JP3492095B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

超音波撮像装置

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JP3492095B2
JP3492095B2 JP19188596A JP19188596A JP3492095B2 JP 3492095 B2 JP3492095 B2 JP 3492095B2 JP 19188596 A JP19188596 A JP 19188596A JP 19188596 A JP19188596 A JP 19188596A JP 3492095 B2 JP3492095 B2 JP 3492095B2
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康人 竹内
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ジーイー横河メディカルシステム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波撮像方法お
よび装置に関し、特に、超音波探触子の往復分散性を補
正した超音波撮像方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波撮像装置は、超音波探触子(探触
子)により被検音場にパルス(pulse)超音波を送波する
と共にそのエコー(echo)を受信し、エコー受信信号に基
づいて画像を生成するようになっている。探触子は広帯
域のものが用いられる。探触子は電気信号で駆動されて
広帯域の超音波を送波し、また、受波した超音波エコー
を電気信号に変換する。すなわち、探触子は電気信号を
超音波信号に変換し、また、超音波エコーを電気信号に
変換する往復トランスデューサ(transducer) となって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、広帯域の探触
子においては、探触子に印加された入力信号が探触子の
出力信号として出力されるまでの遅延量には周波数依存
性がある。これを概念的に示せば図7のようになる。同
図に曲線aまたはbで示すように、入力信号の周波数f
の増加につれて出力信号の遅延量τが増加あるいは減少
する。増加するか減少するかは探触子の組成や構造等に
よる。
【0004】このため、入力信号が探触子から出力信号
として出力されるときの位相回転量ω(=2πfτ)も
一般的には周波数fに対して直線的(リニアフェーズ(l
inear phase))とはならず、図8に概念的に曲線cまた
はdで示すように曲がりを生じる。
【0005】このような探触子に広帯域の信号を入力し
たとき、各周波数成分がそれぞれ異なる遅延時間で出力
側に現れることにより周波数成分の分散が生じる。これ
は光学プリズムによって多色光のスペクトラムが分散す
ることに相当し、探触子の分散性と呼ばれる。
【0006】探触子の分散性は図7の曲線bのようにな
っているものが多い。そのような探触子に例えば図9の
(a)に示すようにパルス信号(広帯域信号)を入力す
ると、同図の(b)に示すように波形の崩れた出力信号
が得られる。
【0007】図7の曲線bのような特性により、入力信
号に含まれる周波数成分は、高周波数成分ほど相対的に
早く出力され、低周波成分ほど相対的に遅く出力される
ことにより成分の分散が生じ、出力信号(b)はあたか
もダウンチャープ(down chirp)されたFM(frequecy mo
dulation) 信号のようになる。
【0008】ここで、(a)を電気入力信号(駆動信
号)としたとき、(b)は超音波出力信号(送波超音
波)であり、また、(a)を超音波入力信号(受信エコ
ー)としたとき、(b)は電気出力信号(エコー検出信
号)である。
【0009】探触子を駆動して超音波を送波させかつそ
のエコーを受信する電気回路側から見ると、このような
分散が往路と復路でそれぞれ生じる。すなわち、超音波
撮像は探触子の往復分散性の影響を受ける。往復分散性
により周波数成分が分散してエコー受信信号の時間幅が
長くなると、距離方向(いわゆるz方向)の空間分解能
が低下する。
【0010】往復分散性の影響を補正する1つの技法と
して、トランスバーサル・フィルタ(transversal filte
r)を用いてエコー受信信号の波形を修復するものがある
が、適応化のためのフィルタタップ数の制御が複雑とな
るので実用性が低い。
【0011】また、他の技法としては、駆動信号の波形
を探触子の往復分散性を見込んでプリイコライズ(pre-e
qualize)(もしくは逆イコライズ)する試みもあるが、
まだ実用域には達していない。
【0012】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、探触子の往復分散性を補正
した超音波撮像方法および装置を実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
〔1〕課題を解決するための第1の発明は、超音波探触
子により被検音場に広帯域の超音波を送波すると共にそ
のエコーを受信し、エコー受信信号に基づいて画像を生
成する超音波撮像方法であって、エコー受信信号をフー
リエ(Fourie)変換によって周波数ドメイン(dmain) の信
号とし、前記周波数ドメインの信号について前記超音波
探触子の往復分散性に関する補正を行い、前記補正後の
信号を逆フーリエ変換によって時間ドメインの信号に戻
し、前記時間ドメインの信号に基づいて画像を生成する
ことを特徴とする。
【0014】課題を解決するための第1の発明によれ
ば、周波数ドメインにおいて超音波探触子の往復分散性
に関する補正を行うようにしたので、精密な補正を容易
に行うことができ、それによって距離分解能の良い撮像
を行う超音波撮像方法を実現することができる。
【0015】課題を解決するための第1の発明におい
て、周波数ドメインの信号についてさらにエコー反射点
の深度に応じた補正を行うことがTGC(time-gain con
trol)やTFC(time-frequency control)を行う点で好
ましい。
【0016】〔2〕課題を解決するための第2の発明
は、超音波探触子により被検音場に広帯域の超音波を送
波すると共にそのエコーを受信し、エコー受信信号に基
づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、エコー
受信信号をフーリエ変換によって周波数ドメインの信号
とする第1の変換手段と、前記周波数ドメインの信号に
ついて前記超音波探触子の往復分散性に関する補正を行
う補正手段と、前記補正後の信号を逆フーリエ変換によ
って時間ドメインの信号に戻す第2の変換手段と、前記
時間ドメインの信号に基づいて画像を生成する画像生成
手段とを具備することを特徴とする。
【0017】課題を解決するための第2の発明によれ
ば、周波数ドメインにおいて超音波探触子の往復分散性
に関する補正を行うようにしたので、精密な補正を容易
に行うことができ、それによって距離分解能の良い撮像
を行う超音波撮像装置を実現することができる。
【0018】課題を解決するための第2の発明におい
て、周波数ドメインの信号についてさらにエコー反射点
の深度に応じた補正を行う第2の補正手段を設けること
がTGCやTFCを行う点で好ましい。
【0019】〔3〕課題を解決するための第3の発明
は、超音波探触子により被検音場に広帯域の超音波を送
波すると共にそのエコーを受信し、エコー受信信号に基
づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、前記エ
コー受信信号をフーリエ変換によって周波数ドメインの
信号とする第1の変換手段と、前記周波数ドメインの信
号について前記超音波探触子の往復分散性に関する補正
を行う第1の補正手段と、前記周波数ドメインの信号に
ついてエコー反射点の深度に応じた補正を行う第2の補
正手段と、前記補正後の信号を逆フーリエ変換によって
時間ドメインの信号に戻す第2の変換手段と、前記時間
ドメインの信号に基づいて画像を生成する画像生成手段
とを具備することを特徴とする。
【0020】課題を解決するための第3の発明によれ
ば、周波数ドメインにおいて超音波探触子の往復分散性
に関する補正を行うようにしたので、精密な補正を容易
に行うことができ、それによって距離分解能の良い撮像
を行う超音波撮像装置を実現することができる。
【0021】また、周波数ドメインにおいてエコー反射
点の深度に応じた補正を行うようにしたので、TGCや
TFCを行うことができ、それによって、被検音場の深
部まで明瞭な撮像を行う超音波撮像装置を実現すること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。
【0023】〔全体構成〕図1に超音波撮像装置のブロ
ック(block) 図を示す。本装置は本発明の実施の形態の
一例である。なお、本装置の構成によって本発明の装置
に関する実施の形態の一例が示される。また、本装置の
動作によって本発明の方法に関する実施の形態の一例が
示される。
【0024】図1に示すように、超音波プローブ10が
被検体OBJに当接されて使用される。超音波プローブ
10は本発明における超音波探触子の実施の形態の一例
である。超音波プローブ10は図示しない複数の超音波
振動子(振動子)からなるアレイ(array) を有する。そ
れらの振動子は送受信部20から与えられる駆動信号に
よって駆動され、被検体OBJの内部すなわち被検音場
に超音波を送波するようになっている。
【0025】例えばフェーズドアレイ(phased array)方
式の撮像を行う場合は、個々の振動子に与えられる駆動
信号間には所定の時間差が付与され、これによって、送
波超音波のビーム(beam)形成(ビームフォーミング(bea
m forming))が行われる。ビームフォーミングにはビー
ムの方位角形成(ステアリング(steering))および焦点
形成(フォーカシング(focusing))が含まれる。ステア
リングおよびフォーカシングが所定のタイミングで逐次
変更されることにより、被検音場が超音波ビーム(音
線)によって走査される。
【0026】これに対して、開口合成(synthetic apert
ure)法による撮像を行う場合は、駆動信号間に時間差が
設けられず、アレイ振動子の一斉駆動が行われ超音波の
一斉送波が行われる。このような一斉送波が所定のタイ
ミングで繰り返される。
【0027】被検音場から帰投した超音波エコーは超音
波プローブ10の各振動子でそれぞれ検出される。各振
動子毎のエコー検出信号(エコー信号)は送受信部20
に入力される。送受信部20は、各振動子のエコー信号
をそれぞれ増幅すると共に往復分散性に関する補正およ
びその他の補正を施して、補正後の各エコー信号を画像
生成部30に入力するようになっている。なお、送受信
部20の詳細については後に改めて説明する。
【0028】画像生成部30は、入力信号すなわち各振
動子毎の補正済のエコー信号に基づいて画像の生成を行
うようになっている。画像生成部30は本発明における
画像生成部の実施の形態の一例である。画像生成部30
によって生成された画像は表示部40に可視像として表
示される。
【0029】画像生成部30における画像の生成は適宜
の技法によって行われる。例えば、フェーズドアレイ方
式による場合は、画像生成部30は個々の振動子毎のエ
コー信号を所定の時間差で合算することにより、所定の
音線上のエコー信号すなわちAスコープ信号を合成す
る。
【0030】被検音場を埋める複数の音線上のAスコー
プ信号が同様にして合成される。そして、そのようなA
スコープ信号の各瞬時のレベルを画素値としてBモード
画像が形成される。あるいは、Aスコープ信号のドプラ
シフト(Doppler shift) を求め、それに基づいて血流の
動態画像等が形成される。
【0031】開口合成法による場合は、画像生成部30
は個々の振動子毎のエコー信号をコヒーント(coherent)
検波すなわち直交検波して同相成分iと直交成分qを求
め、それらを図示しないメモリ(memory)に記憶すること
によりエコー信号のホログラムデータ(hologram data)
を形成する。そして、そのホログラムデータを所定の核
関数(カーネル(kernel))を用いてコンボリューション
(convolution) 演算することにより画像を再構成する。
【0032】〔送受信部〕図2に送受信部20のブロッ
ク図を示す。本ブロック図は振動子アレイの振動子1個
当たりの構成を示す。もしくは、振動子アレイの1チャ
ンネルが複数の振動微素子で構成されるときの1チャン
ネル当たりの構成を示す。このような構成が超音波プロ
ーブ10の各振動子毎(もしくは、振動子アレイの1チ
ャンネル毎)に設けられる。
【0033】同図に示すように、振動子11は、駆動回
路21から送受切換器22を通じて与えられる広帯域の
駆動信号(パルス信号)によって駆動され、被検音場に
広帯域の超音波(パルス超音波)を送波する。この送波
超音波に対応して被検音場から帰投したエコーが振動子
11で検出され、その検出信号が送受切換器22を通じ
て増幅回路23に入力される。
【0034】この入力信号には超音波プローブ10の往
復分散性が反映している。それは主として振動子11の
往復分散性によるものであるが、振動子11に取り付け
られた音響整合層等に分散性があるときはその影響も含
まれる。すなわち、超音波プローブ10の総合的な往復
分散性が反映している。
【0035】増幅回路23はエコー検出信号をRF(rad
io frequency) 信号のままで増幅し、所定のレベルのエ
コー信号としてA/D(analog-to-digital) 変換器24
に入力する。A/D変換器24はエコー信号をディジタ
ル信号に変換してFFT(fast Fourie transform) 回路
25に入力する。
【0036】FFT回路25はエコー信号をフーリエ変
換して周波数ドメインの信号とするものである。FFT
回路25は本発明における第1の変換手段の実施の形態
の一例である。これによって、例えば図3の(a)に概
念的に示すように、周波数軸f上の各ビン(bin) にスペ
クトラムデータ(spectrum data) vが得られる。各ビン
のスペクトラムデータはベクトルデータすなわち複素数
であり振幅と位相を有する。各ビンのスペクトラムデー
タには往復分散性が反映されており、往復分散性がない
場合のデータとは状態が異なる。この状態を模式的に破
線のような包絡線で表す。
【0037】このようなスペクトラムデータは、乗算器
26によって補正係数回路27から与えられる補正係数
と各ビン毎に乗算されるようになっている。乗算器26
および補正係数回路27は、本発明における補正手段ま
たは第1の補正手段の実施の形態の一例である。補正係
数は、乗算後のスペクトラムデータが往復分散性の影響
を含まないものとなるように設定されている。
【0038】そのような補正係数は、一般の逆フィルタ
の手法に準じて、例えば各ビンのデータの逆数で与えら
れる。これを模式的に示せば、図3の(b)に一点鎖線
の包絡線で示すようになる。逆数はS/Nの過剰な低下
をもたらさない範囲で所定の短時間内のスペクトラムデ
ータの平均値から求めるのが良い。
【0039】撮像の実施中に補正係数を求めるのは計算
速度上困難なので、例えば、超音波撮像装置の較正時等
において次のようにして求められる。すなわち、図4に
示すように、底部一面に吸音材ABSを張った水槽WT
B内に例えば微小な鋼球等からなる標準反射体TGTを
配置し、超音波プローブ10から超音波を送波してその
エコーを測定する。
【0040】エコー信号は増幅回路23で増幅され、A
/D変換器24でディジタル信号に変換され、FFT回
路25で周波数ドメインのデータに変換される。これに
よって、標準反射体TGTのエコー信号のスペクトラム
データが得られる。このスペクトラムデータには、例え
ば図3の(a)に示したように振動子11(およびそれ
に結合している音響整合層等)の往復分散性の影響が含
まれている。この状態は、信号波形でいえは例えば図9
の(b)に示したように崩れた波形に相当する。
【0041】そこで、補正係数演算器29によって、例
えばスペクトラムデータの各ビン毎に逆数を求め、図3
の(b)に示したような各ビン毎の補正係数を得て補正
係数回路27に設定する。標準反射体TGTのエコー特
性は既知であるから補正係数を精密に求めるのに適す
る。
【0042】このとき、補正係数を複数回測定したエコ
ーのスペクトラムデータの平均値から求めるようにすれ
ば、より正確な補正係数を得ることができる。このよう
にして求めた補正係数を必要に応じて人為的にさらに修
飾するようにしても良い。これは補正の強度を必要に応
じて強めあるいは弱め、もしくは任意所望の補正特性を
得る点で好ましい。
【0043】補正係数は、探触子の種類、超音波送波波
形の種類、撮像範囲の深さ、フェーズドアレイにした場
合の超音波ビームの方位角、超音波ビームの走査モード
の種類等の対応してそれぞれ求めて記憶しておき、撮像
条件に合致するものを読み出して使用するのが補正を最
適化する点で好ましい。このような補正係数が乗算器2
6でFFT回路の出力データに乗算されることにより、
例えば図3の(c)に概念的に示すように往復分散性が
補正されたスペクトラムデータが得られ、それがiFF
T(inverse Fourie transform)回路28に入力される。
【0044】iFFT回路28は、入力されたスペクト
ラムデータを逆フーリエ変換して時間ドメインの信号に
戻す。これによって、往復分散性が補正された振動子1
1の時間ドメインのエコー信号が得られる。すなわち、
信号波形で示せば、例えば図9の(a)に示したような
パルス特性を有するエコー信号を回復することができ
る。iFFT回路28は本発明における第2の変換手段
の実施の形態の一例である。
【0045】振動子アレイを形成する他の全ての振動子
について同様な構成がなされている。したがって、送受
信部20は個々の振動子(もしくは個々のチャンネル)
毎に往復分散性を補正したエコー信号を出力する。すな
わち、送受信部20はエコー信号をフーリエ変換により
周波数ドメインの信号に変換し、周波数ドメインで往復
分散性を補正し、それを逆フーリエ変換して時間ドメイ
ンの信号に戻すことにより、往復分散性を補正したエコ
ー信号を得る。本装置は周波数ドメインでの補正係数の
乗算によって補正を行うようにしたので、往復分散性を
精密に補正することが容易になる。
【0046】また、往復分散性が個々の振動子(もしく
は1チャンネルを形成する振動微素子群)毎に補正され
るので、アレイ中の振動子の特性のばらつき、偏り、欠
陥等の影響が除去され、超音波ビームの指向性に不要な
サイドローブ(sidelobe)が増加するのを防止することが
できる。
【0047】また、往復分散性の補正が可能であること
を前提とすれば、超広帯域探触子の音響設計を、そのイ
ンパルスレスポンス(inpulse response)の分散性(位相
直線性の悪さ)を気にせずに、エネルギー(energy)伝達
量を最大にする設計思想に絞り込むことができ、より設
計の自由度が大となる。
【0048】これによって、例えば音響整合層を非常に
スロープ(slope) の長いテーパードマッチング(tapered
matching)であってかつパンドパス(band-pass) 特性を
有するものとするような極端な音響設計をすることも可
能になる。
【0049】ところで、周波数ドメインでの補正は、往
復分散性の補正に加えて、例えばTGCやTFCを行う
ようにすることができる。すなわち、超音波エコーは時
間の経過につれて順次深部からのエコーが帰投すること
により次第にエコーレベルが低下する。そこで、TGC
により、エコー受信の利得(ゲイン(gain))を時間と共
にすなわちエコーの深度の増加と共に増加させて、エコ
ーレベルの低下を補償する。また、時間の経過につれて
順次深部から帰投するエコーは次第に高周波成分が減少
するので、TFCによりエコーフィルタの高域遮断周波
数を時間と共にすなわちエコーの深度の増加と共に低下
させて、エコーの周波数成分の変化に適応する。
【0050】図5に、周波数ドメインでのTGCを行う
場合の構成の例を示す。図5において図2と同様の部分
については同一符号を付して説明は省略する。TGC用
の補正係数(TGC係数)は、1対のバッファ(buffer)
271,271’から、FFT回路25のフーリエ変換
動作の周期に合わせて交互に乗算器26に入力されるよ
うになっている。
【0051】すなわち、ある周期では、バッファ271
に保持されたTGC係数が乗算器26に入力され、この
TGC係数とFFT回路25の出力スペクトラムとの乗
算が行われ、スペクトラムの振幅がTGC係数倍され
る。その間にバッファ271’に次の周期用のTGC係
数が記憶回路272から書き込まれる。
【0052】次の周期では、バッファ271’に保持さ
れたTGC係数が乗算器26に入力され、このTGC係
数とFFT回路25の出力スペクトラムとの乗算が行わ
れ、スペクトラムの振幅がTGC係数倍される。その間
にバッファ271にその次の周期用のTGC係数がTG
C係数記憶回路272から書き込まれる。
【0053】順次このような動作が繰り返される。ここ
で、バッファ271,271’に書き込まれるTGC係
数は順次所定の割合で増加するようになっており、これ
によってTGCが行われる。ここで、乗算器26、バッ
ファ271,271’およびTGC係数記憶回路272
は本発明における第2の補正手段の実施の形態の一例で
ある。
【0054】図6に、周波数ドメインでのTFCを行う
場合の構成例を示す。図6において図2と同様の部分に
ついては同一符号を付して説明は省略する。TFC用の
補正係数(TFC係数)は、1対のバッファ273,2
73’から、FFT回路25のフーリエ変換動作の周期
に合わせて交互に乗算器26に入力されるようになって
いる。
【0055】すなわち、ある周期では、バッファ273
に保持されたTFC係数が乗算器26に入力されこのT
FC係数とFFT回路25の出力スペクトラムとの乗算
が行われ、スペクトラムの振幅がTFC係数倍される。
その間にバッファ273’に次の周期用のTFC係数が
TFC係数記憶回路274から書き込まれる。
【0056】次の周期では、バッファ273’に保持さ
れたTFC係数が乗算器26に入力されこのTFC係数
とFFT回路25の出力スペクトラムとの乗算が行わ
れ、スペクトラムの振幅がTFC係数倍される。その間
にバッファ273にその次の周期用のTFC係数がTF
C係数記憶回路274から書き込まれる。
【0057】順次このような動作が繰り返される。ここ
で、バッファ273,273’に書き込まれるTFC係
数は、スペクトラムの高周波成分に乗じる係数を順次減
少するようになっており、これによってTFCが行われ
る。ここで、乗算器26、バッファ273,273’お
よびTFC係数記憶回路274は本発明における第2の
補正手段の実施の形態の一例である。
【0058】なお、TGC係数とTFC係数の積を記憶
するようにすればTGC係数記憶回路272とTFC係
数記憶回路274を別体のものとせず1個のものにする
ことができ、また、バッファ271,271’および2
73,273’も1対で済ますことができる。さらに
は、それらの係数と前記の分散補正係数との積を総合補
正整数とし、それを共通の記憶回路に記憶するようにし
ても良い。これは共通化により回路構成を簡素化する点
で好ましい。
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、課題を解決
するための第1の発明によれば、周波数ドメインにおい
て超音波探触子の往復分散性に関する補正を行うように
したので、精密な補正を容易に行うことができ、それに
よって距離分解能の良い撮像を行う超音波撮像方法を実
現することができる。
【0060】また、課題を解決するための第2の発明に
よれば、周波数ドメインにおいて超音波探触子の往復分
散性に関する補正を行うようにしたので、精密な補正を
容易に行うことができ、それによって距離分解能の良い
撮像を行う超音波撮像装置を実現することができる。
【0061】また、課題を解決するための第3の発明に
よれば、周波数ドメインにおいて超音波探触子の往復分
散性に関する補正を行うようにしたので、精密な補正を
容易に行うことができ、それによって距離分解能の良い
撮像を行う超音波撮像装置を実現することができる。さ
らに、周波数ドメインにおいてエコー反射点の深度に応
じた補正を行うようにしたので、TGCやTFCを行う
ことができ、それによって、被検音場の深部まで明瞭な
撮像を行う超音波撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置における送受
信部のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明図
である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置のための較正
装置の概念図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置におけるTG
C手段のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置におけるTF
C手段のブロック図である。
【図7】探触子の特性を示すグラフである。
【図8】探触子の特性を示すグラフである。
【図9】探触子の特性を示す波形図である。
【符号の説明】
10 超音波プローブ 11 振動子 20 送受信部 30 画像生成部 40 表示部 21 駆動回路 22 送受切換器 23 増幅回路 24 A/D変換器 25 FFT回路 26 乗算器 27 補正係数回路 28 iFFT回路 29 補正係数演算器 271,271’,273,273’ バッファ 272 TGC係数記憶回路 274 TFC係数記憶回路 OBJ 被検体 WTB 水槽 ABS 吸音材 TGT 標準反射体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波探触子により被検音場に広帯域の
    超音波を送波すると共にそのエコーを受信し、エコー受
    信信号に基づいて画像を生成する超音波撮像装置であっ
    て、 前記エコー受信信号をフーリエ変換によって周波数ドメ
    インの信号とする第1の変換手段と、 前記周波数ドメインの信号について前記超音波探触子の
    往復分散性に関する補正を行う補正手段と、 前記補正後の信号を逆フーリエ変換によって時間ドメイ
    ンの信号に戻す第2の変換手段と、 前記時間ドメインの信号に基づいて画像を生成する画像
    生成手段とを具備することを特徴とする超音波撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 超音波探触子により被検音場に広帯域の
    超音波を送波すると共にそのエコーを受信し、エコー受
    信信号に基づいて画像を生成する超音波撮像装置であっ
    て、 前記エコー受信信号をフーリエ変換によって周波数ドメ
    インの信号とする第1の変換手段と、 前記周波数ドメインの信号について前記超音波探触子の
    往復分散性に関する補正を行う第1の補正手段と、 前記周波数ドメインの信号についてエコー反射点の深度
    に応じた補正を行う第2の補正手段と、 前記補正後の信号を逆フーリエ変換によって時間ドメイ
    ンの信号に戻す第2の変換手段と、 前記時間ドメインの信号に基づいて画像を生成する画像
    生成手段とを具備することを特徴とする超音波撮像装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2の補正手段は、タイム・ゲイン
    ・コントロール(TGC)又はタイム・フリークエンシ
    ・コントロール(TFC)を行うことを特徴とする請求
    項2に記載の超音波撮像装置。
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