JPH0433007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、商品の展示に使用する商品展示ワ
ゴンに関するものである。

［従来の技術］ 従来より、多数の商品を展示し、商品を陳列し
たままフロアー内を移動させる商品展示ワゴンが
使用されている。かかる商品展示ワゴンは、一般
に、商品を陳列する複数段の展示棚を設け、底面
に車輪を取付けてフロアー内を移動することがで
きるように構成されている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、従来の商品展示ワゴンは、移動の際に
棚に陳列した商品が落下する危険があるため、例
えば商品展示ワゴンを他のフロアーに移動する場
合は、商品展示棚の商品を全部降ろしてから商品
展示ワゴンを移動し、再び商品を陳列することが
行われている。したがつて、他のフロアーに移動
する作業は時間と労力とを要し、商品配置をすば
やく変更することができなかつた。また、商品の
展示はその展示棚の空間だけに限定されるため、
商品の配置が立体観に欠けて商品のデイスプレイ
も変化に乏しいものであつた。

この考案は、これらの問題点を解決することを
目的とするもので、商品を陳列したまま移動する
場合に商品が落下する危険を解消し、商品配置の
変更を簡単に行うことができるとともに、最下段
に展示棚の前方にもう一段の展示棚を追加し、立
体観に富んだ商品の展示を行うことができる商品
展示ワゴンを提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ この考案の商品展示ワゴンの構成を添付図面の
図番を参照して説明すると、上下に複数段の商品
展示棚を形成する商品展示棚本体１を、外枠２で
外形形状を直方体に形成し、両側面及び背面に金
網３を張設して上面及び前面を開口し、底面四隅
に車輪６を外枠２に取付けて構成する。そして、
両側面下方内側に中空の案内枠７を設け、前方へ
引出した状態で最下段に商品展示棚を架設するス
ライドアーム８を案内枠７に前後に引出自在に設
ける。そして、閉じた状態で商品展示棚本体１の
上面及び前面を覆う側面Ｌ形状のシヤツター１０
を、背面上端枠２ａに蝶番１３で開閉自在に取付
ける。そして、上方に引出してシヤツター１０を
係止して開いた状態で支持する支持棒１４を、中
空に形成した前面両支柱枠２ｂの上端から上下に
出入自在に挿入して構成する。

［作用］ この考案の商品展示ワゴンを用いて商品を展示
するには、シヤツター１０を開いて支持棒１４を
上方に引出して係止し、シヤツター１０を開いた
状態で支持して商品展示棚に商品を陳列する。ま
た、スライドアーム８を前方へ引出し、商品展示
棚本体１の前方に、最下段の商品展示棚を追加し
て商品を陳列することができる。そして、支持棒
１４を支柱枠２ｂ内に戻してシヤツター１０を閉
じると商品展示棚本体１の上面及び前面が覆わ
れ、最下段の商品展示棚を商品展示棚本体１内に
押し入れて収納し、スライドアーム８を後方へ戻
し、そのまま押して商品展示ワゴンを移動させ
る。シヤツター１０を閉じ、スライドアーム８を
戻した状態では、商品展示ワゴンは外部に突起の
ない略直方体となりコンパクトにまとまり、商品
を商品展示棚に陳列したまま移動しても、シヤツ
ター１０で保護されて商品が落下する危険がな
い。

以下に、図面の実施例についてこの考案の構成
を具体的に説明する。

［実施例］ 図面の実施例において、上下に複数段の商品展
示棚を形成して商品を陳列する商品展示棚本体１
が、外枠２で外形形状を間口の広い直方体に形成
され、両側面及び背面に金網３が一面に張設さ
れ、上面及び前面を開口して間口を開いて形成さ
れている。前面と背面とに対になつた棚受け４，
５が複数段に設けられ、棚受け４，５に商品を並
べる棚板、棚箱、ネツト等を架設して複数段の商
品展示棚が形成され、商品が見やすくまた取出し
やすいように前方下方に展示棚が傾斜するよう
に、前面の棚受け４を背面の棚受け５より若干低
い位置に段違いに形成されている。そして、底面
四隅には移動用の車輪６が外枠２に取付けられて
いる。

商品展示棚本体１の両側面下方内側に中空の案
内枠７が設けられ、案内枠７内を前後にスライド
するスライドアーム８が案内枠７に引出自在に設
けられている。そして、スライドアーム８を前方
へ引出してこれに商品陳列箱９を架設する等し、
最下段に商品展示棚を増加することができるよう
に構成されている（第２図参照）。

商品展示棚本体１の上面及び前面の開口を覆う
側面Ｌ形状のシヤツター１０が、同じく外枠１１
に金網１２を張設して形成され、商品展示棚本体
１の背面上端枠２ａに蝶番１３で開閉自在に取付
けられている。そして、商品展示棚本体１の前面
両支柱枠２ｂが中空に形成され、支持棒１４が両
支柱枠２ｂ内に上下に出入自在に上端から挿入さ
れている。一方、両支柱枠２ｂの上部外側にはス
トツパー１６が鎖で接続され、ストツパー１６を
挿入する貫通穴１５が支持棒１４の中程に開孔さ
れている。そして、シヤツター１０を開いて支持
棒１４を上方へ引出し、貫通穴１５にストツパー
１６を挿入して支持棒１４を固定し、支持棒１４
先端が当接してシヤツター１０が係止されて開い
た状態で支持され（第２図参照）るとともに、ス
トツパー１６を貫通穴１５から引抜き、支持棒１
４を支柱枠２ｂ内に戻してシヤツター１０が閉じ
られる（第３図参照）ように構成されている。

なお、あらかじめ商品展示棚を固定して形成し
てもよいし、陳列する商品の大きさや陳列方法に
応じて展示棚は板状、箱形、網状等に形成するこ
とができる。また、シヤツター１０は、金網１２
に代わつてシート、軽薄金属板、合成樹脂板を一
面に張設して形成し、屋外でこの商品展示ワゴン
使用する場合、風、塵、雨等から展示商品を保護
するように構成することができる。

［効果］ この考案の特徴的な効果は次の諸点である。

商品展示の際に、スライドアーム８を前方へ引
出して最下段に商品展示棚を架設し、商品展示棚
本体１の前方に商品を陳列することが可能とな
り、立体的な商品の展示を行い、商品のデスプレ
イに変化を与えるとともに、架設される最下段の
商品展示棚は前方に位置し、商品が手に取つて見
やすく実用的である。また、側面Ｌ形状のシヤツ
ター１０を商品展示棚本体１の背面上端枠２ａに
蝶番１３で開閉自在に取付けたので、シヤツター
１０を開いた状態で商品展示空間が上方へ拡大さ
れ、より一層商品展示の立体観を増加させること
ができる。

また、シヤツター１０を閉じて移動することに
より、シヤツター１０で保護されて商品が落下す
る危険が解消され、商品を陳列したまま他のフロ
アーへの移動も可能となり、商品配置の変更を簡
単に行うことができる。そして、展示終了後、シ
ヤツター１０を閉じてスライドアーム８を戻した
状態は、商品展示ワゴンは外部に突起のない直方
体となり箱を並べるように密着して並べられ、そ
のままパワーリフト付トラツクにて荷台に乗せて
荷台に整然と並べられ、一度に多数の商品展示ワ
ゴンを商品ごと遠隔地に移動することも許容さ
れ、取扱いが便利で機動性に優れるものである。

また、商品展示棚本体１は両側面及び背面に金
網３を張設して形成されているので、陳列商品を
見渡して監視することができるとともに、移動取
扱中の振動により商品が飛散することを防止する
ことができる。

以上のようにこの考案の商品展示ワゴンは、商
品配置の変更、商品種別の入替え、他のフロアー
への移動、他店への移動、遠隔地への運搬等の作
業の効率化を図り、作業時間の短縮を実現すると
ともに、商品展示の立体化に大きく寄与するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例で、第１図は分解斜視
図、第２図は、シヤツターを開き、スライドアー
ムを引出した状態の斜視図、第３図は、シヤツタ
ーを閉じ、スライドアームを戻した状態の斜視図
である。 １……商品展示棚本体、２……外枠、２ａ……
上端枠、２ｂ……支柱枠、３……金網、６……車
輪、７……案内枠、８……スライドアーム、１０
……シヤツター、１３……蝶番、１４……支持
棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下に複数段の商品展示棚を形成する商品展示
   棚本体１を、外枠２で外形形状を直方体に形成
   し、両側面及び背面に金網３を張設して上面及び
   前面を開口し、底面四隅に車輪６を外枠２に取付
   けて構成し、両側面下方内側に中空の案内枠７を
   設け、前方へ引出した状態で最下段に商品展示棚
   を架設するスライドアーム８を案内枠７に前後に
   引出自在に設け、閉じた状態で商品展示棚本体１
   の上面及び前面を覆う側面Ｌ形状のシヤツター１
   ０を、背面上端枠２ａに蝶番１３で開閉自在に取
   付け、上方に引出してシヤツター１０を係止して
   開いた状態で支持する支持棒１４を、中空に形成
   した前面両支柱枠２ｂの上端から上下に出入自在
   に挿入して構成した商品展示ワゴン。