JPH04327067A - メカニカルシール用摺動材料の製造方法 - Google Patents
メカニカルシール用摺動材料の製造方法Info
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- JPH04327067A JPH04327067A JP3123017A JP12301791A JPH04327067A JP H04327067 A JPH04327067 A JP H04327067A JP 3123017 A JP3123017 A JP 3123017A JP 12301791 A JP12301791 A JP 12301791A JP H04327067 A JPH04327067 A JP H04327067A
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- Mechanical Sealing (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維強化炭素複合
材料製のメカニカルシ−ル用摺動材料の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】メカニカルシ−ルに高密度炭素材と超硬
合金との組合せが用いられているが、潤滑性を上げるた
めに高温処理するとこの炭素材の強度が低下するという
問題がある。また、シ−ル性向上のために、摺動面に渦
巻き状の浅い溝を設けたりする方法(特開昭57−16
,138号公報、実開昭56−21,653号公報)が
知られている。しかしながら、溝を設けるという加工自
体が困難であるばかりでなく、摺動面の寿命が短くなる
等の問題がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、加工性及び
強度の優れたメカニカルシ−ル用摺動材料を製造するこ
とを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、炭素繊維の短
繊維とピッチ粉末とを含有する原料の水分散スラリ−を
調製し、この原料の水分散スラリ−を所定の表面形状を
有する濾材で濾過して上記濾材表面上に上記原料の層を
形成させて予備成形体を作り、この予備成形体を圧縮成
形したのち、炭素化ないしは黒鉛化処理して炭素繊維強
化炭素複合材料とし、次いでこの炭素繊維強化炭素複合
材料を所定の形状に加工することを特徴とするメカニカ
ルシ−ル用摺動材料の製造方法である。 【0005】本発明で使用する炭素繊維の短繊維とは、
連続紡糸によらない短繊維又は連続繊維のチョップをさ
し、PAN系、ピッチ系等の種別は問わない。また、ピ
ッチ粉末は、加熱することにより溶融し、成形時に炭素
繊維をつなぎとめて賦形するバインダ−としての作用を
有するものであり、焼成後は炭素質のマトリックスとし
てそのまま炭素繊維をつなぎとめ炭素繊維強化炭素複合
材料の構造を維持するための材料でもある。従って、ピ
ッチ粉末としては焼成後の残炭率が高いことが望まれる
。ピッチにピッチコ−クスや黒鉛等の炭素質粉を混合し
、これを粉砕して得たピッチ粉末を使用すれば、高い残
炭率となる。そのような意味で、ピッチとしては高軟化
点のピッチ、好ましくは軟化点150〜350℃、より
好ましくは200〜300℃のピッチが有利である。 このピッチは、石油系、タ−ル系のいずれも使用できる
ことができるが、好ましくはタ−ルピッチである。 【0006】炭素繊維とピッチの割合は、炭素繊維強化
炭素複合材料としたとき、炭素繊維の含有率が5〜60
vol%、好ましくは10〜45vol%程度となるよ
うにすることがよい。なお、必要に応じて他の材料、例
えばフェノ−ル樹脂等の熱硬化性樹脂、コ−クス粉等の
炭素質粉等を加えてもよいが、この場合も炭素繊維の含
有率を上記の範囲とすることがよい。 【0007】炭素繊維とピッチとを含む原料は、事前に
プリプレグ等にしてから水中に投入してもよいが、両者
を別々に水中に投入し、分散させてスラリ−状とする方
が簡単であり、また、分散を促進させるため、界面活性
剤を添加してもよい。この水分散スラリ−を濾過して濾
材表面に原料の層を形成させて予備成形体を作る。濾材
としては金網等が挙げられ、この表面形状は予め所望の
形状の予備成形体が得られるように設定される。例えば
、平面形状のものを得るときには表面が平らな濾材を使
用し、また、円筒形状のものを得るときには表面形状に
円柱状の突起を設けた濾材等を使用する。濾過は吸引濾
過であっても、加圧濾過であっても実施可能であるが、
均一性と形状の精密性を高めるには、連続式加圧濾過法
が優れている。この方法によれば、スラリ−の流れに応
じて濾材表面に原料の層が徐々に形成されるが、原料の
層の厚みに差があるとスラリ−の流れに差が生じて、結
果として均一な層の厚みとなる。所望の厚みが得られた
ら濾過を中止し、予備成形体として取り出す。なお、ピ
ッチは常温では結合力が弱いので、濾過が終了して圧力
を抜くときや、濾液を抜くときに、形成された予備成形
体が破壊されることがあるが、このようなときは濾過に
引き続いて、予備成形体の加圧熱処理を行うことが有利
である。加圧方法としては濾過抵抗によって生ずる差圧
を利用することができ、加熱方法としては加熱したスラ
リ−又は水を流すこと等により行うことができる。加圧
熱処理を行うことにより、ピッチは軟化し、結合力を生
じて形状を保持すると共に、予備成形体の密度が高まる
。 【0008】得られた予備成形体は、必要により切断、
折り曲げ等の処理をしたのち、圧縮成形する。圧縮成形
の方法としては、加熱下に行う、ホットプレス法、オ−
トクレ−ブ成形法、ラバ−プレス法、真空成形法等が挙
げられる。圧縮成形したのち、炭素化ないしは黒鉛化処
理する。炭素化処理は非酸化性雰囲気中で450〜1,
100℃の温度範囲で徐々に昇温することにより行われ
、また、黒鉛化処理は1,800〜2,800℃の温度
範囲で徐々に昇温することにより行われる。 【0009】このようにして得られる成形体は、多数の
細孔を有しており、強度が十分ではないので、細孔充填
処理して密度を高める。この方法としては含浸−炭化、
化学的気相蒸着等の方法が採用できるが、好ましくは含
浸−炭化法である。この含浸−炭化法は液状のピッチ等
の液状マトリックスプレカ−サを上記成形体の細孔中に
含浸させ、再度炭化処理を行い、最終的に必要な密度に
到達するまでこの含浸と炭化とを繰り返す方法である。 使用される液状マトリックスプレカ−サとしてはピッチ
類の他、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があり、これら
はその粘度を調整するため必要により、加熱したり、溶
剤で希釈したりして使用される。この成形体は最終的に
は黒鉛化して炭素繊維強化炭素複合材料とすることが望
ましい。 【0010】得られた炭素繊維強化炭素複合材料は、目
的とするメカニカルシ−ルの形状に近い場合にはそのま
まの状態で必要により溝等を切る加工を行ってもよいし
、大きい場合には目的とするメカニカルシ−ルの形状に
近い形状に切り出したのち、溝等を切る加工を行っても
よい。 【0011】本発明で使用する炭素繊維強化炭素複合材
料は、前記のような方法で作られたものであるため、炭
素繊維の配向等が少なく、しかも均一性に優れるばかり
でなく、炭素繊維の短繊維とピッチを原料成分として用
いているために強度が高いので、溝等を切るときに破損
等が殆どなく、メカニカルシ−ル用摺動材料の強度も高
い。液体漏洩の心配があるときは、メカニカルシ−ルの
形状に加工したのち、液体が漏洩しないように樹脂含浸
を行って最終製品としてもよい。 【0012】 【実施例】 実施例1 繊維長約9mmのピッチ系炭素繊維のチョップと軟化点
250℃のピッチ微粉とを1:2(重量比)の割合で、
界面活性剤の存在下に水中に分散し、20cm×20c
mの平らな濾材をセットした予備成形槽にスラリ−ポン
プで圧入し、濾過を行った。約5cmの厚みとなったと
ころで、濾過を止め、熱湯を圧入して加圧加熱処理を行
った。得られた板状の予備成形体を550℃まで昇温さ
せてホットプレスしたのち、1,000℃で炭素化処理
した。これを、真空脱気したのち、軟化点86℃の液状
ピッチを含浸させ、10℃/hrの条件で1,100℃
に昇温させて炭化する含浸−炭化処理を4回繰り返し、
その後に2,000℃まで昇温させて黒鉛化して、20
cm×20cm×2cmの炭素繊維強化炭素複合材料と
した。これをメカニカルシ−ルの形状に切り出したのち
、その物性を測定した結果を下記に示す。 【0013】 曲げ強度 :15.1kgf/mm2 層間
剪断強度 : 1.7 〃 引張強度 : 7.2 〃熱伝導率
:22.6Kcal/m・h・℃炭素繊維含有
率:39.4vol% 密度 : 1.697g/cm3
【0014】次に、気密性保持のために上記摺動材料
に樹脂含浸したものについて、メカニカルシ−ル試験機
を用いて、性能評価を行った。その時の試験条件及び試
験結果を以下に示す。 〔試験条件〕 シ−ル流体:水 シ−
ル圧力:13.5kg/cm2 温度
:60℃ 回転数 :3,0
00rpm 時間 :100hr
PV値 :107kg/cm−m/se
c テストピ−スの寸法:41φ×56φ×26L(
mm) 相手摺動材:超硬合金 【0015】 〔試験結果〕 摺動材摩耗量:0.07μm/hr 相手材摩耗量:0 平均トルク値:30kg−cm 【0016】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、耐久性、シ
−ル性に優れたメカニカルシ−ル用摺動材料を歩留り良
く製造することができる。
材料製のメカニカルシ−ル用摺動材料の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】メカニカルシ−ルに高密度炭素材と超硬
合金との組合せが用いられているが、潤滑性を上げるた
めに高温処理するとこの炭素材の強度が低下するという
問題がある。また、シ−ル性向上のために、摺動面に渦
巻き状の浅い溝を設けたりする方法(特開昭57−16
,138号公報、実開昭56−21,653号公報)が
知られている。しかしながら、溝を設けるという加工自
体が困難であるばかりでなく、摺動面の寿命が短くなる
等の問題がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、加工性及び
強度の優れたメカニカルシ−ル用摺動材料を製造するこ
とを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、炭素繊維の短
繊維とピッチ粉末とを含有する原料の水分散スラリ−を
調製し、この原料の水分散スラリ−を所定の表面形状を
有する濾材で濾過して上記濾材表面上に上記原料の層を
形成させて予備成形体を作り、この予備成形体を圧縮成
形したのち、炭素化ないしは黒鉛化処理して炭素繊維強
化炭素複合材料とし、次いでこの炭素繊維強化炭素複合
材料を所定の形状に加工することを特徴とするメカニカ
ルシ−ル用摺動材料の製造方法である。 【0005】本発明で使用する炭素繊維の短繊維とは、
連続紡糸によらない短繊維又は連続繊維のチョップをさ
し、PAN系、ピッチ系等の種別は問わない。また、ピ
ッチ粉末は、加熱することにより溶融し、成形時に炭素
繊維をつなぎとめて賦形するバインダ−としての作用を
有するものであり、焼成後は炭素質のマトリックスとし
てそのまま炭素繊維をつなぎとめ炭素繊維強化炭素複合
材料の構造を維持するための材料でもある。従って、ピ
ッチ粉末としては焼成後の残炭率が高いことが望まれる
。ピッチにピッチコ−クスや黒鉛等の炭素質粉を混合し
、これを粉砕して得たピッチ粉末を使用すれば、高い残
炭率となる。そのような意味で、ピッチとしては高軟化
点のピッチ、好ましくは軟化点150〜350℃、より
好ましくは200〜300℃のピッチが有利である。 このピッチは、石油系、タ−ル系のいずれも使用できる
ことができるが、好ましくはタ−ルピッチである。 【0006】炭素繊維とピッチの割合は、炭素繊維強化
炭素複合材料としたとき、炭素繊維の含有率が5〜60
vol%、好ましくは10〜45vol%程度となるよ
うにすることがよい。なお、必要に応じて他の材料、例
えばフェノ−ル樹脂等の熱硬化性樹脂、コ−クス粉等の
炭素質粉等を加えてもよいが、この場合も炭素繊維の含
有率を上記の範囲とすることがよい。 【0007】炭素繊維とピッチとを含む原料は、事前に
プリプレグ等にしてから水中に投入してもよいが、両者
を別々に水中に投入し、分散させてスラリ−状とする方
が簡単であり、また、分散を促進させるため、界面活性
剤を添加してもよい。この水分散スラリ−を濾過して濾
材表面に原料の層を形成させて予備成形体を作る。濾材
としては金網等が挙げられ、この表面形状は予め所望の
形状の予備成形体が得られるように設定される。例えば
、平面形状のものを得るときには表面が平らな濾材を使
用し、また、円筒形状のものを得るときには表面形状に
円柱状の突起を設けた濾材等を使用する。濾過は吸引濾
過であっても、加圧濾過であっても実施可能であるが、
均一性と形状の精密性を高めるには、連続式加圧濾過法
が優れている。この方法によれば、スラリ−の流れに応
じて濾材表面に原料の層が徐々に形成されるが、原料の
層の厚みに差があるとスラリ−の流れに差が生じて、結
果として均一な層の厚みとなる。所望の厚みが得られた
ら濾過を中止し、予備成形体として取り出す。なお、ピ
ッチは常温では結合力が弱いので、濾過が終了して圧力
を抜くときや、濾液を抜くときに、形成された予備成形
体が破壊されることがあるが、このようなときは濾過に
引き続いて、予備成形体の加圧熱処理を行うことが有利
である。加圧方法としては濾過抵抗によって生ずる差圧
を利用することができ、加熱方法としては加熱したスラ
リ−又は水を流すこと等により行うことができる。加圧
熱処理を行うことにより、ピッチは軟化し、結合力を生
じて形状を保持すると共に、予備成形体の密度が高まる
。 【0008】得られた予備成形体は、必要により切断、
折り曲げ等の処理をしたのち、圧縮成形する。圧縮成形
の方法としては、加熱下に行う、ホットプレス法、オ−
トクレ−ブ成形法、ラバ−プレス法、真空成形法等が挙
げられる。圧縮成形したのち、炭素化ないしは黒鉛化処
理する。炭素化処理は非酸化性雰囲気中で450〜1,
100℃の温度範囲で徐々に昇温することにより行われ
、また、黒鉛化処理は1,800〜2,800℃の温度
範囲で徐々に昇温することにより行われる。 【0009】このようにして得られる成形体は、多数の
細孔を有しており、強度が十分ではないので、細孔充填
処理して密度を高める。この方法としては含浸−炭化、
化学的気相蒸着等の方法が採用できるが、好ましくは含
浸−炭化法である。この含浸−炭化法は液状のピッチ等
の液状マトリックスプレカ−サを上記成形体の細孔中に
含浸させ、再度炭化処理を行い、最終的に必要な密度に
到達するまでこの含浸と炭化とを繰り返す方法である。 使用される液状マトリックスプレカ−サとしてはピッチ
類の他、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があり、これら
はその粘度を調整するため必要により、加熱したり、溶
剤で希釈したりして使用される。この成形体は最終的に
は黒鉛化して炭素繊維強化炭素複合材料とすることが望
ましい。 【0010】得られた炭素繊維強化炭素複合材料は、目
的とするメカニカルシ−ルの形状に近い場合にはそのま
まの状態で必要により溝等を切る加工を行ってもよいし
、大きい場合には目的とするメカニカルシ−ルの形状に
近い形状に切り出したのち、溝等を切る加工を行っても
よい。 【0011】本発明で使用する炭素繊維強化炭素複合材
料は、前記のような方法で作られたものであるため、炭
素繊維の配向等が少なく、しかも均一性に優れるばかり
でなく、炭素繊維の短繊維とピッチを原料成分として用
いているために強度が高いので、溝等を切るときに破損
等が殆どなく、メカニカルシ−ル用摺動材料の強度も高
い。液体漏洩の心配があるときは、メカニカルシ−ルの
形状に加工したのち、液体が漏洩しないように樹脂含浸
を行って最終製品としてもよい。 【0012】 【実施例】 実施例1 繊維長約9mmのピッチ系炭素繊維のチョップと軟化点
250℃のピッチ微粉とを1:2(重量比)の割合で、
界面活性剤の存在下に水中に分散し、20cm×20c
mの平らな濾材をセットした予備成形槽にスラリ−ポン
プで圧入し、濾過を行った。約5cmの厚みとなったと
ころで、濾過を止め、熱湯を圧入して加圧加熱処理を行
った。得られた板状の予備成形体を550℃まで昇温さ
せてホットプレスしたのち、1,000℃で炭素化処理
した。これを、真空脱気したのち、軟化点86℃の液状
ピッチを含浸させ、10℃/hrの条件で1,100℃
に昇温させて炭化する含浸−炭化処理を4回繰り返し、
その後に2,000℃まで昇温させて黒鉛化して、20
cm×20cm×2cmの炭素繊維強化炭素複合材料と
した。これをメカニカルシ−ルの形状に切り出したのち
、その物性を測定した結果を下記に示す。 【0013】 曲げ強度 :15.1kgf/mm2 層間
剪断強度 : 1.7 〃 引張強度 : 7.2 〃熱伝導率
:22.6Kcal/m・h・℃炭素繊維含有
率:39.4vol% 密度 : 1.697g/cm3
【0014】次に、気密性保持のために上記摺動材料
に樹脂含浸したものについて、メカニカルシ−ル試験機
を用いて、性能評価を行った。その時の試験条件及び試
験結果を以下に示す。 〔試験条件〕 シ−ル流体:水 シ−
ル圧力:13.5kg/cm2 温度
:60℃ 回転数 :3,0
00rpm 時間 :100hr
PV値 :107kg/cm−m/se
c テストピ−スの寸法:41φ×56φ×26L(
mm) 相手摺動材:超硬合金 【0015】 〔試験結果〕 摺動材摩耗量:0.07μm/hr 相手材摩耗量:0 平均トルク値:30kg−cm 【0016】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、耐久性、シ
−ル性に優れたメカニカルシ−ル用摺動材料を歩留り良
く製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素繊維の短繊維とピッチ粉末とを含
有する原料の水分散スラリ−を調製し、この原料の水分
散スラリ−を所定の表面形状を有する濾材で濾過して上
記濾材表面上に上記原料の層を形成させて予備成形体を
作り、この予備成形体を圧縮成形したのち、炭素化ない
しは黒鉛化処理して炭素繊維強化炭素複合材料とし、次
いでこの炭素繊維強化炭素複合材料を所定の形状に加工
することを特徴とするメカニカルシ−ル用摺動材料の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3123017A JPH04327067A (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | メカニカルシール用摺動材料の製造方法 |
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JP3123017A JPH04327067A (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | メカニカルシール用摺動材料の製造方法 |
Publications (1)
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JPH04327067A true JPH04327067A (ja) | 1992-11-16 |
Family
ID=14850167
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3123017A Pending JPH04327067A (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | メカニカルシール用摺動材料の製造方法 |
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JP (1) | JPH04327067A (ja) |
-
1991
- 1991-04-26 JP JP3123017A patent/JPH04327067A/ja active Pending
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