JPH0431698B2 - - Google Patents

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JPH0431698B2
JPH0431698B2 JP63133827A JP13382788A JPH0431698B2 JP H0431698 B2 JPH0431698 B2 JP H0431698B2 JP 63133827 A JP63133827 A JP 63133827A JP 13382788 A JP13382788 A JP 13382788A JP H0431698 B2 JPH0431698 B2 JP H0431698B2
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、被検体内に断層像情報などを画像表
示する超音波診断装置に適用され、画像形成処理
の際に現れるノイズとしてのスペツクルを低減す
る位相変調超音波パルスによるスペツクルノイズ
低減方法及び超音波送受波装置に関する。
[従来の技術] 超音波パルスを被検体内に放射し、被検体内で
反射又は散乱されて返つてくるエコー信号の強度
を検出し、被検体内情報を画像表示する超音波診
断装置が周知であり、一般に、超音波診断装置で
は、パルスエコー法と呼ばれる方法を多く採用し
ている。
このパルスエコー法は、超音波パルスを被検体
内に送波し、被検体内の各部における音響インピ
ーダンスの差に応じて反射又は散乱され返つてく
る反射波(エコー)を受波し、この受波したエコ
ー信号の振幅に基づいて被検体内の断層画像(B
モード画像)を表示するものである。
ところが、このようにして得られるBモード画
像には、スペツクルと呼ばれる斑紋状の模様が現
れ、断層画像の画質劣化の主な原因となつてい
る。すなわち、前述したパルスエコー法では、位
相の揃つた超音波パルスが被検体内に入射される
ため、被検体内に存在する多数の散乱体からの各
散乱波が干渉を起こすことになる。
このため、受波されたエコー信号の振幅はゆら
ぎを有したものとなり、このゆらぎはBモード画
像上の斑紋状のスペツクルパターンとなつて現れ
る。例えば、生体組織のような不均質媒体は、多
数の散乱体がランダムに分布している状態と考え
ることができ、生体内に超音波パルスを送波した
場合には、不均質媒体からの反射エコーの干渉が
ランダムに生じてスペツクルを形成する。このス
ペツクルはランダムなパターンとして現出し、生
体内部組織の微細な構造を表すものではなく、む
しろ生体組織の構造に関する情報をマスクするノ
イズでしかない。従つて、このようなスペツクル
ノイズはは除去されることが必要であり、スペツ
クルノイズの少ない良好な画像を得ることが、被
検体内の構造を明確に画像表示するうえで重要と
なる。
[発明が解決しようとする課題] このようなスペツクルノイズを低減するには、
スペツクルパターンについて相関の小さい複数の
画像を重ね合わせればよいことになる。
すなわち、スペツクルノイズは、前述したよう
に、散乱波のランダムな干渉により生じるため、
超音波パルスの入射方向が変わるか、又は超音波
パルスの中心周波数が変われば変化することにな
る。従つて、超音波の送受波器の位置を変化させ
て超音波パルスの入射方向を変えるか、又は中心
周波数の異なる送信超音波パルスを送受波して得
られる複数のBモード画像を加算することによ
り、スペツクルノイズを低減することができる。
前者の送受波器の位置を変化させる方法は、空
間的コンパウンド法と呼ばれている。例えば、第
6図に示されるように、被検体10の表面上で送
受波器12を移動させることにより、異なる方法
からBモード画像データを検出し、これらの画像
データを加算することによつてスペツクルノイズ
を減ずることができる。
しかし、第6図に示されるように、Bモード画
像データを2方向から検出する場合には、スペツ
クルノイズを低減できる領域は図中の斜線部10
0で示した部分となり、通常の1回の走査で画像
化できる領域よりも狭くなることが理解される。
特に、スペツクルノイズの低減を図るために加算
される画像データを多く得なければならないが、
相関の小さい画像データを多数得ようとすると、
更に前記画像化領域100の減少が生じることに
なる。
一方、後者の送信超音波パルスの中心周波数を
変化させる方向は、周波数コンパウンド法と呼ば
れている。この方法は、中心周波数が異なる超音
波パルスを何種類も送波し、各中心周波数に対し
て被検体内から反射されるエコー信号の包絡線を
求め、これらの包絡線あるいはこれらの包絡線に
基づいて形成されるBモード画像のデータの和を
取ることによつてスペツクルノイズを低減させる
ものである。
しかしながら、超音波の送受波に使用されるト
ランスデユーサの周波数特性は狭帯域であるた
め、同一のトランスデユーサを用いる場合には、
送信する超音波パルスの中心周波数を何種類も変
えることは困難である。従つて、従来では周波数
コンパウンド法だけでは十分な数の画像データを
加算することができず、空間的コンパウンド法と
組み合わせることにより加算画像データ数を多く
してスペツクルノイズを低減させている。
以上説明したように、スペツクルノイズを低減
させるには加算される画像データが多いほどよい
が、従来の周波数コンパウンド法だけでは十分な
数の画像データを加算することができず、従つて
スペツクルノイズを十分に低減させることができ
ない。
このため、従来では周波数コンパウンド法と空
間的コンパウンド法とを組みわせることにより加
算画像データ数を増すことも行われているが、空
間的コンパウンド法では超音波の送受波器12の
移動位置関係によりスペツクルノイズを低減でき
る領域が狭く限定されるという問題がある。従つ
て、周波数コンパウンド法又は空間的コンパウン
ド法によらないスペツクルノイズの新しい低減方
法及び装置の開発が望まれている。
発明の目的 本発明は前記従来の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は、周波数コンパウンド法又は空
間的コンパウンド法とは全く別の方法によりスペ
ツクルノイズを良好に低減できる位相変調超音波
パルスによるスペツクルノイズ低減方法及び超音
波送受波装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するために、本発明に係る超音
波送受波装置は、被検体内の断層像を画像表示す
るために超音波を被検体内に送受波する超音波送
受波装置において、初期位相がそれぞれ異なる正
弦波によつて位相変換調された送信信号を出力す
る送信信号出力回路と、被検体内からの反射エコ
ーで得られた受信信号を検波してその包絡線を検
出する被検器と、検出された包絡線あるいはこれ
らの包絡線に基づいて形成される画像データを加
算してスペツクノイズを除去する加算回路と、を
有することを特徴とする。
[作用] 従来のスペツクル低減方法では、次式で表され
るような超音波パルスp(t)を送波している。
p(t)=e(t)・sin(2πf0t) ……(1) ここで、e(t)は送信超音波パルスの包絡線波形
を、f0は中心周波数を表す。周波数コンパウンド
法では、中心周波数f0を種々変えたとき、得られ
るエコー信号の包絡線すなわちスペツクルパター
ンが異なることを利用し、これらの包絡線を加算
することにより、スペツクルノイズを低減させて
いる。
この状態を第2図を用いて説明すれば、次のよ
うになる。図aに示すように、まず送受波器12
から多数の散乱体から成る被検体14に、図bに
示すような前記(1)式で与えられる超音波パルス送
波する。このとき、被検体14内の各散乱体から
は、図bと同じ波形の散乱波が返つてくるが、送
受波器12で受波される波形はこれらの総和なる
ため、図cに示すような包絡線の変動する波形と
なる。この包絡線の変動は、散乱波の干渉の状態
によつて決まるため、従来のように中心周波数f0
を変えれば、包絡線の波形も変わることになる。
従来の周波数コンパウンド法では、送信超音波
パルスの中心周波数f0に着目し、これを変化させ
ることによりスペツクルパターンの異なる包絡線
を得ていたが、送信超音波パルスの搬送波sin
(2πf0t)の初期位相を変化させるだけではスペツ
クルノイズの低減効果は余り期待できない。この
理由を次の簡単なモデルで説明する。
前記(1)式の包絡線波形e(t)を無視し、第3図に
示されるように、送受波器12からそれぞれd1
d2の距離にある2つの散乱点から成る被検体10
に、初期位相φの正弦波を送波する場合も考え
る。このときに受渡される波形r(t)は、各散乱点
からの散乱波の和となり、 r(t)=sin[2πf0(t−2d1/c)+φ] +sin[2πf0(t−2d2/c)+φ]……(2) で与えられる。ここでcは音速であり、2d1/c
及び2d2/cは、2個の散乱点までの往復に要す
る伝搬時間である。前記(2)式は更に次のように変
形できる。
r(t)=2sin{2πf0[t−(d1+d2)/c]+φ} ・cos[2πf0(d2−d1)/c)] ……(3) この(3)式は、周波数f0の正弦搬送波が、cosの
項で振幅変調がかけられた形となつている。そし
て、スペツクルパターンは、r(t)の包絡線、すな
わち(3)式のcosの項で表されるが、この項は送信
波の初期位相φに依存しない。従つて、φを変化
させても包絡線に変化はなく、このような包絡線
を加算してもスペツクルノイズを低減させること
はできない。
そこで、本発明では、送信超音波パルスは初期
位相φの正弦波によつて位相変調をかけるように
する。この変調された超音波パルス(音圧波形)
p(t)を式で表せば次のようになる。
p(t)=e(t)・sin[2πf0t+ψ(t,φ)]……(4) φ(t,φ)=A sin(2πf1t+φ)……(5) ここで、e(t)は送信超音波パルスの包絡線を表
し、f0は搬送波(被変調波)の周波数であり、周
波数コンパウンド法の中心周波数に相当する。そ
して、Aは位相変調の度合いを、またf1は変調波
の周波数表す定数であり、φは変調波の初期位相
である。
また、上記の構成によれば、(5)式中の初期位相
φの異なる超音波パルスが順次送波されるが、こ
のときの受信信号の包絡線は、初期位相φによつ
て変化する。これを、上記と同様な簡単なモデル
で説明すれば次のようになる。
すなわち、前記(4)で表される位相変調波を、2
点から成る被検体10に送波するときに受波され
る波形r(t)は、 r(t)=sin[2πf0t1+ψ(t1,φ)] +sin[2πf0t2+ψ(t2,φ)] ……(6) t1=t−2d1/c ……(7) t2=t−2d2/c ……(8) となり、更に変形すると、r(t)は搬送波の項、 sin{πf0(t1+t2) +[φ(t1,φ)+φ(t2,φ)]/2} ……(9) と包絡線の項、 cos{2πf0(d1−d2)/c +[ψ(t2,φ)−ψ(t1,φ)]/2}……(10) の積で与えられる。
前記(10)式で表されるr(t)の包絡線、すなわちス
ペツクルパターンは、変調波の初期位相φの関数
となつており、初期位相φが変わればスペツクル
パターンが変化することが分かる。従つて、初期
位相φがそれぞれ異なる正弦波によつて位相変調
された超音波パルスを被検体内に順次送波し、各
送波に対して被検体内から返つてくるエコー信号
の包絡線を検出し、これらの包絡線あるいはこれ
らの包絡線から形成される画像データを累積加算
すれば、スペツクルノイズが低減されることが理
解される。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を
説明する。
第1図には、電子回路により超音波ビームをセ
クタ走査する超音波診断装置に本発明を適用した
場合の回路ブロツク図が示されている。
超音波を被検体内に送受波する送受波器12
は、複数の振動子(トランスデユーサ)16(1
〜n)を有しており、この振動子16に励振信号
を供給することにより超音波パルスが被検体内に
送波される。この振動子16には、それぞれに対
応してドライバ18(1〜n)及びD/A変換器
20(1〜n)が接続され、このD/A変換器2
0には送信ビーム形成部22が接続されている。
この送信ビーム形成部22は、庭遅延回路24
(1〜n)を備えており、この遅延回路24では
電子フオーカスなどの制御のための遅延時間が超
音波送信信号に与えられる。
また、前記送信ビーム形成部22には走査制御
器26が接続され、この走査制御器26は、指示
された方向に超音波ビームが放射されるように送
信ビーム形成部22内の各遅延回路24の遅延量
を制御する。
本発明において特徴的なことは、初期位相がそ
れぞれ異なる正弦波によつて位相変調された超音
波パルスを被検体内に順次送波するようにしたこ
とであり、このために、実施例では初期位相φの
異なる正弦波によつて位相変調した超音波パルス
を得るための送信波形メモリ28が設けられ、前
記D/A変換器20、送信ビーム形成部22及び
送信波形メモリ28によつて初期位相φが異なる
送信信号(励振信号)出力する送信信号出力回路
が構成される。
そして、前記送信波形メモリ28には、前記(4)
及び(5)式で与えられる送信波形が種々の初期位相
φについて予め求められた一連の波形のデジタル
テータとして記憶保持されている。この送信波形
を求る際には、前記(4)式中のe(t)と、前記(5)式中
の定数A及びf1を決定しなければならないが、e
(t)はBモード画像の距離分解能には関係するもの
の、スペツクルノイズの低減に関する影響は少な
いため、その値を従来の超音波診断装置と同程度
の広がりを持つ超音波パルスとなるように適宜選
択すればよいことになる。
一方、定数A及びf1については、これらの値を
大きくすると、超音波パルスの周波数帯域が振動
子(トランスデユーサ)16の帯域より広くなる
ため、振動子16の帯域内に収まるように選定す
る。例えば、超音波搬送波の周波数f0が3.5MHz
の場合には、定数Aを1程度とし、f1を1MHz程
度の値とすればよい。
そして、例えば、第4図に示される初期位相φ
がπ/6ずつ異なる正弦波により位相変調した送
信波形を形成する。
前記の説明では理解を容易とするために、振動
子16の伝達関数を考慮しておらず、振動子16
に印加する電圧波形とこの振動子16から放射さ
れる音圧波形とが比例関係にあるものとしてい
る。しかし、実際には、振動子16の伝達関数を
考慮する必要がある。
すなわち、振動子16の伝達関数をH(f)とし、
また印加電圧波形のフーリエ変換をV(f)で表す
と、放射される音圧波形のフーリエ変換P(f)は、 P(f)=H(f)・V(f) ……(11) となる。そして、前記送信波形メモリ28に保持
すべき波形は、印加電圧波形であり、前記(4)式の
超音波パルスの音圧波形p(t)ではない。そこで、
音圧波形p(t)をフーリエ変換してP(f)を求め、更
に、 V(f)=P(f)/H(f) ……(12) で得られるV(f)を逆フーリエ変換すれば、音圧波
形をp(t)とするのに必要な印加電圧波形を求める
ことができ、このようにして求められた波形は送
信波形メモリ28に記憶される。
この送信波形メモリ28には、超音波診断装置
の構成回路を統轄的に制御するためのシステム制
御器30が接続され、送信波形メモリ28内の情
報を出力制御するとともに前記走査制御器26へ
制御信号を供給する。
以上が本発明の送波ステツプの説明であり、前
記振動子16から送波された超音波は被検体内で
反射され同一の振動子16にて受渡されることに
なる。
前記振動子16には、高周波増幅を行う増幅器
32(1〜n)を介して受信ビーム形成部34が
接続され、この受信ビーム形成部34内には前記
走査制御器26にて制御される遅延回路36が内
包されている。この遅延回路36は、所定方向か
らの反射エコーを選択的に受信するため遅延量
を、前記増幅器32から出力される受信信号に対
して与えるものであり、更に受信ダイナミツクフ
オーカスなどの制御を行うものである。
また、受信ビーム形成部34には加算器38が
接続され、この加算器38の出力が被検体内の所
定方向における最終的な受信信号となる。
本発明において特徴的なことは、前述したよう
に初期位相がそれぞれ異なる正弦波によつて位相
変調された超音波パルスを被検体内に順次送波し
スペツクルノイズを除去するようにしたことであ
り、このスペツクルノイズを除去するために、検
波器40(包絡線検出ステツプの動作を行う)
と、A/D変換器42を介して加算器44及びラ
インメモリ46から成る加算回路(除去ステツプ
の動作を行う)とを設けている。
前記検波器40は、加算器38から出力される
受信信号の包絡線を検出しており、両波整流回路
などの従来の技術が利用される。そして、加算器
44及びラインメモリ46は、現時刻の包絡線デ
ータと以前の送信で得られた包絡線データとの積
算値を求める。すなわち、A/D変換器42から
出力され超音波の伝搬時間に対応して順次発生す
る新たな包絡線のデジタルデータと、ラインメモ
リ46から読み出されれ過去の積算データとを加
算器44で順次加算し、この結果を読み出したデ
ータの格納場所に更に格納することにより、積算
された包絡線のデータをラインメモリ46内に記
憶保持することができる。
そして、前記ラインメモリ46にはスキヤンコ
ンバータ48が接続され、このスキヤンコンバー
タ48にはCRT表示器50が接続されている。
なお、前記ラインメモリ46とスキヤンコンバー
タ48はシステム制御器30により制御される。
実施例は以上の構成から成り、次にその作用を
説明する。
超音波ビームの送信に先立ち、システム制御器
30は、包絡線の積算値を保持するラインメモリ
46にその内容をクリアするように指するととも
に、走査制御器26に送受信すべき超音波ビーム
の方向を指示する。
次に、システム制御器30は送受波形メモリ2
8に保持されている送信波形のうち、第4図aの
正弦波により位相変調された最初の送信波形を出
力するように指示する。この送信波形メモリ28
からの送信波形は、送信ビーム形成部22内の複
数個の遅延回路24のそれぞれに供給され適宜遅
延されることになり、送信波形はデジタル波形で
あるからその後D/A変換器20によつてアナロ
グ波形に変換される。そして、このアナログ波形
はドライバ18によつて電力増幅された後、送受
波器2内のそれぞれの振動子16−1から16−
nに順次印加され、このようにして超音波パルス
が被検体内に放射される。
被検体内から反射して返つてくる超音波は、前
記振動子16−1〜16−nによつて電気信号に
変換され、各振動子16の出力は増幅器32と受
信ビーム形成部34内の遅延回路36によつてそ
れぞれ増幅遅延された後、加算器38で加算され
最終的な受信信号が形成される。この受信信号は
被検体内の所定位置の断層像情報を有する信号で
ある。
そして、前記加算器38の出力は検波器40に
入力され、ここで受信信号の包絡線が検出され
る。この検出された包絡線は、A/D変換器42
にてデジタルデータに変換され、加算器44及び
ラインメモリ46から成る加算回路により順次出
力される包絡線データの積算値が求められる。
次に、前記システム制御器30は、送信波形メ
モリ28に保持されている、第4図b,c,…の
正弦波により位相変調された別の波形を順次出力
するように指示するので、前記と同様の作用によ
り初期位相のそれぞれ異なる正弦波によつて位相
変調された超音波による受信信号の包絡線データ
が積算されてメモリライン46に記憶保持される
ことになる。
第5図には、加算回路における信号処理波形が
示されており、図aは前記A/D変換器42から
出力された受信信号の包絡線波形であり、図bは
ラインメモリ46に記憶されている以前の受信信
号の包絡線波形であり、これらの波形は加算器4
4で加算されると、図cに示されるように、無駄
なスペツクルノイズが除去されたときれいな波形
となる。
このようにして、送信波形メモリ28内に保持
されている全ての送信波形による超音波の送受波
が終了すると、システム制御器30の指示によ
り、ラインメモリ46内に積算保持されている包
絡線データがスキヤンコンバータ48に出力され
る。
このような一連の動作によりスペツクルノイズ
の低減がなされた1ビーム分の包絡線が得られた
ことになるが、Bモード画像を形成するには、超
音波ビームを更に被検体内に順次走査する必要が
ある。そこで、システム制御器30は、再度ライ
ンメモリ46の内容をクリアするように指示する
とともに、走査制御器26に次の超音波ビームの
方向を指示する。従つて、各走査により得られた
受信信号についも包絡線の加算によりスペツクル
ノイズが除去された良好な断層像信号を得ること
ができる。
前記スキヤンコンバータ48は、走査制御によ
り得られた受信信号の包絡線からBモード画像を
形成する回路であり、このスキヤンコンバータ4
8にて処理されたBモード画像、すなわち断層画
像はCRT表示器50に表示されることになる。
なお、前記スキヤンコンバータ48は、従来の超
音波診断装置で用いられる公知の手段で実現でき
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、従来の
スペツクルノイズ低減方法では利用していない超
音波パルスの位相に着目し、初期位相のそれぞれ
異なる正弦波によつて位相変調された超音波パル
スを被検体内に順次送受波し、この送受波により
得られた受信信号の包絡線を加算するようにした
ので、スペツクルノイズを容易に低減することが
可能となる。
また、本発明装置によれば、簡単な回路構造に
よりスペツクルノイズを良好に除去した断層像信
号を得ることができ、これにより被検体内の正確
な断層像を画像表示することができ、超音波診断
装置に有益な超音波送受波装置を提供可能とな
る。
更に、前述したようにスペツクルノイズを低減
させるには、スペツクルパターンに関して独立な
包絡線あるいはこれらの包絡線に基づいて形成さ
れる画像データを多数加算することが必要であ
る。本発明で利用した超音波パルスの位相は、周
波数とは独立なパラメータであるため従来の周波
数コンパウンド法又は空間的コンパウンド法と組
み合わせることができる。従つて、加算できる画
像データの総数を更に増やすことができ、その結
果、スペツクルノイズが一層少ない画像を供する
ことが可能となる。
特に、空間的コンパウンド法によらず、本発明
による方法と周波数コンパウンド法と組み合わせ
れば、適用領域を狭めることなくスペツクルノイ
ズの低減を図ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を超音波診断装置に適用した実
施例の構成を示す回路ブロツク図、第2図は散乱
体に超音波パルスを放射した場合、受信信号の包
絡線が変動することを示す説明図、第3図は2つ
の散乱体に超音波パルスを放射する場合の受信波
形を説明するための図、第4図は初期位相の異な
る正弦波を示す波形図、第5図は本発明装置の加
算回路で処理される受信信号の包絡線を示す波形
図、第6図は従来の空間的コンパウンド法におい
てスペツクルノイズが低減できる領域の減少を示
す説明図である。 10,14……被検体、12……送受波器、1
6……振動子、18……ドライバ、20……D/
A変換器、22……送信ビーム形成部、24,3
6……遅延回路、26……走査制御器、28……
送信波形メモリ、30……システム制御器、32
……増幅器、34……受信ビーム形成部、38,
44……加算器、40……検波器、42………
A/D変換器、46……ラインメモリ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 被検体内の断層像を画像表示するために超音
    波パルスを被検体内に送受波する超音波送受波装
    置において、初期位相がそれぞれ異なる正弦波に
    よつて位相変調された送信信号を出力する送信信
    号出力回路と、被検体内からの反射エコーで得ら
    れた受信信号を検波してその包絡線を検出する検
    波器と、検出された包絡線あるいはこれらの包絡
    線に基づいて形成される画像データを加算してス
    ペツクルノイズを除去する加算回路と、を有する
    ことを特徴とする超音波送受波装置。
JP63133827A 1988-05-31 1988-05-31 位相変調超音波パルスによるスペックルノイズ低減方法及び超音波送受波装置 Granted JPH01300941A (ja)

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