JPH04328576A - フラッシュ定着用トナー - Google Patents
フラッシュ定着用トナーInfo
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- JPH04328576A JPH04328576A JP3098448A JP9844891A JPH04328576A JP H04328576 A JPH04328576 A JP H04328576A JP 3098448 A JP3098448 A JP 3098448A JP 9844891 A JP9844891 A JP 9844891A JP H04328576 A JPH04328576 A JP H04328576A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法等において
静電潜像を現像するために用いられるフラッシュ定着用
トナーに関する。従来、電子写真法としては米国特許第
2297691号などに記載された方式が周知であるが
、これは一般には光導電性絶縁体(フォトコンドラムな
ど)を利用し、コロナ放電などにより該光導電性絶縁体
上に一様な静電荷を与え、様々な手段により該光導電性
絶縁体上に光像を照射することによって静電潜像を形成
し、次いで、該潜像をトナーと呼ばれる微粉末を用いて
現像可視化し、必要に応じて紙等にトナー画像を転写し
た後、加圧、加熱、溶剤、蒸気、光等の照射などの手段
により紙等の記録媒体上にトナー画像を定着させて複写
物を得るものである。
静電潜像を現像するために用いられるフラッシュ定着用
トナーに関する。従来、電子写真法としては米国特許第
2297691号などに記載された方式が周知であるが
、これは一般には光導電性絶縁体(フォトコンドラムな
ど)を利用し、コロナ放電などにより該光導電性絶縁体
上に一様な静電荷を与え、様々な手段により該光導電性
絶縁体上に光像を照射することによって静電潜像を形成
し、次いで、該潜像をトナーと呼ばれる微粉末を用いて
現像可視化し、必要に応じて紙等にトナー画像を転写し
た後、加圧、加熱、溶剤、蒸気、光等の照射などの手段
により紙等の記録媒体上にトナー画像を定着させて複写
物を得るものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】これ
らの静電潜像を現像するためのトナーとしては、従来よ
り天然または合成高分子物質よりなるバインダ樹脂中に
カーボンブラックなどの着色剤を分散させたものを1〜
30μm程度に微粉砕した粒子が用いられている。かか
るトナーは通常、トナー単体もしくは鉄粉、ガラスビー
ズなどの担体物資(キャリア)と混合され静電潜像の現
像に用いられる。
らの静電潜像を現像するためのトナーとしては、従来よ
り天然または合成高分子物質よりなるバインダ樹脂中に
カーボンブラックなどの着色剤を分散させたものを1〜
30μm程度に微粉砕した粒子が用いられている。かか
るトナーは通常、トナー単体もしくは鉄粉、ガラスビー
ズなどの担体物資(キャリア)と混合され静電潜像の現
像に用いられる。
【0003】トナー単体で現像に供せられる場合(一成
分現像方法)、トナーは通常、磁性粉を含有しており、
該トナーは現像装置の壁面や現像装置内のマグネットロ
ールなどの部材と摩擦されることにより摩擦帯電し、さ
らに、該マグネットロールの磁力により、該マグネット
ロール上に保持され、該マグネットロールが回転するこ
とによりトナーが光導電性絶縁体上の潜像部分に運ばれ
、帯電したトナーのみが電気的吸引力により潜像に付着
することによって現像が行われる。
分現像方法)、トナーは通常、磁性粉を含有しており、
該トナーは現像装置の壁面や現像装置内のマグネットロ
ールなどの部材と摩擦されることにより摩擦帯電し、さ
らに、該マグネットロールの磁力により、該マグネット
ロール上に保持され、該マグネットロールが回転するこ
とによりトナーが光導電性絶縁体上の潜像部分に運ばれ
、帯電したトナーのみが電気的吸引力により潜像に付着
することによって現像が行われる。
【0004】また、キャリアとトナーを混合して用いる
場合(二成分現像方法)、トナーとキャリアとからなる
現像剤は現像装置内で混合撹拌されることにより摩擦帯
電し、トナーがキャリアに担持された状態で光導電性絶
縁体上の潜像部分に運ばれ、帯電したトナーのみが電気
的吸引力により選択的に潜像に付着することによって現
像が行われる。この場合も前記トナー画像はトナーのみ
で形成されている。
場合(二成分現像方法)、トナーとキャリアとからなる
現像剤は現像装置内で混合撹拌されることにより摩擦帯
電し、トナーがキャリアに担持された状態で光導電性絶
縁体上の潜像部分に運ばれ、帯電したトナーのみが電気
的吸引力により選択的に潜像に付着することによって現
像が行われる。この場合も前記トナー画像はトナーのみ
で形成されている。
【0005】二成分現像方法の場合、通常キャリアとし
ては鉄粉もしくは他の強磁性体粒子を用いることが多く
、この場合、該磁性体粒子が現像装置内のマグネットロ
ールにより保持され磁気ブラシを形成し、該マグネット
ロールが回転することにより磁気ブラシが光導電性絶縁
体上の潜像部分に運ばれることにより潜像部分へのトナ
ーの運搬が行われる。
ては鉄粉もしくは他の強磁性体粒子を用いることが多く
、この場合、該磁性体粒子が現像装置内のマグネットロ
ールにより保持され磁気ブラシを形成し、該マグネット
ロールが回転することにより磁気ブラシが光導電性絶縁
体上の潜像部分に運ばれることにより潜像部分へのトナ
ーの運搬が行われる。
【0006】一方、トナーに用いられるバインダ樹脂と
しては一般にオリゴマーと称する低重合体高分子が用い
られることが多い。オリゴマーは低分子量であることか
ら溶融粘度が低く、熱安定性が良好なため、電子写真用
トナーのバインダ樹脂として広く用いられている。前記
定着は、前記トナーの粉像を溶融して記録紙に固着させ
ることであり、その方法としては前記の種々の方法があ
る。これらの方法のなかで、光定着の代表的なものであ
るフラッシュ定着は、例えばキセノンフラッシュランプ
など放電管の閃光によって定着する方法であって、(1
)非接触定着であるため、現像時の画像の解像度を劣化
させない、(2)電源投入後の待ち時間がなく、クイッ
クスタートが可能である、(3)システムダウンにより
定着器内に記録紙がつまっても発火しない、(4)のり
付き紙、プレプリント紙、厚さの異なる紙など、記録紙
の材質や厚さに関係なく定着可能である、などの大きな
特徴を有している。
しては一般にオリゴマーと称する低重合体高分子が用い
られることが多い。オリゴマーは低分子量であることか
ら溶融粘度が低く、熱安定性が良好なため、電子写真用
トナーのバインダ樹脂として広く用いられている。前記
定着は、前記トナーの粉像を溶融して記録紙に固着させ
ることであり、その方法としては前記の種々の方法があ
る。これらの方法のなかで、光定着の代表的なものであ
るフラッシュ定着は、例えばキセノンフラッシュランプ
など放電管の閃光によって定着する方法であって、(1
)非接触定着であるため、現像時の画像の解像度を劣化
させない、(2)電源投入後の待ち時間がなく、クイッ
クスタートが可能である、(3)システムダウンにより
定着器内に記録紙がつまっても発火しない、(4)のり
付き紙、プレプリント紙、厚さの異なる紙など、記録紙
の材質や厚さに関係なく定着可能である、などの大きな
特徴を有している。
【0007】ここで、フラッシュ定着によってトナーが
記録媒体に固着する過程を説明すると、まず記録媒体に
転写されたトナーは粉末のまま付着して画像を形成して
おり、指で擦れば崩れる状態にある。次に、キセノンフ
ラッシュランプを用いて閃光を照射すると、トナーは閃
光のエネルギを吸収し、このため温度が上昇して軟化溶
融し、記録媒体に密着する。
記録媒体に固着する過程を説明すると、まず記録媒体に
転写されたトナーは粉末のまま付着して画像を形成して
おり、指で擦れば崩れる状態にある。次に、キセノンフ
ラッシュランプを用いて閃光を照射すると、トナーは閃
光のエネルギを吸収し、このため温度が上昇して軟化溶
融し、記録媒体に密着する。
【0008】そして、閃光が終わった後は温度が下がり
、固化して定着画像を生じる。ここで、トナーの必要条
件は比較的低い温度で軟化すると共に溶融した状態でも
画像が変形しないことである。しかしながら、フラッシ
ュ定着方式においては、トナー像に与える閃光エネルギ
の照射時間、照射方法、エネルギ量および、熱分解特性
、熱溶融特性、溶融粘弾性、表面張力等のトナー物性を
最適化しないと、ボイド現象(定着画像にあばた状の白
ぬけが生じる現象)が発生して、印字品位の劣化が生じ
る。
、固化して定着画像を生じる。ここで、トナーの必要条
件は比較的低い温度で軟化すると共に溶融した状態でも
画像が変形しないことである。しかしながら、フラッシ
ュ定着方式においては、トナー像に与える閃光エネルギ
の照射時間、照射方法、エネルギ量および、熱分解特性
、熱溶融特性、溶融粘弾性、表面張力等のトナー物性を
最適化しないと、ボイド現象(定着画像にあばた状の白
ぬけが生じる現象)が発生して、印字品位の劣化が生じ
る。
【0009】図1はボイドの発生状況を示すもので、記
録紙2の上に複数列に渡って配列しているトナー1に、
過剰なエネルギを有する閃光3が照射されると、トナー
1の軟化温度が低いために容易に溶融するが以下の理由
により内部にボイド5が生ずることを示している。 ・トナーの一部が分解温度に達して分解ガスが発生し、
突出することにより、ボイドが形成される。
録紙2の上に複数列に渡って配列しているトナー1に、
過剰なエネルギを有する閃光3が照射されると、トナー
1の軟化温度が低いために容易に溶融するが以下の理由
により内部にボイド5が生ずることを示している。 ・トナーの一部が分解温度に達して分解ガスが発生し、
突出することにより、ボイドが形成される。
【0010】・トナー粒子間の隙間にある空気が熱膨張
することにより突出し、ボイドが形成される。このメカ
ニズムにより形成されるボイド5が爆発定着によるボイ
ド5である。また、トナー1が閃光3から溶融するのに
適当なエネルギーを吸収した場合においても、トナー1
の表面張力に対して溶融粘度、貯蔵弾性率が低すぎる場
合には、一旦溶融したトナー1同士が固化する前に表面
張力により凝集するためにボイド5が発生する場合もあ
る。
することにより突出し、ボイドが形成される。このメカ
ニズムにより形成されるボイド5が爆発定着によるボイ
ド5である。また、トナー1が閃光3から溶融するのに
適当なエネルギーを吸収した場合においても、トナー1
の表面張力に対して溶融粘度、貯蔵弾性率が低すぎる場
合には、一旦溶融したトナー1同士が固化する前に表面
張力により凝集するためにボイド5が発生する場合もあ
る。
【0011】これらの問題を解決する手段として、単に
バインダ樹脂の分子量を大きくするとトナーの溶融粘度
、貯蔵弾性率は高くなるもののトナーの融点も高くなる
ため、通常、トナーの定着性が悪くなる。このため、フ
ラッシュ定着用トナーバインダとしては、フローテスタ
軟化温度で140℃以下の溶融温度を示す熱可塑性樹脂
が常用されている。
バインダ樹脂の分子量を大きくするとトナーの溶融粘度
、貯蔵弾性率は高くなるもののトナーの融点も高くなる
ため、通常、トナーの定着性が悪くなる。このため、フ
ラッシュ定着用トナーバインダとしては、フローテスタ
軟化温度で140℃以下の溶融温度を示す熱可塑性樹脂
が常用されている。
【0012】このように、フラッシュ定着用のトナーは
良好な定着性を示し、かつ画像のボイド現象が発生しな
いことが必要になるのであるが、トナー構成材料には、
良好な定着性を付与するために低温溶融し、溶融時の溶
融粘度が低いことが、また、ボイド現象を防止するため
には、耐熱分解性に優れ、溶融時の表面張力が低く、か
つ、溶融粘度、貯蔵弾性率が高いことが求められる。
良好な定着性を示し、かつ画像のボイド現象が発生しな
いことが必要になるのであるが、トナー構成材料には、
良好な定着性を付与するために低温溶融し、溶融時の溶
融粘度が低いことが、また、ボイド現象を防止するため
には、耐熱分解性に優れ、溶融時の表面張力が低く、か
つ、溶融粘度、貯蔵弾性率が高いことが求められる。
【0013】通常、これらのトナー物性の達成は、主に
トナーバインダの物性値を最適化することにより目指す
ものであるが、トナーバインダにこれら全ての要求を織
り込むことは困難なことである。また、プリンタ等の印
字装置の印刷速度等、装置の仕様、構成が異なると、上
記トナーに求められる物性値は、微妙に異なるため、新
たに上記特性を満たすべく材料設計を行う必要があると
ともに、印字装置毎に特性の異なるトナーが必要となる
ため、生産性が低下するという問題もあった。
トナーバインダの物性値を最適化することにより目指す
ものであるが、トナーバインダにこれら全ての要求を織
り込むことは困難なことである。また、プリンタ等の印
字装置の印刷速度等、装置の仕様、構成が異なると、上
記トナーに求められる物性値は、微妙に異なるため、新
たに上記特性を満たすべく材料設計を行う必要があると
ともに、印字装置毎に特性の異なるトナーが必要となる
ため、生産性が低下するという問題もあった。
【0014】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、耐ボイド特性および定着性に
優れ、トナーの基本構成を変更することなく、仕様の異
なる印字装置に適用することができるフラッシュ定着用
トナーを提供することを目的としている。
てなされたものであって、耐ボイド特性および定着性に
優れ、トナーの基本構成を変更することなく、仕様の異
なる印字装置に適用することができるフラッシュ定着用
トナーを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】フラッシュ定着工程での
トナーの定着工程を時系列的に考えると、(1)フラッ
シュ光照射過程トナーにフラッシュ光が照射されると、
トナーはその閃光のエネルギーを吸収して発熱し、その
表面は瞬時に極めて高温となる、(2)熱伝導・浸透過
程表面の熱が下層のトナーに伝導し、トナー全体が軟化
溶融して記録媒体に浸透する、(3)冷却・固着過程ト
ナーの温度は下がり、固化して定着画像を生じる、の3
段階の過程が考えられるが、ボイド発生に関与する表面
張力などの物理的挙動はトナーが高温溶融しているトナ
ー表面やトナーの中〜上部層の物性に基づくものである
。
トナーの定着工程を時系列的に考えると、(1)フラッ
シュ光照射過程トナーにフラッシュ光が照射されると、
トナーはその閃光のエネルギーを吸収して発熱し、その
表面は瞬時に極めて高温となる、(2)熱伝導・浸透過
程表面の熱が下層のトナーに伝導し、トナー全体が軟化
溶融して記録媒体に浸透する、(3)冷却・固着過程ト
ナーの温度は下がり、固化して定着画像を生じる、の3
段階の過程が考えられるが、ボイド発生に関与する表面
張力などの物理的挙動はトナーが高温溶融しているトナ
ー表面やトナーの中〜上部層の物性に基づくものである
。
【0016】一方、定着性はトナーが比較的低温である
トナー下層で、トナーが冷却固化するまでのトナーの溶
融粘度、記録媒体へのトナーの浸透性等の挙動に基づく
ものであるので、定着性やボイド発生に深く関与するト
ナーの熱的、力学的、化学的挙動をバインダ軟化点等の
単一温度だけで議論できない。即ち、定着性を向上させ
るためには、100〜150℃程度の温度で溶融状態に
あるトナー下層の溶融粘弾性が低く、記録媒体へ良好な
浸透性を示すことが必要であり、一方ボイド防止に関し
ては、200℃以上の温度で溶融しているトナー上層部
に働く、表面張力が小さく、かつ溶融粘弾性が高いこと
が必要となる。
トナー下層で、トナーが冷却固化するまでのトナーの溶
融粘度、記録媒体へのトナーの浸透性等の挙動に基づく
ものであるので、定着性やボイド発生に深く関与するト
ナーの熱的、力学的、化学的挙動をバインダ軟化点等の
単一温度だけで議論できない。即ち、定着性を向上させ
るためには、100〜150℃程度の温度で溶融状態に
あるトナー下層の溶融粘弾性が低く、記録媒体へ良好な
浸透性を示すことが必要であり、一方ボイド防止に関し
ては、200℃以上の温度で溶融しているトナー上層部
に働く、表面張力が小さく、かつ溶融粘弾性が高いこと
が必要となる。
【0017】トナーバインダに対して、このような特性
を全て付与することは困難であるが、本発明者らは、ト
ナーに対して適切な熱溶融特性、溶融粘弾性を有してい
る熱可塑性樹脂微粉末を外添することにより、トナーに
対して上記熱溶融特性を容易に付与できることを見出し
本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、バインダ
樹脂を用いるトナーに対して、粒径1μm以下の熱可塑
性樹脂粒子であって、フローテスタ法による軟化温度が
、140〜200℃であり、200℃における溶融粘度
が1000dyne/cm2 以上、かつ貯蔵弾性率が
1000dyne/cm2 以上であり、添加量がトナ
ー重量の1〜10wt% であるものを外添するもので
ある。
を全て付与することは困難であるが、本発明者らは、ト
ナーに対して適切な熱溶融特性、溶融粘弾性を有してい
る熱可塑性樹脂微粉末を外添することにより、トナーに
対して上記熱溶融特性を容易に付与できることを見出し
本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、バインダ
樹脂を用いるトナーに対して、粒径1μm以下の熱可塑
性樹脂粒子であって、フローテスタ法による軟化温度が
、140〜200℃であり、200℃における溶融粘度
が1000dyne/cm2 以上、かつ貯蔵弾性率が
1000dyne/cm2 以上であり、添加量がトナ
ー重量の1〜10wt% であるものを外添するもので
ある。
【0018】以下、本発明をさらに詳細に説明する。ト
ナーより溶融温度がやや高く、溶融粘弾性がやや高い樹
脂粉末を外添するとフラッシュ光を直接照射されて高温
溶融するトナー上層部では、該熱可塑性樹脂もトナーと
共に溶融してトナー上層部の高溶融粘弾性化に寄与し、
このため良好なボイド防止効果を示す。
ナーより溶融温度がやや高く、溶融粘弾性がやや高い樹
脂粉末を外添するとフラッシュ光を直接照射されて高温
溶融するトナー上層部では、該熱可塑性樹脂もトナーと
共に溶融してトナー上層部の高溶融粘弾性化に寄与し、
このため良好なボイド防止効果を示す。
【0019】一方、トナー下層部では、該熱可塑性樹脂
は熱溶融しないか、若しくはトナーからの熱伝導により
溶融するとしても、溶融までに時間がかかること等の理
由により、トナー下層部ではトナーのみの溶融となるた
め、高溶融粘弾性化をもたらさず、溶融したトナーが記
録媒体へ良好な浸透性を示すため良好な定着性を維持す
るものである。
は熱溶融しないか、若しくはトナーからの熱伝導により
溶融するとしても、溶融までに時間がかかること等の理
由により、トナー下層部ではトナーのみの溶融となるた
め、高溶融粘弾性化をもたらさず、溶融したトナーが記
録媒体へ良好な浸透性を示すため良好な定着性を維持す
るものである。
【0020】本発明に用いる熱可塑性樹脂微粉末の溶融
温度はフローテスタ法軟化温度で140〜200℃であ
ることが望ましい。これは、この温度以下の溶融温度を
持つ熱可塑性樹脂微粉末では、高温溶融状態で所望の高
溶融粘弾性を示す適切な材料が少ない上、高温溶融状態
で高溶融粘弾性をもつものでも外添加用熱可塑性樹脂微
粉末の熱溶融温度とフラッシュ定着用トナーバインダの
熱溶融温度との温度差が小さく、トナー下層部において
該熱可塑性樹脂がトナーバインダと同時に溶融して、ト
ナー下層部の溶融粘弾性を高めるため、定着性が劣化す
る。
温度はフローテスタ法軟化温度で140〜200℃であ
ることが望ましい。これは、この温度以下の溶融温度を
持つ熱可塑性樹脂微粉末では、高温溶融状態で所望の高
溶融粘弾性を示す適切な材料が少ない上、高温溶融状態
で高溶融粘弾性をもつものでも外添加用熱可塑性樹脂微
粉末の熱溶融温度とフラッシュ定着用トナーバインダの
熱溶融温度との温度差が小さく、トナー下層部において
該熱可塑性樹脂がトナーバインダと同時に溶融して、ト
ナー下層部の溶融粘弾性を高めるため、定着性が劣化す
る。
【0021】また、200℃以上のフローテスタ軟化温
度を有する熱可塑性樹脂では、トナー上層部の高温溶融
領域でも軟化が遅く、トナー上層部の溶融粘弾性上昇へ
の寄与が少なく、ボイド防止効果が乏しい。また、高温
溶融領域で高溶融粘弾性を示すことがボイド防止の必須
条件であるため、該熱可塑性樹脂微粉末は本発明で規定
する200℃での溶融粘度が1000dyne/cm2
以上、かつ、貯蔵弾性率が1000dyne/cm2
以上の溶融粘弾性を有していることが望ましい。
度を有する熱可塑性樹脂では、トナー上層部の高温溶融
領域でも軟化が遅く、トナー上層部の溶融粘弾性上昇へ
の寄与が少なく、ボイド防止効果が乏しい。また、高温
溶融領域で高溶融粘弾性を示すことがボイド防止の必須
条件であるため、該熱可塑性樹脂微粉末は本発明で規定
する200℃での溶融粘度が1000dyne/cm2
以上、かつ、貯蔵弾性率が1000dyne/cm2
以上の溶融粘弾性を有していることが望ましい。
【0022】さらに、該熱可塑性樹脂微粉末の添加量は
前記フラッシュ定着トナーに対して1〜10wt% が
望ましい。これは、1wt% 以下の添加量では所望の
ボイド防止能力を発揮させ難く10wt% 以上では、
印字後の色調、トナー帯電特性に対して該熱可塑性樹脂
微粉末添加が及ぼす影響が強くなり、連続印刷時の帯電
量の異常変動、印字濃度の低下などの問題が生じること
が多いことによる。
前記フラッシュ定着トナーに対して1〜10wt% が
望ましい。これは、1wt% 以下の添加量では所望の
ボイド防止能力を発揮させ難く10wt% 以上では、
印字後の色調、トナー帯電特性に対して該熱可塑性樹脂
微粉末添加が及ぼす影響が強くなり、連続印刷時の帯電
量の異常変動、印字濃度の低下などの問題が生じること
が多いことによる。
【0023】なお、該熱可塑性樹脂の色調としては無色
、白色等のフラッシュ光吸収能力の小さなものが望まし
い。これは、フラッシュ光吸収能力の小さな熱可塑性樹
脂が同一溶融温度、溶融粘弾性を示すフラッシュ光吸収
能力の大きな熱可塑性樹脂に比べてボイド防止効果が高
くなることによる。これは該熱可塑性樹脂がフラッシュ
光照射の光エネルギーを吸収して瞬時に高温溶融する場
合に比べ、溶融したトナーからの熱伝導を受けて溶融す
る方が、溶融状態の該熱可塑性樹脂微粉末の温度がまわ
りのトナーバインダの溶融温度より低くなることにより
、高溶融粘弾性を示すことによるものと考えられる。
、白色等のフラッシュ光吸収能力の小さなものが望まし
い。これは、フラッシュ光吸収能力の小さな熱可塑性樹
脂が同一溶融温度、溶融粘弾性を示すフラッシュ光吸収
能力の大きな熱可塑性樹脂に比べてボイド防止効果が高
くなることによる。これは該熱可塑性樹脂がフラッシュ
光照射の光エネルギーを吸収して瞬時に高温溶融する場
合に比べ、溶融したトナーからの熱伝導を受けて溶融す
る方が、溶融状態の該熱可塑性樹脂微粉末の温度がまわ
りのトナーバインダの溶融温度より低くなることにより
、高溶融粘弾性を示すことによるものと考えられる。
【0024】なお、プリンタ等の印字装置の印刷速度等
、装置の仕様、構成が異なると、上記トナーに求められ
る定着特性、耐ボイド特性は微妙に異なるが、本発明に
よるボイド防止方法を採用することにより、外添用熱可
塑性樹脂微粉末の溶融温度、溶融粘弾性等の物性値や外
添量を制御することにより、定着性を損うことなくトナ
ーのボイド防止能力を最適に制御することが可能となる
ため、新規にトナーの材料設計を行う必要がなくなると
ともに1種類の基準トナーを要求特性の異なる各印字装
置に用いることが可能となり、経済的メリットも大きい
。
、装置の仕様、構成が異なると、上記トナーに求められ
る定着特性、耐ボイド特性は微妙に異なるが、本発明に
よるボイド防止方法を採用することにより、外添用熱可
塑性樹脂微粉末の溶融温度、溶融粘弾性等の物性値や外
添量を制御することにより、定着性を損うことなくトナ
ーのボイド防止能力を最適に制御することが可能となる
ため、新規にトナーの材料設計を行う必要がなくなると
ともに1種類の基準トナーを要求特性の異なる各印字装
置に用いることが可能となり、経済的メリットも大きい
。
【0025】本発明で用いられるバインダ樹脂はフラッ
シュ光照射に基づき溶融する熱可塑性を持つ樹脂ならい
ずれでもよく、例えば、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、
アクリロニトリル樹脂、ポスエルテル樹脂などを単独ま
たは併用して用いることができる。また、本発明で外添
される熱可塑性樹脂微粉末は、前記溶融温度、溶融粘弾
性を有しておればいずれでもよく、例えばポリアミド、
ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などが使用で
きる。
シュ光照射に基づき溶融する熱可塑性を持つ樹脂ならい
ずれでもよく、例えば、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、
アクリロニトリル樹脂、ポスエルテル樹脂などを単独ま
たは併用して用いることができる。また、本発明で外添
される熱可塑性樹脂微粉末は、前記溶融温度、溶融粘弾
性を有しておればいずれでもよく、例えばポリアミド、
ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などが使用で
きる。
【0026】これらの樹脂として本発明の要求に合致す
る熱可塑性樹脂微粉末の例としては、乳化重合法やソー
プフリー重合法により作製された粒径0.1〜1.0μ
m程度のアクリル系樹脂微粉末が(株)日本ペイント、
(株)綜研化学等から上市されており、これらを選択し
て用いることも可能である。また、本発明に基づくトナ
ーは従来公知の方法で製造できる。すなわち、バインダ
樹脂、着色剤、および要すれば帯電制御剤などを例えば
加圧ニーダ、ロールミル、エクストルーダなどにより混
練溶融、均一分散し、粉砕機、例えばジェットミルなど
により微粉末化し、分級機、例えば風力分級機などによ
り分級して所望のトナーを得ることができる。
る熱可塑性樹脂微粉末の例としては、乳化重合法やソー
プフリー重合法により作製された粒径0.1〜1.0μ
m程度のアクリル系樹脂微粉末が(株)日本ペイント、
(株)綜研化学等から上市されており、これらを選択し
て用いることも可能である。また、本発明に基づくトナ
ーは従来公知の方法で製造できる。すなわち、バインダ
樹脂、着色剤、および要すれば帯電制御剤などを例えば
加圧ニーダ、ロールミル、エクストルーダなどにより混
練溶融、均一分散し、粉砕機、例えばジェットミルなど
により微粉末化し、分級機、例えば風力分級機などによ
り分級して所望のトナーを得ることができる。
【0027】本発明で用いる外添剤の添加方法としては
、トナーに対して疎水性シリカ等を外添する方法と同等
の添加法、例えばスーパミキサ、ヘンシェルミキサなど
のミキサ中にトナーと該熱可塑性樹脂微粉末を所定量投
入して短時間該ミキサを回転させトナー表面に該熱可塑
性樹脂微粉末を付着させる方法等により添加可能である
。
、トナーに対して疎水性シリカ等を外添する方法と同等
の添加法、例えばスーパミキサ、ヘンシェルミキサなど
のミキサ中にトナーと該熱可塑性樹脂微粉末を所定量投
入して短時間該ミキサを回転させトナー表面に該熱可塑
性樹脂微粉末を付着させる方法等により添加可能である
。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでな
い。バインダ樹脂として、エポキシ樹脂(エピクロンE
XA−1191;大日本インキ化学工業製)を用いた正
極性トナー(比較例1)に対して、表1に示す粒径、フ
ローテスタ軟化温度、200℃における溶融粘度、貯蔵
弾性率を示す熱可塑性樹脂微粉末を外添し、実施例1〜
3、比較例2〜9を得た。
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでな
い。バインダ樹脂として、エポキシ樹脂(エピクロンE
XA−1191;大日本インキ化学工業製)を用いた正
極性トナー(比較例1)に対して、表1に示す粒径、フ
ローテスタ軟化温度、200℃における溶融粘度、貯蔵
弾性率を示す熱可塑性樹脂微粉末を外添し、実施例1〜
3、比較例2〜9を得た。
【0029】次に、これらのトナーを5重量部、キャリ
アとして不定形鉄粉TSV100/200(日本鉄粉製
)95重量部からなる現像剤を調整し、フラッシュ定着
方式を採用しているFACOM−6715D レーザプ
リンタを用いて印字試験および定着試験を行った。この
際の記録用紙上のトナーの厚みは10〜15μmに設定
した。定着器の設定条件は、容量160μFのコンデン
サを用い、充電電圧を2050Vと一定としこれをフラ
ッシュランプに印加した。
アとして不定形鉄粉TSV100/200(日本鉄粉製
)95重量部からなる現像剤を調整し、フラッシュ定着
方式を採用しているFACOM−6715D レーザプ
リンタを用いて印字試験および定着試験を行った。この
際の記録用紙上のトナーの厚みは10〜15μmに設定
した。定着器の設定条件は、容量160μFのコンデン
サを用い、充電電圧を2050Vと一定としこれをフラ
ッシュランプに印加した。
【0030】また、ボイドの発生状況は目視評価で、定
着性の評価は粘着テープ(スコッチメンディングテープ
、住友3M社製)を軽く貼り、直結100mm、厚さ2
0mmの鉄製円柱ブロックを円周方向に一定速度で該テ
ープ上を記録紙に密着させ、しかる後、該テープを引き
剥がし、テープ剥離前画像の光学濃度に対する剥離後の
光学濃度の比を百分率で表し、80%以上の値を示すも
のを定着性良好と評価した。
着性の評価は粘着テープ(スコッチメンディングテープ
、住友3M社製)を軽く貼り、直結100mm、厚さ2
0mmの鉄製円柱ブロックを円周方向に一定速度で該テ
ープ上を記録紙に密着させ、しかる後、該テープを引き
剥がし、テープ剥離前画像の光学濃度に対する剥離後の
光学濃度の比を百分率で表し、80%以上の値を示すも
のを定着性良好と評価した。
【0031】なお、光学濃度の測定はマクベス社製PC
Mメータにより行った。評価結果を表1に示す。比較例
1に対して、本発明の範囲にある物性値を示す熱可塑性
樹脂微粉末を添加した実施例1〜3はいずれも熱可塑性
樹脂微粉末添加前の定着性を維持したまま耐ボイド特性
が改善された。
Mメータにより行った。評価結果を表1に示す。比較例
1に対して、本発明の範囲にある物性値を示す熱可塑性
樹脂微粉末を添加した実施例1〜3はいずれも熱可塑性
樹脂微粉末添加前の定着性を維持したまま耐ボイド特性
が改善された。
【0032】一方、熱可塑性樹脂微粉末の200℃にお
ける溶融粘度、貯蔵弾性率が本発明の範囲を下回る比較
例2、軟化温度が低い比較例7,8および、熱可塑性樹
脂微粉末の外添量が少ない比較例3、軟化温度が高い比
較例5,6ではボイド防止の効果が不十分であり、外添
量が過剰である比較例4では定着性悪化が観測された。
ける溶融粘度、貯蔵弾性率が本発明の範囲を下回る比較
例2、軟化温度が低い比較例7,8および、熱可塑性樹
脂微粉末の外添量が少ない比較例3、軟化温度が高い比
較例5,6ではボイド防止の効果が不十分であり、外添
量が過剰である比較例4では定着性悪化が観測された。
【0033】更に、フラッシュ光吸収能の高い黒色の色
調を有する熱可塑性樹脂微粉末を外添した比較例9は白
色樹脂を使用した場合に比べボイド防止効果が乏しいこ
とが観察された。
調を有する熱可塑性樹脂微粉末を外添した比較例9は白
色樹脂を使用した場合に比べボイド防止効果が乏しいこ
とが観察された。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、耐ボイド特性および定着性に優れ、トナーの基本構
成を変更することなく、仕様の異なる印字装置に適用す
ることができるトナーを得ることができる。
ば、耐ボイド特性および定着性に優れ、トナーの基本構
成を変更することなく、仕様の異なる印字装置に適用す
ることができるトナーを得ることができる。
【図1】ボイド発生の説明図
1:トナー
2:記録紙
3:閃光
4:定着画像
5:ボイド
Claims (1)
- 【請求項1】バインダ樹脂を用いるトナーに対して、粒
径1μm以下の熱可塑性樹脂粒子であって、フローテス
タ法による軟化温度が、140〜200℃であり、20
0℃における溶融粘度が1000dyne/cm2以上
、かつ貯蔵弾性率が1000dyne/cm2 以上で
あり、添加量がトナー重量の1〜10wt% であるも
のを外添したことを特徴とするフラッシュ定着用トナー
。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3098448A JPH04328576A (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | フラッシュ定着用トナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3098448A JPH04328576A (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | フラッシュ定着用トナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04328576A true JPH04328576A (ja) | 1992-11-17 |
Family
ID=14220016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3098448A Withdrawn JPH04328576A (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | フラッシュ定着用トナー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04328576A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5501931A (en) * | 1993-08-18 | 1996-03-26 | Mitsubishi Kasei Corporation | Toner for flash fixation |
-
1991
- 1991-04-30 JP JP3098448A patent/JPH04328576A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5501931A (en) * | 1993-08-18 | 1996-03-26 | Mitsubishi Kasei Corporation | Toner for flash fixation |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980711 |