9 配列の長さ:20 配列の型  :核酸 鎖の数    :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (i)クラミジア属の菌体外膜蛋白を
    コードする遺伝子領域内の4つの可変領域を含む遺伝子
    領域の上流共通部分および下流共通部分に相補性を有す
    るDNAプローブをプライマーとして、クラミジア属の
    血清型特異的塩基配列を含む遺伝子領域を増幅し、(i
    i) 該増幅遺伝子DNAを検出することを特徴とする
    クラミジア属微生物の検出方法。
  2. 【請求項2】  (i)クラミジア属の菌体外膜蛋白を
    コードする遺伝子領域内の4つの可変領域を含む遺伝子
    領域の上流共通部分および下流共通部分に相補性を有す
    るDNAプローブをプライマーとして、クラミジア属の
    血清型特異的塩基配列を含む遺伝子領域を増幅し、(i
    i) 該増幅遺伝子DNAに、クラミジア属の血清型特
    異的塩基配列に結合能を有する標識DNAプローブを結
    合させ、(iii)該結合標識DNAプローブを検出し
    、結合プローブの種類を解析することを特徴とするクラ
    ミジア属微生物および血清型の識別方法。
  3. 【請求項3】  4つの可変領域を含む遺伝子領域の上
    流共通部分に相補性を有するDNAプローブが、下記式
    (1)、       GCCGCTTTGA  GTTCTGC
    TTC  C        (1)で示される塩基配
    列を有し、下流共通部分に相補性を有するDNAプロー
    ブが下記式(2)、       GCAAGATTTT  CTAGATT
    TCA  T        (2)で示される塩基配
    列を有する、請求項1又は2のクラミジア属微生物の検
    出または識別方法。
  4. 【請求項4】  血清型特異的塩基配列に結合能を有す
    る標識DNAプローブが、下記式(3)、式(4)、式
    (5)、式(6)、式(7)、式(8)または式(9)
          ATGTAGGGCA  AGAATTC
    CCT            (3)      T
    TTGATACTA  CCACGCTTAA    
            (4)            GT
    CTCTTCCG  CAGAAAACGA     
           (5)            CCT
    GTTGTAG  ATATTACAAC      
          (6)            TTCA
    GATGGG  AGCGGCGCCT       
         (7)            AAATC
    TTCTG  ATTTTAATAC        
        (8)            CACAAT
    ATTC  TAAGTTTAAT         
       (9)      で示される塩基配列を有する
    DNAプローブである、請求項2のクラミジア属微生物
    および血清型の識別方法。
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