JPH04334990A - 停止状態でない交流電動機のインバータによる始動方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は回生機能を持たない電圧
形インバータに係り、特に停止状態でない交流電動機を
始動する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の装置は、特開昭５７−１４２１８
２号に記載のように回生状態の発生を防ぐために電動機
回転数を測定する機器を設けて始動時電動機回転数を測
定し、これを周波数に換算した値より少し高い値にイン
バータ出力周波数を設定することにより回生状態の発生
を未然に防いだ始動方法を採用するか、回生エネルギー
処理機能を付加することにより機器を破損させることな
く電動機を始動する方法が採用されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち前
者は電動機の回転数を測定するための機器とそれに応じ
た制御方法を必要とし、後者は装置部品増加による故障
率の増加や機器が大型化，複雑化するという問題があっ
た。

【０００４】本発明の目的は以上の回転数測定機器及び
部品増加をすることなく電圧形インバータを用いて停止
状態でない交流電動機の始動を可能にすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的は、交流電動機
の始動時のインバータ出力周波数として、始動時に予測
される電動機の回転数を周波数に換算した値よりも高い
値を設定し、電動機の電流が規定値以上になった場合、
インバータ出力周波数を下げる制御を用いることにより
達成される。

【０００６】

【作用】インバータは電動機が始動する時点で、電動機
の回転数を周波数に換算した値以上に設定された出力周
波数を電動機に出力する。これによりインバータの出力
周波数が電動機の始動時の回転数を周波数に換算した値
よりも大きくなる為、電動機の回転数を周波数に換算し
た値のほうが大きくなることによって生じる回生状態の
発生を未然に防いだ始動が可能になる。ただしこの２つ
の周波数の差（すべり）があまりに大きくなった場合に
は、過大な電動機電流が発生する。この場合には前記電
流を検出し、インバータ出力周波数と電動機回転数との
すべりが過大になっていると判断し、インバータ出力周
波数を下げる制御を実施することによって、規定値以下
の電流で停止状態でない電動機の始動が可能になる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図３により
説明する。

【０００８】図１は本発明を適用する対象となるシステ
ム例を示す。交流電源１から供給される交流電力は、イ
ンバータ２により任意の周波数の交流電力に変換され、
電動機３を駆動する。電動機３には負荷４が接続されて
おり、これは電動機始動時に電動機を回転状態にさせて
いることがある性質を持つものであるとする。５はイン
バータの速度指令値、すなわち出力周波数指令値を与え
る回路である。６は電動機電流の検出回路であり、電動
機電流がどのような状態であるかを検出する。したがっ
て電動機電流の値が大きくなるとインバータ出力周波数
回路７はそれを検出することが出来る。さらに始動周波
数設定回路８の出力をインバータ出力周波数制御回路７
に入力する。

【０００９】図２は電動機３を始動した直後の時間経過
とインバータ出力周波数の変化を表している。ｆ１　は
速度指令回路５から出力された値をインバータ出力周波
数に換算した値、ｆ２は電動機３の回転数を周波数に換
算した値、及びｆ３は始動周波数設定回路８によるイン
バータ出力周波数を示す。ここで始動周波数設定回路８
の設定は、システムに応じ、必ずｆ３≧ｆ２とする。

【００１０】図３は図２でインバータ出力周波数を制御
したときの電動機電流の変化を表しており、Ｉ１は出力
周波数指令値ｆ１で電動機が回転しているときの電動機
電流の値であり、Ｉ２は過負荷補正が終了して出力周波
数ｆ２で電動機が回転している時の電動機電流の値であ
り、Ｉ３　は電動機電流が過電流であると判断される値
である。

【００１１】以上の図２，図３を用いて図１のシステム
がどのように稼働するかを示す。まずｔ＝０で電動機３
を始動する。この時点でインバータ２は周波数ｆ３　を
出力する。ｆ３≧ｆ２であるので電動機は回生状態に陥
ることなく始動する。このときｆ２とｆ３の差が大きな
場合には、電動機特性から電動機を加速するために過大
な電動機電流Ｉ３が発生し、インバータ許容電流以上の
電流となるため、このままでは始動不可能である。そこ
でインバータ出力周波数制御回路７は電動機電流の検出
回路６により電動機が上記状態にあることを検知し、ｆ
２とｆ３の差を小さくするようインバータ出力周波数の
補正を行う。この補正は電動機電流が規定値以上の間、
ｆ３を減じる事により実施される。電動機電流が規定値
以下の正常値Ｉ２になり、インバータ出力周波数の補正
が終った後には、従来のインバータ制御で実施している
様にインバータ出力周波数がｆ１になるまで適切なレー
トでインバータ出力周波数を制御する。インバータ出力
周波数がｆ１　になったとき、電動機にはＩ１の値の電
流が流れる。

【００１２】上述した電動機電流の規定値は、電動機の
許容電流またはインバータ許容電流をもとに設定するこ
とができる。また、電動機電流検出回路のかわりにイン
バータ直流電流を検出しても実施可能である。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、以上詳述したように電
圧形インバータにおいて、電動機の負荷が過大になった
ことを検出することの出来る回路を用いることにより、
回生エネルギー処理装置や電動機の回転数を検出する特
別な機器を用いることなく始動時に停止状態でない電動
機を駆動することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例のシステムの概略構図である
。

【図２】本発明による始動方法を用いた場合のインバー
タ出力周波数の時間変化の様子を示す図である。

【図３】図２における電動機電流の時間変化の様子を示
す図である。

【符号の説明】

１…交流電源、２…インバータ、３…電動機、４…電動
機の負荷、５…インバータに速度指令値を与える回路、
６…電動機電流の検出回路、７…インバータ出力周波数
制御回路、８…始動周波数設定回路。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】交流電力を直流電力に変換する整流回路と
   、整流された直流電力を任意の周波数の交流電力へ変換
   するインバータ回路より成る交流電動機駆動用電圧形イ
   ンバータ装置の始動方法において、電動機電流の検出回
   路、任意の始動周波数の設定を可能にする回路、及びこ
   れらの回路の出力を用いて構成されたインバータ出力周
   波数制御回路を備えることにより、電動機始動時に最高
   出力周波数を始動周波数として設定し、回生機能を不付
   としたことを特徴とする停止状態でない交流電動機のイ
   ンバータによる始動方法。
2. 【請求項２】請求項１における最高出力周波数の代わり
   に電動機始動時に回生状態が生じない出力周波数を始動
   周波数に設定することを特徴とする停止状態でない交流
   電動機のインバータによる始動方法。