JPH04325463A - セラミックス超伝導体の製造方法 - Google Patents
セラミックス超伝導体の製造方法Info
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- JPH04325463A JPH04325463A JP3095716A JP9571691A JPH04325463A JP H04325463 A JPH04325463 A JP H04325463A JP 3095716 A JP3095716 A JP 3095716A JP 9571691 A JP9571691 A JP 9571691A JP H04325463 A JPH04325463 A JP H04325463A
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Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超伝導軸受け、超伝導
非接触搬送機、送電線、アンテナ、超伝導マグネットな
どに用いるセラミックス超伝導体の製造方法に関するも
のである。
非接触搬送機、送電線、アンテナ、超伝導マグネットな
どに用いるセラミックス超伝導体の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近もっとも注目されている技術にセラ
ミックス超伝導体がある。その代表例としてはYBa2
Cu3Ox系(以下では「Y系」と呼称する)、Bi2
Ca2Sr2Cu3Ox系(以下では「Bi系」と呼称
する)、Tl2Ca2Ba2Cu2Ox系(以下では「
Tl系」と呼称する)等が挙げられる。これらセラミッ
クス超伝導体のバルク・線材の製造方法は大別して焼結
法と溶融法に分けられる。焼結法は公開特許公報平1ー
140520に述べられているように原料粉末を成形し
た後焼結する方法であり、溶融法は公開特許公報平2ー
153803に述べられているように原料粉末を溶融し
た後成形、結晶成長をおこなう方法である。共に一長一
短の特性を持つが、溶融法の方が緻密であり比較的高い
臨界電流密度と機械的強度が得られるため主に研究開発
が進められている。
ミックス超伝導体がある。その代表例としてはYBa2
Cu3Ox系(以下では「Y系」と呼称する)、Bi2
Ca2Sr2Cu3Ox系(以下では「Bi系」と呼称
する)、Tl2Ca2Ba2Cu2Ox系(以下では「
Tl系」と呼称する)等が挙げられる。これらセラミッ
クス超伝導体のバルク・線材の製造方法は大別して焼結
法と溶融法に分けられる。焼結法は公開特許公報平1ー
140520に述べられているように原料粉末を成形し
た後焼結する方法であり、溶融法は公開特許公報平2ー
153803に述べられているように原料粉末を溶融し
た後成形、結晶成長をおこなう方法である。共に一長一
短の特性を持つが、溶融法の方が緻密であり比較的高い
臨界電流密度と機械的強度が得られるため主に研究開発
が進められている。
【0003】溶融法の反応をY系で説明すると、超伝導
相であるYBa2Cu3Ox(123相)は非超伝導相
であるY2BaCuO5(211相)と液相との包晶反
応によって生成し、211相はY2O3と液相との包晶
反応により生成する。そのため超伝導相123相を連続
的に成長させるにはY2O3を均一に分散させる必要が
ある。 また、セラミックス超伝導材料は周知の如く
結晶構造に起因して異方性が強いため結晶方向を制御す
る必要がある。溶融法の場合、結晶方向の制御は主に溶
融または半溶融状態からの冷却過程で試料に温度勾配を
付けることによりおこなっていた。
相であるYBa2Cu3Ox(123相)は非超伝導相
であるY2BaCuO5(211相)と液相との包晶反
応によって生成し、211相はY2O3と液相との包晶
反応により生成する。そのため超伝導相123相を連続
的に成長させるにはY2O3を均一に分散させる必要が
ある。 また、セラミックス超伝導材料は周知の如く
結晶構造に起因して異方性が強いため結晶方向を制御す
る必要がある。溶融法の場合、結晶方向の制御は主に溶
融または半溶融状態からの冷却過程で試料に温度勾配を
付けることによりおこなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の溶
融法の場合、溶融時に結晶成長の核、たとえばY系では
Y2O3が凝集して不均一な分散となるため123相が
連続的に成長せず超伝導電流を阻害する粒界弱結合や非
超伝導相が多く発生し臨界電流密度を低下させるという
問題を有していた。さらに、溶融時に発生したガスが一
部に集まり大きなボイドをつくる場合もあった。大きな
ボイドは臨界電流密度だけでなく機械的強度面において
も致命的な問題となる。
融法の場合、溶融時に結晶成長の核、たとえばY系では
Y2O3が凝集して不均一な分散となるため123相が
連続的に成長せず超伝導電流を阻害する粒界弱結合や非
超伝導相が多く発生し臨界電流密度を低下させるという
問題を有していた。さらに、溶融時に発生したガスが一
部に集まり大きなボイドをつくる場合もあった。大きな
ボイドは臨界電流密度だけでなく機械的強度面において
も致命的な問題となる。
【0005】また、従来の溶融法の場合、セラミックス
の超伝導相成長核となる粒子または相、たとえばY系で
はY2O3粒子、Y2BaCuO5(211相)が対流
により剥離または移動するため結晶の方向制御はたいへ
ん不安定なものであった。そのため結晶配向性が悪く臨
界電流密度が低いものになっていた。
の超伝導相成長核となる粒子または相、たとえばY系で
はY2O3粒子、Y2BaCuO5(211相)が対流
により剥離または移動するため結晶の方向制御はたいへ
ん不安定なものであった。そのため結晶配向性が悪く臨
界電流密度が低いものになっていた。
【0006】本発明はかかる問題を解決するものであり
、より高い臨界電流と機械的強度を容易に得んとするも
のである。
、より高い臨界電流と機械的強度を容易に得んとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】原料組成物(仮焼粉含)
を加熱溶融した後、溶融状態より温度が低く固相と液相
が存在する半溶融状態にし、さらに半溶融状態から室温
まで徐冷することからなるセラミックス超伝導体の製造
方法において、加熱溶融時の少なくとも一部の時間に時
間的に大きさと方向が変化する変動磁界を印加し、かつ
徐冷時の少なくとも一部の時間に一定方向の固定磁界を
印加すること、および前記固定磁界の印加方向が温度勾
配の付く方向に平行あるいは垂直であることを特徴とす
る。
を加熱溶融した後、溶融状態より温度が低く固相と液相
が存在する半溶融状態にし、さらに半溶融状態から室温
まで徐冷することからなるセラミックス超伝導体の製造
方法において、加熱溶融時の少なくとも一部の時間に時
間的に大きさと方向が変化する変動磁界を印加し、かつ
徐冷時の少なくとも一部の時間に一定方向の固定磁界を
印加すること、および前記固定磁界の印加方向が温度勾
配の付く方向に平行あるいは垂直であることを特徴とす
る。
【0008】
【実施例】以下、実施例に従って、本発明を詳細に説明
する。
する。
【0009】(実施例1)まず、原料組成物Y2O3、
BaCO3、およびCuOを均一に混合分散した後90
0℃酸素雰囲気中で12時間仮焼する。このときの組成
は最終的に1:2:3になるように後の溶融における蒸
発分等を補正したものである。次に、粉砕した仮焼粉を
1400℃まで急加熱して15分間溶融する。この溶融
状態において、電磁石を用いて時間的に大きさと方向が
変化する変動磁界を印加する。電磁石には正弦波交流を
流して周期的な変動磁界をつくりだす。その後、211
相が析出して半溶融状態となる温度である1100℃近
傍まで冷却して変動磁界印加を止める。変動磁界印加は
15分間の加熱溶融時だけでも良いが、その場合半溶融
状態の温度にするまでの冷却時間を極力短くする必要が
ある。その後、所定の方向に温度勾配を付けて半溶融状
態から室温まで徐冷する。その徐冷の間、一定方向の固
定磁界を印加する。固定磁界の印加方向は温度勾配の付
く方向に平行あるいは垂直とする。以上のプロセスによ
ってセラミックス超伝導体を得た。
BaCO3、およびCuOを均一に混合分散した後90
0℃酸素雰囲気中で12時間仮焼する。このときの組成
は最終的に1:2:3になるように後の溶融における蒸
発分等を補正したものである。次に、粉砕した仮焼粉を
1400℃まで急加熱して15分間溶融する。この溶融
状態において、電磁石を用いて時間的に大きさと方向が
変化する変動磁界を印加する。電磁石には正弦波交流を
流して周期的な変動磁界をつくりだす。その後、211
相が析出して半溶融状態となる温度である1100℃近
傍まで冷却して変動磁界印加を止める。変動磁界印加は
15分間の加熱溶融時だけでも良いが、その場合半溶融
状態の温度にするまでの冷却時間を極力短くする必要が
ある。その後、所定の方向に温度勾配を付けて半溶融状
態から室温まで徐冷する。その徐冷の間、一定方向の固
定磁界を印加する。固定磁界の印加方向は温度勾配の付
く方向に平行あるいは垂直とする。以上のプロセスによ
ってセラミックス超伝導体を得た。
【0010】このプロセスにおけるポイントを変動磁界
と固定磁界の作用を中心に述べると次のとおりである。 1400℃の溶融状態は高融点のY2O3(融点241
0℃)粒子と液相の混合状態である。この状態で変動磁
界を印加すると液相中のイオンが攪拌され、それに追従
してY2O3粒子も攪拌されて均一に分散することにな
る。 結晶成長の核となるY2O3が均一に分散すると包晶反
応は連続的におこなわれるため超伝導相である123相
も連続的に成長する。なお、攪拌され均一に分散した状
態になっても変動磁界印加をせずに溶融状態が続くとY
2O3は凝集を始めるため固相析出温度近傍までの冷却
時間にも変動磁界を印加することが望ましい。一方、溶
融時に発生するガスもイオン攪拌に追従して微細かつ均
一に攪拌されるのでボイドの発生も抑制されることにな
る。また、微細かつ均一に分散されたガスによりできた
空孔はピン止め中心導入効果をもたらす。さて、110
0℃の半溶融状態ではY2O3粒子は変動磁界による攪
拌作用のおかげで試料中に均一に分散しているので、Y
2O3を核として生成する非超伝導相である211相も
均一に分散する。つづいて、1100℃から徐冷すると
超伝導相である123相は211相と液相との包晶反応
によって生成するが、このとき固定磁界を印加すると結
晶配向度が向上する。特に固定磁界の印加方向を徐冷の
温度勾配の付く方向に平行あるいは垂直にとると結晶配
向度の向上は顕著である。実際、本実施例により得られ
た試料と徐冷時において固定磁界を印加しないこと以外
は本実施例と同様のプロセスで作製した比較用試料につ
いてX線回折により分析したところ、本実施例の試料の
ほうが結晶配向度が高いことが確認された。また、固定
磁界の印加方向については、温度勾配の付く方向に平行
あるいは垂直に印加した本実施例の試料の他に実験的に
それらの中間方向に印加した試料も作製してX線回折に
よって分析比較してみたが、本実施例の試料の結晶配向
度がもっとも高いことが確認された。この改善効果は次
の機構によるものと考えられる。対流等による超伝導相
の成長核である211相等の剥離または移動を他のイオ
ン状態にある物質を磁界により固定することにより間接
的に固定あるいは抑制する。そのため結晶成長を一定方
向に連続的におこなうことができる。
と固定磁界の作用を中心に述べると次のとおりである。 1400℃の溶融状態は高融点のY2O3(融点241
0℃)粒子と液相の混合状態である。この状態で変動磁
界を印加すると液相中のイオンが攪拌され、それに追従
してY2O3粒子も攪拌されて均一に分散することにな
る。 結晶成長の核となるY2O3が均一に分散すると包晶反
応は連続的におこなわれるため超伝導相である123相
も連続的に成長する。なお、攪拌され均一に分散した状
態になっても変動磁界印加をせずに溶融状態が続くとY
2O3は凝集を始めるため固相析出温度近傍までの冷却
時間にも変動磁界を印加することが望ましい。一方、溶
融時に発生するガスもイオン攪拌に追従して微細かつ均
一に攪拌されるのでボイドの発生も抑制されることにな
る。また、微細かつ均一に分散されたガスによりできた
空孔はピン止め中心導入効果をもたらす。さて、110
0℃の半溶融状態ではY2O3粒子は変動磁界による攪
拌作用のおかげで試料中に均一に分散しているので、Y
2O3を核として生成する非超伝導相である211相も
均一に分散する。つづいて、1100℃から徐冷すると
超伝導相である123相は211相と液相との包晶反応
によって生成するが、このとき固定磁界を印加すると結
晶配向度が向上する。特に固定磁界の印加方向を徐冷の
温度勾配の付く方向に平行あるいは垂直にとると結晶配
向度の向上は顕著である。実際、本実施例により得られ
た試料と徐冷時において固定磁界を印加しないこと以外
は本実施例と同様のプロセスで作製した比較用試料につ
いてX線回折により分析したところ、本実施例の試料の
ほうが結晶配向度が高いことが確認された。また、固定
磁界の印加方向については、温度勾配の付く方向に平行
あるいは垂直に印加した本実施例の試料の他に実験的に
それらの中間方向に印加した試料も作製してX線回折に
よって分析比較してみたが、本実施例の試料の結晶配向
度がもっとも高いことが確認された。この改善効果は次
の機構によるものと考えられる。対流等による超伝導相
の成長核である211相等の剥離または移動を他のイオ
ン状態にある物質を磁界により固定することにより間接
的に固定あるいは抑制する。そのため結晶成長を一定方
向に連続的におこなうことができる。
【0011】本実施例の試料の臨界電流密度を77Kの
ヘリウムガス雰囲気中で測定したところ、4.5×10
4A/cm2 という値を得た。この値は、徐冷時にお
いて固定磁界を印加しないこと以外は本実施例と同様の
プロセスで作製した比較用試料の臨界電流密度3.9×
104A/cm2 および加熱溶融時において変動磁界
を 印加しないこと以外は本実施例と同様のプロセス
で作製したもうひとつの比較用試料の臨界電流密度5.
8×103A/cm2 のどちらよりも高い値であり、
変 動磁界と固定磁界の相乗効果が顕著にあらわれて
いる。
ヘリウムガス雰囲気中で測定したところ、4.5×10
4A/cm2 という値を得た。この値は、徐冷時にお
いて固定磁界を印加しないこと以外は本実施例と同様の
プロセスで作製した比較用試料の臨界電流密度3.9×
104A/cm2 および加熱溶融時において変動磁界
を 印加しないこと以外は本実施例と同様のプロセス
で作製したもうひとつの比較用試料の臨界電流密度5.
8×103A/cm2 のどちらよりも高い値であり、
変 動磁界と固定磁界の相乗効果が顕著にあらわれて
いる。
【0012】さらに、本実施例の試料と実験あるいは比
較のために作製した試料を用いて結晶配向度と臨界電流
密度の相関を調査したところ、加熱溶融時に変動磁界を
印加しなかった試料を別にすると結晶配向度が高い試料
ほど臨界電流密度も高いという結果を得た。加熱溶融時
に変動磁界を印加しなかった試料については、その結晶
配向度が比較的高かったにもかかわらず、その臨界電流
密度は調査した試料のなかで下位グループに属していた
。また、その機械的強度も下位グループであった。その
理由としては、臨界電流密度についてはY2O3が均一
に分散しなかったために超伝導相が連続的に成長しなか
ったこととピン止め中心が均一に分散しなかったことが
考えられ、また機械的強度については溶融時に発生した
ガスによりボイドが発生したことが考えられる。
較のために作製した試料を用いて結晶配向度と臨界電流
密度の相関を調査したところ、加熱溶融時に変動磁界を
印加しなかった試料を別にすると結晶配向度が高い試料
ほど臨界電流密度も高いという結果を得た。加熱溶融時
に変動磁界を印加しなかった試料については、その結晶
配向度が比較的高かったにもかかわらず、その臨界電流
密度は調査した試料のなかで下位グループに属していた
。また、その機械的強度も下位グループであった。その
理由としては、臨界電流密度についてはY2O3が均一
に分散しなかったために超伝導相が連続的に成長しなか
ったこととピン止め中心が均一に分散しなかったことが
考えられ、また機械的強度については溶融時に発生した
ガスによりボイドが発生したことが考えられる。
【0013】(実施例2)まず、原料組成物Y2O3、
BaCO3、およびCuOを均一に混合分散した後90
0℃酸素雰囲気中で12時間仮焼する。このときの組成
は最終的に1:2:3になるように後の溶融における蒸
発分等を補正したものである。次に、粉砕した仮焼粉を
1400℃まで急加熱して15分間溶融する。この溶融
状態において、電磁石を用いて時間的に大きさと方向が
変化する変動磁界を印加する。電磁石には正弦波交流を
流して周期的な変動磁界をつくりだす。その後、室温ま
で急冷すると同時に変動磁界の印加を止める。次に、も
う一度1100℃まで加熱して211相と液相が存在す
る半溶融状態にしてから、所定の方向に温度勾配を付け
て室温まで徐冷する。その徐冷の間、一定方向の固定磁
界を印加する。固定磁界の印加方向は温度勾配の付く方
向に平行あるいは垂直とする。以上のプロセスによって
セラミックス超伝導体を得た。本実施例では加熱溶融後
に一旦室温まで急冷している点が実施例1と異なってい
る。
BaCO3、およびCuOを均一に混合分散した後90
0℃酸素雰囲気中で12時間仮焼する。このときの組成
は最終的に1:2:3になるように後の溶融における蒸
発分等を補正したものである。次に、粉砕した仮焼粉を
1400℃まで急加熱して15分間溶融する。この溶融
状態において、電磁石を用いて時間的に大きさと方向が
変化する変動磁界を印加する。電磁石には正弦波交流を
流して周期的な変動磁界をつくりだす。その後、室温ま
で急冷すると同時に変動磁界の印加を止める。次に、も
う一度1100℃まで加熱して211相と液相が存在す
る半溶融状態にしてから、所定の方向に温度勾配を付け
て室温まで徐冷する。その徐冷の間、一定方向の固定磁
界を印加する。固定磁界の印加方向は温度勾配の付く方
向に平行あるいは垂直とする。以上のプロセスによって
セラミックス超伝導体を得た。本実施例では加熱溶融後
に一旦室温まで急冷している点が実施例1と異なってい
る。
【0014】本実施例の試料の臨界電流密度を77Kの
ヘリウムガス雰囲気中で測定したところ、4.8×10
4A/cm2 という値を得た。この値は実施例1の値
と同程度かあるいはそれ以上であり、変動磁界と固定磁
界の相乗効果が顕著にあらわれている。
ヘリウムガス雰囲気中で測定したところ、4.8×10
4A/cm2 という値を得た。この値は実施例1の値
と同程度かあるいはそれ以上であり、変動磁界と固定磁
界の相乗効果が顕著にあらわれている。
【0015】さらに、本実施例の試料の結晶配向度と機
械的強度を調査したところ、両者とも実施例1のそれら
と同程度であるという結果を得た。
械的強度を調査したところ、両者とも実施例1のそれら
と同程度であるという結果を得た。
【0016】なお、以上の実施例ではY系のセラミック
ス超伝導体の製造方法について述べたが、本発明はこれ
らに限られるものではなくBi系やTl系など他の材料
組成を用いたセラミックス超伝導体の製造方法にも応用
することができる。
ス超伝導体の製造方法について述べたが、本発明はこれ
らに限られるものではなくBi系やTl系など他の材料
組成を用いたセラミックス超伝導体の製造方法にも応用
することができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれば
、セラミックス超伝導相の成長核、たとえばY系ではY
2O3を均一に分散できること、ガスの発生により生じ
る空孔を微細かつ均一に分散できること、および結晶方
向を所定の方向に制御できることによって高い臨界電流
密度と高い機械的強度を有するセラミックス超伝導体を
得ることができる。本発明は、加熱溶融時と徐冷時にそ
れぞれ変動磁界と固定磁界を印加するだけであって製造
プロセスはきわめて簡便であり、かつ顕著な改善効果が
認められるため工業上きわめて有用なものである。
、セラミックス超伝導相の成長核、たとえばY系ではY
2O3を均一に分散できること、ガスの発生により生じ
る空孔を微細かつ均一に分散できること、および結晶方
向を所定の方向に制御できることによって高い臨界電流
密度と高い機械的強度を有するセラミックス超伝導体を
得ることができる。本発明は、加熱溶融時と徐冷時にそ
れぞれ変動磁界と固定磁界を印加するだけであって製造
プロセスはきわめて簡便であり、かつ顕著な改善効果が
認められるため工業上きわめて有用なものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 原料組成物(仮焼粉含)を加熱溶融し
た後、溶融状態より温度が低く固相と液相が存在する半
溶融状態にし、さらに半溶融状態から室温まで徐冷する
ことからなるセラミックス超伝導体の製造方法において
、加熱溶融時の少なくとも一部の時間に時間的に大きさ
と方向が変化する変動磁界を印加し、かつ徐冷時の少な
くとも一部の時間に一定方向の固定磁界を印加すること
を特徴とするセラミックス超伝導体の製造方法。 - 【請求項2】 前記固定磁界の印加方向が温度勾配の
付く方向に平行あるいは垂直であることを特徴とする請
求項1記載のセラミックス超伝導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09571691A JP3312380B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | セラミックス超伝導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09571691A JP3312380B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | セラミックス超伝導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04325463A true JPH04325463A (ja) | 1992-11-13 |
JP3312380B2 JP3312380B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=14145212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09571691A Expired - Fee Related JP3312380B2 (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | セラミックス超伝導体の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3312380B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230030188A (ko) * | 2021-08-25 | 2023-03-06 | 주식회사 퀀텀에너지연구소 | 상온, 상압 초전도 세라믹화합물 및 그 제조방법 |
-
1991
- 1991-04-25 JP JP09571691A patent/JP3312380B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP3312380B2 (ja) | 2002-08-05 |
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