JPH0431865B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、プリペイドカードやメンバーズカ
ード等のカードを多色印刷するカード印刷機に関
する。

〔従来の技術〕

従来、この種カードの印刷においては、大シー
ト上にオフセツト印刷を施こしたのち、該大シー
トを打ち抜いて個々のカードを得るか、名刺や葉
書の印刷のようにカードに個々に印刷を施こす方
法が採られている。

しかし、前者の方法では、打ち抜きの工程が特
に必要であり、作業が煩わしく、簡便さの点で問
題があり、さらに、樹脂等の硬質カードには適用
が困難な欠点を有している。

また、後者の方法では、特にカードを４〜５色
程度に多色刷する場合、各色毎の印刷機を用意す
るか、各色の印刷毎にローラ，ブランケツト胴を
洗浄しインキを取り換える必要があり、コスト，
作業性の点で問題があり、しかも、各色の印刷毎
の見当合せにかなりの精度を要する難点がある。

さらに、多数枚のカードはその取り扱いの簡便
さから積み重ねる必要があるが、各色の印刷毎に
カードを積み重ねるために各色の印刷毎に乾燥工
程を要することとなり、かなりの時間と手間が必
要になる欠点を有している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は、前記の点に留意してなされたもの
であり、カードを順次連続して多色刷し得る手段
を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明によるカード印刷機は、多色の色数に
分割されたインキング装置と、前記多色の色毎の
版を並べて固定した版定盤と、複数の印刷定盤を
環状に連結して構成され少なくとも前記色数の印
刷定盤が前記版定盤の各版に対向し該各印刷定盤
が前記各版の配列間隔で間欠送りされる印刷定盤
装置と、前記各印刷定盤上に順次カードを送給す
る供給装置と、前記各印刷定盤上のカードを排出
する排出装置と、前記インキング装置と前記印刷
定盤装置との間を往復移動し、前記インキング装
置の各色のインキを前記各版に付与する着けロー
ラおよび前記各版のインキを前記各印刷定盤上の
カードに付与するブランケツト胴を有する印刷ユ
ニツトとを備えたことを特徴とするものである。

〔作 用〕

したがつて、この発明は、前述のように構成し
たので、印刷ユニツトが往復移動すると、着けロ
ーラにより版定盤の各版に各色のインキが付与さ
れるとともに、ブランケツト胴により各版面のイ
ンキが印刷定盤装置の各印刷定盤上のカードに転
写され、印刷ユニツトの往復移動毎に各印刷定盤
が間欠送りされることにより、カードに順次各色
の印刷が行なわれる。

〔実施例〕

つぎに、この発明を、その１実施例を示した図
面とともに詳細に説明する。

実施例は、５色刷カード印刷機を示しており、
図面において、１は１対の本体フレーム、２は両
フレーム１間の右側に設けられ５色の色数に分割
されたインキング装置であり、インキ壷３、肉棒
４、インキ呼出ローラ５、横振振りローラ６，
７，８，９および練りローラ１０，１１，１２，
１３，１４からなり、各ローラ５〜１４には横振
りによるインキの混合を防止するため溝が形成さ
れている。１５はインキング装置２の各ローラ駆
動用のモータである。

１６はフレーム１間の中央部に設けられた版定
盤であり、前記各色毎のインキング装置２に対応
して各色毎の５個の版１７が並べて固定されてお
り、各版１７を固定する版バイス１８により版見
当の微調整が行なわれる。

１９はフレーム１間の左側に位置して複数個
（16個）の印刷定盤２０を環状に連結してなる印
刷定盤装置であり、各印刷定盤２０はレール２１
上を走行するようになつており、版定盤１６側の
５個の印刷定盤２０が各版１７に対向して並び、
各印刷定盤２０が各版１７の配列間隔でエアシリ
ンダ２２により間欠送りされる。

この各印刷定盤２０上には、後述の供給装置よ
り送給されたカードが載置されるが、このカード
は、各印刷定盤２０内をエアホース２３を介して
真空引きすることにより固定される。

また、各印刷定盤２０には、その外周側に位置
決め用のピン２４が固設されている。

２５は印刷位置決め装置であり、各版１７に対
応した５個のピン受け２６を有し、エアシリンダ
２７により装置２５を移動することにより、各版
１７に対向した５個の印刷定盤２０のそれぞれの
ピン２４に各ピン受け２６が係合し、各版１７と
５個の各印刷定盤２０とが正確に対向するよう位
置決めされる。

２８はカード２９の供給装置であり、供給台３
０上に積み重ねられたカード２９が前後，左右の
ガイド板３１，３２により供給位置を自在に調整
できるようになつており、最上層のカード２９が
サツカ３３により印刷定盤２０上に順次送給され
る。

このカード２９の供給時、エアシリンダ３４に
よつて移動する供給位置決め装置３５のピン受け
３６が印刷定盤２０のピン２４に係合し、該印刷
定盤２０が位置決めされる。

３７はカード２９の排出装置であり、排出位置
に印刷定盤２０が到達すると、該印刷定盤２０の
エアが切られるとともに、印刷定盤２０内の排出
針によつてカード２９が持ち上げられ、排出装置
３７の排出ぐし３８により印刷定盤２０上のカー
ド２９が排出される。

この排出装置３７によつて排出されたカード２
９は、排出コンベアおよび乾燥装置３９に案内さ
れ、熱風乾燥あるいはUVもしくは赤外線乾燥等
によつて乾燥される。

４０は印刷ユニツトであり、１対のユニツトフ
レーム４１間に、着けローラ４２，４３、横振り
ローラ４４および練りローラ４５，４６，４７，
４８からなるインキングローラ群４９と、ブラン
ケツト胴５０とを支持して構成されており、本体
フレーム１に固定された１対のレール５１上をユ
ニツトフレーム４１が移動する。

５２はメインモータ、５３は該モータ５２によ
り減速回転される拡大クランク、５４は拡大クラ
ンク５３によつて揺動操作される揺動腕であり、
その自由端が前記ユニツト４０に連結されてお
り、モータ５２の駆動により、ユニツト４０がイ
ンキング装置２と印刷定盤装置１９との間を往復
移動する。

このユニツト４０の往復移動時、着けローラ４
２，４３はインキング装置２と版定盤１６との間
を移動し、ブランケツト胴５０は版定盤１６と印
刷定盤装置１９との間を移動する。

また、ユニツト４０の往復動作毎に前記エアシ
リンダ２２によつて印刷定盤２０が間欠送りされ
る。

５５は本体フレーム１に支持された１対のラツ
クであり、ブランケツト胴５０の両端のピニオン
５６が噛合し、ユニツト４０の往復移動時のブラ
ンケツト胴５０の回転を調整する。５７はベアラ
である。

つぎに、前記実施例の動作について説明する。

メインモータ５２が駆動すると、印刷ユニツト
４０は、ブランケツト胴５０の回転中心が第２図
の１点鎖線矢印で示す軌跡をたどるよう、インキ
ング装置２と印刷定盤装置１９との間を往復移動
する。

そして、印刷ユニツト４０の着けローラ４２，
４３は、インキング装置２と版定盤１６との間を
移動し、まず、横振りローラ９，８より各色毎の
インキが付与され、一旦上昇して版定盤１６まで
移動し、その後下降し、各色毎のインキを各版１
７にそれぞれ供給する。

他方、印刷ユニツト４０のブランケツト胴５０
は、版定盤１６と印刷定盤装置１９との間を移動
し、着けローラ４２，４３によつて付与された各
版１７のインキがブランケツト胴５０に転移さ
れ、一旦上昇し、この状態で各版１７に対向した
５個の印刷定盤２０まで移動し、下降してブラン
ケツト胴５０表面の各色毎のインキを各印刷定盤
２０のカード２９上に転写する。

ここで、印刷ユニツト４０がインキング装置２
から印刷定盤装置１９に移動してくると、このタ
イミングでエアシリンダ２７により位置決め装置
２５が作動し、各版１７に対向した各印刷定盤２
０の印刷時の位置決めがなされる。

また、印刷ユニツト４０の往復動作に同期し
て、すなわち印刷ユニツト４０がインキング装置
２へ移動する毎に、エアシリンダ２２によつて印
刷定盤２０が間欠送りされるので、印刷ユニツト
４０の１往復によつて１回目（１色目）の印刷が
終つた印刷定盤２０上のカードは、間欠送りされ
て２回目（２色目）の印刷が行なわれ、以下同様
にして５色の各色印刷が順次行なわれる。

なお、供給装置２８におけるカード２９の送給
は、印刷ユニツト４０が印刷定盤装置１９に移動
したタイミングで行なわれ、エアシリンダ２７に
よる位置決め装置２５の作動と同時に、エアシリ
ンダ３４により位置決め装置３５が作動し、カー
ド２９の送給時の位置決めがなされる。

さらに、排出装置３７によるカード２９の排出
も、このタイミングで行なわれ、５色の重ね刷り
を終えたカード２９が順次排出されて乾燥工程に
案内される。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明のカード印刷機による
と、印刷定盤上に送給されたカードに各色毎の印
刷を順次連続して行なうことができるため、従来
のように大シート上にオフセツト印刷して打ち抜
く場合に比し、作業性、簡便さが大幅に改善され
る上、カードに直接多色刷できるため、カード材
質を問わず、汎用性が高まり、さらに、従来のよ
うな多色の色毎に印刷機を備えたり、各色の印刷
毎に洗浄・インキの取り換え等の手間も不要とな
り、コスト，作業性の問題が解消され、しかも、
１台の印刷機で順次多色刷が行なえるから、見当
合わせに高い精度が得られるとともに、各色の印
刷毎の乾燥工程が不要となり、短時間で高精度な
多色刷が実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明のカード印刷機の１実施例を示
し、第１図は平面図、第２図は正面図である。 ２……インキング装置、１６……版定盤、１７
……版、１９……印刷定盤装置、２０……印刷定
盤、２８……供給装置、２９……カード、３７…
…排出装置、４０……印刷ユニツト、４２，４３
……着けローラ、５０……ブランケツト胴。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多色の色数に分割されたインキング装置と、
   前記多色の色毎の版を並べて固定した版定盤と、
   複数の印刷定盤を環状に連結して構成され少なく
   とも前記色数の印刷定盤が前記版定盤の各版に対
   向し該各印刷定盤が前記各版の配列間隔で間欠送
   りされる印刷定盤装置と、前記各印刷定盤上に順
   次カードを送給する供給装置と、前記各印刷定盤
   上のカードを排出する排出装置と、前記インキン
   グ装置と前記印刷定盤装置との間を往復移動し、
   前記インキング装置の各色のインキを前記各版に
   付与する着けローラおよび前記各版のインキを前
   記各印刷定盤上のカードに付与するブランケツト
   胴を有する印刷ユニツトとを備えたことを特徴と
   するカード印刷機。